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涙なしでは見られない純愛映画『きみに読む物語』の二度見ポイント【映画レビュー(ネタバレあり)】

あらすじ:

家族とひと夏を過ごすためにノース・カロライナにやって来た良家の子女アリー(レイチェル・マクアダムス)は、地元の青年ノア(ライアン・ゴズリング)から熱烈なアプローチを受け、やがて愛し合うようになる。

『きみに読む物語』予告編

『きみに読む物語』シングメディア編集部レビュー

「本気で泣ける映画」と聞いて、思い浮かべる人もきっと多いであろう、『きみに読む物語』。

2004年にアメリカで公開されると同時に大ヒットを飛ばし、多くの人々に感動を与えた『きみに読む物語』は、まさに「全米が泣いた!」のうたい文句がふさわしい作品となっています。

1940年のアメリカの田舎町を舞台に、青年ノア(ライアン・ゴズリング)がお嬢様のアリー(レイチェル・マクアダムス)に一目惚れするところから始まる今作は、まさしく現代版ロミオとジュリエット。特にラスト20分は、涙なしで見ることができません。

そんな純愛映画である『きみに読む物語』ですが、初見時はどうしてもふたりの恋の行方にばかり意識がいきがち。

そこで今回は、何度見ても泣ける『きみに読む物語』の二度見ポイントについてご紹介したいと思います。

「きみに読む物語」の二度見ポイント1:言葉でなく目の表情で気持ちを伝えるノア

惹かれあっているはずなのに、すれ違ってばかりのノアとアリー。そんなふたりの姿を見て、「もう、素直になっちゃいなさいよ!」とやきもきしながら、鑑賞をしていた方も多いはず。

しかしよく観察してみると、感情の起伏が激しく、思ったことは何でも口にしてしまうアリーとは正反対に、ノアが自分の本音を言葉に出すのは、別れ話のシーンをはじめ、数える程度。

それにもかかわらず、物語の中ではノアの怒りや悲しみが痛いほど伝わってきます。その理由は、彼が言葉ではなく、目の表情だけで気持ちを表現しているからなのです。

「きみに読む物語」の二度見ポイント1

別れを予感し始めていた悲しい目

初めて父親にアリーを紹介したノア。そこでノアの父親は「そうだ、パンケーキでも食べよう」と提案し、三人が楽しそうに食事をするシーンがあるのですが。このときのナレーションがとにかく切ない!

「釣り合わない恋だった」「彼は田舎者、彼女は都会育ち」「彼女は前途洋々、彼には何もなかった」

もしかすると、すでにノアはこの時点から、いつか訪れるであろう、アリーとの別れを予感していたのかもしれません。

そして、その後のシーンでは、海辺ではしゃぐアリーをノアがただ静かに見つめているのですが、このときのノアの表情がまたまた切ない! 口元は笑っているのに、目は今にも泣き出しそうな表情をしているのです!

一目惚れしたアリーに強引なアタックを続けた結果、よくやく付き合えて幸せな毎日を過ごしているものの、心のどこかでは、「自分と彼女は釣り合っていない」という葛藤に悩まされていた。そんなノアの心境が目の表情からひしひしと伝わってくるシーンです。

夢か現実かわからず動揺する目

その後、ノアとアリーが別れて7年。アリーは別の男性との結婚式を目前に控えていたものの、まさかのこのタイミングでたまたまノアが載った新聞の記事を発見。居ても立っても居られず、ノアが住む家へと向かいます。

そしてついに7年越しの再会! しかし、ノアは一言も喋らない! アリーの「元気だった?」という問いかけにも全力で無視!

