映像制作

映像・動画制作における「インサートカット(インサートショット)」とは? 撮り方と効果的な編集方法

こんにちは、シングメディア編集部です。

映像制作におけるインサートカットの必要性や使い方が知りたい、インサートカットの撮り方や編集方法が知りたい・・・。

そんな「インサートカットについて知りたいあなた」は必見です。

インサートカットにはいくつかの役割があり、インサートカットを効果的に使うことで、映像・動画の見栄えや質が良くなります。そのため映像・動画制作をする際にはぜひとも使いたい編集手法です。

今回はそんな映像・動画制作における「インサートカットの撮り方と効果的な編集方法」をご紹介します。

三行まとめ
  • インサートカットとは一続きの映像の中に別のカット(映像)を挿入する手法。インタビュー映像などで使用されることが多い
  • インサートカットにはわかりにくいことをわかりやすく解説・補足する効果がある
  • 最後にインサートカットを実例で紹介

映像・動画の編集手法「インサートカット(インサートショット)」とは?

インサートカットってなに

「インサートカット」とは、インタビュー映像などで使用されることの多い映像編集テクニックで、一続きの映像の中に別のカット(映像)を挿入する手法です。「インサートショット」とも言います。

たとえばある人物のインタビュー映像の中で、不要な部分をカットしようとした場合、ただその部分をカットして次の映像とつなぎ合わせただけの編集では、編集点の映像に違和感が生じてしまいます。

その違和感をなくすために、インタビューを受けている人の目のアップ映像や部屋の映像、インタビュアーの映像、インタビュー内容の解説資料映像などを編集点に挿入するテクニックが、インサートカット(インサートショット)です。

こうしたインサートカットを映像・動画の中でうまく使うことによって、映像の見栄えや質が良くなる効果があります。

映像・動画制作でインサートカットが必要な理由は?

インサートカットが必要な理由は?

映像・動画制作においてインサートカットが必要となる理由は主に3つあります。

まず1つ目が、映像を編集した際に不自然に見えてしまうことを避けるため

通常、映像を編集する場合は映像と音声を同時に切り替えるカット編集が一般的です。

しかしインタビューなどの場合には、不要な部分をカットして編集してしまうと、映像や音声が飛んだように見えてしまう(ジャンプカットと言います)ため、視聴者に違和感や不自然さを感じさせてしまうことになります。

この編集による違和感や不自然さを解消するために、カット編集した部分へ別の映像を挿入する必要があるのです。

インサートカットが必要になる理由の2つ目に、わかりにくいことをわかりやすく解説・補足する効果があるからということも挙げられます。

たとえばインタビュー内容がわかりにくい場合、視聴者にわかりやすく伝えるための補足説明や解説動画を挿入します。

こうした解説・補足という役割もインサートカットにはあるのです。

そして3つ目のインサートカットが必要になる理由は、時間の経過を演出することで時短になるためというもの。

たとえば東京から沖縄旅行へ出かけるという映像を制作する場合、東京から沖縄までの道のりをずっと追っていたら時間がかかりすぎてしまいます。

映像・動画は再生可能時間が限られていることも多いですから、できるだけ時間の無駄はなくしたいもの。

そこで飛行機の映像を挿入することにより、東京から沖縄へ移動しているという時間の経過を演出することが可能になります。

このように映像・動画制作においてインサートカットは、「場面転換を自然に見せる役割」「補足説明効果」「時間の経過演出」という3つの用途を持っていると言えるのです。

インサートカットの撮り方と効果的な編集方法

映像や動画の質を向上させる効果もあるインサートカット。その撮り方や効果的な編集方法を詳しくご紹介します。

インサートカットの撮り方

インサートカットの撮り方は?

