アメリカ映画

襲い掛かる死と戦う映画「ファイナル・デッドコースター」の二度見ポイント! ピタゴラスイッチ的仕組みが癖になる【映画レビュー(ネタバレあり)】

上映日:2006年
製作国:アメリカ
上映時間:93分

監督:ジェームズ・ウォン
出演者:メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ライアン・メリマン、クリス・レムシュ、アレックス・ジョンソン、サム・イーストン、アマンダ・クルー、テキサス・バトル、シャーラン・シモンズ、クリスタル・ロウ

あらすじ:

ウェンディ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は、高校の卒業イベントでアミューズメント・パークを訪れた。ジェットコースターに乗り込んだ彼女は、乗っているジェットコースターが事故でクラッシュする予知夢を見てパニックになる。隣に座っていた友人のケヴィン(ライアン・メリマン)とともに乗車を拒否した後、実際に事故が起きて乗客全員が死亡した。

『ファイナル・デッドコースター』予告編

『ファイナル・デッドコースター』シングメディア編集部レビュー

襲い掛かってくる死から誰も逃れることはできない。

突然前触れもなく事故に遭遇する予知夢を見て、その場は無事に回避するものの、その後、さまざまな形で主人公たちのもとに死の恐怖が迫りくる「ファイナル・デスティネーション」シリーズ。デスゲーム作品好きの方であれば、一度は鑑賞した経験があるのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、「ファイナル・デスティネーション」シリーズの第3部作である、「ファイナル・デッドコースター」。

「ファイナル・デスティネーション」シリーズの中でも人気を博す今作は、結末がわかっていても思わずまた見たくなってしまう二度見ポイントが盛りだくさんなのです。

映画「ファイナル・デッドコースター」の二度見ポイント3つ

「ファイナル・デッドコースター」の二度見ポイント1:死のピタゴラスイッチの仕組みをよく観察してみる

「ファイナル・デッドコースター」の二度見ポイント1

今作最大の見どころといえば、主人公のウェンディをはじめ、ジェットコースター事故を回避した者のもとに突然襲い掛かってくる死が非常に計算された形であるという点。

ひとつでもピースがはまらなければパズルが完成しないのと同じで、ひとつでも小さなアクシデントが起こらなければ死につながる不慮の事故が起こることはなかった。

まさにピタゴラスイッチを彷彿させるかのような死のシーンは、改めて見返しても、夢中になって見入ってしまう二度見ポイントでもあるのです。

日焼けサロンのシーンはもはや不幸の連鎖

最初の被害者でもある、イケイケギャルのアシュレーとアシュリン。

彼女たちは日焼けサロンを訪れた際、部屋に持ち込んだ飲み物の水滴が機械にかかり日焼けマシーンがショート。そのまま徐々に温度があがり、最後は爆発した日焼けマシーンの中で亡くなりました。

ただ鑑賞した方であればお分かりであるかの通り、彼女たちが生き延びる方法はいくらでもあったのです。

自分たちで日焼けマシーンを開け脱出したり、外にいる店員に助けを求めたりするなど、もし現実で同じ状況に陥ったとしても、まず閉じ込められたまま死の恐怖と戦うことはないでしょう。

ところがどっこい。アシュレーとアシュリンがマシーンに入っている最中、店員の男性は裏口から外に出て彼女と電話中。その際、棚から落ちてきたチューブがドアに挟まり完全に開かない状態に。そして表にまわるもふたりが入り口のカギをロックしていたため、店員は一歩たりとも店に入れない状態に。

また本来であれば、女性の片手1本でも楽々と開けることができる日焼けマシーン。しかし頭上にあったCD棚が横並びになったふたりのマシーンのもとに落下。そのまま2台のマシーンの間にすっぽり挟まり、まったく開かなくなってしまったのです。

もう不運のピタゴラスイッチの連鎖であるとしか言えません。

今作一番のピタゴラスイッチを味わえる日曜大工用具店

そして今作で最もピタゴラスイッチ感を味わえたのが、イアンとエリンが働く日曜大工用具店のシーン。

初っ端からイアンが釘打ち機や電動のこぎりで作業するシーンがばんばん映るため、おそらく鑑賞した方の誰もが嫌な予感しかしなかったのではないでしょうか。

案の定、その後は勝手に無人の運搬車が動きだしたり、イアンがぶつかった際に棚の荷物がちょっと傾いたりと、私たちの期待を裏切らない流れでピタゴラスイッチの連鎖が始まっていきます。

