アクション映画

今もなお愛され続ける映画『ゴーストバスターズ』の二度見ポイント!意外と見逃しがちな隠れコメディシーンとは?【映画レビュー(ネタバレあり)】

上映日:1984年
製作国:アメリカ
上映時間:105分

監督:アイバン・ライトマン
制作総指揮:バーニー・ブリルスタイン
脚本:ダン・エイクロイド、ハロルド・ライミス
主題歌:レイ・パーカー・Jr.
出演者:ビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、シガニー・ウィーバー、ハロルド・ライミス、リック・モラニス、アニー・ポッツ、ウィリアム・アザートン、アーニー・ハドソン、デビッド・マーグリーズ

あらすじ:

ピーター(ビル・マーレイ)、レイモンド(ダン・エイクロイド)、イゴン(ハロルド・ライミス)は、ゴーストバスターズを名乗って幽霊退治業をスタートさせる。次々と幽霊を退治して注目を浴び有名になっていくゴーストバスターズ。一方、門の神ズールと鍵の神ビンツが人間の体を利用して融合を果たそうとしており、これが実現すると悪魔が世界を支配する危機的状況に陥ってしまうのだが……。

『ゴーストバスターズ』予告編

『ゴーストバスターズ』シングメディア編集部レビュー

一度聞いたら耳から離れない主題歌に、立ち入り禁止マークから顔を出すおちゃめなお化けのキャラクター。

三十年以上経った今もなお、愛され続ける『ゴーストバスターズ』は、何度見返してもバスターズたちのやりとりを楽しめる作品です。2022年には、三作品目となる『ゴーストバスターズ/アフターライフ』が公開されたとあり、久しぶりに見返そうと考えている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、お化け作品の名作『ゴーストバスターズ』の二度見ポイントについて、ご紹介します。

『ゴーストバスターズ』の二度見ポイント1:実は怖がりで天然の一面を持ち合わせているイゴン

『ゴーストバスターズ』の二度見ポイント1

すぐに女性を口説き始めるピーターに、幽霊オタクのレイ。そんな個性豊かなメンバーが揃うゴーストバスターズですが、二度見鑑賞では、ぜひ機械担当のイゴンにご注目いただきたい!普段はあまり喋らない堅物のイゴンですが、実は怖がりで天然という愛くるしい一面を見せているシーンがあるのです。

冷静に見えて実はお化けが怖い

作中冒頭、図書館の地下でバスターズは初めてのゴーストと遭遇します。捕獲に挑むものの、レイの無茶ぶりによりゴーストがまさかの激怒!驚いた三人は慌ててその場から逃げ出そうとするのですが、この瞬間のイゴンがとにかくかわいいのです。

目を大きく見開いた状態で両腕をリズミカルに振りながら、まるでタップダンスを踊っているかのように華麗に逃げるイゴンの姿。普段の冷静沈着な彼からは、想像もつかない驚きぶりです。イゴンでも驚いたり怖がったりすることがあるのだな……と、思わず彼に親近感を抱きそうになってしまいます。

ちょっとビビりな一面を見せるときも

また作中では、ゴースト以外のモノにも怖がる一面を見せるイゴンの姿が映し出されています。

作中中盤、ゴースト騒ぎのあるホテルに到着した三人。早速目的の階までエレベーターで向かいます。しかしゴースト捕獲装置を使用するのは今回が初めて。そもそもテストすらしていない未知の機械。「この機械、本当に大丈夫だよね……?」といわんばかりの重い空気が漂います。

そしてレイに頼まれ、ゴースト捕獲装置のスイッチを入れるイゴンですが、この瞬間のイゴンの表情をご覧ください。ものすごく嫌そうな顔をしているのです。ゴースト捕獲装置から少しでも距離を取ろうと窮屈なエレベーター内を移動し始めるイゴン。

テスト前の機械を前に「爆発とかしたら嫌だな」という表情を見せる、ちょっとビビりなイゴンの姿も新鮮で見ごたえがあります。

イゴンの天然ぶりが爆発するシーン

そして怖がりなだけでなく、実は天然な一面を持ち合わせる男こそ、イゴンです。

ホテル内で分かれてゴースト探しをすることになり、おなじみのゴースト探知機で各部屋を見回り始めるイゴン。ふと前から宿泊客の男性が歩いてきてイゴンとぶつかりそうになりますが、その瞬間の彼の行動が予想外すぎるのです。

