アクション映画

スパイアクション映画「チャーリーズ・エンジェル」の二度見ポイント。20年以上経った今こそ見返したい理由とは?【映画レビュー(ネタバレあり)】

上映日:2000年
製作国:アメリカ
上映時間:98分

監督:マックG
出演者:キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー、ビル・マーレイ、ティム・カリー、クリスピン・グローバー、ケリー・リンチ、サム・ロックウェル、ルーク・ウィルソン、メリッサ・マッカーシー

あらすじ:

70年代後半に人気を誇ったTVシリーズのリメイク作品。姿を見せないボス、チャーリーの探偵事務所で働くのは、ディラン、ナタリー、アレックスの美女3人。今回彼女たちに下された指令は、誘拐されたノックス・テクノロジー社の創立者エリック・ノックスを救出するというもの。彼が開発中の“音声認識ソフト”が悪用されれば世界中が大混乱となるだろう。エンジェルたちは巨大企業オーナーでノックスのライバルであるコーウィンが犯人と見て危険な潜入捜査を決行する。

『チャーリーズ・エンジェル』予告編

『チャーリーズ・エンジェル』シングメディア編集部レビュー

スカッとした爽快感を味わいたいときにおすすめの、スパイアクション映画。有名どころで言うと、「ミッション:インポッシブル」や「007」シリーズがあげられるかと思います。

しかし、今回私が二度見映画としておすすめしたいのは、2000年に公開された「チャーリーズ・エンジェル」です。

今作は一言でいうならば、数多くのスパイ映画を鑑賞してきた人が、改めて原点に戻りたいときに見返したい作品。筆者自身も、約20年ぶりに鑑賞しましたが、初見時とはまったく別の見方ができ、大いに楽しめました。

強くもかわいいエンジェル3人が活躍する「チャーリーズ・エンジェル」の二度見ポイントについて、今回はご紹介していきたいと思います。

「チャーリーズ・エンジェル」の二度見ポイント1:20年以上経った今だから楽しめるスパイ作品の原点

「チャーリーズ・エンジェル」の二度見ポイント1

近年のスパイ映画の特徴といえば、男女問わず、主役がかっこよく、悪役も仕上がっている! なおかつ、脚本や演出にもこだわられ、最後まで展開が読めない作品も珍しくはありません。

しかし今作は、良い意味で近年のスパイ映画とは、まったく真逆のスタイルとなっているのです。

エンジェルたちの変装を見て懐かしい気持ちに

スパイ映画の定番である、潜入捜査。操作方法は作品によりさまざまですが、基本的に地下水路からターゲットのアジトに潜入したり、特殊メイク並みの変装で忍び込んだりといった方法がセオリーとなっています。

今作においても、その潜入捜査のセオリー自体は変わりません。ただ、めちゃくちゃ懐かしい気持ちになってしまうのです。

たとえば変装してターゲットに近づく潜入捜査の際、エンジェルの3人はマッサージ師やバーテンダー、ダンサー、講師など、さまざまな職種に変装して操作をするのですが。髪型と服装が変わっているだけで、その他の見た目は何も変わっていない。

いくら変装をしていても、ターゲットと2度目の接触をしたら「あれ、君この間のマッサージ師だよね?」と一発でバレてしまうこと間違いなし。

ただ、そんなバレバレの変装こそ、THEスパイ映画といった感じで懐かしいのです! スパイ作品の原点に戻れた気分になり、とにかく懐かしい気持ちにさせられてしまいます。

ワイヤーアクションはいつの時代もスカッとさせられる

1990年代後半から2000年代初期のアクション映画で目にする機会も多くなった、ワイヤーアクション。

今作でも重要なシーンでは、ここぞとばかりにワイヤーアクションが見せ場として使われています。

特に序盤最大の見せ場でもある、謎の男とエンジェル3人が路地裏で対決するシーン。今となっては当たり前のワイヤーアクションですが、当時は激しいバトルに釘づけになっていた方もおられるのではないでしょうか。

