動画マーケティング

BtoB企業がCMを制作する目的・効果とは? 制作のポイントは?

こんにちは、シングメディア編集部です。

「BtoB企業もCMを制作したほうがいいのだろうか?」
「BtoB企業がCMを放送する目的や効果は何だろう?」
「BtoB企業が動画を作る際にはどんなポイントを意識するのが効果的?」

などの疑問をお持ちの方はいませんか?

CMというと一般消費者に向けたものというイメージが強いですが、企業向けのCMもあります。BtoB企業であっても、CMを制作・放送することには意味があるのです。

そこで今回は、自社でもCMを制作すべきかどうか悩んでいるBtoB企業の担当者のために、「BtoB向けのCMの目的や効果、制作のポイント」をご紹介します。

なぜBtoB企業はCMをするの?

BtoB企業がCMをする理由

まずは消費者ではなく企業を相手にしているB to B企業が、わざわざ高い費用をかけてCMをする理由についてご紹介していきましょう。

企業の知名度が向上する

BtoB企業がCMを放送することにより、企業の知名度を向上させられるという理由が1つに挙げられます。

テレビCMの影響力は大きいため、知名度アップには効果的です。CMで企業名が流れれば、他の企業よりも印象に残りやすくなり、他の企業との差別化にもつながります。

たとえば企業へ営業に行く際にも、テレビCMが流れていれば、相手に「あ、CMで聞いたことがある会社名だ」と認識されやすくなり、商談もスムーズに進みやすくなります。

他の企業より強い印象を持たれていないと、商材のスペックや価格だけで勝負しなければならなくなってしまいますが、認知度が高ければその分プラス材料として働くため、競争力を上げることもできるのです。

信頼を獲得することができる

BtoB企業がCMを放送するのは、信頼を獲得できるからという理由もあります。

企業は認知度の向上と同時に信頼を獲得することも必要です。そして信頼を獲得するのにテレビCMは有効な手段となります。

なぜならテレビCMを放送するためには、テレビ局の審査に通過する必要があり、お金さえ出せばどんな企業でもCMを放送してもらえるというわけではないためです。

審査では表現審査と業態審査が行われ、表現審査ではCMで紹介する商品・サービスが怪しくなく、適切な表現を使って紹介されているかなどの点が審査されます。

業態審査では企業自体が審査されることとなり、登記簿謄本や企業ホームページなどが審査され、健全な経営を行っているかどうかを見るために決算書などを提出しなければならない場合もあります。

さまざまな厳しい審査を通過し、きちんとした業態の企業であると判断されて初めてテレビCMを放送できるため、テレビCMを放送するだけで企業としての信用を築くことができるのです。

BtoB企業向け動画制作のポイント

BtoB企業向け動画制作のポイント

続いて、テレビCMだけでなく、BtoB企業がYouTubeやSNSで動画を配信する、または広告出稿する際の動画制作のポイントをご紹介します。

何がコンセプトなのか明確にする

BtoBで動画マーケティングを行う際には、ビジネスコンセプトを明確にすることが大切です。

何を目的として動画を制作するのか、どのような効果を見込めるのかなどを明確にして、訴求したいポイントがしっかり伝わる内容にしなければなりません。

また企業の担当者はさまざまな企業から営業提案を受けているため、訴求ポイントを端的にまとめ、動画を見るにあたって担当者の時間を取らせないようにすることも大切になります。

コンセプトが明確で訴求ポイントがまとまっていれば、短時間の動画でも効果的に商品やサービスの魅力を伝えることが可能です。

さらに動画コンテンツもコンセプトに合った適切な種類を選ぶことが大切。ビジネス効果をより大きくすることに期待できます。

商品を導入するメリットを掲載する

BtoBの動画マーケティングでは、商品・サービスを導入するメリットを論理的に掲載することも大切なポイントです。

お客様は企業ですから、消費者よりも商品・サービスの導入に対して慎重に検討することになります。「便利そうだから」「なんとなくオシャレだから」などと衝動買いすることはありません。

