製作国:アメリカ
上映時間:100分
監督:ラッセ・ハルストレム
制作:ギャビン・ポローン
原作:W・ブルース・キャメロン
出演者:デニス・クエイド、ペギー・リプトン、ブライス・ガイザー、K・J・アパ、ブリット・ロバートソン、ルーク・カービー、ジョン・オーティス、ジョシュ・ギャッド、etc…
あらすじ:
ゴールデンレトリバーの子犬ベイリーは、少年イーサンに命を救われてからいつも一緒に過ごすようになり、彼と強い絆を育む。やがて青年に成長したイーサンは大学入学で故郷を離れ、ベイリーは年老いて死を迎えるはずだった。だが、ベイリーはイーサンに会いたい一心で何度も姿を変えて生まれ変わり……。
『僕のワンダフル・ライフ』予告編
『僕のワンダフル・ライフ』シングメディア編集部レビュー
人は何のために生まれ、何のために生きているのか。
……と、いきなり哲学的な入りをしてしまいましたが、みなさんも一度は、このように“生きる意味”について考えたことがあるのではないでしょうか。
そしてこの“生きる意味”について考えているのは、何も人間だけではありません。もしかすると私たちが知らないだけで、動物たちも生きる意味について、日々考えているのかもしれない。
「僕のワンダフル・ライフ」は1匹の犬が5回の生まれ変わりを通し、人生ならぬ犬生の意味について考える物語。生まれ変わるなかで、最初の飼い主を50年かけて探し続けるという、あらすじを聞いただけでも泣ける感動作品となっています。
しかし今作は、ただ泣けるだけの作品ではない! 実は笑って癒されて、歴史も感じる見どころがたっぷりなのです。
今回は「僕のワンダフル・ライフ」を見返すうえで注目したい、二度見ポイントについてご紹介いたします。
「僕のワンダフル・ライフ」の二度見ポイント1:主人公犬・ベイリーに思わず笑わせられるおもしろポイント
おそらく初見の鑑賞では、多くの方が涙なしでは見ることができなかったかと思います。物心ついた頃からずっと犬を飼い続けている筆者も、初見と二度見時、どちらも号泣のあまり、鑑賞後はゴミ箱がティッシュの山だらけになりました。
そのため「もう一度見返したいけど、悲しいシーンを見るのがつらい……」と感じ、なかなか見返せない方もおられるかもしれません。
それなら二度見鑑賞では、主人公犬のベイリーの笑えるシーンのみに注目してみましょう。
「ご機嫌なパパと遊ぶのは楽しい」
2回目の生まれ変わりで、最愛の飼い主であるイーサンと出会ったベイリー。
ただ、犬を飼うことに賛成の母親と違い、父親のジムは少々反対気味。必死の説得により、何とかベイリーを飼う許可をもらいます。
しかし家族全員が家を留守にしていたとある日、家の中を走り回っていたベイリーがジムの書斎をめちゃくちゃにする事件が勃発! これにはジムも大激怒。大声でベイリーを叱ろうとするのですが……
正直、犬のベイリーに人間の都合などわかるはずもありません。
自分を追いかけまわすジムを見て、「珍しくお父さんが僕と遊んでくれている!」とテンションマックスに。嬉しさからジムのスリッパをくわえて、庭に逃亡。そして走り回る自分を延々追いかけるジムを見て、一言。
「ご機嫌なパパと遊ぶのは楽しい」
これこそ犬の本音です。怒られてへこむどころか、逆に遊んでもらえていると勘違いしてしまう。
人間と犬の温度差がこれでもかとわかるシュールで笑えるシーン。セリフとともに、庭を全力でかけまわるベイリーの姿を見るだけで楽しませてもらえます。
「え? 女の子?」
3回目の生まれ変わりでは、のちに警察犬となるシャーマンシェパードに生まれ変わったベイリー。
生まれ変わった直後、真っ先に「何かがない。アレは?」と自分のお腹まわりを確認します。そして次の瞬間、
「え? 女の子?」
と、呆然状態に。
そうです、前世では男の子だったベイリーですが、今世では女の子として生まれ変わったため、ずっと一緒だったアレがついていなかったのです。……だとしても、飲み込みが早すぎるよ、ベイリー。
なにより、つい数分前まではベイリーの最期の瞬間を見て涙していたのに、この切り替わりの早さで流れていた涙も引っ込んでしまう。生まれ変わっても相変わらず前向きなベイリーに笑わせてもらえるシーンです。
「お代わりをちょうだい」
4回目の生まれ変わりでは、コーギーとなり、女子大生のマヤに代われる運命をたどることになるベイリー。
ただ、このマヤ。人付き合いが苦手で、そんな自分自身に対して悩むこともしばしばある子でした。
