YouTubeで料理チャンネル『たくや食堂』をプロデュースしています、田口将伍です。
僕がテレビ番組制作の仕事をしていたときにお世話になった放送作家・辻井宏仁さんから声をかけていただいたことがきっかけで、『たくや食堂』の制作が始まりました。
この『たくや食堂』には、僕自身を含めて関わっている人すべての熱い思いが込められており、また僕にとっては大きなブレイクスルーとなった案件でもあります。
今回はそんな『たくや食堂』誕生のきっかけや背景、制作に込めた思いなどを語っていきたいと思います。
『たくや食堂』制作の経緯
そもそも『たくや食堂』の制作プロジェクトが始動した時点では、僕は部外者。辻井さんの一言がなければ、参加できていませんでした。
辻井さんは神戸出身で、昔、彼が働いていたお店が『たくや食堂』の出資元である「KayaGroup」の手掛ける飲食店の1号店だったんです。
KayaGroupの小山社長とたくやさんが1号店を出店して二人で頑張っているときに、アルバイト1号として入ったのが辻井さん。なんだか運命的なものを感じますよね。
それから十何年かけて16店舗くらいまで成長したところで、小山社長が「YouTubeをやりたい」と思ったそうです。
後に僕が小山社長から伝えられたYouTubeチャンネルを開設した目的というのは、収益化や集客化ではなく、たった一つの熱い思い。
「たくやをスターにしたいんや、俺は!」
というものでした。
自分の右腕として長年頑張ってくれているたくやさんを何とか有名にしたい、スターにしたいという小山社長の熱い思いが『たくや食堂』には込められているのです。
そんな一大プロジェクトを始動する際、小山社長が思い出したのが、以前、自分のお店でアルバイト1号として働き、現在は放送作家として活躍している辻井さんの存在。
そこで辻井さんに連絡がいき、辻井さんが『たくや食堂』の運営メンバーとして加入することが決まります。
そのときには既に制作の人やカメラマンの人も決まっていた状態。
しかし辻井さんは制作会議を行う中で、「ヤバい、これじゃいいものが作れない!」と直感したそう。
そこで辻井さんは小山社長に、「僕がやるなら、どうしてもメンバーとして入れたい人がいます!」と直談判。
その結果、ありがたいことに僕に声がかかり、プロデューサーとして入ることになりました。
放送作家・辻井さんの存在の大きさ
『たくや食堂』を制作する上で、僕にとって辻井さんの存在はとても大きなものです。
辻井さんと一緒に仕事をするようになり、チームというものができました。
今まで一人でやっていたときはいろいろアイデアが出てきてもそれをうまく形にできなかったり、思いだけが先行してしまったりしていたんです。
それが辻井さんが入ることによってハンドルを切ってくれたりブレーキをかけてくれたりする存在ができた。だから辻井さんの存在はすごく大きいんです。
今では二人で営業として、「こういうコンテンツ作れますよ」「こういうのどうですか?」と企画をどんどん上げていけるようになりました。
『たくや食堂』の話を持ってきてくれたことはもちろんですが、僕がやりたいことを実現する力を与えてくれたという点でも、辻井さんにはとても感謝しています。
『たくや食堂』演出のポイント【コロナ前】
YouTubeチャンネル『たくや食堂』を制作する上でこだわっているのは、これは小山社長のこだわりでもあるのですが、料理人であるたくやさんの調理工程における美しい所作をしっかり見せること。
たくやさんは食材を切ったり焼いたりするなどの所作一つひとつがすごく美しいので、料理の作り方がかっこよく、きれいに見えるようこだわっています。
とはいえ、これはコロナ前のこと。後述しますが、コロナ後は演出のこだわりポイントが少し変化しました。
新型コロナの到来でピンチに
小山社長をはじめ、多くの人の思いが込められている『たくや食堂』。
チームで一丸となり、「この『たくや食堂』というチャンネルを育てていこう」と決意し、いろいろ試行錯誤しながらもちょっとずつ育ってきたなというところで、コロナが来てしまいました。
コロナのせいで撮影もできないし、コンテンツが増やせないためチャンネル登録者数も増えない。
しかも『たくや食堂』の出資元は飲食企業ですから、コロナの影響をもろに受けてしまっているため、YouTubeチャンネルだけでなく母体自体もヤバいということに!
