あらすじ:
優れた画力を持ちながら将来の展望もなく毎日を過ごしていた高校生の真城最高(佐藤健)は、漫画原作家を志す高木秋人(神木隆之介)から一緒に漫画家になろうと誘われる。当初は拒否していたものの声優志望のクラスメート亜豆美保への恋心をきっかけに、最高はプロの漫画家になることを決意。コンビを組んだ最高と秋人は週刊少年ジャンプ連載を目標に日々奮闘するが……。
『バクマン。』予告編
『バクマン。』シングメディア編集部レビュー
日本一有名な週刊少年漫画雑誌である、少年ジャンプ。
そんな少年ジャンプでの連載を目指す若き高校生漫画家の姿を、『DEATH NOTE』で有名な大場つぐみ先生と小畑健先生のタッグが描いた作品『バクマン。』もう、少年ジャンプファンとしては、これを聞いただけで胸躍るストーリーですよ!
かくいう私も、物心ついた頃から少年ジャンプと共に育ち、漫画版『バクマン。』も何度も読み返したひとり。それもあり、実写映画化が決まった際は、すぐに映画館へと足を運んだのですが、そのときに思ったのは、「これは二度見直すべき映画だ」。
今回はその理由と共に、映画版『バクマン。』の二度見ポイントをご紹介。少年ジャンプ世代の方にとっては、間違いなく何度も見返したくなる作品です。
「バクマン。」の二度見ポイント1:マンガ愛とマンガあるあるに溢れた必見シーン
当然のことながら、今作は少年ジャンプが舞台であるため、作中では数えきれないほどの歴代マンガやそのオマージュシーンが登場します。
ただあまりにもマンガあるあるのネタが多いうえ、あっさりストーリーの中に溶け込んでしまっているので、初見では見逃してしまっている方も多いのでは?
そこで二度見では、そんなマンガあるあるにご注目を。ジャンプファンの方であれば、気づいた瞬間確実に「うわ、これはやばい!」と鳥肌が立ってしまうはずです。
イケメン俳優が全力で見せるジョジョ立ちと変態仮面
まずご注目いただきたいのが、物語が始まってまだ序盤のシーン。
ふたりで漫画家になることを決めたサイコー(佐藤健)とシュージン(神木隆之介)が、「キャラの決めポーズとか必要じゃね?」的なノリで話し合っているのですが、このときにここぞとばかりにシュージン役の神木君がジョジョ立ちを披露しているのですよね。しかも、めちゃくちゃクオリティの高いジョジョ立ちを。
その後も「じゃあ、これはこれは?」と盛り上がっていくふたり。ついには変態仮面のポーズをとり、「それは私のおいなりさんだ!」と大声で叫び、盛り上がりは最高潮に。いや、中学生男子あるあるですよね。マンガのキャラの決めポーズまねしたくなっちゃうのって。
……まあ、ただこのあとすぐその様子を好きな女の子に目撃されて「あっ……」てなっちゃうのですが。ええ、きっとこんな失敗も中学生男子ならではなのでしょう。
マンガ好き人間が集まると始まる、名シーン再現ごっこ
また無事に手塚賞の準入選を果たしたふたりは、その夜、他の入賞者たちと集まりワイワイ騒ぐのですが、まあ、マンガ好き人間が大勢集まれば、話題もマンガのことばかりになるわけで……。
ひとりが「戦国時代だったら、てめーなんか叩っ斬ってやるところだ!」と『SLAM DUNK』のゴリのセリフを口にしたかと思えば、立て続けに、またひとりが「あきらめたらそこで試合終了ですよ」と安西先生のモノマネを。しかも、わざわざシュージンの眼鏡を借りてまで、クオリティの高い安西先生のモノマネを追及。
そして盛り上がってきたところで、すかさずシュージンも、『SLAM DUNK』ネタをいじって「マンガが描きたいです……」と迫真の演技を。
『SLAM DUNK』を知らない方からすれば、何のこっちゃって話なのですが、反対に『SLAM DUNK』ファンにとっては、何度見ても楽しめるシーンであると同時に、「わかるわかる、これってマンガ好き人間あるある」だなと思わされる瞬間でもあるのです。
連載会議シーンでは数々の歴代名作のタイトルが!
