こんにちは、シングメディア編集部です。
テレワークが普及していく中で、社内のコミュニケーションや情報共有がおろそかになることを不安に感じる経営者も多いでしょう。
Web会議やチャットツールなどでフォローできる部分もありますが、社内動画を活用すればさらにコミュニケーションを円滑化させたり情報共有を迅速かつ正確に行ったりするのに効果的です。
しかし中には、次のようなお悩みや疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
「社内動画を活用できるシーンはどれくらいあるのだろう?」
「社内動画を活用するとどんな効果があるのだろう?」
「そもそも社内動画を自社で制作できるのだろうか?」
そこで今回は、「社内動画の活用例や社内動画を作成するメリットとデメリット」をご紹介します。
社内で動画を作成する企業が増えている
動画配信は社外向けの広報・宣伝に使われるイメージが強いですが、社内研修やマニュアルの周知、情報共有など、社内向けに取り入れる動きも広がりつつあります。
社内での動画活用は、テレワークの導入による社内コミュニケーション不足の解消、トップダウンのスピーディな事業戦略の展開に役立ちます。
社内動画で会社全体に均質な情報伝達ができるため、従業員数や事業所数が多い企業ほど高い効果が望めるのも特徴です。
現在、国内では20%弱の企業で社内動画を実施。事業所数が50を超える大手企業では4割から5割程度が社内動画を実施しています。
2013年の調査では、すでに米国企業の7割が社内動画を導入しているというデータもあるほど。国内でも社内動画を活用する企業は今後さらに増えていくことが予想されます。
・参考サイト:White Papers Archive – Ragan Communications
社内動画の活用例とは?
社内で作成する動画は従業員向けの内容になります。すべての従業員に同一の情報を正確かつ素早く伝えたいときの活用におすすめです。
では具体的にどんな場面で活用できるのか、社内動画の代表的な活用例をご紹介していきましょう。
社内研修
社内動画は、社内研修やスキルトレーニングに活用できます。
動画を作成することで、研修を実施するための場所や時間を確保しなくてもよいため、大変効率的。講師や受講者のスケジュール調整なども不要です。そのため研修担当者の負担を軽減できるという効果も。
受講する側にとっても、仕事の空き時間や自宅で視聴できるなど自由度が高まります。それぞれが自分の理解しにくい内容を繰り返し見返すことも可能なので、理解を深めやすいのも魅力。
紙のテキストと口頭説明よりも動画のほうがわかりやすいケースもあります。資料の印刷代など諸経費のコストカットにも期待ができるでしょう。
ただし研修内容によっては簡単なレジュメがあったほうが理解しやすい場合もあるので、臨機応変に対応しましょう。
また講師が変わると研修内容に差が出たり教え方の巧拙があったりしますが、動画なら教育の均一化が図れます。
マニュアル周知
仕事の流れや接客方法、店舗運営のしかたなどのマニュアル動画をつくるメリットも大きなものがあります。
文書マニュアルよりも映像付きの説明のほうがわかりやすいのは言うまでもありません。特に初めて業務を行う人にとっては、文字だけでは場面の想像がしにくいこともあるので、動画はより効果的です。
専用のツールや工作機械などOJTで習得するものも、動画による事前学習は効果があります。事前学習をしておくことで新人スタッフでも即戦力として動ける、営業力を全体的に強化できる、接客サービスの均一化をはかるといったメリットにも期待ができます。
教える側も現場での教育負担が減るので、生産性を落とさずにすむというのもメリットです。
マニュアル動画は低コストで売上アップにつながる、効果的なツールと言えます。
経営者のメッセージ
社員のモチベーションを上げるために、経営者のメッセージを動画にするのも効果的です。
企業規模が大きくなるほど、経営トップの声を直接聞く機会は少ないもの。そこで経営者の想いやビジョンなどを社員にいつでも届けられるように動画を活用するのです。
代表や社長の表情、声、語り口を知ることで社員は親近感を持ち、会社への帰属意識を高められるでしょう。普段なかなか接することができない経営者の人柄も知れるので、信頼関係を築くのにも効果的です。