そのため商品・サービスを導入することによって企業にとってどのような価値が生まれるのか、企業が抱えるどんな問題を解決できるのかなど、相手企業が得られる利益を明確に提示することが必要になります。

相手によってはその商品・サービスについて深い知識や情報を持っていることもありますから、感覚的な説明は好ましくありません。

他社の複数の商品と比較検討している場合も多いですから、その中でいかに自社の商品を導入することに価値があるかを論理的に説明しないといけないのです。

具体定なデータや数字を掲載して信憑性をアピールするなど、内容を明確に説明して「これなら導入する価値がある」と納得してもらえる動画を制作する必要があります。

決裁する人を意識する

BtoCの場合は購入を検討する人も決定する人も同じであることが多いですが、B to Bでは購入を検討する人と実際に購入を決める人が異なる場合が多いため、最終的に購入を決める人を意識することが大切です。

BtoB商材の場合、特に高額なものになれば商談を行っている目の前の担当者が即決で成約することはあまりありません。

まず担当者が商品・サービスを見極め、「購入する価値がありそうだ」と判断したら社内稟議で購入の承認をもらうことになるため、購入を検討する担当者だけでなく、購入の決断をする人を意識して動画を作成することが重要となります。

そのため窓口となる担当者に視聴してもらう動画と、購入決定権者に視聴してもらう動画でコンセプト・テーマを分けて制作したほうがいいケースも多くあります。それぞれの視点で商品・サービス導入のメリット・利益を明確に伝えましょう。

動画は社内稟議で使用された際に承認をもらいやすくなるよう意識して制作することで、効果的な営業ツールとなるのです。

動画は短く作成する

BtoBの動画でも、BtoCの場合と同じくできる限り短く動画を作成することが大切です。

担当者も忙しいため、ダラダラと長い動画を見ている余裕はありません。長くなればなるほど飽きられてしまいやすくなりますし、情報を盛り込みすぎて何を一番伝えたいのかわからなくなってしまいます。

そのため動画の長さは1分から10分間に収めるようにするのがおすすめ。それ以上長くなると逆効果になりかねません。

また伝えたい内容を動画に入れ込む際は、1~2つに絞って手短に動画に盛り込みましょう。1分の動画なら訴求ポイントは1つに絞ることが重要です。複数の訴求ポイントを盛り込むと内容がぼやけてしまい、相手の印象に残りにくくなります。

伝えたい内容が長い場合や複数ある場合は、動画自体を複数に分けて作成しましょう。伝えたいテーマごとに動画を複数作成しておけば、相手のニーズや状況に合わせてその都度的を絞った動画を見せることができ、効果的です。

BtoB企業のテレビCM運用のポイント

BtoB企業のテレビCM運用のポイント

BtoB企業がテレビCM運用を成功させるポイントの一つが、エリアや時間帯を絞って放映するということです。

提供できるエリアが決まっている企業の場合は特に、対象エリアに絞ってCMを放映することによって、余計なコストをかけず効率的に知名度アップを目指せます。

企業が多く集まり、人口も集中している大都市の中心部に絞ってCMを放映するのも効果的です。

なおBtoBのテレビCMは認知度アップに注力を注いだマーケティング戦略が大切になるため、時間帯は全日のランダムにするのも効果的ですが、企業に勤めている人に視聴してもらわなければ意味がないため、平日の昼間の時間帯は避けたほうが無難。

ターゲット層にリーチするには、平日の朝と夜、そして土日すべての時間帯を選んでテレビCMを放映するのがおすすめです。

またWeb施策との連携を重視するというのも、BtoB企業がテレビCM運用を成功させるポイントの一つ。

テレビCMのみでなく、Web広告やWebサイトとセットでマーケティング施策をおこないましょう。

たとえばテレビCMで商品やサービスについて簡潔に紹介し、「詳細はWebで」や「詳細は〇〇で検索!」というようにメッセージを伝えるようにすると、テレビCMとWeb施策の連携が可能になります。

