あらすじ:
スカウトに所属する3人組とタフなバーのウェートレスが、ゾンビに侵食されたのどかな町で人類を救うため、スカウトで培った技術を生かして名誉のために奮闘する。
『ゾンビーワールドへようこそ』予告編
『ゾンビーワールドへようこそ』シングメディア編集部レビュー
今も昔も変わらず、世界中の人々を魅了し、さまざまな名作を世に送り出してきたゾンビ作品。その多くが、生き残った主人公が勇敢にゾンビに立ち向かっていく! という、アクションホラーである場合が多いのですが……。
中には、王道とは一味違うゾンビ作品も存在します。それが今回ご紹介する『ゾンビーワールドへようこそ』です。もう邦題の時点から、B級映画臭がぷんぷんしております。
しかし、B級映画だからといって、侮ってはいけません。こちらの『ゾンビーワールドへようこそ』は、ボーイスカウトに所属する男子高校生三人と、めちゃくちゃカッコイイ女性ウエイトレスが、人類を救うため、ゾンビと戦う物語なのですが、とにかく本気で笑えます。その意外性もあり、口コミで多くの高評価を得ている作品でもあるのです。
そんな知る人ぞ知る作品であるため、すでにご覧になったゾンビ映画ファンの方も多いはず。ただ、『ゾンビーワールドへようこそ』には、じっくり鑑賞しないとわからない、細かすぎるポイントも多々あるのです。
そこで今回は、何度見ても笑えるコメディ映画『ゾンビーワールドへようこそ』の二度見ポイントについてご紹介したいと思います。
「ゾンビーワールドへようこそ」の二度見ポイント1:ゾンビの細かい動きがとにかくすごい!
まず、今作を見て誰もが真っ先に思うであろうこと。それは、ゾンビたちの動きが俊敏すぎるという点。
速い、とにかく速い。「こんなの逃げ切れるわけないだろう」という絶望レベルでゾンビたちの動きが速すぎるのです。
といいますのも、不気味なうめき声をあげ、ノロノロと近づいてくるオールドタイプのゾンビとは違い、『ゾンビーワールドへようこそ』に登場するゾンビは生前の記憶が残っているタイプ。そのため、動きも人間時代とさほど変わらないのです。
そんなゾンビの速さにばかり目がいきがちの今作ですが、実は、その他の行動にも人間らしい部分が! 中でも特にすごいのが、ゾンビたちの空気を読む能力と無意識の行動です。
ソンビ化しても隊員の声に耳を傾ける隊長
今作では、ボーイスカウトに所属するカーター、ベン、オギーの三人が中心となり、物語が進行していくのですが、実はこの日、三人とスカウトの隊長であるロジャースを含む四人が山でキャンプをする予定だったのです。
しかし、待ち合わせのキャンプ場に向かう山の中で、ロジャース隊長はあっけなくゾンビ化してしまいます。
そんなこととはつゆ知らず、いつまで経っても現れないロジャース隊長を心配し、夜中に彼の家を訪れるオギー。すると、そこには人間時代の帰巣本能から自宅に帰ってきたロジャース隊長の姿が! もちろんゾンビ化した状態で!