前述の変装シーンとおなじく、とにかく懐かしい気持ちにさせられます。

なによりバトルのラストでキャメロン・ディアス演じるナタリーが、豪快な飛び蹴りを食らわせる瞬間は、20年以上経った今見ても、スカッとした気分を味わえます。

セキュリティルームの潜入がまさしくスパイ映画の原点

スパイ映画の潜入捜査で必ずといって登場するのが、不可能に近いレベルのセキュリティルームに侵入するという展開。

近年の作品だと、仲間にいるめちゃくちゃ優秀なハッカーが、PCひとつで簡単にロックを外してくれるという展開がお決まりになりつつあります。

しかし、20年以上前の今作では、まだハッキングによる侵入がポピュラーではなかった気がします(筆者の知識不足であれば、大変申し訳ありません)。

では、エンジェルたちがどうやって侵入したかというと、セキュリティルームのロックを解除できる人物を誘惑し、指紋と網膜のデータを採取。その後、全身真っ白なタイツに着替え、監視カメラに映らないよう忍び込み、最後はセンサーが仕掛けられた床をアクロバティックで避けつつ、潜入するという手段。

いやもう、これがスパイ映画の原点ですよ! と大声で叫びたいほど、スパイ映画あるあるが満載の潜入シーン。久しぶりに見返すと、ものすごくワクワクさせられます。

さまざまな作品を見た今こそ、原点を見返したい

時代とともに演出も変わりゆくスパイ映画。もちろん、どの作品にもそれぞれの良さがあり、おのおの違った楽しみ方ができます。

もしも「スパイ映画は欠かさず鑑賞している」という方がおられましたら、ぜひ、今作を数十年ぶりに見返してみてはいかがでしょうか。

スパイ映画の原点に戻れると同時に、懐かしい気持ちにさせてもらえること間違いなしです。

「チャーリーズ・エンジェル」の二度見ポイント2:ダンスシーンを見返す前に覚えておきたいポイント

「チャーリーズ・エンジェル」の二度見ポイント2

スパイ映画のなかには、ハラハラドキドキの展開が続き、一瞬たりとも目が離せないアクション満載の作品も多くあります。

ただ、今作はどちらかといえば、ゆるい感じで鑑賞できるスパイ映画。アクションと同じくらい、エンジェルたちの日常やコメディシーンが多々あるため、笑って楽しい気分になりたいときに打ってつけの作品。

なかでも繰り返し鑑賞する際に注目したいのが、エンジェルたちのダンスシーンです。

真顔でアラビアンダンスを踊るアレックス

セキュリティルームに忍び込むために必要となるのが、2人の本部長の指紋と網膜のデータ。そこでエンジェルたちは、ダンスによる色仕掛けでそれらを採取することに。

まずは飲みの席でナタリーとアレックスがアラビアンダンスを披露し、本部長が釘づけになっている間にディランが指紋付きグラスを回収するという作戦。

正直、作戦内容だけを聞くと成功するイメージが1ミリもわかないのですが。さすがはエンジェルたち。ものの見事に本部長を釘づけにして、簡単にグラスを回収することができました。

……と、初見では見事な展開に笑わされちゃった方もいるかもしれませんが、二度見では、ぜひこのダンスシーンでのアレックスの表情にご注目いただきたい。

ダンス大好きなナタリーがノリノリで踊っている隣で、ただ真顔で本部長を仕留めにかかるアレックスの何とも言えない表情。改めて見返してみると、めちゃくちゃシュールです。一度見ると、アレックスから目を離せなくなってしまいます。

セクシーさが隠せないディラン

華麗なアラビアンダンスで本部長の指紋を採取した3人が次に向かったのは、網膜のデータが必要なもうひとりの本部長の家。

先ほどまでのセクシーダンスと違い、今回は北欧を彷彿とさせるキュートな歌と踊り。エンジェル3人が歌と踊りで本部長を引き付けている間に、ボスレーがすかさず網膜のデータを採取するという作戦です。

これまた大丈夫かよと思う作戦内容なのですが、やはりエンジェルたち。難なくミッションをクリアしてしまいます。

そんなかわいい3人の姿が拝めるダンスシーンですが、二度見でご注目いただきたいのが、ディランの歌と踊り。ひとりだけセクシーさを醸し出しています。もはや彼女のウィンクにより、本部長を釘づけにしたと言っても過言ではありません。

どんな変装をしても、ディランだけは絶対にキャラがブレないのだなという事実を改めて確認できる、ディランファンなら何度でも見返したくなるシーンです。

シーンによって踊り方が変わるナタリー

今作におけるダンスシーンで忘れてはいけないのが、念願のソウルトレインのステージで踊るナタリーの姿。

会場のお客さんが全員しらけムードになっていることなどお構いなし。全力でダンスを楽しむ彼女の姿からは、何かしらの勇気をもらえます。あと単純にキャメロン・ディアスがかわいすぎます。