少年ジャンプで連載を勝ち取るためには、編集部内での連載会議に通る必要があります。
張り詰めた空気の中で行われる会議。見ているこちら側も思わず、固唾を呑んで見守ってしまうシーンではあるのですが……。
ただこの会議中のシーン。真剣な会議の場であるにもかかわらず、見ているだけでワクワクしてしまうのです。
といいますのも、連載候補の作品について意見を出し合う中、それぞれの編集部員が「ろくでなしBLUESだって森田先生が~」「キャッツアイは当たったじゃないですか」「ミスター味っ子、将太の寿司、ソーマ、料理マンガはいつの時代も確実に需要があります」など、もう歴代名作のタイトルがぽんぽん出てくるのです。
ジャンプファンにとっては、思わず聞いているだけで「懐かしい~!」とテンションがあがってしまうこのシーン。おそらく、このシーンは何度見直しても、昔を懐かしむ気分にさせてもらえます。
そんな作中のいたるところにマンガ愛が隠された今作。二度見の時点では、初見で見落としてしまっていたマンガあるあるに注目してみてはどうでしょうか。
「バクマン。」の二度見ポイント2:スローや一時停止にしてでも見たいシーンが山ほどある
そして筆者が冒頭で「これは二度見直すべき映画だ」と思った理由。
それは、今作にはとにかくスロー再生や一時停止。なんなら巻き戻して見直したいシーンが盛りだくさんなのです。映画館で鑑賞中も何度、「ああ、今のシーンもう一回見たい……」と思ったことやら。
きっと、同じくジャンプファンである方なら共感してくれるはず(だと信じています)。
CGやプロジェクションマッピングを駆使した手法で見ていて飽きない
今作は何と言っても、CGはもちろん、プロジェクションマッピングなどを駆使しているため、画の見せ方がとにかく素晴らしいのです。
ただマンガを描くだけという、一見、地味に映ってしまいそうな画も、CGやプロジェクションマッピングを駆使することにより、見ていて一切飽きない。それどころか、何度も見直したいという衝動に駆られてしまうのです。
特に歴代のジャンプの表紙や名シーンが次々に登場する冒頭のシーンや、サイコーとシュージンがマンガを製作している背景で流れるプロジェクションマッピングのシーンは、スロー再生しないとじっくり見ることができません。
それもあり、何度見直しても飽きることなく楽しめる仕上がりになっているのです。
見落としてしまう小ネタがあふれている
また作中内には、細かい部分まで注目しないと見落としてしまう小ネタがあふれています。
たとえばジャンプ編集部内が映るシーンでは、壁が見えないほど張りめぐらされたポスターの中に「ニセコイ大重版出来」と大きな文字がチラッと映っていたり、連載会議で使用する部屋の前には、なぜか『ONE PIECE』のサンジの手配書が貼られていたり。
また主人公ふたりの担当である服部さん(山田孝之)のPCには、さりげなく、『DEATH NOTE』のリュークと『ドラえもん』ののび太君という、まったく共通性のないふたりのフィギュアが飾られています。間違いなく、デスノートに名前を書かれかけているよ、のび太君。
さらにさらに、幼少期時代のサイコーがさりげなく着ているTシャツが『SLAM DUNK』で、このときからサイコーはジャンプっ子であったことを強く実感させられるなんて、ちょっと感動する一幕もあり……。
まあ何が言いたいかといいますと、本当に注意深く見れば見るほど、おもしろい小ネタにたくさん気がつくことができるのです。
今作で一番じっくり見直したいのはエンディング
そして! 今作において、一番、じっくりと見直したいシーン。それがエンディングのシーンです。
サイコーとシュージンが次回作の案を、教室の黒板に次々に描きだしていくという場面では、実際に作者の小畑先生が描いた絵を合成。そのため、まるで絵が生きているかのような立体感あふれる映像になっているのです。
またエンドロールも最後まできちんとマンガ風の作りで見せることにより、まったく飽きずに見られる! それどころか、引き込まれてしまう!
