アクション映画

迫力満点のスリルが味わえる映画「キングコング:髑髏島の巨神」の二度見ポイント。見方ひとつでまったく違う楽しみ方ができる!【映画レビュー(ネタバレあり)】

上映日:2017年
製作国:アメリカ
上映時間:118分

監督:ジョーダン・ボート=ロバーツ
出演者:トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・グッドマン、ジン・ティエン、ジョン・C・ライリー、トビー・ケベル、ジョン・オーティス、コーリー・ホーキンス、ジェイソン・ミッチェル、シェー・ウィガム、トーマス・マン、ユージン・コルデロ、テリー・ノタリー、MIYAVI

あらすじ:

コンラッド(トム・ヒドルストン)率いる調査遠征隊が、未知の生物を探すべく、神話上の存在とされてきた謎の島に潜入する。しかし、その島は人間が足を踏み入れるべきではない“髑髏島”だった。島には骸骨が散乱しており、さらに岩壁には巨大な手の形をした血の跡を目撃する。そして彼らの前に、神なる存在であるキングコングが出現。人間は、凶暴なキングコングに立ち向かうすべがなく……。

『キングコング 髑髏島の巨神』予告編

『キングコング 髑髏島の巨神』シングメディア編集部レビュー

ワクワクやドキドキ展開の連続で、思わず童心にかえってしまう。

2017年に公開された「キングコング:髑髏島の巨神」は、忘れかけていた子ども心を思い出しながらも、現実では味わえない非日常体験が堪能できる怪獣映画です。とにかくキングコングがかっこよすぎる……!

しかし今作には結末がわかっていても改めて見返したくなる、意外な二度見ポイントがたくさんあるのです。

「キングコング:髑髏島の巨神」の二度見ポイント1:キングコングを魅力的に映し出す数々の演出

「キングコング:髑髏島の巨神」の二度見ポイント1

まず今作を語るにあたり欠かせない存在といえば、髑髏島の王・キングコング! 序盤では圧倒的強さと恐怖で鑑賞側に絶望の二文字を与えましたが、ラストが近づくにつれ、徐々にやさしい一面を見せてくれました。

そして改めて見返してみると、キングコングが魅力的に映し出されるために施されたであろう、さまざまな演出の工夫に気づくことができるのです。

大きさを比較する対象が必ずいる

今作のキングコングは体長が約30メートル。10階建てのビルがめちゃくちゃ暴れまくっていると想像していただければ、わかりやすいかと思います。普通に考えて1メートルそこらの人間がかなう相手ではありません。

作中ではそんな30メートル超えのキングコングが暴れまくり、時に絶望、時に期待を与えてくれました。

ただ、よく見てみるとキングコングが登場するシーンには必ずと言って良いほど、人間や鳥、ヘリコプターなどが一緒に映り込んでいるのです。

大きさを比較する対象を画面内におさめることにより、キングコングがいかに巨大で迫力ある存在なのかを、視覚から自然に認識できるよう演出されていたのです。

序盤のバトルシーンの演出がすごい

作中何度も登場するキングコングのバトルシーンは、とにかく見どころ満載。特に“VSパッカード大佐”と“VSスカル・クローラー”の2戦は迫力満点で、何度見返しても子ども心をくすぐられます。

ただ、二度見鑑賞ではぜひ髑髏島にヘリが到着し、初めてキングコングと戦う序盤のシーンにご注目いただきたい!

次々に墜落するヘリと調査隊の一員。まばたきする暇もないほど、激しい展開がしばらく続きます。しかし次の瞬間、映像と音声がスローになり、ドンドンと心拍数のような音が一定のリズムで流れ続けるのです。

この絶妙な演出により、鑑賞側の心拍数も無意識のうちにあがり、キングコングの恐ろしさを序盤から植えつけていたのです。

水面から伝わるキングコングのやさしさ

序盤ではただ恐ろしい存在でしかなかったキングコングですが、ストーリーが進むにつれ、内に秘めたやさしさを見せてくれます。

そんな一面がよくわかるのが、戦いで傷ついた体を癒すためにキングコングが水辺で一休みするシーン。

キングコングの顔が水面に映り込むシーンがあるのですが、その表情がどこか悲しげにも見えるけど、水面を通して見ているからはっきりと表情が読めない。ただ、もしかするとキングコングにも悲しいという感情があるのでは?

……と、はっきり映りこまない水面を利用することにより、鑑賞側の想像を膨らませてくれたのです。

工夫された数々の演出にご注目を!

恐怖の存在でしかなかったキングコングが、徐々にやさしく頼れる存在へと変わっていく。違和感なくその変化を受け入れることができたのは、工夫された数々の演出があったからかもしれません。

二度見ではぜひキングコング登場時の演出にも注目してみてください。

「キングコング:髑髏島の巨神」の二度見ポイント2:エンタメオタク歓喜のオマージュシーンが盛りだくさん

「キングコング:髑髏島の巨神」の二度見ポイント2

映画はもちろん、ゲームやアニメなどをはじめとしたエンタメ好きの方であれば、おそらく初見時に「既視感がある……」と感じるシーンが多々あったのではないでしょうか。

その謎は監督の日本愛に隠されていました。

監督がまさかの日本オタク

今作の指揮をとったジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督は、大の日本オタクで有名。日本の映画はもちろん、ゲームやアニメが大好きであると自ら公言されています。

