こんにちは、シングメディア編集部です。
動画におけるコーデックの種類が多くて違いがわからない、コーデックエラーで動画が再生できない・・・。
そんな「動画コーデックについて知りたいあなた」は必見です。
動画制作をするのであればコーデックの基礎知識は覚えておきたいところ。コーデックの種類によって動画の画質や容量なども異なってくるので、自分に合ったコーデックを選んで使用することが大切です。
そこで今回は、「代表的なコーデックの種類とコーデックエラーが起こる原因・対処法」をご紹介します。
三行まとめ
- コーデックとは動画を形成する動画データと音声データをそれぞれ圧縮・変換・復元するプログラムのこと
- 現在(2019年2月時点)主流のコーデックは「H.264/MPEG-4 AVC」、最も将来性があるのは「AV1」
- コーデックエラーが起こる原因と対処法を紹介
動画のエンコードやデコードを行うプログラム! 「コーデック」とは?
コーデックとは動画を形成する動画データと音声データをそれぞれ圧縮・変換・復元する方法(それを実行するプログラム)のことです。語源は「coder(コーダー)/decoder(デコーダー)」の略語。
動画には動画用の、音声には音声用のコーデックがあります。
データの圧縮・変換が必要な理由は、もともとの容量が大きいから。動画は膨大な量の静止画によってできているため全体のデータ容量がかなり大きなものになっています。
そのままの状態では容量が大きすぎて都合が悪いので、圧縮して容量を小さくする必要があるのです。
そしてその圧縮・変換する作業のことを「エンコード」と呼びます。
ただし圧縮したままでは動画が再生できませんから、元の状態へ復元(伸張)する必要があります。その復元作業を「デコード」と呼びます。
コーデックにはさまざまな種類が存在しますが、それぞれに圧縮方法が異なり、復元する際には同じ種類のコーデックが必要となるのもポイントです。
おすすめや違いは? コーデックの代表的な種類
たくさんの種類があるコーデックですが、それぞれ画質や圧縮率などによる違いがあります。
「どのコーデックを使えばいいかわからない」という方のために、代表的な動画コーデックの種類を簡単にご紹介していきましょう。
AOMedia Video 1
通称「AV1」と呼ばれ、現時点(2019年2月)で最も高い圧縮率を誇っています。
『Apple』や『Google』『Microsoft』『Amazon』などといったアメリカの大手企業が共同で開発。最も将来性があると言われているおすすめのコーデックです。
H.264/MPEG-4 AVC
現在(2019年2月)において最も主流と言えるおすすめのコーデック。
YouTubeやニコニコ動画でも推奨されており、低ビットレートでも画質が良いというのが特徴です。
ただし再生時の負荷は大きめなのが惜しいところ。
Divx
現在ではあまり使われていませんが、一昔前まで最も主流だったコーデックです。
画質がそれほど高くないものの再生負荷が低いため、一昔前のパソコンを使っている人にとっては使い勝手がいいと言えるでしょう。
Xvid
「Divx」の商用化に反対するプログラマーによって作られたコーデック。性能は「Divx」とほとんど同じです。
また一昔前は主流として使われていましたが、現在では主流ではなくなっています。
MPEG-1
画質が悪く現在はあまり使われていませんが、昔のビデオCDなどで使用された標準規格のコーデックです。
再生時の負荷は低いものの、ファイルサイズは大きめ。ただしほとんどの機器で再生が可能という互換性の高さはメリットと言えます。
MPEG-2
「MPEG-1」の画質・機能を良くしたコーデック。圧縮サイズについても半分以下です。
現在でもテレビのデジタル放送やDVD、Blu-rayに使用されています。
MPEG-4
「MPEG-2」の圧縮率を高め、ネット動画をモバイル機器で視聴するために開発されたたコーデックです。
高画質なのが特徴ですが、「H.264/MPEG-4 AVC」の開発後はあまり使われていません。
VP9
Googleが開発した無料で使えるコーデック。「H.265/HEVC」と同等の圧縮率となります。
YouTubeでも主流となっていますが、今後は「AOMedia Video 1」に移行していく可能性が高いです。
WMV9
「MPEG-4」をベースにしてMicrosoft社が開発したコーデック。圧縮率の良さは「H.264/MPEG-4 AVC」と同等です。AVI・WMVコンテナだけに使用できます。
Windowsとの相性が良いのも特徴です。ただしあまり普及していません。
H.265/HEVC
「H.264/MPEG-4 AVC」の後継コーデック。ファイルサイズは半分にもかかわらず同等の画質をキープできるという優れたコーデックです。
ただし個人で使用するにはエンコードの速度が遅すぎるという欠点があり、個人使用では普及していません。