無言で男性の全身を探知機で念入りに調べたかと思えば、突然肩の部分を人差し指でツンとひと押し。そして「ゴーストじゃなくて人間か」と納得したかの表情を見せ、その場を去ります。この一瞬の表情がとてもシュールなのです。

どう考えても探知機をかざさずとも人間だとわかるはずなのに、念入りに調べちゃうあたりが、イゴンの天然さを物語っています。

二度見鑑賞ではイゴンのイメージも変わるはず

一見、バスターズのなかでも一番真面目で冷静だと思われているイゴンですが、実は怖がりで天然の部分も持ち合わせているおちゃめな男性。そんな彼の愛くるしい部分に注目しながら鑑賞し直すと、今まで抱いていたイゴンのイメージも大きく変わるかもしれませんよ。

『ゴーストバスターズ』の二度見ポイント2:臨場感を味わえるカメラアングル

『ゴーストバスターズ』の二度見ポイント2

今作ではカメラアングルが素早く切り替わり、ストーリーにテンポ感を出しているシーンが多く見られます。しかしそのほかにもご注目いただきたいカメラアングルはあります。特にほんの少しだけワンカットを長回しにしたり、ローアングルをうまく利用したりしているシーンでは、自分もその場にいるかのような臨場感が味わえるのです。

ゴーストに遭遇している気分を体験

カメラアングルがころころ切り替わり、テンポよく進むことで飽きずに鑑賞できる今作ですが、反対にほんの少し長めのワンカットでストーリーが進むシーンもあります。なかでも注目したいのが、作中冒頭すぐ、図書館職員が地下でゴーストを目撃する最初のシーンです。

地下の書庫内を歩く職員を追うかのように、ほんの少し長めのワンカットが続く冒頭のシーン。不気味なBGMが流れていることもあり、まるで職員と一緒にゴーストに遭遇するかのような臨場感が味わえます。コメディ要素が強い今作のなかでも、ちょっとしたスリルが楽しめる貴重なシーンです。開始直後にこのような臨場感あふれるシーンが登場したことで、私たちもぐっと作品の世界観に入り込めたのかもしれません。

子ども心をくすぐるポール

また作中にはスリルだけでなく、子ども心を誘うカメラアングルで撮影されているシーンもあります。それが作中序盤、幽霊退治会社・ゴーストバスターズのオフィスを探そうと、三人が古い建物に案内されたときです。

あまりにも建物が古すぎるため、契約する気はさらさら無さそうなピーターとイゴン。しかしなぜかレイだけは物件を気に入った様子。特に二階から一階まで一瞬で降りることができるポールを大絶賛し始めます。

このレイお気に入りのポール、作中では物件探しに訪れたシーンと仕事依頼が入ったシーンの二度登場しているのですが、一度目はローアングルからの撮影。二度目は二階部分と一階部分から分けて撮影と、違ったカメラアングルで撮られています。

さまざまなアングルからポールが映し出されることにより、鑑賞側にも意外とポールが高く、滑り降りるのが楽しそうというレイの子ども心が伝わってきます。見返せば見返すほど、レイが気に入った理由も何となくわかってしまいそうです……!

鑑賞側にも絶望感を与える階段

そして鑑賞側に絶望という臨場感を与えるのが、バスターズがゴーザとの戦いに向かうシーンです。

ディナとルイスが住む高層マンションに到着したバスターズたち。しかしエレベーターが使用できないので、彼らが住む22階の部屋まで階段で向かうことになるのですが、この瞬間の絶望感を与えるカメラアングルがすばらしいのです。

このシーンでは、螺旋階段の真下からバスターズたちの様子を見上げる形で撮影されているのですが、場所が高層マンションということもあり、天上がまったく見えない。永遠に続くかのような螺旋階段の手すりが徐々に暗闇に消えていく様子だけが映し出されているのです。

このカメラアングルにより、彼らが今からまだ何十分、何時間も階段をのぼり続けなければいけないという絶望感が鑑賞側にもひしひしと伝わってきます。自分がのぼるわけでもないのに、見ているだけで筋肉痛になりそうな臨場感あふれるシーンです。

