動画マーケティング

VR動画とは? 楽しみ方とビジネスへの活かし方・今後の可能性

こんにちは、シングメディア編集部です。

「VR動画とは一体どのようなものなのだろう?」
「VR動画で遊んでみたいが、どのように遊べばいいのだろう?」
「VR動画をビジネスにも活用できるのだろうか?」

などの疑問をお持ちの方はいませんか?

今までにない没入感から大きな話題となっているVR動画。ゲームなど遊び目的で視聴するものというイメージが強い方もいると思いますが、ビジネス活用する企業も増えています。

そこで今回はVR動画について深く知りたい方へ向けて、「VR動画とは何か、楽しみ方やビジネスへの活かし方、今後の可能性」をご紹介します。

VR動画とは?

VR動画とはなにか

VRとはバーチャルリアリティの略で、仮想現実のこと。専用のヘッドセットを装着することで気軽に仮想空間の中に入り込み、実際にそこにいるような感覚を味わえるようにしたのがVR動画です。

映像やゲームをよりリアリティを持って楽しめるのが特徴で、たとえばレーシングカーに乗って他のプレイヤーと競い合うゲームであれば、映像によって実際にマシンを運転しているようなスピード感や臨場感を味わえますし、高層ビルの上から地上を見下ろす感覚も味わえます。

視覚的に錯覚させて臨場感を体感しているだけですが、通常の映像とは比べ物にならないほどのリアリティを体験できるのが人気の理由です。

また遊びだけではなく、ビジネスや社会課題の解決への活用も期待されている側面もあります。

なぜ立体に見えるのか

立体に見える理由

VR動画の臨場感は、映像が立体的に見えることにあります。左右、上下、前後、どこを向いても映像が立体的に見えるため、本当にその空間に自分がいるような感覚を味わえます。

立体的な映像を見ることを可能にしているのは、VR技術。VR動画はVR用に撮影された映像をVRゴーグルで見ることにより、VR空間を楽しむことができます。

「左目用」と「右目用」で撮影されたVR用の映像を、VRゴーグルによって「左目だけが左目用だけの映像を見る」「右目だけが右目用だけの映像を見る」とすることにより、脳が映像を立体的に認識できるようになっており、VRの世界観を楽しめるのです。

ちなみに顔を向けた方向の映像が見えるのは、撮影時に180度や360度といった広い範囲で撮影しているから。そしてVRゴーグルに向きを感知するセンサーがあるためです。

VRゴーグルでは視野の範囲だけの映像が表示されており、顔を右に動かすとそれをゴーグルに内蔵されたセンサーが感知し、VRゴーグルに表示される映像の範囲が右になるため、顔を向けた方向の映像が見えるようになります。

VR動画と似ているものとの違い

VR動画と似ているものとの違い

VR動画と区別がつきにくいものとして、「360度動画」や「AR動画」があります。それぞれどう違うのかについて説明しましょう。

360度動画との違い

360度動画もVR動画も、360度全方向の映像が見られるという点では同じですが、大きな違いがあります。それは見ている映像の中に入り込むような体験ができるかどうかという点です。

360度動画はPC上でマウスをドラッグして全方向を見るので、自分がその映像の中に入り込んでいるような感覚は味わえません。

一方VR動画はヘッドセットを使って仮想空間に「入り込む」「体感する」というものなので、両者には大きな違いがあります。

AR動画との違い

ARはAugmented Realityの略で、拡張現実という意味です。スマートフォンを指定の場所にかざしたり専用アプリやバーコードリーダーを起動したりしてカメラ越しに映像を見ることにより、立体映像や文字情報、グラフィックなどが表示されます。

AR動画の映像はカメラとディスプレイのセットで実現させるもので、「実際に目の前に見えるもの」です。ヘッドセットは必要ありません。

スマホを通して現実世界に実際にはないものをあるように見せることもできるのがAR動画で、世界的に大人気となったゲーム『ポケモンGO』がいい例です。

このようにAR動画はVR動画のようにその映像の中に入り込むような体験ができるわけではありません。

VR動画に必要な機材

VR動画に必要な機材

VR動画を楽しむためにはいくつかの方法があり、それぞれに必要なものが違いますが、いずれにしてもVRゴーグルは必要です。

VRゴーグルは単体で使えるものだと高価になり、2万~5万円ほどかかります。ゴーグル内部にディスプレイとハードウェア、イヤホンが装備されているため画質が良いのが特徴で、中にはコントローラが付属しているものもあります。

単体で使えるVRゴーグルで利用できるのは、スマホ用のVRアプリやYouTubeなどで公開されているVR動画。専用のVRアプリやゲームを楽しめる商品もあります。

またスマホ用のVRゴーグルというものもあり、こちらは内部にスマホをセットして使います。ゴーグルの価格は1000円台~1万円程度と安いため、VR動画を気軽に体験できるのが特徴です。

