映像制作

HDとFHD(フルHD)の違いって? 画面解像度の基本について

こんにちは、シングメディア編集部です。

「HDとFHDにはどんな違いがあるんだろう?」
「動画制作をする際に画面解像度はどうやって決めたらいいんだろう?」
「画面解像度は高いほうがいいのだろうか?」
「とりあえず高画質な動画を配信しておけば問題ない?」

……なんて疑問やお悩みはありませんか?

HDとFHDは動画のサイズのことで、HDよりもFHDのほうが高画質な画面解像度となります。画面解像度が高くなるほどきめ細かくなめらかな画像となりますが、必ずしも動画制作においてすべて画面解像度を高くする必要はなく、都度使い分けることがおすすめです。

そこで今回は動画制作における「HDとFHDの違いについてと、画面解像度の基本」についてご紹介します。

HDとFHDの違いや画質解像度の基本を知って、動画制作に活かしたい動画制作者はぜひ参考にしてみてくださいね。

まず「HD」と「FHD」とは何か

「HD」と「FHD」とは何か

動画制作をしようと思っている方や興味のある方なら、「HD」と「FHD(フルHD)」という言葉を見聞きする機会は多いでしょう。このHDとFHDとは、動画のサイズのことを指します。

HDは高精細度ビデオという意味で、「ハイビジョン」と呼ばれることも多く、後ほど詳しく説明しますが、解像度は1280×720というサイズです。

一方FHDは「フルHD」「フルハイビジョン」と呼ばれることが多く、解像度は1920×1080というサイズになっています。

mp4のような動画形式による差はなく、またWindowsでもmacでもデバイスによる差もありません。

HDとFHDのそれぞれの詳しい説明は後述しますが、HDとFHDの違いについて一言で結論を述べるなら、サイズからもわかる通り、「HDよりFHDのほうが高画質である」ということが言えます。

「画面解像度」について

画面解像度について

HDとFHDについて詳しく説明する前に、動画制作をする上で覚えておきたい「画面解像度」についての説明をしていきましょう。

画面解像度とは?

画面解像度とは、「1280×720」などと表記され、動画の画素(映像の細かさ)を表すものです。この数字は動画の縦横のピクセル数を指しています。

一画面に表示できるピクセル数が多い=画面解像度が高いということになり、画面解像度が高くなるほど、よりたくさんのピクセルで映像の描写ができるため、きめ細かく滑らかな動画になるのです。

みなさんもギザギザした映像やカクカクした映像を見たことがあるかもしれませんが、それは画面解像度が極端に低いことによるものとなります。昔の映像などがその代表的な例ですね。

高ければ高いほど良いものではない

画面解像度が高いと動画がきめ細かく滑らか=美しい映像になるわけですが、だからと言って画面解像度は高ければ高いほど良いというわけでもありません。

画質が良いに越したことはないように思えますが、その分、使用するデータ量も多くなってしまうのがデメリットです。

実際、画面解像度の低い「HD」よりも画面解像度の高い「フルHD」のほうが2倍もデータ容量を使ってしまいます。データ容量が増えればそれだけネットワークにも負荷がかかり、動画がうまく再生できないこともあるのです。

たとえばテレビ会議で画面解像度を高くすると、データ量が増えてネットワークの許容量を超えてしまう場合も。せっかくキレイな画像で会議をしようと思ったのに、データ量が多すぎて映像が停止してしまうなんてことにもなりかねません。

改めてHDとFHDのメリットとデメリットをまとめると、HDはデータ容量が少ないため負荷が軽く、スムーズな再生ができますが、最新モデルのデバイスではFHDのディスプレイとなっているため、動画を拡大すると画質の粗さが目立ってしまうケースもあります。

スマホに保存した写真を拡大していくほどに画像が粗くなっていくのと同じですね。

一方FHDは動画を拡大してもなめらかできれいな映像となりますが、データ容量が大きくなってしまいます。結果、通信環境によってはスムーズに再生されないなんてことも。

そのため画面解像度は何でもかんでも高くするのではなく、用途に合わせて使い分けるのが賢い方法です。

画質の違い

画質の違い

HDやFHDの他にも、画質の種類にはさまざまなものがあるのでご紹介していきましょう。

なおこれからご紹介する画質について高画質な順に並べると、8K>2K>4K>FHD(フルHD) >HD>SDとなります。動画制作の際やデバイスを選ぶ際にも参考にしてください。