結果的に最後はイアンの頭上から大量の木片が落ちてくるものの、ウェンディの助けにより死を回避することができました。

……ただ、そのときの衝撃で転倒したイアンの彼女であるエリンが後頭部をぶつけた際に釘打ち機を起動させ、亡くなってしまうという誰もが予想だにしていなかった展開が待ち受けていたのですがね。いや、ピタゴラスイッチまったく関係ないやん。

ラストのお祭りはまさかのどんでん返しだらけ

さらに終盤のシーンでは、今作最後の見どころである三百年祭という名のお祭りのシーンが映し出されます。

もちろんこの三百年祭でも死のピタゴラスイッチがめちゃくちゃ発動しまくります。

スタッフが立てかけた鉄の棒が倒れ、山積みになっていた鉄球に直撃。ひとつの鉄球が転がり花火の打ち上げ台のもとへ転がっていくという、まさにこれこそピタゴラスイッチと言える瞬間。

おまけに花火の音に興奮した馬が暴れだして嫌な予感がし始めたかと思うと、悪ノリ少年たちが馬の後ろで爆竹を点火させ、その衝撃で興奮しきった馬が逃亡するという悲劇。

そんなピタゴラスイッチの連鎖により、ウェンディの妹ジュリーは危機一髪で死を回避するもののジュリーの友人は亡くなり、その後、ウェンディを逆恨みして登場したイアンも落ちてきたクレーンのアームによって亡くなる。

もうお祭りのシーンでは、最後の最後にすべての伏線を回収したかのようなバタバタ感をこれでもかというほど見せてくれました。

結末を知っているからこそ楽しめる見方とは?

……と、ストーリーの復習を兼ね前置きが長くなってしまいましたが、筆者としては二度見をする際は、それぞれのシーンで死のピタゴラスイッチの仕組みをしっかり見てみると、初見では見落としていた点に気づくことができるかと思います。

というのもおそらく初見では、不穏なBGMとともに物が落ちたり転がったりするなどするため、「どのような流れでこのキャストは死んでしまうのだろう」とハラハラドキドキして鑑賞していたかと思います。

しかし死までの流れを知ったあとの二度見鑑賞であれば、結果はわかっているため、初見よりもじっくりピタゴラスイッチの仕組みを理解することができるかと思います。

なんなら三百年祭で転がった鉄球とか完全にピタゴラスイッチのフラグであるにもかかわらず、最終的に直接事故に関係することはなかったよね、といった思わせぶりな展開も意外と多く隠されているのです。

二度見ではぜひ死のカウントダウンまでに起こるピタゴラスイッチの仕組みとあわせ、実は重要に見えてまったく関係なかった匂わせピタゴラスイッチを探し出してみてはいかがでしょうか。

「ファイナル・デッドコースター」の二度見ポイント2:ホラーサスペンス作品なのにそこまで恐怖を感じない理由

「ファイナル・デッドコースター」の二度見ポイント2

ホラーサスペンス作品である今作は、終始ハラハラドキドキさせられつつ、時折グロテスクな描写も多々登場します。

特に登場人物たちの死に方は、「自分だったら絶対にこんな死に方だけはしたくない」と心の底から思わずにはいられないほど、悲惨な形での最期となっています。

そのためこの手の作品が苦手な方の中には、初見時、恐る恐る見始めた方もいるのではないでしょうか。ええ、ホラーが苦手な筆者も初見では手に汗握って見ていましたよ。

しかしいざ鑑賞してみると、怖いっちゃ怖いけどそこまで恐怖を感じない。おまけにグロテスクであるもののトラウマになるほどではない。といったノリでラストまで見終えることができるのです。

その理由は入念に作られたであろう脚本のおかげであると、筆者は思っております。

先の展開が予想できるため心の準備ができる

そもそもホラー映画がなぜ鑑賞側に恐怖を与えるのかというと、先の展開がまったく読めないから。

いつどこで何が起こるのかといった不安。そして一度安心させておいたところで突然驚かせる。このドキドキ感が恐怖を増幅させているのです。

しかし今作はホラーサスペンスではあるものの、先ほども申し上げた通り、序盤から“ピタゴラスイッチの仕組みで死を迎える”という流れができています。

そのため8割ほど先が読めちゃっているのですよね。どのような展開になるかはわからないけど、とりあえず物が転がったり、キャストが「死ぬわけないじゃん」とお決まりのセリフを吐いたりしたら、とりあえずこの後、誰かが悲惨な形で退場するのだなとわかってしまう。おかげでかなり前の時点で心の準備ができてしまう。