これにはオギーも、何が起こったか理解できず、パニック状態になりながらも、家中を逃げ回ります。そんなオギーを全力で追いかける、ゾンビ・ロジャース隊長。怖い、怖すぎる。
そして、パニックになったオギーは、とりあえず、暴れ狂うロジャース隊長をなだめようと、「きっとアレルギーか何かだ、医者に診てもらいましょう」と、ロジャース隊長に提案してみることに。とはいえ、相手はゾンビ。彼の声に耳など傾けるはずもなく……。
と、思いきや、しっかりと立ち止まり、オギーが話し終えるまで、彼の話をきちんと聞いてくれるロジャース隊長。めちゃくちゃ空気を読む良い人……、いや、良いゾンビじゃないですか。
自撮り写真にも決め顔で応えてくれるゾンビたち
さて、オギーとロジャース隊長が家中で攻防戦を繰り広げている頃、残りのボーイスカウトメンバーであるカーターとベン、そして途中で出会ったウエイトレスのデニースは、助けを求め、保安官事務所に駆け込むものの、そこはすでにもぬけの殻。その後、追いかけてきた大量のゾンビから逃げるきるため、檻の中へと避難。
しかし、安全な檻の中に入り、九死に一生を得たとはいえども、それ以上の逃げ場はなく、周りをゾンビたちに囲まれた三人はまさに袋の鼠状態。檻の穴からも無数のゾンビの手が伸びてきます。
……が、しばらくすると、三人とも諦めムードになってしまったのか、座り込んでどうでもいい雑談を繰り広げます。
そのとき、ゾンビたちがどうしていたかというと、ひたすら檻の周りをゆっくり徘徊し、極力、三人の会話を邪魔しないようにただただ静かに過ごしていたのです。めちゃくちゃ空気を読んでくれている。
おまけに、この状況であっても、SNS大好き人間のカーターは、SNSに投稿するために、ゾンビたちとの自撮り写真をばんばん撮り始めます。それに応えるかのように、しっかりカメラ目線で決め顔をつくってくれるゾンビ。いや、本当、めちゃくちゃ空気が読めるじゃないですか。
無意識に手が出てしまったソンビの反射神経
その後、ロジャース隊長との攻防戦に勝利したオギーが、檻に閉じ込められた三人を救出しに来てくれるのですが、その際、もれなく車の盗難アラームを鳴らし、大勢のゾンビたちを引き連れてきてしまいます。ええ、ゾンビ作品あるあるですね。
そして、全力疾走で保安官事務所の中に逃げ込むオギー。そんな彼を追いかける無数のゾンビたち。
その瞬間、ご注目いただきたいのですが、ひとりのゾンビがその場に転がっていたコーンに思いっきり躓きます。その反動で、思いっきりよろけます。
で、躓いたはずみで転がっていたコーンがきれいに立ち上がるのですが、彼は反射的にそのコーンを左手で支えようとしてしまったのです。
まさしく、生前の記憶が残っているタイプのゾンビだからこそできる、この無意識で行われる行動。完全にゾンビ化してしまう他の作品では、まず、拝めないであろうソンビの行動です。
ゾンビの細かい動きに注目するとさらに楽しめる
そのほかにも、走ったら絶対に速いはずなのに、主人公たちの会話中だけはゆっくりと近づいてくれるゾンビがいたり、ゾンビ化したストリップバーの用心棒が、焦りから妙にまばたきの回数が増えてしまったりと、いたるところで、ゾンビたちの空気を読む能力の高さと、無意識の行動が垣間見える『ゾンビーワールドへようこそ』。
二度見の際は、ぜひ、そんなゾンビたちの細かい動きにも注目してみてください。
「ゾンビーワールドへようこそ」の二度見ポイント2:オギーに注目すると彼の印象が大きく変わる
さて、『ゾンビーワールドへようこそ』では、ゾンビ化した人々の細かい動きもさることながら、人間側もかなりキャラの濃い方ばかりが登場しています。
ゾンビに追われている深刻な状況であるにもかかわらず、ところどころで恋愛フラグを立てまくるベン。基本的に女の子とSNSのことしか頭にないカーター。そして、姉御肌のデニース。
さらには、カーターの恋敵は、何とあのアーノルド・シュワルツェネッガーの息子であるパトリック・シュワルツェネッガー!
