映像制作

CM・映像制作における「ブルーバック」「グリーンバック」を現場のプロが徹底解説! 撮影時に気をつけるべきことは?

あざっす! くぶ夫です!

今回はみなさんもなんとなく知ってるかもしれませんが、CM・映像制作における「ブルーバック」「グリーンバック」についてです!

くぶ夫くぶ夫

くぶ夫的見解の為、間違っていることもありえるので、真に受け過ぎずにご覧ください!

「ブルーバック」「グリーンバック」とは?

「ブルーバック」や「グリーンバック」と聞いて皆さんは何を想像しますでしょうか?

・・・

そうです、映像業界で「ブルー or グリーンバック」と言えば、よくメイキングなどで見る真っ青(真緑)な撮影現場のことです!

↓こんな感じの。

引用元:ブルーバック – Wikipedia

なぜこのような撮影をするのかというと、背景に別のものを合成するときに必要な「マスク」の作業を効率的にするためです。

「マスク」に関しては別記事で解説しています。

映像・動画編集における「マスク」とは? 現役コンポジターが作り方を解説!

背景が1色であることで、色の違いを使ったマスク作成作業が容易になるのです!


ではなぜブルーやグリーンなのか?

ウィキペディア先生によると、古くはフィルム撮影時代にブルーバックで撮影していたのが始まりとのこと。

しかしデジタルでの撮影が主となった現代では、以下の理由でブルーやグリーンが使われているのだと思います。

ブルーバック – Wikipedia

つまり人間(人種関わらず)の肌の色と補色関係にあるブルーやグリーンが一番マスクを抜きやすいとされているからなのです!

詳細はネット調べたらたくさん出てきますので、参考にしてみてください。

で、次項ではその他のケースも含め、もう少し突っ込んでみたいと思います!

「ブルーorグリーンバック」以外にも背景色はいろんな種類がある!?

もし読んでいただいているのが映像プロダクションの制作の方だったら、よく撮影前の打ち合わせのときに、

「今回はブルーバックですか? グリーンバックですか?」

と聞かれることが多々あると思います。

なぜかというと事前に背景色は発注しておかなければならず、撮影当日に現場で気軽に「やっぱりグリーンに変更してください!」なんてことはできないからです。

そんなときに困らない為に、背景色についてもう少しご説明を。

ブルーバック

伝統と格式のブルー!

輝度が低いため、ライティングでフォローしてあげないと暗くて黒と近い色になってしまう。

そうなると髪の毛などのマスクが大変なことに……。

最近あんまりザ・ブルーバックは見ない気がくぶ夫はしています。

ブルーバック撮影素材↓
ブルーバック撮影素材
マスク↓ ※恐竜の暗い部分も一緒に抜けてしまっていますね……。
テスト合成↓

グリーンバック

デジタルでケミカルなグリーン!

ブルーより輝度が高いため、暗部のマスクも安心。

ある有名コンポジターさんは「背景色はグリーン一択!」と言ってたとか言わないとか!

グリーンバック撮影素材↓
マスク↓ ※適当な撮影でもわりとキレイに抜けてますね。
テスト合成↓

サウスシーブルー

最近よく聞く明るいブルー!

グリーン同様輝度は高いため、暗部も安心。

合成する背景が青空だったり背景色に悩んだときは、くぶ夫は大体サウスシーでお願いしています!

サウスシーブルー撮影素材↓
マスク↓ ※こちらもわりとキレイに抜けました。
テスト合成↓

黒バック

湯気&煙や水しぶき等、素材系は輝度でマスク作業することがあるので、黒バックでの撮影が調子がいいときもあります!


他にもケースバイケースで対象物によってはグレーが適してたり、ときには赤なんてこともあったりするみたいなので、撮影時の背景は独断で決めてしまわないで、ぜひオンラインエディター(コンポジター)に一度相談して下さい!

そうすればコンポジットの精度や作業時間、そこから発生する作業費に無駄が生じないと思います!

よくある悪い例

上記の例は、対象物がグリーンなのに、グリーンバックで撮影してしまってます……。

そうするとマスクが上手く取れず、結局手描きマスクが必要になってしまい作業が大変になります。

撮影時に気をつけるべきこと!

学生さんで「自主制作で合成に初挑戦!」なんて方にお伝えしたいことです!

もし合成する背景が↓のように馴染みとか全然関係無いものならいいのですが、

実写の背景に上手く合成して「合成感を感じさせたくない!」ってときは、気にしてもらいたいことがあります!

撮影時のスケール(大きさ)感、パース感、カメラのレンズ等々を合成素材同士で合わせるのはもちろんとして、ライティングがとても大事になってきます!

例えば↓の素材。

どう見ても対象物(恐竜)に向かって左側から光が当たっています。

そこに逆に右側から光が当たってる背景を合成してしまうと、↓の実験のように違和感のある絵になってしまいます。

背景 左から光が当たっている
背景 右から光が当たっている(違和感)

このライティング問題は光の方向性だけではなく、天候(曇りの背景なのに、晴れライティングの人物を合成してしまう)や、季節感(夏は日差しが強い為、落ちる影の陰影が強く出るハズ)とか、さまざまな要素が関わってきます!

CMの現場ではプロの照明技師さんに光を作り込んでいただけるので問題ないですが、もし自分たちでやってみたいというときは、そこらへんも気にしてあげて下さい!

背景を取る際は人物を入れたリファレンス(その環境下で人物に周辺がどう影響してるかのガイド)も別で必ず撮っておくことを強くお勧めします!

この項でお読みいただいている映像プロダクションの制作さんにお伝えしたい事とすると、上記の理由から通常は「背景撮影→スタジオタレント撮影」な撮影順なハズですが、稀に「スタジオタレント撮影→背景撮影」でスケジュールが組まれていることがあります……。

タレントさんのスケジュール等でやむ負えないのかもしれませんが、背景撮影時の天候はコントロールできないので、極力「背景撮影→スタジオタレント撮影」にしたほうが絶対仕上がりはいいハズです!

その点、留意いただければと思います!

まとめ

  • 「ブルーバック」「グリーンバック」は編集時に背景合成する際に撮影するもの!
  • 背景色はケースバイケースで様々あるので事前にコンポジターに相談すると◎!
  • 合成の馴染みにはライティングもとても重要なので、撮り順には気をつける!

以上ざっくりですが、「ブルーorグリーンバック」についてお伝えしました!

世の中には「ブルーバックを張る専門の会社」があるくらい奥が深い世界なのですが、なんとなくでも皆さまにお伝え出来ていたら幸いです!!

WRITTEN BY
くぶ夫

某都内大手ポスプロの元コンポジター。平熱36度9分。宇川直宏スタイル。匿名希望。守秘義務厳守。蹴球好きのハマっ子。