臨場感を味わえるシーンが盛りだくさん

子ども心や絶望感など、さまざまな臨場感を味わえるシーンも多い今作。二度見鑑賞するときは、カメラアングルにも注目して見返してみると、さらに作品の世界観を楽しめるかもしれませんよ。

『ゴーストバスターズ』の二度見ポイント3:意外と見落としがちな隠れコメディシーン

『ゴーストバスターズ』の二度見ポイント3

バスターズの掛け合いを中心に、コメディ要素がたっぷりの今作。個性豊かなキャラクターもたくさん登場し、笑えるポイントも満載となっています。しかし作中には、そのほかにも思わずツッコミたくなってしまう隠れコメディシーンがあるのです!

ディナの家に飾られたインテリア小物

まずはピーターが思いを寄せるディナの部屋を初めて訪れたときのシーン。観葉植物や花を飾られていたり、家具の色が統一されていたりするなど、インテリアの細部にまでこだわりが見られる彼女の部屋。しかしよく目を凝らしてみると、少し変わった物が置かれているのです。

たとえばソファーのサイドテーブルに置かれている、手の模型。見方によっては、ソファーに座っているピーターの後ろから手が伸びてきているかのようなホラー感が味わえます。またピアノの上には、黒いシルクハットをかぶった顔だけのマネキンが。白目をむき、こちらを眺めているようにも見えるマネキンからも、何とも言えないホラー感が醸し出されています。

ぱっと見はおしゃれなディナの部屋ですが、ところどころにホラー要素のある小物が置かれている点に関してだけは、ちょっとツッコみたくなってしまいます。

小火をスプレーで消そうと試みる清掃員

またホテルでゴースト退治をするシーンにも、ちょっとした隠れコメディシーンが映り込んでいます。

エレベーターで目的の階に到着した三人は、突然現れた清掃員に驚き、彼女が押していたダストカート目掛けてゴースト捕獲装置を作動(ビームを発射)させてしまいます。驚く女性と焦げが付いたダストカート、そして小火が起こるものの、何事もなかったかのように作戦を立て直す三人。

なかなかのシュールなシーンですが、この瞬間、三人の後ろをよく見てみると、スプレーボトルに入った水で小火を消そうとしている清掃員の姿が映し出されています。いくら小火といえども、その水圧と水量では火は消せないと思わずツッコミたくなってしまう清掃員の行動。会話を続ける三人の背後から響く、スプレーのシュッシュッという音が静かな笑いを誘います。

可愛くすらも見えるルイスのダンス

今作に登場するユニークキャラといえば、やはりディナに思いを寄せるご近所のルイスです。隠れコメディシーンを語るうえでも、彼の存在は欠かせません。

なかでも名シーンとも呼べるのが、ルイスが自宅でホームパーティを開催するシーン。参加していた女性が突然不機嫌になり帰ろうとするものの、ルイスの「一緒に踊ろう」の一言により、彼女を引き止めることに成功します。しかしそのダンスが何とも言えない仕上がりなのです。

ノリノリで踊る女性に合わせて体を動かすルイスですが、まったくリズムに乗れておらず、アンバランスな腕の動きを見せます。お世辞でもダンスがうまいとは言い難いのですが、なぜかルイスらしいと思えてしまう不思議。見方によってはルイスが可愛くすら見えてしまう、おすすめの隠れコメディシーンです。

隠れコメディシーンも楽しんで!

ホテルでのゴースト退治や登場人物同士の掛け合いなど、本作には有名なコメディシーンが盛りだくさん登場しています。二度見鑑賞では、そんな有名シーンとあわせて、意外と見逃しだけど気づくと笑える隠れコメディシーンを楽しんでみてはいかがでしょうか。

二度見鑑賞ではキャラクターやカメラアングルにご注目を!

くすっと笑えるコメディシーンから、スリル満点のゴースト退治シーンまで、何度見返しても見どころ満載の『ゴーストバスターズ』は、昔も今も変わらず愛され続ける作品。きっと定期的に見返したくなる瞬間もあるのではないでしょうか。

ぜひ二度見鑑賞では、各キャラクターやカメラアングルなどに注目しながら、ゴースト退治を楽しんでみてください。

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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。