そんな何となく先の展開が予想できるからこそ、ハラハラドキドキはするものの、従来のホラー作品と比較しても恐怖は感じない。ホラーが苦手な方でも繰り返し見て楽しむことができる作品なのです。

恐怖シーンからのシュール展開で怖さも半減

また今作は恐怖を完全に忘れさせ、ふふっと笑わせてくれるシーンもいくつかあります。

いや、登場人物たちが最期を迎えるシーンで笑ってしまうのは致し方不謹慎かなとも思いますが、仕方ないのです。だって制作側が確実に笑わせにきているだろと思うシュールなシーンが今作では多々登場するのです。

たとえば予告動画でも映っていますが、強靭な肉体を持つアメフト選手のルイス。

ウェンディたちが「死ぬかもしれない」と忠告しているにもかかわらず、彼は一切聞く耳をもたず。しかし次の瞬間、トレーニングジムの後ろに飾られていたナイフが落下。……が、間一髪の時点でそれを回避します。

そして「誰が死ぬもんか。俺の勝ちだ」と死を回避した喜びから叫ぶも、次の瞬間にはナイフによってロープが切られた重りに頭を挟まれあっさり退場。見事にホラー作品あるあるとも呼べる死亡フラグセリフを回収してしまったのです。

このように今作にはもう完全に次の展開が読めてしまうシュールなシーンがところどころ登場します。それも日焼けサロンや日曜大工用具店といったハラハラドキドキするシーンのあとに、さくっとこの手のシュールなシーンを挟んでくるのです。

恐怖シーンからのシュール展開を交互に挟むことで、一度味わった恐怖を思わず忘れ、シュールすぎるシーンでふと気が抜けてしまう。この流れによって今作は終始恐怖を感じることなく、最後まで冷静な状態で見終えることができるのです。

余計な展開はなし! 1時間半でさくっと完結

先の展開が何となく読めるうえ、ところどころシュールな展開を登場させることで先ほどまで感じていた恐怖を忘れさせてくれる。

そんなホラー作品でありながら、時折、違うジャンルの顔も見せてくれる今作は、見れば見るほど恐怖感が半減していく作品。もはや繰り返しみているうちにコメディ映画に見えてくるかのような錯覚すら起こしてしまいます。

なにより誰かが死んだと思ったら、次のシーンではすでに別の人物に死の恐怖が迫っている! の繰り返しであるため余計なシーンは一切なし。さくさく進み約1時間半でラストを迎える、まさに二度見鑑賞には打ってつけともいえるテンポのいい作品でもあります。

初見では何が起こるかわからないためドキドキしていたものの、見終わったら意外に怖くなかったという感想をもった方は、ぜひ二度見ではホラー作品ではなく別のジャンルと考えて鑑賞してみてください。

おそらく二度見、三度見するうちに恐怖を1ミリたりとも感じることはなくなります。それどころか心に余裕ができ、シュールなシーンでふふっと笑えたり、高校生たちの青春を応援したくなったりするなど、初見とは180度違う見方ができるかと思います。

「ファイナル・デッドコースター」の二度見ポイント3:感情移入しながら聞きたい登場人物たちの名言

「ファイナル・デッドコースター」の二度見ポイント3

登場人物たちがどのように死を迎えてしまうのか、という点に注目しがちな今作ですが、実はいろんな意味で隠れた名言がさまざまなシーンで見られるのです。

日常に役立ちそうな名言から、登場人物の心境が垣間見られる名言。そして待っていましたよと言わんばかりの、ホラー作品あるあるとも呼べる珍名言。

今回は中でも筆者が厳選した名言を3つご紹介したいと思います。

「ジェットコースターは自分でコントロールできない。だから怖いんだ」

序盤で嫌な予感がし、ジェットコースターに乗ることを躊躇していたウェンディ。そんな彼女に恋人であるジェイソンがかけた言葉がこの「ジェットコースターは自分でコントロールできない。だから怖いんだ」の一言。

自分でコントロールできないから何が起こるかわからない。それで悪い想像ばかりしてしまうのだ。と、彼は怖がるウェンディにやさしく声をかけます。

確かにジェットコースターだけに限らず、飛行機、災害、そして自分以外の他人など、私たち人間は自分でコントロールできないものに対して強い恐怖を感じるときもあります。

ジェイソンはそんな人間の感情を理解しているからこそ、とっさにウェンディに名言とも呼べるこの一言をかけることができたのでしょう。そして彼女を安心させるべく、最後には「でも大丈夫、何も起きないよ」の一言を。何ていい男なのでしょうか、ジェイソン。

