アクション映画

映画「クローズZERO」を初見とは違う方法で楽しむ二度見ポイント! 熱くて、男くさくて、でも笑える。【映画レビュー(ネタバレあり)】

上映日:2007年
製作国:日本
上映時間:130分

監督:三池崇史
原作:高橋ヒロシ
脚本:武藤将吾
出演者:小栗旬、やべきょうすけ、黒木メイサ、山田孝之、塩見三省、遠藤憲一、岸谷五朗、桐谷健太、高岡蒼甫、渡辺大、深水元基、高橋努、鈴之助、遠藤要、上地雄輔、伊崎央登、伊崎右典、大東俊介、橋爪遼、小柳友

あらすじ:

偏差値最低、品性最悪の不良学生が集まる鈴蘭高校では、多数の派閥が覇権をめぐって勢力争いを繰り広げていた。現在の最大勢力は、3年の芹沢多摩雄(山田孝之)率いる“芹沢軍団”だった。そこへ、鈴蘭制覇を本気で狙う滝谷源治(小栗旬)が転入、鈴蘭OBで早秋一家矢崎組のチンピラ片桐(やべきょうすけ)と友人になり、勢力を拡大する。

『クローズZERO』予告編

『クローズZERO』シングメディア編集部レビュー

不良漫画のバイブル的存在であり、いまだに根強いファンを持つ「クローズ」が2007年ついに実写映画化!

おまけに原作の主人公である坊屋春道が登場する前の鈴蘭高校を描いた、完全オリジナルストーリーということもあり、公開当初から話題となりました。

喧嘩に明け暮れる不良少年たちの男臭くも熱い青春を描いた今作。

しかし今作の見どころは喧嘩シーンだけではありません! まったく別の作品に見えてしまうギャグシーンをはじめ、意外な登場人物や何度でも見返したくなってしまうキャストの表情など、一度だけでは見つくせないシーンが満載なのです。

そんな伝説の不良映画「クローズZERO」の二度見ポイントについて、ご紹介していきたいと思います。

映画「クローズZERO」の二度見ポイント三行まとめ

「クローズZERO」の二度見ポイント1:喧嘩シーン以外にも堪能できるシーンが盛りだくさん

喧嘩と男たちの熱い友情がこれでもかというほど描かれた本作。

しかし今作はただ喧嘩だけで終わらない。

ちょっと癒されてしまうシーンや不良少年たちのおちゃめな一面が見えるギャグシーンなど、喧嘩以外にも楽しめる瞬間が盛りだくさんの作品となっているのです。

黒木メイサさん演じる逢沢ルカのライブシーン

小栗旬さん演じる主人公の滝谷源治。彼がいきつけとして通うライブハウスのボーカリストとして登場したのが、黒木メイサさん演じる逢沢ルカです。

ヒロイン役ということもあり、源治との関係が気になるシーンも多々あったルカですが、それ以上にルカの存在感を見せつけたのがライブシーン。

おそらく鑑賞した方の誰もが予想だにしていなかったことでしょう。「まさかクローズの世界で黒木メイサのライブが見られるとは」と。

しかしさすがは沖縄アクターズスクール出身でもある、黒木メイサさん。ノリノリのダンスナンバーからバラードまで歌いこなしちゃいます。

初見ではただただ驚きしかなかったライブシーンですが、二度、三度と繰り返し見ていると彼女の歌手としてのすばらしさに圧巻されます。

ただただ地獄でしかない幻の合コンシーン

今作における一番のギャグシーンであると同時に、ただただ地獄でしかなかった合コンシーン。

源治がC組の頭でもある牧瀬を傘下に入れるため開かれた合コンですが、なにせ女性慣れしていない牧瀬。これでもかというほど、目の前にいる女性たちを引かせていきます。

おまけに不良に絡まれたところを助けるというベタな作戦も大失敗に終わり、見ているこちら側が「もう牧瀬のためにもお開きにしてあげて……」と言いたくなるほど、思わず目をそむけそうになってしまうシーンでもありました。

しかし登場シーンから世の女性をドン引きにさせた牧瀬ですが、終盤にかけ、仲間思いのいい奴ぶりを発揮していきます。とにかく牧瀬がかっこよく見えてしまう。

そんな牧瀬のギャップを知ったあと、再び今作を見直してみると、彼の印象も初見時とは違って見えてくるかもしれません。

男子高校生の青春シーンは何度見ても必見!

