こんにちは、シングメディア編集部です。
テレビCMを検討したいけれど値段はどれくらいかかるんだろう、テレビCMの料金はどうやって決まってるんだろう・・・。
そんな「テレビCMの値段が知りたいあなた」は必見です。
テレビCMを出すには相当なお金がかかるため普通の企業では無理、というのは勘違い。テレビCMの値段はけして安いものではありませんが、実はその値段の仕組みを知ることで安く出稿することもできるのです。
また今回は、シングメディアメンバーの知人である某テレビ局局員の方にコメントをいただきました。
それでは「テレビCMの値段・料金について」をご紹介します。
三行まとめ
- テレビCMの料金・値段は「放映費+制作費」で決まる
- 放映費は「CMの種類(スポット or タイム)」「放送局」「視聴率」の3つの軸によって決まる
- テレビCMは「GRP」から効果測定することが可能
放映費+制作費! テレビCMの料金・値段の決まり方
テレビCMの制作を依頼したいと考えている方にとって、料金・値段は気になるところですよね。
結論から言うと、テレビCMの料金・値段は「放映費+制作費」で決まります。
放映費は広告代理店からテレビ局に支払われる料金、制作費は広告代理店やCM制作会社に支払われる料金です。
そしてこの料金は、CMをどこの放送局で放映するかによっても大きく変わってくることになります。
東京キー局で流す場合とローカル局で流す場合では、CM1回あたりの放映費に大きな差が出るのです。
そのため「CMを出したい」という場合には、コストをどれくらいかけられるかを考えて放送局を選ぶというのもポイントになります。
「できるだけ安くしたい」という場合なら地方局にて放映してもらえばいいですし、「コストを十分にかけてしっかり成果を出したい」という場合は視聴者数の多い東京キー局で放映してもらえばいいでしょう。
放送局によって変わる? テレビCMの放映費
テレビCMの料金・値段は放映費+制作費で決まるとお伝えしましたが、この放映費は3つの軸によって決まっています。
1つ目は「CMの種類」、2つ目はCMを流す「放送局」、3つ目は番組の「視聴率」です。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
CMの種類と放映費の関係
CMの種類というのは、「スポットCM」か「タイムCM」かというもの。
スポットCMはCMを放送する番組は決めずに、放送する時間帯だけを指定する方法です。テレビ局は指定された時間内でCMをランダムに流します。
こうしたスポットCMの場合、値段は放送局と番組の視聴率によって放映費が決まる仕組みです。
計算式で表すと、「各放送局のCM放映費用×視聴率=CM放映費用」となります。
一方、タイムCMは特定の番組のCM枠内でCMを放送する方法。つまり指定した番組のスポンサーになるということです。
タイムCMの場合の値段は番組のスポンサー数によって異なり、スポンサー数が多くなればそれだけ人気のある番組だということになりますから、値段も高くなります。
そのためスポットCMのような放映費の計算式が当てはまらないケースも多いです。
また一般的にスポットCMよりもタイムCMのほうが放映費は高くなります。
放送局と放映費の関係
放映費の差が大きく開く要因となるのが、放送局の違いです。
特に東京キー局とローカル局では放映費に大きな差が出ます。
ではどれほどの違いがあるのか、関東と関西の放送局に絞って15秒のCM1本あたりの放映費について、その目安をご紹介していきます。
なおご紹介する放映費はあくまでも目安であるため、詳しくは広告代理店へ問い合わせてください。
関東キー局における放映費の目安
関東キー局における、放送局別・15秒CM1本あたりの放映費目安は以下のようになります。
- 日本テレビ……40万~100万円
- TBSテレビ……40万~100万円
- フジテレビ……40万~100万円
- テレビ朝日……40万~100万円
- テレビ東京……14万~50万円
関東ローカル局における放映費の目安
関東ローカル局(独立局)における、放送局別・15秒CM1本あたりの放映費目安は以下のようになります。
- 東京MXテレビ……4万円
- テレビ神奈川……4万円
- 千葉テレビ……3万5000円
- テレビ埼玉……3万円
- とちぎテレビ……2万5000円
- 群馬テレビ……2万5000円
関西準キー局における放映費の目安
関西準キー局における、放送局別・15秒CM1本あたりの放映費目安は以下のようになります。