いや、目の前に7年間も忘れられずに思い続けている女性がいるのだから、何か喋ろうよ! と言いたくもなるのですが、おそらく、ノアにはこれが夢か現実かがわかっていなかったのです。

ただただ、目の前にいるアリーの姿をじっと見つめ、そのまま左手を顔の前にかざして太陽の光を避けては、さらにアリーをじっくり見ようとする。

この一瞬の表情だけで「これは夢か?それとも現実か?」というノアの心の声が聞こえてきます。目の表現だけでここまで伝えるノアの演技力、本当にすごいです。

アリーの結婚話では一切目が笑わず

しかし、7年ぶりに再会したからといって、必ずしもうまくいくとは限りません。そうです、アリーにはすでに婚約者がいたのです。

その話を張本人であるアリーの口から聞かされるノア。7年も待ち続けていた思い人から結婚の話を聞かされるとか、地獄でしかありません。

当然、ノアもこれには動揺を隠せません。会話中、ずっと笑顔であるはずなのに、目だけが一切笑っていない。

そして、一応「両親もお喜びだろうね」と祝福の言葉はかけるものの、やはり、目だけが一切笑っていない。

おまけに「(彼を)愛しているの?」と自分から問いかけたにもかかわらず、「愛しているわ、とても」とアリーが返答すると、耐えられずに思わず目をそらしてしまう。

その後、ふたりで食事をとっている最中、アリーから左手薬指の指輪を見せつけられるのですが、もうここまでくると、目が笑っていないどころか死んでいます。死んだ魚の目をしています。もはやノアのHPは0です。

アリーの婚約話を聞いている最中、ずっと自分の気持ちを押し殺していたノア。しかし、その本音は目の表情から丸わかりになっていたのでした。

二度見ではノアの目の表情に注目を

アリーを見つめるノアの表情は、いつも優しい顔をしています。

しかし、彼女と自分の立場の違い、別れ、相手を失いそうになる恐怖を感じたときだけは、いつもの笑顔で悲しそうな目をするのです。アリーと比べると、あまり本音を口にしないノアですが、目の表情を読むと、いたるところで彼の切ない心境がわかります。

二度見では、そんなノアの目から伝わる彼の心境にも注目してみてください。

「きみに読む物語」の二度見ポイント2:ノアとアリーだけでない! 注目すべき人々の心境

さて、ノアとアリーの恋の行方が気になって仕方ない『きみに読む物語』。

しかし、筆者は思うのです。今作に登場する人はとにかく良い人ばかりすぎると。それなのに壮絶な人生を歩んだり、深く傷ついたりと、もうノアとアリーの周りの人たちだけで、もう一本映画が撮れるのではないかなと思うほど。

もし、初見ではノアとアリーの恋の行方ばかり追っていたという方がいらっしゃいましたら、二度見の際は、彼らの周りの人々にも目を向けてみてください。

「きみに読む物語」の二度見ポイント2

スパルタに見えて実は心優しい、アリーのママ

初登場時から強烈なインパクトを残したアリーのママこと、アン。典型的なスパルタママである彼女は、序盤からその厳しい母としての姿をこれでもかというほど、見せてくれます。

特にすごかったのが、ノアとアリーが夜遅くまで帰ってこず、警察沙汰になったとき。今すぐにでもノアと別れることをアリーに命じるアンは、「彼はいい青年よ、だけど……クズよ、あなたの相手じゃないわ!」と大激怒。そのとき、耳を澄ませて英語版のセリフを聞いていただきたいのですが、思いっきり「He is trash, trash, trash」と連呼していますからね。いや、そんな三回も連呼しなくても……。

でも、彼女がここまでアリーに厳しいのは、自身も過去に貧しい青年と恋に落ち、駆け落ちをするもすぐに保護されてしまったという経験があるから。そんな自身の経験から、娘には同じ思いをしてほしくないと思っての行動だったのです。

また、アリーと別れた後、ノアは毎日一通、計365通の手紙をアリーに送りますが、届いた手紙はすべて母親が隠し、一通もアリーに届くことはなかったのです。

ただ、本当に別れさせようとしているのであれば、すぐにでも手紙を処分するはず。

しかし、アンは手紙を隠すものの、捨てることはできなかった。そこに注目してみると、彼女が母親として娘の恋を応援してあげたいけどできない、という葛藤とひとり戦っていたことがわかるかと思います。

ふたりのキューピット役である、親友のフィン

まさしく今作において、ふたりのキューピット役であった、ノアの親友であるフィン。登場シーンはさほど多くはありませんが、フィンがいなければ、ノアとアリーが何度も結ばれることはなかったのです!

