あらすじ:
ヒットメーカー、レニー・ハーリンが生み出した海洋生物パニック・アクション。太平洋上に建造された巨大な海洋医学研究施設アクアティカでは、凶暴なサメの脳組織から新薬を製造する研究が進められていた。だが研究を急ぐあまり、責任者であるスーザン博士はDNAを操作、その結果サメは巨大化しただけでなく高度な知能までも手に入れてしまった。やがて、太平洋に猛烈な嵐が来襲、トラブルが重なって施設内に殺戮マシーンと化したサメが侵入してしまう。
『ディープ・ブルー(Deep Blue Sea)』予告編
『ディープ・ブルー(Deep Blue Sea)』シングメディア編集部レビュー
おそらくサメ映画ファンであれば、一度は鑑賞した経験があるであろう作品『ディープ・ブルー』。
1999年公開の作品ということもあり、画質自体は多少古いものの、スピード感あふれるシーンが続くため今見ても楽しめる作品です。特に意外な展開で幕をとじたラストには、誰もがド肝を抜かれたのではないでしょうか。
しかし『ディープ・ブルー』には、その他にも従来のサメ映画作品とは一味違う部分がたくさんあるのです。
そこで今回は『ディープ・ブルー』の改めて鑑賞する際にチェックしたい二度見ポイントについてご紹介したいと思います。
3つの二度見ポイント
「ディープ・ブルー」の二度見ポイント1:従来のサメ映画より怖くないのに怖い
まず何と言っても『ディープ・ブルー』の特徴は、従来のサメ映画より怖くないのに怖いという部分にあります。
すみません、日本語になっていませんよね。でも嘘はついていません。本当に怖くないのに怖い不思議な感覚を味わえる作品なのです。
従来のサメ映画とは違う怖さがある
そもそも今作は、次々に登場人物たちがサメに襲われていくものの、サメ自体はCG感満載で、襲われた人の手足なども作りもの感満載。それもあり、従来のサメ映画と比較しても目をそらしたくなるほどのグロテスク描写はあまり登場しません。
しかし違った意味で恐怖を感じるシーンが多々あるのです! きっと一度でも鑑賞した経験のある方であれば、今作を見ている最中に何度かはドキッとするシーンがあったはず。
その不思議な恐怖感を抱いてしまう理由は、映像技術による演出にありました。
リラックス気分で見ているときに突然驚かされる恐怖
サメ映画の中には、近くまでサメが寄ってきた際に不安をあおるBGMで恐怖を演出する作品もあります。
しかし今作はサメが近寄ってきたり、姿を見せたりしても特に恐ろしいBGMが流れることもなく、登場人物たちが悲鳴をあげることもほとんどありません。
そのためサメの姿が見えても「おお~サメ様の登場だ!」くらいの軽い気持ちで鑑賞できるのですが……。
突然ビクッとさせられる瞬間が多々あるのです。リラックス気分で見ていたところで、突然肩がビクッとしてしまうシーンが入ってくるのです。
特に麻酔を打ったはずのサメが一瞬跳ね上がるシーンや、浸水した部屋にもぐるカーターたちの目の前にいきなりブレンダの死体が現れたシーンは、誰もがドキッとさせられてしまったのではないでしょうか。
また仲間を説得していたラッセルの後ろから突然サメが現れ、彼を海中へと引きずり込んでいった瞬間は、もはやトラウマレベルで恐怖を抱いたシーン。
このように今作は、予想外のシーンで驚かされる展開が繰り広げられてくるため、怖くないと安心しきって鑑賞している側を一気に恐怖に陥れるのです。
スローモーション技術により強く印象付けられる恐怖
また今作の中で恐怖をあおるために使用されたのが、スローモーション技術。
ジムの腕がサメに引きちぎられた瞬間。
衝突したヘリによってアクアティカの施設が大爆発を起こす瞬間。
サメにより壊された窓からアクアティカの中に大量の海水が流れこんでくる瞬間。
これらすべてのシーンがスローモーションによって演出させられているのですが、スローで見せられるからこそ、登場人物たちの悲痛な表情や爆発の威力、海水が勢いよく流れ込む様子が強く印象に残ってしまうのです。
その強い印象が頭の中にはっきり画で残ってしまうからこそ、鑑賞を続けるごとに徐々に恐怖度も高まってくるのです。
映像技術に注目しつつ改めてドキドキしては?