- 読売テレビ(日本テレビ系列)……15万~25万円
- 毎日放送(TBSテレビ系列)……15万~25万円
- 関西テレビ(フジテレビ系列)……15万~25万円
- 朝日放送(テレビ朝日系列)……15万~25万円
- テレビ大阪(テレビ東京系列)……3万5000円
関西の独立局における放映費の目安
関西の独立局における、放送局別・15秒CM1本あたりの放映費目安は以下のようになります。
- サンテレビ……3万5000円
- KBS京都……3万5000円
- びわ湖放送……1万2000円
- 奈良テレビ……1万5000円
- テレビ和歌山……1万5000円
視聴率と放映費の関係
CMの放映費は、視聴率1%につきいくらという決め方がされています。
これを「パーコスト」と言い、視聴者数が多くなればなるほど放映費は高くなっていくのです。
つまり視聴者数が多い人気番組でCMを流せば放映費は高くなり、人気のない番組で流せば安くなるということ。
テレビ局が視聴率をやたらと気にするのは、CMの値段に大きく関わることだからなのですね。
またCMを流す時間帯によってもパーコストは異なります。
それはやはり視聴者数と関係しており、テレビを見る人が少ない昼間などの時間帯ではパーコストが低く、19時~22時のゴールデンタイムはテレビを見る人が多いためパーコストが高くなるのです。
CMは大まかに分けて「タイムCM」と「スポットCM」の2つがあります。
「タイムCM」はTV番組中に提供クレジットが出るCMのことです。このCM料金が番組の制作費になります。
「スポットCM」は番組関係なく期間で流れるものです。
テレビ局内では「タイム部」「スポット部」に分かれて営業活動しています。
タイム部がCM流す順番を決めていて、
【提供】
○○ビール
○○生命
○○電機
といったように、収録台本などに必ず提供スポンサーを入れます。
提供スポンサーのクレジットの順番は、公平を期すために定期的に入れ替えます。
番組中のCMはクレジットの順番通りに流れる仕組みになっていて、その中でも一番初めに流れるCM(業界では「CM直結」と呼ばれています)が一番効果高いと言われているためです。
売り方としては、
「タイムCM」は2クール販売が基本で、セールスの最小単位は30秒。
「スポットCM」は自由に期間を選べて、セールスの最小単位は15秒。キー局は基本的に関東ローカルでセールスしています。
映像クオリティは重要! テレビCMの制作費
「テレビCMを出したい」と思ったときに必要になるのは、放映費だけではありません。当然ながら制作費も必要になります。
自社にテレビCMとしてそのまま流せる動画があれば新たに制作してもらう必要はありませんが、そうでない場合はやはり広告代理店や制作会社へ依頼して制作してもらうことになるのです。
ではテレビCMの制作費がどのように決められているのかを見ていきましょう。
制作費の内訳は、大まかにいうと「企画(広告代理店)」と「制作(プロダクション)」「タレントなどの出演料」となっています。
企画費用というのは、CMの内容を企画するクリエイティブ・ディレクター(CD)、CMプランナー(基本的には広告代理店に所属)に対して支払う費用です。
制作費用は、CMの企画内容に沿って監督(ディレクション)、撮影、編集を行うために支払う費用です。
撮影ではカメラなどの機材にかかるレンタル費やロケ地の使用料、カメラマンなどの人件費がかかります。
どんな機材を使うか、撮影をどこでどのくらいの時間行うか、カメラマンや照明技師の技量はどれくらいかなどによって、撮影にかかる費用は上下します。
撮影した映像の編集作業では、編集スタジオの使用料、エディターやミキサーといった作業スタッフの人件費がかかることになります。
また出演料はタレントの人気度や知名度、撮影日数によって大きく異なるので、一概にいくらとは言えません。
しかし人気のあるタレントを起用する場合であれば、1クールの契約で2000万円~というのが相場の目安です。年間契約であれば4000万円~が目安となります。
「どうにか安く抑えたい」という場合であれば、出演者を社長や自社の社員にするなどの工夫をするといいでしょう。
なおCM制作会社の仕事内容やCMができるまでの流れについては、下記の記事で詳しく解説していますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
テレビCMの値段を抑える方法は?