「ああ、もうこれはこのまま終わるのかな……」と諦めかけていたとき、「KayaGroup」の小山社長から思いがけない言葉をいただいたんです。
「お前がここまで一生懸命やってくれたのを知っているから、俺はこの事業をずっと続けていきたいし、会社の基幹事業だと捉えてる」と。
小山社長は全従業員の給料を支払うために借り入れをして休業補償を行い、2年くらいコロナで店を一切開けられなくても社員たちを守っていくという覚悟をしているほど、人をとにかく大切にする人。
僕にもYouTubeチャンネルだけでなくTwitterの運用などいろいろ任せてくださって、社長にはとても恩を感じています。
だからこそ僕も辻井さんも、そんな小山社長に『たくや食堂』を通して恩返ししていきたい。
小山社長の、「たくやさんを有名にしたい」「YouTubeチャンネルを母体として実店舗でも同じ料理を出したり、料理教室やセミナーをやったり、料理本を出したりしてハブを広げていきたい」という思いを実現すべく、コロナに負けないよう、トライ&エラーを繰り返しながら『たくや食堂』を制作しています。
コロナ後に変化した『たくや食堂』演出のポイント
コロナ前には、たくやさんの美しい料理の所作をしっかり見せることにこだわって演出していましたが、コロナを機に、その意識が少し変化しました。
たくやさんの人柄は、とても優しくて真面目。寡黙で高倉健みたいな人です。
たくやさんも小山社長も、とにかく「KayaGroup」の人たちはいい人ばかり。
だからこそ、料理チャンネルと言えど、これからは食材の質や料理の所作といったところよりも、『たくや食堂』に関わる人たちの人柄が伝わるものにしたほうがいいなと思っています。
そう思うようになったのは、やはりコロナ禍で人と人とのつながりが大切だと実感したことが大きいです。
SNSはパーソナルな部分が大事。今後はTwitterにも力を入れ、TwitterとYouTubeチャンネルを連動させて、たくやさんをはじめ、僕ら制作チームの人間も全面に出ていこうと思っています。
Twitter – たくや食堂〜Takuya’s kitchen〜
僕自身も『たくや食堂』に出演し、たくやさんと積極的に絡んでいこうと。
そうやってたくやさんの人柄の良さや会社の良さを引き出し、どんどん伝えていきたいです。
そのためにも今は、時間が合えばたくやさんと会うようにしています。制作のときだけ会うのではなく、普段からどんどん会うようにしている。
僕、たくやさん家の合鍵までもらっているんですよ。
僕自身がたくやさんともっと仲を深めて信頼関係を築き、素のたくやさんを『たくや食堂』でも引き出していきたい。
ゆくゆくは、突然たくやさん家に押しかけて、「お腹すいたんで何か作ってください」と言って料理を作ってもらうなんて企画もいいですね。
今後の目標
これからの目標は、『たくや食堂』でたくやさんのコアなファンを増やして、その人たちとTwitterなどでコミュニケーションをとり、密につながりたいということ。
たくやさんのファンの人たちが商品開発などにも携われるような関係性を築きたいなと思っています。
たくやさんと「KayaGroup」、そのファンの人たちみんなで一緒に何かを作っていけるように仕掛けていきたいです。
YouTubeチャンネル「たくや食堂」制作スタッフ
- 料理長:小俣卓也(株式会社KayaGroup)
- プロデューサー・演出:田口将伍(THINGMEDIA株式会社)
- 構成:辻井宏仁
- 撮影:川口雄介(ホワイトフィルム株式会社)
- アシスタント:戸村萌音
- 音楽:伊藤成男
- ロゴデザイン:タッグデザイン事務所
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