スマホ用のVRゴーグルで利用できるのは、スマホ用のVRアプリやYouTubeなどのVR動画、VRゲームとなっています。

スマホと同様に、PCに接続して使用するVRゴーグルもあります。価格は6万~12万円と高価。パソコンも高速なものが必要です。その分、利用できるVRソフトやゲームの種類は豊富で映像も高画質で美しいため、臨場感満点の体験ができます。

さらに「PlayStation VR」という「PlayStation4」に接続して使えるVRシステムもあり、価格は4万円ほど。YouTubeなどのVR動画のほか、専用のVRゲームが利用でき、高画質で高度なゲームを楽しめるため、PlayStation4を既に持っている方におすすめです。

VR動画を「楽しむ」のではなく「撮影する」ための機材でも3万円程度から購入することができ、VRは今や安価に楽しむことができる時代となっています。

VR動画が視聴できる動画サービス

VR動画が視聴できる動画サービス

VR用の映像は、実は身近な動画配信サービスから配信されています。

VR動画が多数投稿されているのが、「YouTube」。対応デバイスもPSVR、PC向けVR、Oculus Go、Oculus Questと多いですし、無料で視聴できるためVRゴーグルがあれば気軽にVR体験ができます。

また動画配信サービス「Netflix」ではVR向けアプリを配信しており、Oculus Go、Oculus Questのデバイスに対応しています。アプリはないものの、スマホやPSVRから視聴することもできます。

他にも、動画配信サービス「DMM」や「Amazonプライム・ビデオ」など多くの動画配信サービスでVR動画を楽しむことが可能です。

VR動画をビジネスで活用するメリット

VR動画をビジネスで活用するメリット

VR動画は制作費用が通常の動画と比較すると高くなるため、活用を考える際にはどのようなビジネス効果があるのかを理解しておくことも大切。そこでこの段落では、VR動画をビジネスで活用するメリットを紹介していきます。

没入感のある体験を提供できる

VR動画はリアリティの高い映像を作成できるため、仮想空間の中に実際にいるような疑似体験ができ、没入感を与えることが可能です。

そのため商品のサイズ感や動かしたときの躍動感なども伝えやすいため、デモ映像に利用するのも効果的。実際には持ち運びが難しい大きな機械類などもVR動画にすることで目の前にあるようなリアリティのある体験を提供できます。

動画の視聴時間が長くなりやすい

VR動画は仮想空間でユーザーが実際にさまざまな体験をするため飽きにくく、視聴完了率が高くなる傾向にあります。

VRゴーグルをつけることで気が散ることも少なくなり、じっくりと視聴してもらうことが可能です。

効果測定しやすい

VR動画はユーザーの視線の動きをトラッキングすることが可能なので、効果測定に活用できるデータを得るのにも向いています。

視線の動きから動画の中でユーザーが何に興味を持っているのか、どこでどんな反応をするのかなどのデータを得ることで、その後の動画の改善に役立てることも可能です。

VR動画のビジネスへの活かし方

VR動画のビジネスへの活用法

VR動画はどうしてもゲームのイメージが強く、趣味や遊びとして楽しむものとして捉えられているところがあります。しかしVR動画はビジネスでも活用できるのです。

そこでビジネスにおける代表的な活用方法をご紹介します。

デモ映像に

リアリティの高い映像を体験できるというVR動画の特性を生かして商品のデモ映像に活用することで、自社製品を持ち歩かずに、どこででもVRで登場させてプレゼンすることが可能になります。

特に大型製品や、実際に持ち歩くのが難しい製品の場合に活躍します。商談時にVR動画で製品のデモ映像を見てもらえば、製品のサイズ感なども伝えられます。言葉や資料で説明するよりも、実際の大きさをVR動画で体感してもらったほうが、はるかに伝わりやすいのです。

また展示会やセミナーといった場でもVR動画で製品のデモ映像を見てもらうことで、製品の疑似体験をしてもらうことができます。VR動画ということで注目度も高まりますし、疑似体験してもらうことでより具体的に製品について検討してもらうことも可能になります。

ブランディングに

VR動画は映像の世界に没入できるため、ブランドが持つ世界観を高度に表現することが可能です。

またYouTubeなどの一般的な動画配信サイトでもVR動画は視聴できるので、一般消費者向けのプロモーションにも活用できます。

ブランドの世界観を体感できるため、印象深いプロモーションが実現できるでしょう。

採用活動に

採用活動に動画を活用する企業は増えていますが、VR動画を活用するとさらに効果的に求職者へ印象深い体験を与えることができ、企業理解も深めてもらいやすくなります。

たとえば会社から離れた場所で行う新卒採用説明会などで、社内の様子を見せるのにVR動画を活用すると、実際に社内見学をしているような体験をしてもらうことが可能です。

採用となったら実際に業務を行うことになる「現場」を見てもらえば、よりイメージが湧きやすくなるでしょう。

また入社後の新人教育でもVR動画は役立ちます。たとえば遠方にある工場見学をVR動画で行えば経費も削減できますし、移動にかかる時間も省けます。地方にある支社の社員が本社の様子をVR動画で体験するというのにも役立つでしょう。

