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B級ホラーあるあるが満載の『ゾンビーバー』の二度見ポイント!ホラー映画の定石を破る予想外の展開も?【映画レビュー(ネタバレあり)】

上映日:2015年
製作国:アメリカ
上映時間:77分

監督:ジョーダン・ルービン
制作総指揮:セオドール・ミラー
脚本:ジョーダン・ルービン、ジョン・カプラン、アル・カプラン
出演者:レイチェル・メルビン、コートニー・パーム、レクシー・アトキンズ、ハッチ・ダーノ、ジェイク・ウィアリー、ピーター・ギルロイ、レックス・リン

あらすじ:

あるトラックに積まれた汚染廃棄物がトラブルによって、ビーバーの住む湖に落下。その近くにキャンプでやって来た仲良し女子3人組が楽しんでいると、それぞれの恋人や元彼ら男性たちが乱入し、一行は能天気に浮かれ騒ぐ。そんな折、浴室に凶暴なビーバーが現れ殴り殺すが、捨てたはずの死体が翌日見当たらず、逃げたような足跡が残っており……。

『ゾンビーバー』予告編

『ゾンビーバー』シングメディア編集部レビュー

愛くるしい表情をしたビーバーがゾンビ化し、バカンスではしゃぐパリピに次々と襲い掛かる。

B級映画好きであれば、あらすじを見ただけで興味をそそられる『ゾンビーバー』は、その名の通り、ゾンビ×ビーバーという異色の存在同士を掛け合わせたホラー映画作品です。

しかし今作は、ただのB級ホラー映画ではありません!『ハングオーバー』の製作陣が指揮を執る今作は、ホラー映画の原点を丁寧に描きつつも、予想外の展開がてんこ盛り。ツッコミどころ満載のコメディ要素を入れながらも、最後はすべてのフラグを回収し、きれいなオチまでつけているのです。

今回は何度見返してもスリルとコメディを楽しめる『ゾンビーバー』の二度見ポイントについてご紹介します。

『ゾンビーバー』の二度見ポイント1:ベタな展開と定石破りの展開で違ったホラーを楽しめる!

『ゾンビーバー』の二度見ポイント1

おそらく好きな人は大好きであろう、王道のB級映画とも呼べる今作。しかし作中にはB級映画の一言で済ますにはもったいない、こだわり抜かれた展開が盛りだくさんなのです!

特に前半ではホラー映画あるあるをここぞとばかりに描きながらも、後半ではあっさりとその定石を破り、誰もが予想できなかった展開をふんだんに盛り込んできます。

前半はベタなホラーあるあるが満載

今作ではホラー映画の定石をおさえた、お決まりのあるあるシーンが満載になっています。

たとえば序盤では、湖で釣りをしていた少年の後ろの茂みから、突然何者かが現れるというシーンがあります。その後、ジェン、メアリー、ゾーイの女子3人が湖の浮き台で会話しているところ、少年が被っていたキャップ帽が流れてくるというベタすぎる展開が。言わずとも少年がゾンビーバーに襲われてしまったことがわかります。

また翌日には、3人の彼氏も合流し、6人そろって湖で遊ぶシーンが描かれていますが、時折水中から彼らを狙うかのようなカメラアングルに切り替わります。こちらもホラーやパニック映画ではお決まりのシーンなので、おそらく多くの人が初見ではホラー映画の定番を詰め込んだだけの作品だと勘違いしてしまうことでしょう。

筆者も初見では完全に油断していました。次の瞬間あたりにバックかゾーイが襲われるであろうなと思いこんで鑑賞しちゃいましたよ。

後半はまさかの定石破りを連発

しかしゾンビーバーが本格的に姿を現わしたあたりから、ストーリーは180度違う展開を見せます。後半にかけては、まさかの定石破りも連発するのです。

まず今作に登場するゾンビは、元々の土台がビーバーなので、あっさりと従来のゾンビ作品のお決まりを覆してしまうのですよね。

従来の作品であれば、ゾンビ化した人間が固定電話の回線を切ることはできないので、何らかの理由をつけて「電話がつながらない!」という展開になります。しかし今作のゾンビは、木と草が大好物のビーバーです。齧りがいのある電話線も簡単に切ってしまうので、特に理由をつける必要なく、外部と連絡がとれない状況をつくってしまいます。

それだけであれば良いのですが、大木を齧って、唯一の帰り道を塞いでしまったり、家のすき間から簡単に進入できたりと、やりたい放題。おまけにどれだけ家中の出入り口をふさいでも、木が大好物なので簡単にドアや窓を齧って、正面突破してきちゃうのですよね。ゾンビーバーに関しては、従来のゾンビ対策がまったく通じず、人間側はほぼ絶体絶命状態というまさかの展開が続きます。

誰が生き残るのかまったく予想できない……!