インサートカットとして使われる映像には、さまざまなものがあります。

制作する映像・動画に合わせて必要なインサートカットを撮影しておくことが大切です。

たとえばインタビュー映像で使うインサートカットであれば、コメント内容の説明映像、インタビュアーの顔、インタビュー場所などをインタビューとは別に撮影しておきましょう。

また食レポやグルメ番組などであれば、料理のアップ映像やお店の外観、ドラマや映画、ドキュメント、旅レポなどであれば風景や動植物、乗り物などを撮影しておくといいです。

企業紹介や企業インタビューの場合なら、会社の外観、ロゴマーク、受付、エントランス、会議室、企業の商品、職場での作業風景などを撮影しておくのが一般的。

こうしたインサートカット用の映像は本編とは別途、専用で撮影することが多く、インサートカット用に行う撮影を「インサート撮影」「ブツ撮り」と呼びます。

インサートカットの撮り方としては、本編を撮影する当日に一緒に撮影してしまう方法と、別日(本編の撮影後または撮影前)に撮影する方法があります。

当日に撮影してしまうのが楽ではありますが、編集の段階で足りない映像や欲しい映像が出てくるケースもあるものです。

そうなるとまたインサート撮影を行う必要があるため、二度手間になってしまうことも。

一度の撮影で済ませたい場合は、必要になりそうなインサートカットを事前にリスト化しておくといいでしょう。

インサートカットの効果的な編集方法

インサートカットの効果的な編集方法は?

インサートカットを効果的に編集するには、いくつかのポイントがあります。

インタビューであれば、インタビュー内容において話だけでは分かりづらい部分を説明・補足できるような映像を話の内容に合わせて挿入するのが効果的。

たとえば企業の社長が自社商品について語ったら、商品映像をインサートカットとして使う、仕事内容や作業手順について語ったら、実際の作業風景をインサートカットとして使うなどです。

識者のインタビューで専門的な話をされた場合、一般の人にもわかりやすいようイラストで解説する動画をインサートカットとして使うというのもいいでしょう。

またインタビューに回答している人の話の中で不要な部分を削除した場合、回答者のインタビュー映像をそのまま使うのではなく、必要な部分だけの音声を使い、映像は話に関係のある映像をインサートカットにするという方法もあります。

例として、「私は犬も好きですが、猫がとにかく大好きです」というコメントのうち「犬も好きですが」の部分を削除して、「私はとにかく猫が大好きです」と編集するとします。

その場合、「私は」の部分で回答者の顔の映像、「猫がとにかく大好きです」の部分で猫の映像をインサートカットで使うと、不要なコメントを削除しても違和感のない映像にすることが可能です。

ドラマの場合であれば、シーンの切り替えに実景をインサートカットとして使うよう編集すると、自然な流れで状況説明や時間経過の演出ができます。

たとえば登場人物が自宅で朝食を食べているシーンから教室でのシーンに切り替える際、教室でのシーンの前に学校の外観を挿入することで、「学校へ登校した」ということが伝わります。

このように話の内容がスムーズに視聴者へ伝わるよう意識して編集することが、インサートカットを効果的に使うコツになります。

なおインサートカットを使う際に注意したいのが、インタビューなどで話者のコメントを編集する場合に、話者の意図と異なる内容のコメントにならないようにするということです。

コメントの中で不要な部分を削除したことにより、話者の意図と異なる主張になってしまうというケースもあります。そういったコメントのねつ造につながる編集はしないよう注意しましょう。

インタビュー映像に多い? インサートカットの使用例

インサートカットがどのように使われているのか、文章だけではわかりにくいもの。

そこでインサートカットの使用例について、インタビュー映像でいくつかの実例をご紹介します。

※20秒~の箇所がインサートカットです。第二弾Voicy CM「This is MY VOICE」より
※39秒~の箇所がインサートカットです。「cotree」サービス紹介CMより
※出だしの6秒~の箇所がインサートカットです。第二弾Voicy CM「This is MY VOICE」より

まとめ

「インサートカットについて知りたい」という方のために、映像・動画制作におけるインサートカットの撮り方と効果的な編集方法をご紹介してきましたが、いかがでしたか?

インサートカットを効果的に使えば、映像・動画の質はグンと向上します。視聴者に情報をわかりやすく伝えるということを意識して、上手にインサートカットを使用しましょう。

あなたの映像・動画制作において、インサートカットが効果的に機能しますように。


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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。