忠太、牧瀬、伊崎を傘下に入れ、「G.P.S」を結成した源治。

その後しばらくは喧嘩とは程遠い日常を送り、学校のプールでアスレチックを楽しんだり、ダーツや野球で仲間たちと勝負をしたりと、男子高校生らしい生活を送る様子が描かれています。

ほんの数分のシーンではあるものの、なぜか何度でも見返したくなってしまうこのシーン。特に忠太と牧瀬がギャグ専としていいキャラを出しているのですよね~。

喧嘩シーンにくわえ、シリアスなシーンも多々あり、鑑賞している側にも思わず力が入ってしまう作品だからこそ、この一瞬の和みシーンは作中において必要不可欠。ちょっとした癒しを与えてくれる瞬間でもあります。

笑って癒されるシーンで楽しもう

男子高校生たちの喧嘩シーンがとにかく多い「クローズZERO」。

……が、しかしところどころにギャグや癒しのシーンも組み込まれているため、展開の移り変わりが激しく、飽きることなく2時間ちょっとの上映を楽しめることができます。

また筆者個人的には数年に一度見返すと、喧嘩シーンにワクワクさせられる反面、忘れかけていたギャグや癒しのシーンを思い出し懐かしむことができる作品であると思っています。

二度見鑑賞の際はぜひ、喧嘩シーンだけでなく笑って癒される瞬間もお楽しみください。

「クローズZERO」の二度見ポイント2:絶対的王者・芹沢多摩雄のかっこよさが描かれている瞬間

今作における絶対的王者といえば、山田孝之さん演じる芹沢多摩雄。

不良少年が出てくる作品といえば、登場人物に何かしらの異名がつきものですが、芹沢の異名はまさかの百獣の王。いやもう自然界におけるトップ中のトップですよ、百獣の王って。

そんな芹沢ですが今作では喧嘩シーンはもちろん、それ以外にも彼のかっこよすぎるシーンが多々あります。中でも「この一瞬の表情がかっこよすぎる!」というシーンを集めてみましたので、二度見では見逃さないようにチェックしてみてください。

源治との初対面シーン

鈴蘭に転校してきたばかりの源治。このとき彼は芹沢多摩雄という存在は知っているものの、実際には相手がどんな奴であるかは知らない状態でした。

そんな中ついに出会ったふたり。かけつけた警察の「芹沢!」という一言を聞いて、源治は今目の前にいる相手が芹沢多摩雄であるということを初めて知ります。

で、ここからですよ! 序盤で芹沢の圧倒的存在感を見せつけられるのは!

源治の「お前が芹沢……多摩雄?」という問いかけに対し、芹沢が返したのは「そうそう」とめちゃくちゃ軽い返事。

従来のヤンキー作品であれば、大体、こういう展開がくると「だったら何?」といった感じでちょっと喧嘩をふっかけちゃうみたいな流れが定番だと思うのですよね。

しかし芹沢は違います。鈴蘭制覇に一番近い男であると言われながらも終始おちゃらけた感じのキャラ。その余裕っぷりを見て「もう絶対これ強い奴じゃん」と逆に思わされてしまう。

序盤から鑑賞している側に芹沢多摩雄という存在がいかに大きいかを見せつけたシーンです。

何が起こったからわからない一瞬の喧嘩シーン

まだまだ芹沢伝説は続きます。

それは芹沢軍団がつるんで廊下を歩いているとき。突然、芹沢たちの目の前に現れた不良から「芹沢、勝負せいや、こらー」と喧嘩をふっかけられるのですが。

右キック一発で相手を吹っ飛ばす芹沢。その直後口にしたのは「誰?勉強しろ、勉強~」と若干素の山田孝之さんが垣間見えるかわいらしい一言。

もう何が起こったかまったくわからないこのシーン。おそらく繰り返し見返さないと芹沢が蹴りで相手を吹っ飛ばしていたという事実にすら気づくことができないかと思います。

で、この一瞬のシーンを見てまた思いますよね。「もう絶対これ強い奴じゃん」と。

普段の芹沢とは違う人間味を感じさせるシーン

また普段はおちゃらけたキャラの芹沢ですが、一瞬の表情から人間味を感じさせるシーンもあります。

それが源治に宣戦布告を言い渡しにきたシーンです。

芹沢の去り際に源治が「じゃあな、貧乏人」と声をかけるのですが、すぐさま芹沢がいつもの調子で「貧乏人はつえーぞ」と残し去っていく。

このときの「貧乏人はつえーぞ」といった返しがまさに芹沢といった感じで、めちゃくちゃかっこいいのです。

おまけに去り際に見せる笑顔のようでどこか悩んでいる様子の微妙な表情。この一瞬の表情が芹沢の心境を表していると同時に、普段は表に出すことがない彼の人間くさい一面が垣間見える瞬間となっています。