従来のゾンビとは一味違うゾンビーバーに驚かされた今作ですが、それ以上に誰もが驚いたであろう展開。そうです、今作では恐ろしいほど定石通りに登場人物が襲われないのです。

おそらく初見では誰もが最初に襲われるのは、バックとゾーイのバカップルだと信じて疑わなかったことでしょう。ゾーイにいたっては、序盤から自由奔放な言動でまわりを振りまわしたあげく、「ビーバーを怖がりすぎ!」とホラー映画では絶対に言ってはいけない禁断の一言を発していましたからね。

しかし蓋を開けてみると、ゾーイが最後まで生き残るという展開に。そして誰もが最後まで生き残ると信じていたジェンが真っ先にゾンビ化するという予想外の展開が続きます。

なにより「結局誰が生き残るの!?まさかのゾーイだけ!?」とハラハラする展開の連続を終えたあと、最後に待ち構えていたのは鑑賞側の予想を大いに裏切りつつも、スタンディングオベーションを送りたくなるような最高のオチ。

バカなことをする奴から襲われるというホラー映画の定石を破り、きれいな終わり方を見せてくれた今作は、まさにこだわりが詰まったストーリー展開の連続になっています。

見返すことで感じるホラー映画の真髄

前半ではホラー映画あるあるを思う存分楽しむことができ、後半では予想できない定石破りの展開にスリルの連続を味わえる今作。繰り返し何度も鑑賞することで、ホラー作品の真髄を感じることができます。

『ゾンビーバー』の二度見ポイント2:ゾンビ+ビーバー化で意外な姿を見せる登場人物たち

『ゾンビーバー』の二度見ポイント2

ここぞとばかりにホラー映画の定石を破って楽しませてくれる今作。ストーリーだけでなく、ゾンビ化したあとの人間も、従来のホラー作品とは一味違う設定になっています。

そして何と言っても、今回のゾンビはビーバー。ゾンビ化したあとの姿や動きが完全にビーバーになっている様子が可愛く思えてしまうシーンもあるのです。

尻尾をふる姿が可愛い、ゾンビーバー・ジェン

6人のなかで真っ先にゾンビ化した、ジェン。生き残ったサムとメアリーがジェンを寝室に閉じ込め、一旦は逃げ切ることに成功しますが、当然のことながらゾンビ化したジェンが簡単に諦めるはずもなく、必死で部屋の外に出ようともがきます。この扉の前でもがいているジェンの姿がとにかく可愛いのです。

木を引っかきながら扉を開けようとするゾンビーバー・ジェン。興奮しているのか、大きな尻尾をビタンビタンと床に打ちつけます。見た目は完全にゾンビ化し、お世辞にも可愛いとは言えないのですが、尻尾を振りながら木を引っかく姿はまさしくビーバー。何とも言えない後ろ姿からは愛くるしささえ感じてしまいそうです。

圧倒的な身体能力の差を見せる、ゾンビーバー・バック

ジェンの次にゾンビ化した、バック。彼のゾンビ化にいたっては、ジェンのような可愛らしさはまったく見受けられないのですが、なぜか力持ちになるという変化を遂げています。

おそらく自分とほとんど体重の変わらないスミスを軽々と持ち上げ、襲い掛かるバック。圧倒的な身体能力の差に、ただ襲われることしかできないスミスが気の毒でなりません。

そんなバックのゾンビ化を目にすることで、意外とビーバーって力持ちなのだという雑学を教えられた気分になります。

まだまだいる、見どころ満載のゾンビーバー化

まだまだ見どころ満載のゾンビーバー化した人々は多くいます。

おそらく今作一の残念ゾンビ化とも呼べる、トミー。彼の場合はゾンビ化する前に大木の下敷きになるというトラブルが発生しました。そのため後にゾンビ化したものの、大木の下から抜け出すことができず、ひたすら木を爪で引っかくしかできないゾンビに。時間にしてわずか1秒ほどの登場シーンでした。

また家に侵入してきたゾンビーバーに襲われた、隣人の旦那さん。襲われたあとから一切登場しなくなったものの、最後にゾンビ化した姿で現れ、ゾーイたちの車目掛けて大木をなぎ倒すという出番を果たしました!まあ大木は車に1ミリもかすらず、倒し損ではあったのですが、ゾンビーバーと仲良く木を齧りながら、目で会話する姿は何度見返してもシュールで癒されます。

ビーバーの動きや表情を見せるゾンビ化にご注目を!