『Apple』や『Amazon』『Netflix』など大企業が採用していましたが、今後は「AOMedia Video 1」に主役の座を奪われていくでしょう。
Motion JPEG
安いスマホやデジカメの動画で使用されることが多いコーデック。1フレームがjpg画像であるのが特徴で、動画編集に適したコーデックです。
画質は良くないものの、デコードとエンコードがとても早くできます。ただ「MPEG-1」よりも圧縮率が劣ります。
動画再生ができない? コーデックエラーが起こる原因と対処法
動画を再生しようとしたところ、映像が出ない・音声が出ない、動画自体が再生されない・・・というケースもあります。
そんなときに疑うべきなのが、コーデックエラー。
ではコーデックエラーはなぜ起こるのか、その原因と対処法を見ていきましょう。
コーデックエラーが起こる原因
コーデックエラーが起こるのは、圧縮したときのコーデックと再生(伸張)するときのコーデックが異なっているからです。
たとえば「H.264」というコーデックで圧縮された動画ファイルは、パソコンに同じ「H.264」のコーデックがインストールされていないと、再生することができません。
なお動画の仕組みとして「コンテナ」と呼ばれるファイルに動画コーデックと音声コーデックが入っているわけですが、それぞれのコーデックについて圧縮・再生(伸張)時に同じコーデックを使用することが必要です。
そのため「動画だけが再生できない」という場合は動画データを圧縮するのに使ったコーデックと同じものがパソコンにインストールされていない可能性があり、「音声だけが再生できない」という場合は音声データを圧縮するのに使ったコーデックと同じものがパソコンにインストールされていないという可能性が高いです。
動画自体が再生されないのであれば、動画・音声両方のデータ圧縮に使用したコーデックがインストールされていないということになります。
コーデックエラーの対処法
コーデックエラーの対処法を4つご紹介しますので、自分に合った方法を選んでみましょう。
再生に必要なコーデックを調べてインストールする
この方法では、まず動画に使われているコーデックを調べてみることが必要です。
でも動画をエンコード(圧縮)した人でない限り、使われているコーデックはわかりません。
そんなときに役立つのが、コーデックを調べることができるソフト「コーデックチェッカー」です。
『MediaInfo』『PlayTime』『MediaInfoXP』『MediaInfoGUI.NET』などのコーデックチェッカーを使えば、動画・音声それぞれに使われているコーデックを簡単に調べることができます。
使われているコーデックがわかったら、該当するコーデックをネットからダウンロードし、パソコンやソフトにインストールしましょう。そうすれば問題なく再生できるようになります。
コーデックパックを利用する
コーデックをいちいち調べるのが面倒くさいという場合には、コーデックパックの利用がおすすめです。
コーデックパックとは複数のコーデックをまとめてインストールできるソフトのこと。
『ffdshow』や『CCCP (CombinedCommunity Codec Pack)』『K-Lite Codec Pack』といったコーデックパックを使えば、動画が再生できないというたびにコーデックを調べたり該当するコーデックをインストールしたりする手間が省けます。
コーデックパックを一つインストールしておけば、ほとんどの動画を再生できるようになるでしょう。
コーデック内蔵プレイヤーを利用する
コーデックを調べるのも何かをインストールするのも面倒くさいという場合には、コーデック内蔵プレイヤーがおすすめ。
プレイヤーにコーデックが内蔵されているので、コーデックをインストールする必要はありません。
『VLC media player』『PotPlayer』などのコーデック内蔵プレイヤーは高機能で、ほとんどの動画を再生できます。
エンコーダーを使ってエンコードし直す
中級者であれば、動画に使われているコーデックをコーデックチェッカーで調べた上で、エンコードできるソフトを使い、自身でエンコードし直すという手もあります。
一致するコーデックでエンコードし直してしまえば、動画が再生できるようになります。
まとめ
「動画コーデックについて知りたい」という方のために、代表的なコーデックの種類とコーデックエラーが起こる原因・対処法をご紹介してきましたが、いかがでしたか?
コーデックにはたくさんの種類があり、それぞれに特徴や違いがあります。動画に使用するコーデックを選ぶ際には、圧縮率や画質だけで決めるのではなく、自身の用途に合わせて選ぶことも大切です。
あなたが動画のエンコード・デコードを行う際に、最適なコーデックを選択できますように。
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