こんにちは、シングメディア編集部です。
映像制作で言うプリプロダクションって何のことだろう、プリプロとポスプロはどう違うんだろう、現場でよく聞くPPMって何だろう・・・。
そんな「映像制作におけるプリプロダクションとPPMについて知りたいあなた」は必見です。
映像制作のフローで最初に行うのがプリプロダクション(プリプロ)。プリプロは映像作品のクオリティを左右する大事な作業となりますが、一体どんなことを行うのでしょうか?
そこで今回は、「映像制作における“プリプロダクション(プリプロ)”と“PPM”とは何か」をご紹介します。
映像制作における「プリプロダクション」とは?
映像制作におけるプリプロダクションとは、映画やテレビCMなどの映像・動画制作の際、撮影前に行われる準備作業すべてのことを指します。略して「プリプロ」と呼ばれています。
準備作業とは具体的に、企画立案やリサーチ作業、構成台本の制作、監督やカメラマンなどスタッフ・キャスト選定、予算確認、スケジュール確認、美術作成、使用する機材やソフトの検討、著作権の扱いの確認、ロケハンなどのことです。
プリプロは映像制作会社に映像制作の発注が来た時点からスタートし、撮影までに行われる作業全体のことなので、撮影自体は含まれません。
撮影や編集に使われる機材・ソフトなどで新しく導入される技術や手法がある場合には、プリプロの段階でテストをすることになります。
なお企画立案では、動画・映像作品を作る目的を明確にすることが重要。クライアントにしっかり聞き取りを行い、目的を達成できること、視聴者にとって有益となることを考慮した上で企画を立案します。
企画立案の後は、リサーチ作業を行います。たとえばある商品の動画広告を作るのであれば、その商品やクライアント企業に関する知識はもちろん、業界に関する知識なども頭に入れ、しっかり理解する必要があります。
そうした知識の積み重ねによって、物事の本質を見る目が養われ、より視聴者に響く動画・映像作品を制作できるのです。
リサーチが完了したら、次は台本制作。映像の台本を書くには、動画と音声の割り当てを考えたり、時間軸の流れと視聴者の心理を計算したりしながらストーリーを組み立てていくことが必要です。
専門のスキルが必要になるため、構成作家が台本を制作することになります。
台本が仕上がったら、次は撮影交渉。台本に沿った映像を撮影するために必要な、さまざまな手配を行います。
たとえば司会進行をする人や専門家、リポーター、インタビューを行う相手など、必要な人物の手配、撮影場所への撮影許可申請などです。
これらを決められたコストを意識しながら進めていくことも大切なポイントになります。
このプリプロダクションは映像・動画制作において作品のコンセプトや目的などを決めるものでもあり、この工程の質が完成する映像・動画作品の質を左右すると言ってもいいでしょう。
それほどにプリプロダクションは大切な工程なのです。
ちなみに音楽制作におけるプリプロとは、本格的なレコーディングを行う前に行う仮録音、事前準備のことを指します。
楽曲のアレンジや歌詞、演奏パート、トラック数を確認したり、レコーディングで使用する機材の選定を行ったりすることが目的です。
事前準備という意味では映像制作におけるプリプロと同じような工程と言えます。
映像制作前に必ず実施する「プリ・プロダクション・ミーティング(PPM)」とは?
プリ・プロダクション・ミーティング(pre production meeting)とは、撮影前に広告主(クライアント)と広告代理店のクリエイティブ担当者、制作会社の責任者やスタッフによって行われる最終確認のためのミーティングのことを指し、現場では略して「PPM(ピーピーエム)」と呼ばれています。
PPMで確認するのは、企画・制作意図、演出プラン、撮影場所、想定されるリスク、出演者、スケジュール、衣装、セットデザイン、小道具、音楽などです。
また広告主との認識にズレが発生しやすい点や疑問をもたれる可能性のある点などについても制作会社から説明を行います。
撮影に入る前に、制作会社が「このような映像を制作することになります」と広告主に説明するための最終ミーティングであるため、書類を見せながらプランについてできるだけ細部まで説明することが求められます。
ポストプロダクションはいつ? 映像制作の流れ
映像制作の流れは、プリプロダクション→プロダクション→ポストプロダクションという順番になっています。
プリプロダクションで行うのは、次のような撮影準備作業です。
- 企画作成
- 構成・シナリオ作成
- 予算作成
- スケジュール作成
- キャスティング
- スタッフィング
- ロケハン
など。
そして最終確認として、プリ・プロダクション・ミーティング(PPM)が行われ、広告主からOKが出たらプロダクションへと移行します。
プロダクションの段階で行うのは、撮影やCG素材の制作です。
ちなみにフィルム撮影の場合は映像と音を別々にとることになり、次の工程で映像と音を合わせることになって手間がかかるのですが、ビデオ撮影の場合は映像と音を同時にとることができます。
そのため最近ではビデオ撮影が主流です。
撮影が終わると、ポストプロダクションとなります。
ポストプロダクションは仕上げ作業の工程となり、映像と音の編集を行います。具体的には次のような作業があります。
- 現像
- カラコレ(色調整)
- ME(ミュージックエフェクト)制作
- SE(サウンドエフェクト)制作
- 選曲・作曲
- ナレーターによるアフレコ
- 演出追加
- ノイズの除去
編集が終われば原版ができあがり、エンコードを行って作品の完成となります。
なおポストプロダクションについては下記の記事にて詳しく解説していますので、こちらも参考にしてください。
ポストプロダクションとは? 仕事内容と大手ポスプロ16社一覧
まとめ
「映像制作におけるプリプロダクションとPPMについて知りたい」という方のために、映像制作における“プリプロダクション(プリプロ)”と“PPM”とは何かをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
プリプロダクションは映像制作における撮影の準備作業全般を指し、PPMは広告主と広告代理店、制作会社が集まり、これから制作する映像作品はどのようなものになるのかを詳しく説明し、同じ認識を持つようにするための最終ミーティングです。
どちらも映像制作の意図や方向性を明確にし、質の高い作品を作る上では欠かせない工程となります。
さまざまな工程と人の手を経て完成する映像作品。広告業界、映像プロダクションを目指す方は、制作の全体像を把握するためにも制作フローや大まかな作業内容を理解しておくといいでしょう。
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