会社の経営理念やビジョンを共有することで、社員が自分の業務に意義を見出し、やる気を持って仕事に取り組めるという効果にも期待ができます。
企業の動向や業績を経営トップが動画で説明し、好調であれば社員へ感謝の言葉を述べ、不調であれば鼓舞するなど、全社員へ直接メッセージを届けることが会社の士気を高めるのに効果的です。
社内報・情報共有
事業方針や社内体制、社内ルールの変更があったときは社内動画で情報共有を行うのがスピーディです。
特に企業規模が大きい場合は、すべての事業所に文書を配布したり掲示したりするよりも手間とコストがかかりません。凝った動画を作成する必要はありませんから、伝えたい情報を撮影してすぐに全従業員に共有できます。
新商品やリニューアル商品などの情報も、動画による説明のほうが理解しやすいです。
全従業員が同一の情報や共通の理解を持っておかなければならない商品・サービス情報については、図や表も含めた幅広い映像表現が可能な動画配信が適しています。
また事業や従業員の紹介なども、動画なら映像や音声付きで説明できるのでわかりやすいです。
リモートワークを導入している企業なら、社内報を動画で配信すれば距離が離れていてもすぐに同じ情報を全従業員と共有できるため、有効となります。
社内動画のメリット
映像化して配信できる社内の情報は多種多様です。これらを社内動画にするとき、共通して得られるメリットにはどのようなものがあるのか、一つひとつ詳しくご紹介します。
情報伝達コストの削減
事業所が多いと、情報を伝達するための文書の配布や講師の出張などの経費が大きくなります。しかし社内動画を1本制作すれば全事業所へ同じ内容の情報をすぐに届けることができ、金銭的コストと人的コストを抑えられるというメリットがあります。
また紙ベースの資料やマニュアルは情報量に制約があり、図や表を増やせば枚数も増えてしまいますし、膨大な量の資料は読むほうも大変です。
その点、動画では図や表はもちろん、音声でも伝えられるため、情報量をギュッと圧縮できます。文章では説明しにくいシーンも動画なら映像や音声で伝えられるため一目瞭然です。
聞きやすい話し方の場合なら、1分間に300文字程度、文字数1万文字程度の多めの情報量でも30~40分の動画で済みます。
研修など毎回同様の内容になる情報伝達であれば、動画を一度作って繰り返し使い回すことで、以後のコスト削減にもつながるため大変便利です。
即時性と効率性
社内動画の活用には即時性と効率性があるのも大きなメリット。早急に情報伝達をする必要があれば、その内容をカメラの前で話すだけで動画をすぐに作成・送信できるのです。
動画はスマートフォンだけでも撮影でき、専用アプリがあれば簡単な編集もできます。
情報の受け取り側は、通信環境が整っていれば動画がアップされると同時に視聴可能。スマートフォンやタブレットなら場所も選ばず即座に情報を得られます。
全国の事業所、あるいは海外であっても、タイムラグがほとんどなく情報共有できるのは大きなメリットと言えます。
また同時に多くの従業員に情報を伝えられるため、効率もいいです。実際に事業所や支店が多い大企業ほど社内動画を活用しています。
自然災害など緊急事態の場合にも、どう対応すればいいのかなどを映像でわかりやすい形ですぐに伝達可能です。
研修のように同一内容の繰り返しになるものなら、説明や準備のためにその都度手間と時間をかけることが不要になります。教育リソースを減らし、業務の効率化につながるのも魅力です。
わかりやすさや親近感
文章や図では伝えることが難しい内容でも、動画で実際の映像を使えばわかりやすいというのも大きなメリットです。
動画は映像を見せながら説明をテキストや音声で伝えられるため、情報の受け取り手が誤解や勘違いをする可能性が低くなります。
そのため複雑な情報や専門性が高い内容でも説明が上手な講師の動画なら、文書のみより親しみを感じられるし理解もしやすいです。
研修内容やマニュアルをわかりやすく伝えられれば、結果的に従業員全体のレベルアップも狙えます。
硬いイメージを持たれやすい経営者のメッセージなども写真と文章よりも本人の表情や肉声がわかる動画のほうが、より親近感を持ってもらえるでしょう。従業員側に経営者への信頼も生まれ、士気も高まります。
社内動画のデメリット
社内動画を導入する上でマイナス要素はあるのでしょうか? 従業員が動画を視聴してくれない、視聴する時間がとれないといった動画そのものに起因しない部分を除けば、デメリットはほとんどないと言えます。