そして二度見で押さえておきたいのは、序盤、夢の中で踊っていたナタリーの姿。夢の中ではものすごく軽快なダンスを披露していたナタリーですが、実際にステージに立つと、初めてクラブに遊びに来た女子かのようなキャピキャピ感が出ちゃいます。本当に同一人物かと疑いたくなるほど、踊り方が180度変わっちゃっているのです。

ここまで違う踊り方を見せられるキャメロン・ディアスの演技力(ダンス力)に改めて驚かされること間違いなしなので、二度見では、ぜひ序盤の夢の中でのダンスもしっかり目に焼きつけておいてください。

3人それぞれのダンスシーンにご注目を

とにかくダンスシーンが多い印象が強い今作。二度見では、そんなダンスシーンに心躍らせながら鑑賞しても楽しいとは思います。

でもせっかくなら、初見時とは違うポイントに注目しながら、ダンスシーンを楽しんではいかがでしょうか。

ナタリー、ディラン、アレックスのまた違う表情を目にすることができるかもしれません。

「チャーリーズ・エンジェル」の二度見ポイント3:男性キャラが良い味を出している

「チャーリーズ・エンジェル」の二度見ポイント3

何度見返しても、エンジェル3人の強さやかわいさに目を惹かれてしまう今作。

しかし忘れてはいけないのが、それぞれが独特の味を出している男性陣たちの存在です。

エンジェルたちから雑に扱われがちなボスレー

ボス・チャーリーからの指令をエンジェル3人に伝える役割を果たす、ボスレー。いわば、3人の上司的ポジションとなる存在ですが、いかんせん、雑に扱われることが多い。

パーティ会場に潜入した際は、ターゲットに直接近づくボスレーを3人が無線でサポートする作戦だったのですが。ナタリーがバーテンダーの男性にひとめ惚れした瞬間、全員、ナタリーと彼のやりとりに夢中。

「今振り向くのよ」「話しかけて」とナタリーの恋を応援していた結果、全員がボスレーを見失うという悲しき結末に。

またラストで誘拐されたボスレーを救出しに行く3人ですが、ここでもナタリーの思い人ピートから電話が入り、まったくボスレーが助け出してもらえない。

二度見で鑑賞した際、ボスレー視点で作品を見てみると、何だか泣けてきます。でもなんだかんだいって3人から愛されているのだなと実感できるシーンも多いため、改めて、3人とボスレーの関係性が好きになってしまうのです。

一度見たら忘れられない男チャドちゃん

数分の登場シーンであるにもかかわらず、圧倒的な存在感を見せたチャド。

断言します。見返せば見返すほど、チャドのことが好きになってしまいます。名ゼリフ「チャドちゃんのせい?」は、聞けば聞くほど高い中毒性があるのだと実感させられます。

なによりものすごく濃いキャラだらけの男性陣のなかで、登場シーンの少ないチャドがここまで強く印象に残るのって、他の作品ではあまり見ないパターンではないでしょうか。

二度見、三度見しても笑わせてもらえる。むしろ見返すほど大好きになってしまうチャドの貴重なシーンは、言うまでもなく繰り返し見るうえで欠かせないポイントです。

その他にもまだまだいる濃い男性キャラ達

その他にも天然キャラだけど憎めないピートに、夢の中に出てきそうな何とも言えない奇妙さがある痩せ男など、今作の男性キャラはとにかく全員が濃い! 久しぶりに見返すと「こんなキャラいた」とすぐ思い返せるほど、一度見たら忘れられないキャラがたくさん登場しています。

二度見ではあえてそんな男性キャラたちのセリフや表情に注目しての鑑賞も楽しいかもしれません。

なお筆者の場合、初見時には気がつきませんでしたが、二度目の鑑賞において、実はエリックがここぞとばかりに死亡フラグでしかない発言を連発していたのだなという事実に気づくことができました。ぜひエリックが決めゼリフを口にする瞬間にもご注目ください。

スパイ映画が好きな方こそ原点に戻って見返したい作品

さまざまなスパイアクション映画を鑑賞し続けると、何となく先の展開が読めたり、刺激が足りなくなったりする方もおられるかもしれません。

そんなときにこそおすすめしたいのが、「チャーリーズ・エンジェル」の二度見鑑賞です。

スパイ映画の原点とも呼べるシーンが多々あり、懐かしい気持ちにさせられる。同時に久しぶりに会うエンジェルたちの姿から癒しや笑顔をもらえることでしょう。

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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。