SD

「Standard Definition」の略である「SD」は、標準解像度という意味です。標準とはいえ、現状では一番低い画質となっています。

解像度を示す画素数は720×480(480pと呼ばれることもあります)で、34万5600画素。アナログ放送やDVDに相当する画質です。

スマートフォンの小さい画面で見る場合は画質の粗さは気になりませんが、タブレットやPCで見る場合は画質の粗さが気になってしまいます。

SD画質は現代において一番低い画質であり、だんだんとHD画質への移行が進んではいるものの、動画配信サービスによってはSD画質の動画もまだ多く存在しているのが現状です。

HD

「High Definition」の略である「HD」は、高精細度ビデオという意味です。

画素数は1280×720(720pと呼ばれることもあります)で、92万1600画素。地デジよりもやや劣る画質となっていますが、動画サービスの中でもHD画質の動画が多く扱われています。

タブレットやPCで見るときれいに視聴でき、大画面のテレビで見ても特に不満はないと思いますが、ブルーレイに比べると少し粗く見えるため、やはり画質が劣ると感じるでしょう。

FHD

「Full High Defintion」の略であるFHD(フルHD)は、一般的にフルハイビジョンと呼ばれており、現在の主流画質がFHDです。

これまで「2K」と呼ばれることもありましたが、「2K」は後から別の画質として出てきたため、現在ではこの呼称で呼ばれることはなくなりました。

画素数は1920×1080(1080pと呼ばれることもあります)で、207万3600画素。ブルーレイ画質がFHDにあたります。

YouTubeでは2009年からFHDに対応しており、現在ではほとんどの動画がFHD対応となっています。

2K

「Quadruple HD」「Wide Quad-HD」の略で「WQHD」や「QHD」とも表記されることがある「2K」。

画素数は2560×1440(1440pと呼ばれることもあります)で、368万6400画素。これはHDの2倍サイズに相当します。

FHDと2Kが混同されて使われていることも多いため、注意が必要です。本来、FHDのディスプレイであるにもかかわらず「2K」と表記されていることもあるため、解像度(画素数)でFHDのことなのか2Kのことなのかを見極めるようにするといいでしょう。

なお2Kはスマートフォンでは搭載されている機種がまだ少なく、タブレットでたまに見かける画質となっています。

4K

「Ultra High Definition」の略で「UHD」「ウルトラハイビジョン」とも言われる「4K」は、超高精細な画質です。

画素数は3840×2160(2160pと呼ばれることもあります)で、829万4400画素。これはFHDの約4倍に相当する解像度です。

近年、テレビのサイズが大きくなったため、大画面でも綺麗な映像が見られる4Kが注目を集めています。まだ少ないですが、4K対応のスマートフォンも発売されており、ハイエンドな機種に搭載されるようになってきました。

WOWOWなどでは「4K放送」も始まっており、4K放送では従来よりも色域が広がり、より鮮やかな色彩表現が可能となっています。それに伴い、よりリアルな映像体験ができるのが魅力です。また大画面テレビで見ても細部までくっきり見えるのは4Kならではと言えるでしょう。

ちなみに「4K動画」と言うと、4K対応の機器で撮影して配信されている動画のことを指します。

8K

「8K Ultra High Definition」「Super High-Vision」の略で、「8K UHD」「SHV」とも呼ばれる「8K」は、超高解像度・高精細映像の画質です。

画素数は7680×4320(4320pと呼ばれることもあります)で、3317万7600画素。これは4Kの4倍、FHDの16倍にも相当する画質です。

家庭で「究極の映像の臨場感」を実現するために生まれた8Kは、2017年に民生用のものが登場し、2018年に8K衛星放送が開始。現在、各テレビメーカーでは8Kテレビの製造に力を入れており、徐々に製品数を増やしています。