と、キャラの濃い方が数多く登場していますが、筆者といたしましたは、二度見の際は、あえてオギー目線で鑑賞してみると、初見時とは、また違った楽しみ方ができるのではないかなと思います。
序盤ではただのスカウトオタクでしかないオギー
ぽっちゃり体系でスカウトオタクのオギー。それもあり、序盤では「ダサいスカウトなんて辞めて、女の子との青春を楽しみたい」というカーターから裏切りともとれる行為をされてしまいます。
その後、怒りから「じゃあ勝手にしろよ」とスネてしまい、一度は、カーターとベンに絶交宣言を果たすのですが……。
でも実はオギー、三人の中で一番優しい子で、かつ、ゾンビ退治にいたっては、めちゃくちゃ高い能力を発揮するのです。
実は優しさのかたまりであるオギー
たとえば、ソンビ化したロジャース隊長に襲われた際は、たまたま地下室にあったスプレー缶とガスライターを使い、隊長を丸焼き状態にして死闘を潜り抜けます。
そこで、とどめをさすのか。もしくは、この隙に立ち去るのか。と思いきや、オギーがとった行動はボロボロになったロジャース隊長を椅子に縛りつけて、とりあえず生かしておくというもの。
おまけに、隊長を椅子に縛り付けている際も、「火を放ったりしてすみません、軽症だといいけど」と、冷静に謝罪。いや、目の前にいるの自分を食べようとしていたゾンビだからね。
しかし、たとえゾンビになろうと、長年慕うロジャース隊長への尊敬の意は忘れないオギー、優しすぎません?
実は誰よりも頼りになるオギー
その後、檻の中に閉じ込められた三人の元へと駆け付けるオギー。
ベンの「何でここに?」という疑問に「裏切り(者)の臭いがぷんぷんしたからね」と嫌味は言うものの、お得意のピッキングで自分を裏切ったかつての友人たちを助けてあげるのです。
また、終盤のゾンビとの大乱闘では、ホームセンターに置いてあるアイテムを使い、三人それぞれが自作した武器を手に戦います。
その際、さまざまなアイテムを組み合わせて、定番の刃物や銃タイプの武器を作成したベンとカーター。一方、オギーはというと、一見、殺傷力の低そうな武器を持っていたのですが……。
なんと、実際にゾンビ退治に入ると、オギーの武器が一番優秀であることが発覚。一発でゾンビ一匹しか仕留められないベンやカーターの武器とは違い、オギーの武器は一発でゾンビ三匹を楽々と仕留めてしまう。これには、ベンとカーターも言葉を失い、オギーもちょっとドヤ顔。
そんないたるところでボーイスカウトにて培った能力を発揮してくれるオギー、頼りになりすぎません?
とにかくいい奴すぎるオギー
おまけにラストシーンでは、主人公のベンがまさかのあの子と両想いになるのですが、嫉妬ややるせなさから、悔しそうな表情を浮かべるカーターの隣で、飛び跳ねながら拍手し、心からふたりを祝うオギー。何ていい奴なんだ……。
ただ、優しくて頼りになるだけでなく、他人の幸せを自分のことのように喜べるとか、本当にオギー、いい奴すぎません?
ラストシーンは嫉妬に狂うカーターの発言や行動に目がいきがちですが、オギーの一挙一動にも目を向けてみてください。
……と、そんな優しさも頼りがいも兼ね備えた、めちゃくちゃいい男であるオギー。二度見では、彼に注目してみると、オギーの印象も初見時とは大きく変わってくると思います。
「ゾンビーワールドへようこそ」の二度見ポイント3:初見時に見落としがちな細かいポイント
ゾンビ側も人間側も見どころ満載である、『ゾンビーワールドへようこそ』ですが、今作は本当に細かい部分にまで注目すべきポイントがたくさん隠されているのです。
そして、そのように細かすぎる部分に関しては、おそらく初見時には見落としている方も多いはず。
そこで二度見をする際は、これからご紹介いたします、細かいけど気づくとちょっと笑えるポイントにも目を向けてみてください。
ブラウン管に張られた謎の日本語シール
映画が始まり、まだ10分も経過していない序盤中の序盤では、ボーイスカウトのメンバーを募集するためのPR動画が流れるシーンがあります。
ただ、このPR動画、驚くほど画質が古い。ロジャース隊長と三人が出演しているPR動画なのですが、「いや、これいつの時代に撮影したんだよ」と、思わずツッコミたくなってしまうほどの画質の古さ。
しかし、それもそのはず。このPR動画、今となっては懐かしいブラウン管テレビを使って流していたのです。
そして驚くことなかれ。なんと、このブラウン管テレビの左下に、まさかの日本語で「テレビ」と書かれたシールが貼られているのです。なぜだ、アメリカ映画のはずなのに、なぜ日本語が。
ただそれだけのことなのですが、気がつくと、そこにばかり目がいってしまい、その謎さからフフッと笑えてしまいます。
意外過ぎるオギーのトイレットペーパーの使い方
ロジャース隊長と連絡が取れず、心配したオギーが隊長の家を訪ねた際、彼はお腹を壊してしまいます。
そこで、隊長の家のトイレを借りることにしたのですが、落ち着いて用を足すオギーの後ろから、ゾンビ化したロジャース隊長が近づいてくる! それに一向に気が付かないオギー!