VR動画の制作方法

VR動画の制作方法

VR動画も通常の動画と同じように、企画→撮影→編集という流れで制作します。それぞれのプロセスにおけるポイントを、通常の動画撮影と比較しながら見ていきましょう。

まず企画では、ターゲットや伝えたいメッセージ、内容を明確にして構成を考えていきます。

通常の動画と異なるのは、カメラワークや見せ方、映像の正面をどこにするのか、ユーザーにどのような体験を提供したいのかを明確にすることも必要だという点です。

撮影方法については、スリルを味わってもらいたいのか、楽しさを実感してもらいたいのか、幻想的な世界観を体験してもらいたいのかなどによっても異なります。そこを明確にすることでユーザーの心を動かす動画にすることができます。

撮影時には、ユーザーが仮想空間での体験に没入できるように、撮影機材やカメラマン、スタッフなどの写り込みがないよう注意することが大切です。

音声も撮影と一緒に収録すると聴覚的にも臨場感を演出できます。

撮影に使うカメラは360度カメラ(全方位カメラ)が一般的ですが、スマートフォンでもレンズに取り付けることでVR動画が撮影できる製品もあります。

動きが激しすぎるとユーザーにストレスを与えてしまうため、カメラを固定して撮影するか、ゆっくりとしたカメラ移動を意識しましょう。

編集の際は、「PowerDirector」や「Final Cut Pro X」「THETA 360.biz」などのアプリやソフトを使って作業するのがおすすめです。VR動画は画面の中央となる位置を決めることも必要となります。出力する際はVR動画として出力しましょう。

なおVR動画は通常の動画より制作が難しい場合があるため、クオリティの高いVR動画を制作したい場合はプロに頼むのが賢明です。

業界ごとの「VRの可能性」

業界ごとの「VRの可能性」

これから先、VR技術はどんどん進歩し、さらに私たちの生活やビジネスにおいて有益なものとなることが予想されます。

その中でも今後、VRの恩恵を特に受けると考えられる業界について、VRが持つ可能性を説明します。

医療

VRは特に医療者の教育や最新医学の共有に役立つと期待されており、導入によってさまざまなメリットがあると言われています。

たとえば医療者の教育段階でVRを活用すれば、現実には難しい実地訓練を簡単に何度も行うことが可能になります。体の部位をVRで大きく映しながら説明したり、いろいろな角度から観察したりすることで、より理解も深まるでしょう。

また遠隔医療やリハビリへの応用も期待されており、アメリアのデューク大学ではVRを活用し、自力で歩けない患者さんへの歩行訓練を行う試みが実施されているとのことです。

さらに医師が患者さんへ病気や手術の説明を行う際にもVR動画を使えば、よりわかりやすく説明を行うことができます。口頭だけで説明されても一般の人には理解しにくいものですが、VRで実際の映像を見て説明を受けることで、直感的に理解できるようになるでしょう。

エンタテインメント

VRとエンタテイメントの相性は抜群で、今後もどんどん導入が進んでいくことが予想されます。

たとえば音楽鑑賞やスポーツ観戦など、その場にいなくてもまるで特等席で見ているような感覚で楽しむことができます。VRであればテレビなどで映像を見るのと異なり、自分の好きな場所を好きなだけ見ることができるため、さまざまな角度から楽しむことも可能です。

実際にアーティスト目線によるステージからのVR映像も作られており、自分がバンドのメンバーとしてライブを行っているような、通常ではできない体験も臨場感たっぷりに体験できます。

客席にいるような体験とステージ上にいるような体験、両方が味わえるのはVRならではと言えそうです。

またVRなら全国どこにいても好きな時間に好きな場所で音楽鑑賞やスポーツ観戦などを特等席で楽しめるため、これまでのように席の場所を気にしたり、チケットが取れず落胆したりといったこともなくなるかもしれません。

不動産

VRは物件探しの際の内見にも活用できます。現住所から遠くにある賃貸を決める際に、わざわざ出向くことなく自宅から内見が可能になるのが大きな魅力です。

現在、物件の内部を360度動画で紹介している不動産会社は多いですが、VRならもっとリアリティのある映像で確認できるため、実際に見た際に相違が起きる心配もないでしょう。

またVRなら部屋の中を歩き回れるため、玄関からのリビングの見え方、ベランダからの景色などといったものもしっかり確認できます。

まだ完成していない建物や住宅の完成イメージをリアルに見ることもできるため、生活する上で重要な動線を確認しながら検討することも可能です。注文住宅を建てる際にVRを活用すれば、より希望に合った家を建てることができるでしょう。

VRは映像を楽しめるだけじゃない!

VRは映像を楽しめるだけではない

VRは映像やゲームを楽しむだけでなく、ビジネスにも大きな影響をもたらすことがおわかりいただけたでしょうか。さまざまな業界でそれぞれに特化した活用ができるため、大きな可能性を秘めています。

VR動画に興味がある方は、まずは手にとって実際に試してみましょう。没入感のある映像を楽しむことで、自身のビジネスに役立つVRの活用アイデアも生まれるかもしれません。


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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。