なお8Kは現在最高画質となっており、現時点において「高画質テレビの最終形」とも言われています。

また4Kとの違いを実感するためには40~60型のテレビが必要になりますが、価格が高いこともあり、まだほとんど普及していないのが現状です。

注意! 動画の画質にデバイスが対応していなければ意味がない

動画の画質とデバイスの関係

ここで注意しておきたいのが、デバイスが動画の画質に対応していなければ意味がないということです。

たとえば、4KディスプレイでFHD動画を見た場合、FHDの画質でしか見ることはできません。4Kディスプレイで見れば、どんな画質の動画も4Kで見られるということではないのです。

つまり4K動画を4Kディスプレイで見ることで、4K動画を楽しむことができるということ。よって、わざわざ高画質な動画を撮影・配信したとしても、ユーザー側がそれに対応していないデバイスで見た場合、あまり意味がないのです。

またパソコンのディスプレイで表示できる解像度には上限があるということも知っておきましょう。一般的には、解像度の上限はディスプレイの大きさに比例するため、より高い解像度で動画を見たい場合は、大きなディスプレイのものを購入するのがおすすめです。

それぞれのディスプレイで表示できる解像度の上限は取扱い説明書に記載されているため、そちらを確認してから購入しましょう。

動画を撮影・配信する時の解像度はどうすべき?

動画を撮影・配信する時の解像度の決め方

動画を再生するディスプレイの解像度が動画の画質に対応していなければ意味がないとなると、インターネットで動画を配信する際に解像度をどう決めればいいのか悩みますよね。

それに、動画の解像度は動画配信に大きな影響を与えるものでもあるため、適切なものにする必要があります。

そこで動画を自身で撮影・配信する場合、解像度はどうすればよいのか考えるときに必要な観点をご紹介します。

多くの人が視聴する解像度から考える

動画を撮影・配信する際の解像度の決め方として、多くの人が視聴する解像度から考えるというのも大切なことです。

statcounter.com」というサイトが公表している2017年11月~2018年11月における日本で利用されているデスクトップモニターの画面解像度統計によると、最も多いのが約25.6%でフルHDとなっています。そして13%が1366×768、8.2%が2560×1440の解像度モニターを使っているという結果でした。

この結果から、フルHD以上の映像でなくても問題なさそうだということがわかります。

またスマートフォンでは画面が小さいため、動画をフルHD以上の画面解像度にしてもあまり意味がないようにも感じます。高画質にすればするほどデータ容量が大きくなり、特にモバイル環境では視聴に負荷がかかってきてしまいますから、その点も考慮したほうがいいでしょう。

ただし、スマートフォンなどに用いられる最新の通信規格「5G」時代の到来によって通信速度が高速になった今、今後4Kや8Kのような大容量動画もスムーズに視聴できる環境が一般的になっていけば、動画には今よりもクオリティを求められることになるかもしれません。

動画の性質から考える

またどの程度、映像にこだわるべきかどうかは動画の内容にもよっても異なります。

たとえば美しい風景やスポーツ映像など、ビジュアルに訴えることが大事なものであれば、画質もそれなりに高画質なものにするべきでしょう。

一方でセミナー動画やインタビュー動画など映像の美しさが注目ポイントでない場合は、画質を落として容量を軽くすることを優先してもいいでしょう。

動画を視聴する人にとってその動画の内容がどの程度、画質を問題とするのかを考えた上で、解像度を決めるというのもおすすめです。

動画クオリティは大事だが画質をとにかく上げるのが正解ではない

動画の画質についてのまとめ

テレビで配信する動画なら4K、8Kなど高画質にこだわるのも無理はないですが、自分で撮影した動画を配信するのはおそらくインターネットとなるでしょう。

動画のクオリティは大事ではあるものの、「とにかく綺麗に見せたい」からといって、画質を上げると容量が重くなってしまうため、インターネットで動画配信を行う際は注意する必要があります。

スマートフォンでの動画視聴をする人が急増している今、画質の美しさだけではなく、スムーズに視聴できることも考慮しなければならないのです。

自分の制作した動画でのアピールポイントはどこかを考え、画質はどの程度が妥当なのかを判断しましょう。


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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。