そんな生活が続いたためか、とある日、マヤはお風呂場でベイリーとアイスを食べている最中に涙を流してしまいます。
しかし当然のことながら、犬であるベイリーに難しい人間の悩みなど伝わるはずもなく。さっさとアイスを食べ終わったかと思えば、マヤに「もっとある?」とお代わりを催促しに行きます。
するとその姿を見たマヤは、泣いている自分をベイリーが励まそうとしてくれるのだと勘違い。さらに大粒の涙をこぼしながら、ベイリーを撫で語り掛けます。
この瞬間の「いや、なでなでじゃなくてお代わりが欲しいのですよ」と言わんばかりのベイリーの顔。ふたりの噛み合っていない会話も含め、シュールで笑えます。現実世界でも人間と犬の会話って、こんな感じなのかもと思わされるこのシーンは、何度見ても思わずフフッと笑ってしまいそうになるはずです。
悲しいシーンがつらい人は笑えるシーンに注目を
涙なしでは語れない今作ですが、犬の日常生活だけに注目して見ると、実は笑えるポイントがたくさんあります。
悲しいシーンがつらくて見返したくても見返せないと思っている方は、これらの笑えるシーンだけに注目した二度見鑑賞をしてはいかがでしょうか。
「僕のワンダフル・ライフ」の二度見ポイント2:犬と猫と子どもの組み合わせは最強の癒しでしかない
泣けて笑えるシーンが盛りだくさんの今作ですが、犬をはじめとした動物が登場する作品ということもあり、癒されるポイントも盛りだくさん!
日々の生活にちょっと疲れちゃったと感じたときは、癒しをもらえるシーンをぜひ見返してみてください。
生まれ変わった直後に見せる子犬の姿
作中で計5回の生まれ変わりを経験する、ベイリー。
毎回、最期の時を迎えたあとは、必ず子犬として生まれ変わるシーンがチラッと映るのですが。この生まれ変わった瞬間のシーンがとにかく癒しなのです!
まだ目も開いていない状態のなか、兄弟たちとくっつき、必死でお母さんのおっぱいを探すベイリー。そんなベイリーたちを愛おしそうになでる母犬の姿。何度見ても癒されます。5回の生まれ変わりのシーンだけを繰り返し見ても飽きないと思えるほど、最大級の癒しをもらえるシーンです。
5回とも一瞬で終わってしまうため、初見時はゆっくり鑑賞できなかった方もおられるかと思いますが、二度見では、ぜひこの生まれ変わりのシーンに注目してみてください。ギスギスした心がきれいさっぱり洗われるはずです。
猫と犬の温度差に笑って癒される
2回目の生まれ変わりでイーサン家族に迎え入れられたベイリーですが、彼の家にはベイリーより先に一匹の猫が住んでいました。
この猫とベイリーのやりとりも、じっくり見返すと実は最大に癒されるポイントのひとつなのです。
基本的に交流を図ろうとしない猫に対し、常に猫に興味津々であるベイリー。ついには猫に犬の心得を教えようと、強制的に訓練を開始します。おそらく猫からすれば余計なお世話でしかないのですが、そんなことベイリーの知ったこっちゃありません。
昼寝をしたい猫を無理やり起こしたかと思えば、「クンクンする訓練だ」「それじゃ犬になれないぞ」と頼まれてもいないレッスンを始めるベイリー。そして彼から必死に逃げようと走り回る猫のやりとり。とにかくおもしろくて癒されます。
犬と猫、どちらも飼っている方であれば、日常あるあるの光景として、さらに癒しをもらえること間違いなしです。
人間の子どもとの何気ない日常シーン
4回目の生まれ変わりで出会ったマヤ。彼女はのちに結婚し、3人の子宝に恵まれます。
そしてベイリー自身も薄々気づき始めてはいましたが、物心がつき始めた子どもたちにとって、ペットの犬というのは最高の遊び相手。ただ、いかんせん扱いが雑なのです。
全力で家中を追いかけまわされたかと思えば、子どもたちの着せ替え人形にされるなど、やられたい放題。
でも実は注目されることが大好きであるベイリー。嫌がるそぶりを見せつつも、実際は喜んでいるという天邪鬼な態度を見せます。
そんな無邪気な子どもたちと一緒になって遊ぶベイリーの日常シーンは、癒し以外の言葉では言い表せられない。鑑賞側まで楽しい気分にさせてもらえるシーンです。
何も考えずに癒されたいときにおすすめのシーン
犬が主役という時点で、動物好きな方からすればすでに癒しの作品である今作。ただ、猫や子どもなど他の存在と触れ合うことにより、癒しのパワーはさらに増幅するのです。
何も考えずに癒されたいときは、ぜひご紹介したシーンをエンドレスで見返してみてください。
「僕のワンダフル・ライフ」の二度見ポイント3:50年の間に変わりゆく風景にもご注目を!