なによりすごいのが、撮影スタッフ紹介の方法。なんと、実際にあった歴代マンガの単行本をオマージュして、それぞれの撮影スタッフの名前を紹介しているのです。
たとえば図面担当の方の名前を出すときは、『ハイスクール奇面組』をもじって『ハイスクール図面組 〇〇』。録音助手の方の名前を出すときは、『いちご100%』風に描かれた単行本に『録音助手100% 〇〇』と。
本当にこのアイディアは画期的であり、筆者個人が映画館で見ている際も、まわりから「おお~っ」と静かに歓声が沸いたことを覚えています。
このエンディングシーンだけでも、繰り返し見直す価値はあると思います。
「バクマン。」の二度見ポイント3:撮影時の裏話を知るとさらに楽しめる
映画『バクマン。』は、公開前から話題性もあり、さまざまなメディアで監督やキャストたちのインタビューも公開されていました。
そのため、撮影時の裏話などもたくさんあるのです。それを知って二度見すると、より一層、作品の世界観を楽しめるはず。
キャスト陣にはジャンプ好きの俳優が多い
今作に出演したキャストの多くは、撮影が決まる以前からジャンプファンであった方も多くいます。
中でも平丸役の新井浩文さんは、長年、少年ジャンプの愛読者で、今でも毎週欠かさず月曜日にジャンプを購入しているというほどのジャンプファン。
またシュージン役の神木隆之介さんも大のマンガ好きで知られ、特に『DEATH NOTE』が自身の人格形成に一番影響を与えたマンガだと、数々のインタビューで語っています。
昨今はマンガの実写映画化が発表されるたびに賛否両論が巻き起こりますが、『バクマン。』の場合は、そんなジャンプをこよなく愛するキャスト陣が集結しての作品。
そのため演技においても、いたるところでそのジャンプ愛があふれている。それもあり、同じジャンプファンの読者も作品の世界観に引き込まれてしまうのかもしれません。
佐藤健さんは数か月も前からマンガを描く練習を
ただ絵を描くというと、一見、簡単な作業のように思う方もいるかもしれません。
しかしマンガを描くという作業は本当に大変であり、Gペンひとつ使って線を描くにも、並大抵ではない練習が必要になってくるのです。
そのためサイコー役の佐藤健さんは、撮影の数か月前からGペンを始め、マンガを描く練習を開始。作中では、ササっと簡単に線を描いているようにも思えますが、実際は、あの線の一本一本が何か月もの努力のたまものだったのです。
そんな裏話を知ったあとでマンガを描くシーンを改めてみると、その腕前のすごさがさらに良くわかるのではないでしょうか。
実際の担当編集がモデルになっている!?
今作で山田孝之さん演じる、担当編集の服部。実は彼にはモデルがいます。
それが実際の『バクマン。』2代目担当編集者である、門司さんというお方。
そして驚くことなかれ。ただ、モデルをしているだけでなく、作中で山田さんが来ていたドムのTシャツは、何と実際に門司さんが来ていた私服だったのです。いやもう本当、どこまでリアリティを求めているんだよって話ですよね。
そんな感じで作中では、実際に編集部の私物などがいたるところに映っている場合も……。二度見では、そんな裏話を頭の隅におきつつ、鑑賞してみても楽しいかもしれません。
『バクマン。』はジャンプファンから夢追う人まで何度見ても楽しめる一作
おそらく誰もが一度は目にしたことがあるであろう、少年ジャンプのマンガ。
そのジャンプのすごさが分かるのはもちろん、漫画家という職業の喜びやつらさをリアルに描いた『バクマン。』は、涙あり、笑いありの物語になっています。
筆者のように、一度鑑賞し、改めて見直したいと考えているジャンプファンの方はもちろん、今、何か夢を追いかけて必死で頑張っている方にも見ていただきたい作品です。
そして二度見の際は、ぜひ、見逃しがちだったジャンプあるあるネタや細かい小ネタ。さらには、引き込まれるCGやプロジェクションマッピングのすばらしさに注目してみてください。
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