男女問わず、誰もが惚れてしまう男・芹沢

登場シーンから雰囲気だけでまわりとの格の違いを見せつけた、芹沢多摩雄。

おちゃらけていながらも器がでかく、口には出さないけど実は人一倍仲間思い。まさに男が惚れる男像を完全に表した存在です。

そんな芹沢、普段は口数が少ないのですが、ここぞというときのセリフや表情をよく観察してみると、もうめちゃくちゃかっこいい。

二度見鑑賞では芹沢の何気ない一言や表情に注目してみてください。男女問わず、誰もが惚れこんでしまうと思います。

「クローズZERO」の二度見ポイント3:まさかのシーンで意外なキャスティング!

今作では不良役として登場する俳優陣をはじめ、やべきょうすけさん、岸谷五朗さん、遠藤憲一さんなど、とにかくキャスト陣が豪華!

そしてただキャストが豪華なだけでなく、まさかのシーンで意外なキャスティングが見られるという点も三池監督作品を鑑賞するうえでは楽しめるポイントのひとつと言えるのではないでしょうか。

もちろん今作にも意外な人物が登場しています。

リアル元不良バッドボーイズの登場

原作、映画版において最強キャラであり、鈴蘭の抗争に唯一参加しない男・リンダマン。

そんな謎の男でもあるリンダマンの情報を集めようと聞き込みを始めた源治ですが、聞き込みの相手として登場したのがお笑い芸人バッドボーイズの2人。

バッドボーイズといえば元暴走族出身で、ツッコミの佐田さんにいたっては元総長であったことでも有名ですが、まさかのリアル元不良が出演というこの展開。すごいところでリアリティが追及されています。

もしかすると直後に登場したリンダマンのインパクトが強すぎて、完全に見逃しているという方もおられるかもしれませんので、二度見の際はバッドボーイズの2人にも注目してみてください。

原作者である高橋ヒロシ先生がまさかの出演!

そして初見で多くの方が見逃しているであろう、貴重なシーン。それが「クローズ」の原作者である高橋ヒロシ先生の出演シーンです。

三池監督作品はこのように原作者の方も出演するといった展開があるため、原作ファンからするとかなり嬉しいポイントでもあります。

ただ今回も一瞬の登場であるため、おそらく初見で終わっている方の中には「高橋先生が出演していたの!?」と気づかなかった方もおられるかと思います。正直、筆者も完全に見逃していました。

で、肝心の出演シーンですが……。源治率いる「G.P.S」が武装戦線に呼び出されて駆け付けようとしたシーン。最後に店を出ようとした忠太に「喧嘩しに行くならこれ使えよ」といった顔でバッドを渡す謎の男性。実はあの男性こそ、原作者の高橋ヒロシ先生だったのです。

その後、「G.P.S」全員が去る様子を見届けたあと「元気やね~」とつぶやく高橋先生。素の姿なのか演技なのかわからないほど、役柄が様になっています。

突然現れた謎の男性が実は原作者の高橋ヒロシ先生だった。そう思って作品を見返してみると、バッドを手渡すだけの何気ないシーンが打って変わって感動のシーンに見えてしまうことでしょう。

キャストを知ったうえで見直すとまた違った印象を与えられる

次から次へと登場する豪華俳優陣だけでもお腹いっぱいになってしまいそうな今作ですが、実はまた違った意味で豪華すぎる人物が出演していたのです。

もし筆者のように初見で見逃していたという方がおられましたら、ぜひ、これを機に二度見鑑賞してみてください。

もう初見とはまったく違う印象を与えられるかと思います。特に原作ファンの方であれば、高橋先生の登場シーンだけでも見直す価値が十分にあるかと思います。

笑いあり、癒しあり、驚きありの熱い作品

2020年の今現在、三部作まで登場している実写映画「クローズ」シリーズ。

その第一作でもある「クローズZERO」は作品の原点であり、今見返しても熱い展開にワクワクさせられる作品となっています。

初見で「G.P.S」と芹沢軍団の熱い決闘を堪能した方は、二度見では喧嘩シーン以外にも注目して鑑賞してみてください。

笑いあり、癒しあり、何気ない一瞬のシーンに驚きありの今作。間違いなく初見とは違った見方で楽しめることができるはずです。

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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。