まあ、「何も起きないよ」のセリフからもわかる通り、このあとすぐにジェットコースターは事故を起こしてジェイソンだけが巻き込まれてしまうのですがね。

めちゃくちゃかっこいいセリフを残したと同時に改めて「本当に自分でコントロールできないものは怖い」という説を立証してくれた、ジェイソンの名言でした。

「本音を言えるのはあなただけ」

当初は優等生キャラでどこか近寄りがたい存在だったウェンディ。おまけに正義感が人一倍強すぎるため、自分が止められなかったせいでジェットコースター事故は起こってしまったと自分自身を責め続ける日々を送ります。

さすがに周りも心配して殻に閉じこもってしまったウェンディを気遣うそぶりを見せますが、誰に対しても心を開かず、ぶっきらぼうに突き放してしまう始末。

そのため当初は若干冷たい女性に見えていたウェンディですが、妹のジュリーが部屋に入ってきた際、こらえきれない悲しみや苦悩を打ち明けます。そして最後には「本音を言えるのはあなただけ」と妹のジュリーを誰よりも信頼していることを告白。

この一件で本音をさらけ出したからでしょうか。その後のウェンディは人が変わったかのように周りの人々に襲い掛かる死の連鎖を止めようと最後まで奮闘します。

包み隠さずに本音を言える相手がひとりでもいるだけで、人は大きく変わることができるのだということを教えてもらえる姉妹のシーン。

ウェンディに感情移入しながら見てみると、この何気ない一言もすばらしい名言に聞こえてきます。

「俺は死なない」

もう見出しを目にした時点でお気づきかと思いますが、ホラー作品で一番言ってはいけない“死亡フラグ”という名の魔法の言葉です。

日曜大工用具店のシーンで危機一髪死を逃れたイアン。その後、ラストの祭りのシーンで暴発した花火が彼に襲い掛かりますが、見事にそちらもすべて回避。デスゲーム作品においてこれほどまでに運のよい人間がいるのかと思うほど、見事な生き残りぶりです。

しかし次の瞬間、彼が口から放ったのは「見たろ? 俺は死なない。死ぬのはお前だ」の一言。あっ、言っちゃったね。

もうこの一言を口にしたら最後です。次の瞬間には、頭上から落ちてきたクレーン下敷きになっているイアンの姿が。

なぜラストのラストでこのセリフを口にするのだ。「俺は死なない」は序盤で死亡フラグを立てる奴だけに許された一言でしょうが。

と、思わずツッコミたくなってしまうイアンの珍名言。

序盤で「誰が死ぬもんか」がラストのセリフとなってしまったルイスの最期とあわせて見直してみると、本当にこの一言がいかに怖い魔法の言葉であるかがわかるかと思います。

聞き流している名言がいたるところに隠れた作品

ストーリーだけでなく、登場人物それぞれのセリフにも味がある今作は、一見、聞き流してしまいがちな一言にも実は深い意味が隠されているシーンが盛りだくさん。

二度見ではストーリーの流れだけでなく、登場人物たちのセリフ一つひとつにも注目して鑑賞してみてはいかがでしょうか。きっと初見では聞き流していた意外な名言が見つかるかもしれません。

あとイアンとルイスからは、間違っても死亡フラグを立てる言葉だけは口にしてはいけないということを改めて学んでください。

ストーリー以外の部分に目を向けての二度見鑑賞を

ストーリーはもちろん、登場人物たちに迫りくる死の過程までが巧妙に組まれている今作は、何度鑑賞してもそのアイディアのすばらしさに感動させられる作品です。

初見では最後の結末が気になるとストーリーだけに没頭して鑑賞していたのであれば、ぜひ二度見では、ストーリー以外の部分に目を向けて見てください。

ピタゴラスイッチ感覚で楽しめる仕組みや、登場人物たちの何気ないセリフ。それらに注目することで、初見とはまったく違う印象の作品として心に残るかもしれません。

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WRITTEN BY
LISA

フリーライター/コラムニスト。2011年よりライター活動開始。元ギャルのオタク。映画は出演俳優とジャンル重視で選びがち。特にサメとゾンビとイケメンが大好物です。でも現実世界ではどれとも遭遇したくないと思いながら毎日を生きています。

Blog:https://ameblo.jp/lisa-ism9281/