そのため今作のなかには、さまざまな作品のオマージュを取り入れ、ありとあらゆる作品からインスピレーションを受けた演出が見られるのです。

怪獣や登場人物の誕生秘話

たとえば作中に登場する怪獣たち。

今作最大の敵でもあるスカル・クローラーは、「千と千尋の神隠し」のカオナシや「新世紀エヴァンゲリオン」の使徒などからインスピレーションを受けたとのこと。確かに言われてみれば、使徒です。

島の水辺から突如現れるスケル・バッファロー(水牛)も、尊敬する宮崎駿監督のアニメからインスピレーションを受けています。確かに言われてみれば、もののけ姫に出てきそうです。

また日本兵のイカリグンペイは、任天堂でゲームボーイの開発に携わった横井軍平さんと、「エヴァンゲリオン」の主人公・碇シンジから名付けたと監督が語っています。

ものすごい日本愛です。ハリウッド映画であるにもかかわらず、日本愛が詰まりすぎています。

オマージュを探しながらの二度見が楽しい

エヴァンゲリオン、ポケモン、AKIRA、もののけ姫、千と千尋の神隠しなど、さまざまな作品からインスピレーションを受けて製作された今作。

エンタメオタクの方は、そんな監督の日本愛を知ったうえで二度見鑑賞してみてください。めちゃくちゃ楽しいです。ストーリーそっちのけで、オマージュシーン探しが始まります。

ちなみに筆者は二度見の鑑賞にて、水辺を去るキングコングは「ワンダと巨像」、ラストのキングコングVSスカル・クローラー戦は「エヴァンゲリオン」からインスピレーションを受けたのかなと感じました。

あと序盤でコンラッドがバンコクを去る際にほんの一瞬だけ映るシンバルモンキーや、イーウィス族の村を全体から映し出すシーン。何のゲームというわけではないのですが、ゲームあるある感が満載過ぎてめちゃくちゃ感動しました。

エンタメ好きの方はぜひ違う楽しみ方を!

監督の日本作品への愛がたっぷり詰め込まれていた今作。

その他にもさまざまな作品のオマージュシーンがあるとのことなので、映画やアニメ、ゲーム好きの方はオマージュ探しをしながら二度見鑑賞を楽しんではどうでしょうか。

参考 – 金曜ロード シネマクラブ

「キングコング:髑髏島の巨神」の二度見ポイント3:癒しや人間ドラマを味わえる一瞬のシーン

「キングコング:髑髏島の巨神」の二度見ポイント3

魅力的なキングコングとスピード感ある展開を楽しめる今作ですが、実は他にも見どころが満載。

「癒されたい」「人間ドラマを楽しみたい」など違う見方で二度見鑑賞を楽しみたい方は、ぜひ今からご紹介するシーンに注目してみてください。

本物の自然にこだわったロケ地

ベトナムやオーストラリア、ハワイなどでロケが行われた今作。監督いわく、怪獣をCGで製作するため、ロケ地はすべて本物の自然を使いたかったとのこと。そのこだわりにより今作は「美しさと怖さを同時に味わえる」と断言されています。

もしかすると初見時は、1秒先の展開も読めないスリルに最初から最後まで恐怖していた方もおられるかもしれません。

そんな方こそ、二度見鑑賞ではこだわりぬかれた本物の自然に注目してはいかがでしょうか。

嵐を抜けたヘリが島へ到着した瞬間の山々や、キングコングが水辺で休むときの空。静かに映り込む背景に注目すると、スリル満点の怪獣映画も途端に癒しの映像へと変化します。

参考 – 映画『キングコング:髑髏島の巨神』特別映像

パッカード大佐の本心がわかるシーン

序盤に頼れる上司として登場したものの、途中からはキングコングに復讐するだけの鬼と化してしまったパッカード大佐。

誰が何を言っても「キングコングを抹殺する」の一点張り。最初は大佐の命令に従っていた部下たちも「いやもう、キングコング抹殺は諦めて逃げましょうよ」とあからさまに嫌な顔を見せていました。おそらく鑑賞していた方の中にも「頼むから逃げてくれ」と祈るように見ていた方も多いはず。

ただ、中盤以降のシーンだけ切り取ってみると、自分勝手で周りの意見を聞かない人に映ってしまいますが、序盤のシーンをよく見返してみてください。

出発前にチャップマンと語っていた大佐が手にしていた小さな木箱の中には、戦争で亡くなったと思われる部下たちのドッグタグや手紙がぎっしり詰められています。

誰よりも部下を大切に思う大佐だからこそ、キングコングに部下たちをやられたのがどうしても許せなかったのかもしれません。

この木箱を悲しそうに見つめる表情を頭に浮かべながら鑑賞すると、初見時とはだいぶ大佐の印象も変わって見えるはずです。

違った視点からの鑑賞を!

怪獣のバトル作品かと思いきや、見方を変えると癒し映像にも人間ドラマにもなる不思議な作品。

初見ではつい見落としがちなシーンも多々あるので、ぜひ二度見では違った視点から鑑賞してみてください。

好みの見方で二度見鑑賞を楽しもう!

大人気シリーズの続編である「キングコング:髑髏島の巨神」は、一見、怪獣映画好きのごく一部のファンしか楽しめない作品だと思うかもしれません。

しかし蓋を開けてみると、怪獣バトル以外でも見どころ満載の作品となっているのです。

初見でキングコングの迫力あるバトルを楽しんだ方は、二度見はお好みの見方で鑑賞を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。