たとえば、まだ片思い時代のノアは、アリーを何度もデートに誘うも断られ続けます。そんなふたりをくっつけようと行動に出たのがフィンです。フィンと彼女、そしてノアとアリーのダブル映画デートをセッティング。これを機にふたりは付き合い始めます。言い換えれば、フィンがこのダブルデートを企画してくれなければ、アリーがノアに振り向くことはなかったのかもしれません。

その後、喧嘩別れをしてしまったノアとアリー。翌日、アリーは母親からの命令で突然ニューヨークの自宅に帰らなければいけなくなりました。

ノアと別れたくなかったアリーは、彼の仕事場に向かいますが、タイミング悪くノアは配達に出かけている最中。そこでフィンに、ノアに別れたくない旨を伝えるよう頼むのですが、フィンは憔悴しきったノアの姿を見ていたため、それを断ります。

その際、「話たきゃ(ノアの方から)手紙を書く」とアリーに伝えたのですが、おそらく、このフィンの提案を機にノアは365日アリーに手紙を送り続けることになったのでしょう。そして、その手紙が7年後の再会で、ふたりを再び結びつけるきっかけをつくるのです。いや、もう本当にフィンのキューピット力すごすぎません?

残念ながらその後、フィンは戦死してしまうのですが、彼なしでは今のふたりはなかったと分かるシーンが、今作にはたくさん登場しています。

物語の中で一番傷ついているであろう、婚約者のロン

おそらく、今作の中で一番深く傷ついているであろう、男性。そうです、アリーの婚約者であるロンです。

そもそも、純愛映画だけにかぎらず、恋愛映画に登場する恋敵って、なんとな~く鼻につく嫌な奴である場合が多いもの。

しかし、このロン! もう本当にいい奴すぎるのです!

何がすごいかって、イケメンで、仕事もできて、おまけに南部の大富豪の子孫。それなのに一切鼻につかない。

おまけに結婚式目前にもかかわらず、アリーが隠れてノアに会いに行くことを決意した時も、彼女を信じて一切怪しむことなく、笑顔で送り出してくれます。婚約者が元カレに会いに行くとも知らず、全力の笑顔で送り出してくれます。

そして、実は元カレに会いに行っていたことを知り、アリーが結婚を悩み始めていることに気づいても、一切、彼女を責めない。もう良い人の枠を超えて、今後ロンが悪い人たちに騙されないか心配になってくるレベルです。

ただ、そんな優しさのかたまりでできたかのようなロンが一度だけ、怒りを見せるシーンがあります。

それは、アリーがノアとロンのどちらを選ぶかで悩んでいるとき。ロンは「僕の選択肢は三つ。彼を撃ち殺すか、彼をブン殴るか、あるいは、君と別れる」とだけ口にします。その表情は、必死で冷静さを保とうとするものの、怒りや悲しみが隠しきれないといったもの。

これまで一切、怒りや悲しみを見せなかったロンのこの何とも言えない表情。間違いなく、二度見では必見のシーンです。

周りの人々の些細な言動や表情にも目を向けてみて

ノアとアリーを見守る周りの人々の中には、一見、ふたりの恋路を邪魔しているかのように思える人たちもいます。でも実は、みながみな、心の中ではノアやアリーの幸せを願っていたのです。

二度見では、そんなノアとアリーのふたりはもちろん、周りの人々の些細な言動や表情にも目を向けてみてください。

「きみに読む物語」の二度見ポイント3:撮影の裏話を知ると二度見では鳥肌が!

『きみに読む物語』といえば、今でも名を残す大ヒット作品であると同時に、ノア役のライアン・ゴズリングとアリー役のレイチェル・マクアダムスが撮影後から交際を始めたことも有名な話です(すでに別れてはいますが……)。

とはいえ、映画で共演したふたりが、疑似恋愛を通して実際に付き合うことは、珍しい話ではありません。

ただ、ライアンとレイチェルの場合は、撮影時から運命だったのではと思えるほどの驚きの裏話があったのです。

「きみに読む物語」の二度見ポイント3

実はかなり仲が悪かったふたり

実はふたり、『きみに読む物語』の撮影が開始された当初は、純愛映画のカップル役であるにもかかわらず、かなり仲が悪かったのです。

監督であるニック・カサヴェテスは、当時のことを、アメリカのケーブルテレビ『VH1』の中でこう語っています。

「映画上での二人のラブストーリー、そして最終的には、本当に付き合う事になった二人だが、この映画の制作中はとても仲が悪かった。映画のリリースから何年もの間、共演者の不仲説が噂されていた」