そんなドキドキハラハラから、思わず、後ろから徐々に迫ってくるロジャース隊長に注目してしまうシーンではあるのですが。
よく見ると、オギーのトイレットペーパーの使い方がおかしい。適当な長さのトイレットペーパーを手にとったかと思えば、それを一枚一枚ミシン目で切り分けて、重ねていく。
そして、そのまま重ねた状態で使うのかと思えば、まさかの一枚ずつ使っていくというスタイル! 絶対に危険! 小さい方ならまだしも、大きい方であれば、なおさら危険!
いや、人様のトイレットペーパーの使い方に口を出すのもどうかとは思います。それにもしかすると、筆者が知識不足なだけであり、海外ではこのような使用方法も珍しくないのかもしれません。
しかし、日本人からすると、ちょっと珍しくもあり、なおかつ、きれいにふき取れているのか不安になるこのオギースタイル。後ろから迫ってくるロジャース隊長とは、また違った意味でのドキドキハラハラ感が味わえます。
見た目からは想像できないカーターの美声
ロジャース隊長との攻防戦、保安官事務所の檻からの脱出を経て、何とかゾンビ地帯から抜け出した三人とデニース。
そんな三人の目の前に突如現れた、一匹のゾンビ。普通であれば、ここから再びゾンビとの闘いが始まるのですが、またこのゾンビさんも変わっていて、まったく襲ってくる気配がないどころか、なぜかオギーのものまねを繰り返します。いや、かわいすぎるでしょ。
そしてオギーは、このゾンビがブリトニー・スピアーズのTシャツを着ていることから、彼が生前、ブリちゃんの大ファンであったと憶測し、彼女のデビュー曲『Baby One More Time』を歌い始めるのですが……。
なんと、ゾンビも一緒にブリトニーを大熱唱。そこにカーターも加わり、三人で気持ちよく大熱唱。おそらく、誰も予想できなかったこのぶっとび展開。そりゃ、そばで見ていたデニースも「私、幻覚を見ている?」とベンに確認したくもなります。
……と、『ゾンビーワールドへようこそ』の中でも、強烈なインパクトを与えたこのシーンですが、実は、よく聞いてみると、カーターの声量がかなりすごい。おまけに、意外と美声。しかも、字幕と吹き替え、どちらのカーターもいい声で歌っているのです。
特にサビ部分の「and I~!」というコーラスでは、そのすごさが実感できます。
ゾンビとのデュエットというめちゃくちゃな設定に気をとられてしまいがちですが、二度見では、そんなカーターの美声にも耳を傾けてみてください。
一度目は頭を空っぽに、二度目は細かい部分に注目しての鑑賞を
最高にくだらなくて、思いっきり笑えるB級映画『ゾンビーワールドへようこそ』。
ゾンビ映画であるにもかかわらず、ホラー独特の怖さは一切なく、シュールな笑いから、男子中学生が喜びそうな下ネタギャグまで満載の作品となっております。
本作を見るに至ってのポイントは、一度目の鑑賞では、頭を空っぽにして、ただ作品の世界観を楽しむ。
そして、二度見の際は、初見では気づかなかった細かい部分に目をやってみると、笑いだけでなく、驚きや感動といった新たな発見が見つかるはずです。
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