従来のゾンビ作品のようにお決まりのゾンビ化がない今作。これもビーバーをゾンビにしたからこそ、成せる演出!なによりゾンビ化した人々のなかには可愛いビーバーの姿をこれでもかというほど見せてくれる人もいるので、見返すたびに些細な動きや表情に注目したいところです。

『ゾンビーバー』の二度見ポイント3:見れば見るほど可愛い動きをしているゾンビーバー

『ゾンビーバー』の二度見ポイント3

今作に登場するゾンビーバーは、CGを一切使わず、パペット(アニマトロニクス)のみで演出するというこだわりよう。序盤はぬいぐるみ感満載のゾンビーバーに迫力不足を感じていた人も、途中からは本当にビーバーが動いているかのような不思議な錯覚を抱いたのでは?

そんなゾンビーバーですが、なかには見れば見るほど可愛らしい動きをしているシーンも登場しているのです。

まるで子どものような姿を見せるゾンビーバー

今作でゾンビーバーが初めて姿を現わしたのは、バスタブでジェンと遭遇するシーン。作中ではスリル溢れる展開が続き、凶暴性のあるゾンビーバーの姿がここぞとばかりに描かれています。

しかし二度見鑑賞では、こちらのシーンに登場するゾンビーバーをじっくりとご覧いただきたいのです。意外と動きが可愛く、ゾンビ化しても元は愛くるしいビーバーなのだということがひしひし伝わってきます。

小さな前足をバスタブに叩きつける姿は、まるで子どもが何かを要求するかのような愛らしさがあります。また逃げるジェンの後を追う姿は、まさに後追いする子どもの姿そのもの。見返せば見返すほど、初見のスリルとは正反対の癒しがもらえるシーンです。

本物の犬のように嬉しそうな表情を見せるゾンビーバー

また別のゾンビーバーは、お隣夫婦を襲うシーンで愛くるしい姿を見せてくれます。

ジェンたちの騒ぎが気になり、様子を見に行ったほうが良いと心配する奥さんに対し、放っておけば良いと気にする素振りも見せない旦那さん。完全に旦那さんがゾンビーバーに襲われるフラグが立ちました。

そしてどこからゾンビーバーが現れるのかとハラハラしながら鑑賞すると……。何と後ろでも正面でもなく、足元。先ほどまで隣に座っていた愛犬がゾンビーバーに変わっているという予想外の展開に。

愛犬だと思い込んだ状態で、隣に座るゾンビーバーの頭を撫でる旦那さん。このときのゾンビーバーの表情をよくご覧ください。本当に犬用に頭を撫でられ、どこか嬉しそうな表情をしているのです。可愛い、可愛すぎます……!

意外とおっちょこちょいな一面もあるゾンビーバー

そしてただ可愛いだけでなく、ちょっとおっちょこちょいな姿を見せるゾンビーバーも。

床下を突き破り、サムとメアリーの足元にゾンビーバーの集団が飛び出してくるシーン。2人が必死でハンマーやバッドでゾンビーバーを撃退する様子が描かれていますが、よくゾンビーバーたちを観察すると、一発殴られたあとは必ず一度床下に戻っているのです。完全にモグラたたきならぬ、ゾンビーバー叩き状態です。

また部屋から逃げようとするサムとメアリーの目の前に現れた、最後の1匹にもご注目を!勢いよく床下から現れたものの、下半身が詰まったのかそれ以上上がってこられず、もがく様子を見せます。結果、2人に叩かれることもなく素通りされてしまうのですが、それでも必死にもがき続けるゾンビーバーが何ともおっちょこちょいで憎めなくなりそうです。

可愛いゾンビーバーの姿に癒されるかも?

CGではなく、パペットを駆使して描かれた今作では、時折、恐怖の対象であるはずのゾンビーバーが愛らしく見える瞬間もあります。そんなゾンビーバーの姿に注目しながらの二度見鑑賞も楽しいかもしれません。

ホラー映画初心者からB級ホラー好きまで楽しめる作品

ゾンビ×ビーバーという異色の組み合わせで、ここぞとばかりにホラー映画の定石を破る『ゾンビーバー』は、ホラー映画をあまり見ない人から、B級ホラーが好きな人まで楽しめる作品です。ちょっとしたスリルを味わいながらも、深く考えずに笑って鑑賞できるので、二度見鑑賞でも存分に楽しめるはずですよ。

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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。