参考サイト:Ryan Gosling Wanted To Kick Rachel McAdams Off The Notebook Set And More You Didn’t Know About The Film – VH1 News

どうやら製作中は、物語のふたりとは打って変わり、ギスギスした関係が絶えなかったようです。

さらに、ついにはライアンがレイチェルとのシーンを撮っている最中に「彼女をここから追い出して、別の女優を連れて来てくれ」「出来ないんだ。彼女とは無理なんだ」とまで言い放ったのだとか。

大喧嘩を機に関係も修復される

そんな険悪なムードが続いたことで、カサヴェテス監督は、自分とプロデューサー、そして当の本人たちであるライアンとレイチェルを連れ、個室で話し合うことに。

しかし、監督がタバコを吸いに外へ出ると、個室の中で、突然、ライアンとレイチェルが声をあげて大喧嘩! いやもう、本当に想像しただけで恐ろしいです。これから純愛作品を撮るはずのふたりが、周りの目などお構いなしに大喧嘩って……。

ただ、その後、タバコを吸い終わった監督の前に現れたのは「よし、やるぞ!」といった様子で、個室から外に現れたふたりの姿だったのです。

どうやら、ふたりとも言いたいことを言い合えたおかげで、これまでのギスギスした関係も修復したのだそう。その後は、順風満帆というわけではないものの、以前よりはふたりの関係も良くなり、無事に撮影は済んだようです。

でも、この後すぐ、ふたりが交際を始めたわけですから、人生って本当に何があるかわからないですよね。

物語の喧嘩シーンがリアルすぎるワケとは?

そして、この裏話を聞いた後で注目していただきたいのが、今作の中でのふたりの関係。

といいますのも、ノアとアリーは順調に交際を進めるものの、ちょっとしたことで喧嘩が絶えないカップルでした。ただ、喧嘩の後はすぐに仲直りをするため、それがふたりのお決まりパターンとなっていたのです。

実際、物語の中でも「もう喧嘩をしているでしょ」と言い放つアリーに向かって、ノアが「それが俺たちのパターンだ」と返すシーンがあります。

で、ですよ……。毎回、ふたりの喧嘩のシーンが本当にリアルなのです。演技じゃなく本気で喧嘩をしているのでは? と、見ているこちらがハラハラしてしまうほどの、ヒートアップ具合。でも、結局は離れられず、仲直りをしようとする。

そんなシーンが多々あるのですが、先ほどの監督の裏話を聞いた後に気づくのは、「あれ、もしかしてこのふたり、現実でも物語の中でも、まったく一緒のことをやっている?」ということ。

現実でも、お互いに言いたいことを言い合いすっきりするという経験をしたからこそ、『きみに読む物語』の喧嘩シーンは、リアリティのあるものになっているのかもしれません。

二度見では、そんな裏話も頭のすみに置きつつ、ふたりが喧嘩する様子を見てください。思わず、全身に鳥肌が立ちそうになります。

二度見では細かい表情に注目するとさらに彼らの本心が見える

多くの人の涙をさそい、今も純愛映画の名作として語り継がれる『きみに読む物語』。

立場の違い、すれ違い、再会……と、王道の恋愛映画にありがちなストーリーであるにもかかわらず、他の作品とは違う、大きな感動を与えてくれるのは、それぞれの心境や人間性がうまく描かれているからではないかと思います。

そして、一度鑑賞して、ノアとアリーの恋の行方を見守った後は、裏話や俳優たちの細かい表情にも注目しながら二度見してみてはどうでしょうか。きっと、初見では見抜けなかった彼らの本心が見えてくるはずです。

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WRITTEN BY
LISA

フリーライター/コラムニスト。2011年よりライター活動開始。元ギャルのオタク。映画は出演俳優とジャンル重視で選びがち。特にサメとゾンビとイケメンが大好物です。でも現実世界ではどれとも遭遇したくないと思いながら毎日を生きています。

Blog:https://ameblo.jp/lisa-ism9281/

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