しかし動画作成をするうえでは、デメリットと言えるものがいくつかあるのでご紹介します。
動画作成リソースの確保
社内動画を継続的に配信するには、動画を作成する人員を確保する、もしくは新たに部署を設置する必要があります。
広告動画をつくる広報のように動画作成ができる部署があっても、元々の業務に支障が出るようであれば問題です。
研修用動画やマニュアル動画は広告動画に比べて作成しやすい一方、本数が多くなるため導入初期には人的リソースや制作時間に無理が生じる恐れがあります。
ある程度のクオリティを保つのであれば、撮影機材や編集用のパソコン、専用アプリケーションも用意しなければなりません。
撮影、編集、配信方法をどのレベルに設定するかによって、必要なリソースが大きく変わることに注意しましょう。
動画作成のノウハウが必要
一般企業の場合、社内に動画作成の専門的ノウハウや業務経験を持っている人は多くありません。
動画作成ノウハウがなければ、いくら社内向け動画と言っても、「視聴しやすい」「わかりやすい」といったクオリティ面に不安が残るのも事実です。
スマートフォンやアプリの普及により、ノウハウがなくても動画撮影や編集はやりやすくなりましたが、視聴に耐える品質で継続的あるいは定期的に動画作成・配信を行うのは大変。
動画1本だけを作成するわけではない場合、コンテンツによってカテゴリ分けをしたり、企画も行ったりするなど長期的視野や計画性が必要になります。
内容や品質にもよりますが、動画作成はテロップをつける、図や表を入れる、ナレーションをつけるなどの工数もかかるものです。
ノウハウを持つ人員が少なければリソース不足が起こるため、社員の多くが協力できる体制づくりがあったほうがよいでしょう。
担当者に動画作成の講座を受講してもらい、プロのノウハウを学ばせることも有効です。
配信システムやセキュリティの問題
動画配信を安定して行える機材とネット環境を用意することも必要です。
ライブ配信などでは、インターネット環境を有線接続するのはもちろん、カメラとパソコンの間に通信制限などがないか確認し、配信時に不備がないようにしなければなりません。
また社内動画の内容は、研修内容やマニュアル、経営方針など基本的に社外に漏れてはいけないものがほとんどでしょう。そのため動画ファイルを共有したり、YouTubeで配信したりするのはセキュリティ面でも問題があります。
YouTubeには限定配信機能がありますが、動画URLが漏洩すれば誰でも視聴できてしまうリスクがあるので注意しましょう。
配信システムは無料でできるものは採用せず、コストはかかってもセキュリティが高い動画配信サービスを利用するのが無難。
社内動画の作成から配信するまで、動画配信を安全に効率的に行う仕組みづくりが大切です。
社内動画作成の流れ
動画制作には知識やノウハウが必要ではありますが、社内動画はプロモーション動画などに比べると内製しやすい動画です。そこでこの段落では、社内動画を内製する際の作成の流れをご紹介します。
配信方法を決め、絵コンテを作成する
社内動画を作成する際は、まずどうやって社員に動画を共有するのか、配信方法を決めましょう。たとえば社員向けのポータルサイトに掲載する、Web版の社内報に埋め込む、社内メールなどで動画URLを共有するなどです。
配信方法が決まったら、動画の内容を決めた上でそれを絵コンテにして、イメージを視覚化しましょう。
絵コンテを作成することで、動画を撮影する際に制作意図に沿った撮影がスムーズにできるようになります。動画制作に携わるスタッフ全員に具体的なイメージを共有できるのもポイントです。
機材を準備、撮影する
絵コンテが作成できたら、撮影に必要な機材を準備して撮影に臨みましょう。
撮影に必要な機材は、動画を撮影するカメラ、三脚、単一指向性マイク、撮影用のLEDライトなどです。カメラはスマートフォンのカメラでも代用できます。購入が難しい場合はレンタルでもいいでしょう。
機材が揃ったら、絵コンテに沿ってシーンごとに動画を撮影します。
編集して書き出す
動画の撮影が終わったら、撮影した素材をもとに余剰部分をカットしたりシーンとシーンをつないだりといった動画編集作業をおこないます。
内容が伝わりにくい部分や強調したい部分などにはテロップやナレーションを入れるのがおすすめです。必要に応じてグラフや資料、アニメーション、BGMなども挿入しましょう。