序盤は、「サメ映画の中でもそこまで怖くないかな」と気を抜いて鑑賞をしていると、中盤以降からどんどんドキッとさせられる展開が続いてくる『ディープ・ブルー』。もう終盤にかけては「次は誰がやられてしまうのか」とヒヤヒヤしながら鑑賞することになります。
そんな怖くないのに怖いという不思議な現象は、不意打ちにおとずれる恐怖やスローモーション技術によって演出されていたのです。
二度見ではそんな映像技術も頭に入れつつ、改めてドキドキさせられてみてはいかがでしょうか。
「ディープ・ブルー」の二度見ポイント2:独特のカメラ視点がもたらす恐怖と絶望感
映像技術はさることながら『ディープ・ブルー』はカメラ視点も独特で、従来のサメ映画とは違った部分もあります。
そんなカメラ視点にも注目して見ると、二度見ではまた違った見方ができるかもしれません。
高度な知能を持ったサメ視点の映像
サメ映画のカメラ視点において欠かせないのが、サメ目線から見た映像。
深海の中から海水浴場にいる人々を見つめたり、登場人物の後ろから迫ろうとしたりするサメ視点が描かれることで、一気に不安や恐怖をあおる演出も珍しくはありません。
もちろん今作にもそのようにサメ視点から見える画が数多く登場しています。
しかし他の作品と違うのは、今作に登場するサメが遺伝子操作により人間以上の高い知能を持ったサメであるということ。
そのためサメ視点の映像を見てみるとよくわかるのですが、一直線に目的の場所を目指し、サメが何をしようとしているのかがはっきりわかるのです。
そんなサメ視点を見ていると「今登場人物たちが逃げ込んだ場所の扉を開けようとしている」など次の展開が何となく読めつつも、具体的には一体何が起こるかわからないため、むだにハラハラドキドキさせられてしまうのです。
あえて真上から撮影したシーンがもたらす不安感
またサメ映画では海の中から映し出した映像や、サメのひれだけが海水から見えるシーンなどがお決まりではあります。
今作でもそんなお決まりシーンは多数登場します。
しかし意外と多いのが真上から撮った画のシーン。
冒頭でボートに乗る4人の男女がサメに襲われかけるシーンでは、海中からのサメ視点と合わせ、真上から見た映像も映し出されているのですが、真っ暗闇の中、広大な海の上に一隻のボートが浮かぶ様子を真上から見ると、何とも言えない不安感が襲ってくるのです。海中から見た映像とはまた違った不気味さがあるのです。
またアクアティカにヘリがぶつかり大爆発を起こした際も、爆破の威力をスローモーションで真上から撮影しています。ゆっくりと徐々に空へとあがってくる爆炎。最後は画面いっぱいが炎に包まれ、アクアティカが全滅したのでは? という絶望感しか残らなくなります。
海を題材としたサメ映画では海中からの映像視点が多い中、今作はあえて真上から撮影することでまた違った恐怖や絶望感を私たちに与えていたのです。
独特のカメラ視点に注目しての二度見鑑賞を
意外なシーンで不思議な恐怖感を抱くことも多い『ディープ・ブルー』。
その正体は他の作品とは一味違う独特のカメラ視点に隠されていたのかもしれません。
二度見ではそんな高度な知能を持ったサメ視点や真上から撮影されたシーンなどに注目してみてください。きっと初見時に感じた不思議な恐怖感の理由がわかるはずです。
「ディープ・ブルー」の二度見ポイント3:突然主人公と化したプリーチャーの序盤に注目
おそらく初見時は誰もが、主人公のスーザンと“サメの番人”と呼ばれるカーターのふたりに注目していたはず。
そしてラストまで鑑賞していた方であれば共感いただけると思うのですが、絶対に料理人のプリーチャー(ダドリー)はモブキャラ扱いで見ていましたよね? いやもう絶対に二番目あたりに退場するキャラだと思って見ていましたよね?
そんな序盤ではモブキャラ扱いを受け、あまり真剣に見ていなかった方も多いであろうからこそ、二度見では序盤のプリーチャーをしっかり見てあげてください!
中盤から終盤にかけて主人公レベルの働きを見せたプリーチャー
ヘリの衝突とサメの襲来により、浸水し始めたアクアティカ。その際、キッチンにいて何が起こったかわからず、ただ施設内を歩き回り状況を把握しようとしていたプリーチャー。何度も言いますが、この時点までは完全なるモブキャラ扱いで、浸水した施設内を動き回っている時点で「もうこいつはサメに襲われるな」というフラグが立ち始めていました。
しかし一匹目のサメと遭遇した際は、相方であるオウムのバードを食べられた敵討ちから爆発でサメを撃破。
そして最後まで残った三匹目のサメも見事に銃で打ちとめ、あっさりと爆発でサメを撃破。
何と三匹中二匹のサメをプリーチャーが倒したのです。いやもう、ほとんど主役級レベルの働きをしているじゃないですか。
この意外過ぎるプリーチャーの活躍もあり、中盤から終盤にかけての展開がおもしろくなってきたのは言うまでもありません。
序盤のプリーチャーを見逃していない?
ただ序盤のプリーチャーはというとほとんど登場シーンもなく、出てきたかと思えば相方であるオウムのバードと冗談を言い合っているだけ。
そしてサメの襲来やアクアティカの爆発でみんながてんやわんやしている中、ひとり状況が読み込めず蚊帳の外状態。
おまけにキリスト教祖である彼は何かと神に誓うものの、事故発生時は「神のおぼし召し」と自分に言い聞かせて、あっさりと禁酒の誓いをやぶります。
そんなおちゃらけたプリーチャーが後にみんなを救うヒーローになるのですから驚きです。
同時にプリーチャーが活躍し始めたあたりからは、一秒たりとも彼から目が離せなかったものの、このように序盤のおちゃらけているシーンはあまり真剣に鑑賞していなかった方もいるはず。そんな序盤では注目度が低かった役であったため、二度見ではぜひ最初の登場シーンから彼にも注目してあげてください。
彼の活躍とともに序盤のかわいい姿にも注目を
初見時は誰もが最後まで残ると思っていなかったプリーチャー。
何ならラストのラストでサメに襲われたシーンにおいて「プリーチャーもここまでか……」と諦めてしまわされた瞬間もありました。
しかし彼は最後まで生き残りました。
今作で一番意外過ぎるラストとなったプリーチャーという存在。二度見では改めて彼の活躍を目にすると同時に、見落としがちだった序盤のおちゃらけたかわいいプリーチャーにも目を向けてみてください。
初見時とは違った恐怖や不安感を抱きつつも楽しんだ鑑賞を
意外な人物が最後まで残ったり予想外の展開が巻き起こったりと、初見でド肝を抜かれた『ディープ・ブルー』。
ただスピード感のある流れで最後まで作品が鑑賞できるため、物語自体はおもしろかったものの、見逃している点が多い部分もあるはず。
そこで二度見以降の鑑賞では、物語だけでなく映像技術や登場人物の細やかな点に注目してみてください。初見時とは違った恐怖や不安感を抱きつつ、さらに楽しんで鑑賞できるはずです。
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