BtoB企業がテレビCMを制作する際の注意点

BtoB企業がテレビCMを制作する際の注意点

BtoB企業がテレビCMを制作する際には、まず安直に他社のCMを模倣しないということに注意しましょう。

アイデアを参考の一つとする程度ならよいですが、特に同業他社のCMを真似すると既視感のあるCMになってしまい、自社の商品やサービスについて印象に残らなくなってしまいます。

視聴者からも「真似している」というイメージを持たれてしまい、あまり良い印象を持たれません。

また他社と自社では広告を出稿する目的や戦略、事業計画などが異なるため、同じようなCMを流したとしても成功するとは限らないのです。

注意点として、CMの放映自体をゴールとしないということも挙げられます。

テレビCMを放映したらそれで終わりではなく、テレビCMをきっかけにして自社サイトに訪問してもらう、問い合わせをしてもらうなどの仕組みを構築していくことが大切です。

さらにタレント起用だけで満足しないということも注意点として挙げられます。

タレントの知名度を生かして商品やサービスの認知度アップを目指したいと考える企業は多いですが、そのためには視聴者に共感してもらうCMにすること、印象に残るCMにすることも大事。

タレントと自社商品・サービスとの親和性も考慮しなくてはなりません。親和性がないとチグハグなイメージになってしまい、結果として商品・サービスの知名度アップにつながらない可能性もあります。

BtoB企業のテレビCM事例

BtoB企業のテレビCM事例

実際にどんなテレビCMが制作されているのか、参考になるBtoB企業のテレビCM事例をいくつかご紹介します。

ラクス

「楽楽精算」「楽楽明細」などの経理系サービスを販売している企業『ラクス』のCMです。

経理担当者が手作業で業務をおこなうことの負担を表現することで共感を呼び、サービスを導入することでその業務負担を軽減できるということをコミカルに表現しています。

日本M&Aセンター

M&Aの仲介企業である『日本M&Aセンター』のCMです。本音では廃業にしたくないものの、後継者がいないため廃業しなくてはならないという悩みを抱える経営者視点で展開されるストーリー性のあるCMとなっています。

中盤では日本M&Aセンターが悩みを解決してくれたと公表し、自分が社長を辞任してもこれまで同様に社員全員は会社でイキイキと働き、生活していけるということが描かれ、サービス内容もわかりやすく表現されています。

SATORI

マーケティングオートメーションツールである『SATORI』のCMです。

ターゲットであるマーケティング部のマネージャー、営業の悩み・課題を日常の1コマを切り取って伝えながら、「SATORI」を導入することでその悩みを解決できるということをストーリー性のある内容で表現しています。

ビズリーチ

人材をスカウトして採用できるサービスである『ビズリーチ』のCMです。

経歴や実績のある人材に対して企業から直接アプローチできるという採用方法について簡潔に紹介し、経営者にアピールすることで反響を呼びました。

AGC

ガラスメーカーである『AGC』のCMです。リズミカルな音楽に乗せて社名や商品がどんなものに使用されているかを伝える内容となっています。

音楽に乗せることで印象に残りやすく、企業や商品についての認知度向上にもつながっています。

BtoB企業が活用するのに適した動画制作を!

BtoB企業が活用するのに適した動画制作をしよう

BtoBの営業やマーケティングにおいても、動画が活躍するということがおわかりいただけたと思います。

ただBtoCの商材の動画制作方法をそのまま真似してもBtoBでは効果が出ないこともあります。それはお客様が求めるものやお客様の知見が異なるのも理由です。

BtoBでは論理的な効果説明をし、決裁権を持つ人を意識した動画を制作するようにしましょう。

なおBtoB向けのCMや営業動画などを制作する場合には動画のクオリティの高さも求められますから、社内での制作が難しい場合は映像制作会社に依頼することも検討してみてくださいね。


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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。