編集作業が終わったら、動画を書き出して完了です。書き出しとは、動画のファイル形式を一般的な扱いやすい形式に変えて保存すること。
この作業をすることで、動画をさまざまなプラットフォームで見られるようになります。
社内動画を共有する方法
社内動画を共有するに際して、まず社内動画制作の目的を明確にしておくことが必要です。
社内広報、業務マニュアルの伝達、社内規定の周知、研修、社長のメッセージ配信など、社内動画を利用する目的はさまざま。その目的を明確にした上で、社員にどうやって動画を共有するかを決める必要があるのです。
目的を明確にしたら、動画コンテンツを共有するための環境を整えましょう。動画を視聴するためのデバイスや安定したインターネット環境を準備することも必要になります。
動画共有には、法人向けの動画配信サービスなどを利用するのも一つの方法です。
さまざまな動画配信サービスがあり、それぞれ利用料やサービス内容が異なるため、自社の目的に応じたものを選ぶようにしましょう。
社内動画を共有するときの注意点
社内動画を共有する際には、目的に合った動画配信サービスを選ぶことが大切です。
たとえばリアルタイムで動画を共有したいのなら、ライブ配信ができるサービスを、事前に収録した動画を共有したいのなら録画配信ができるサービスを選びましょう。どちらも利用する可能性がある場合は、両方利用できるサービスを選ぶと便利です。
また動画配信サービスには、同時に視聴できる人数に上限があるものも存在するため、よく調べて選択するようにしましょう。
もう一つ気を付けなければならないのが、情報漏えいのリスクに備えること。
社内動画を共有する際には、インターネットまたは社内のイントラネットを利用することになります。どちらにしても、日ごろからセキュリティ対策を怠ってはいけません。
部外者がアクセスできないようにセキュリティ対策をおこない、社員にも禁止項目などを周知徹底させる必要があります。
社内動画の共有に使えるシステム
社内動画を社員と共有する際に使えるシステムについて、どのようなものがあるかご紹介します。
millviポータル
「millviポータル」は株式会社エビリーが提供するクラウド型のシステムで、社内専用の動画共有ポータルサイトを構築することが可能です。
YouTubeなどの場合、社内の人間以外にURLが流出してしまうリスクがありますが、こちらは社内専用なのでその心配はありません。IP制限や暗号化配信なども可能なので、安心して使うことができます。
導入は1週間程度ででき、コンテンツ管理やライブ配信、ランキングメール配信などの機能も付いています。無料トライアルもあるため、気軽にお試しできるのも魅力です。
J-Stream Equipmedia
「J-Stream Equipmedia」は、株式会社Jストリームが提供する動画配信プラットフォーム。国内最大級でさまざまな企業が導入しています。
特徴は、社内の情報共有だけでなく、ECサイトや動画広告などさまざまなシーンで活用できること。社員に限らず、会員限定などで配信することも可能です。
機能も豊富で、動画の視聴解析や掲載サイト別のプレイヤー設定管理などもあります。スマホやタブレットなどでも視聴できる点も便利です。
BRIGHTCOVE
「BRIGHTCOVE」は、さまざまな業界で導入されているツールで、動画配信プラットフォームを長年提供してきた実績があります。
特徴は、AI搭載のカスタマープラットフォーム「HubSpot」や、クラウドベースのパーソナル動画プログラムシステム「IRIS.TV」といったテクノロジーを併用できることと、専門家によるサポートが用意されていることです。
30日間の無料トライアルがあるので、まずはお試ししてみるといいでしょう。
社内動画の活用はメリットが多い! 不安ならプロの力も借りよう
社内動画を作成し、従業員の研修やマニュアル習得に活用する企業が増えています。社内での動画活用には、コスト削減や情報伝達の利便性などメリットが多くあるためです。
しかし動画作成には人的リソースを確保したり、ノウハウが必要であったりしてハードルが高い部分があるのも事実。
社内動画の作成で失敗したくない場合は、初めはプロの助けを借りるのがおすすめです。映像制作のプロに依頼して、メリットをしっかり活かせる社内動画を制作しましょう。
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