最初の飼い主であるイーサンと再び巡り合うべく、50年の間に何度も生まれ変わったベイリー。ふたりの絆を通した物語は、何度見ても涙してしまいます。
ただ、違った角度から見返したい方は、犬や人間ではなく、50年の間に変わりゆく風景などに注目してはいかがでしょうか。
懐かしい気持ちにさせられる1970年代
イーサンとベイリーが最初に出会った時代は、1960~1970年代。この時代の映画作品が好きな方なら、シーンごとの背景を見ているだけでもテンションがあがるかと思います。
イーサンの愛車や家に置かれたテレビ、街並みなどすべてにとにかく味がある!
またイーサンが後の恋人となるハンナと出会った、サマーフェスティバル。
遊園地のアトラクションや屋台が設置されたお祭り会場は、70年代前後の映画(特に恋愛作品)でよく見かける演出。実際に行ったことはなくとも、映画などでよく目にする光景であるため、懐かしい気持ちにさせてもらえます。
あと個人的にはハンナの服装や水着が70年代を象徴するレトロファッションである点も、時代を感じるポイントのひとつだと思っています。めちゃくちゃかわいい服装ばかりで、ついうっとりしてしまいました。
アクション作品ファンにはたまらない1980年代
次の生まれ変わりは、おそらく1980年代頃でしょうか。ベイリーは警察犬としての犬生を送ることになったため、舞台は警察署などが中心となってきます。
その際、一瞬だけ画面に映りこむパトカーや警察署内の雰囲気が、これまた懐かしい!
80年代のアクション作品が好きな方であれば、チラッと映る背景や小物を見ただけでテンションが上がってしまうかと思います。
またまた個人的な話になりますが、私としては飼い主であるカルロスがベイリーとともに射撃訓練をしている場所が「まさにこの時代の警察署!」と懐かしみを感じるポイントであると感じました。
何気ない部分に時代が隠された1990年代
次の生まれ変わりでは、1990年頃のアトランタ州で犬生を送ることになったベイリー。
この時代になると2回目や3回目の生まれ変わりの時とは違い、風景や小物もまだ最近のものといった印象になっているのですが……。
よく見てみるとマヤとアル夫婦が見ているドラマの内容、家の中にある子供たちのおもちゃやインテリアがTHE・90年代といった雰囲気のものになっています。演出がとにかく細かい……!
またマヤ夫婦が子どもやベイリーを連れて散歩する公園や並木道。哀愁が漂いながらも、どこか温かい気持ちにもさせてもらえる、90年代を象徴する風景となっています。一瞬ではありますが、味のあるシーンなので二度見の際はお見逃しなく!
犬や人間と一緒に風景にも注目しての鑑賞を
犬と人間の関係がテーマである今作ですが、時代とともに変わりゆく風景なども実は見どころのポイントとなっています。
ベイリーが生まれ変わるたびに変わる風景。各年代の味がありとあらゆる部分にたっぷり含まれているので、二度見鑑賞では違った角度からも注目して見てください。
感動だけでなく笑いや癒しももらえる作品
犬を飼っている人も飼っていない人も泣ける作品! として話題になった、「僕のワンダフル・ライフ」。
でも実は感動以外にも笑いや癒し、さらには歴史も感じることができる見どころたっぷりの作品なのです。
何も考えずに二度見鑑賞してもまた感動でき、泣ける作品ではあると思います。でもせっかくなら、今回ご紹介したポイントなどにも注目しつつ、いろんな角度から見返してみてはいかがでしょうか。
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