放映料が高いテレビCMですが、その値段を抑えるためには、費用の安い地方での配信から始めるという方法があります。
値段の高い関東地域のテレビ局で放映する前に地方のテレビ局でCMを放映し、ターゲットが合っているか、効果は出るかといったデータ分析をするのがおすすめ。
地方CMで効果がしっかり出ることを確認してから全国区で放送すれば、費用が抑えられます。
関東エリアで全国放送する前におすすめなのが、効果検証をしやすく費用もリーズナブルな静岡エリアのテレビ局となっています。
また出演者の契約期間を明確にするというのも値段を抑えるコツ。出演料を抑えるために契約期間を短くして、予算内におさまるよう明確にしておきましょう。
さらにCMの撮影場所によっても費用はかかってしまうもの。天候に左右されない屋内撮影の企画にすることで、撮影が延びることなく制作費を抑えることが可能です。
テレビCMの制作を依頼する会社選びのポイントは?
テレビCMの制作を依頼する会社を選ぶ際には、動画の目的が達成できるかどうかを見極めることが大切です。そのためには事前に目的(KPI)を明確にしておきましょう。
目的を明確にした上で、制作会社の実績を確認します。イメージに近い実績動画を制作している会社を3社程度に絞り、簡単な構成を出してもらうというのもおすすめです。
提案書や構成を確認し、事前に決めた目的を達成できるかどうかを見極めましょう。
またテレビ局とのネットワークがあるかどうかを確かめることもポイントです。
テレビ局との直接的なつながりを持っている制作会社は、放映枠の購入などについてサポートしてくれる可能性があります。
制作会社がそれらをサポートしてくれれば、別途、仲介を広告代理店などに依頼する必要がなく、コストも軽減できます。
テレビCMの費用対効果の効果測定方法は?
インターネット上に掲載された広告であれば、クリック率やそこから直接購入・申し込みに至った人が明確になるため効果測定がしやすいのですが、テレビCMではそれが困難です。
ではどうやってテレビCMの費用対効果を測定すればいいのでしょうか?
テレビCMでは、間接的な効果を考えることが大切です。
たとえば何回もCMを見たことによって商品に興味を持った人が、その商品をネットで検索したり店頭で実物を見たりして気に入り、購入に至るという流れが想定できます。
テレビCMを見てすぐ購入に至るような直接的効果がなくても、購入のきっかけを作ることは十分にあるのです。
テレビCMの費用対効果は、こうした間接的な効果があると理解することが重要と考えましょう。
また番組の平均視聴率に放映したCMの本数をかけた数値である「GRP」から効果測定をすることも可能です。
たとえば平均視聴率が10%の番組にCMを2本流した場合のGRPは、10×2=20GRP。
平均視聴率が20%の番組にCMを2本流した場合であれば、20×2=40GRPとなります。
GRPの数値が高くなればなるほどテレビCMの露出量が高いということになり、それだけ多くの人の目に触れている=CMの費用対効果が高いと考えられるのです。
テレビCMの効果測定方法については下記の記事でさらに詳しく解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
テレビCM以外の広告形態もある?
テレビCM以外の広告形態として、「ネット広告」と「交通広告」の2種類それぞれの特徴や課金形態などをご紹介します。
ネット広告
YouTubeなどの動画配信サイトや、Twitter、InstagramなどのSNSに掲載するネット広告にはさまざまな種類があります。
特徴はターゲット層が明確でユーザー分析をしやすいこと。ただしスキップされてしまう可能性も高く、短時間でユーザーに魅力を伝えなければなりません。
費用形態も種類によって異なるため、ここでは主な3つの費用形態をご紹介します。
1つめはCPV課金。広告が再生されるたびに費用が加算されていく形態です。
2つめはCPM課金。広告が表示された回数に応じて費用が加算されていく形態です。
3つめはCPC課金。ユーザーが広告をクリックするたびに費用が加算されていく形態です。
交通広告
交通広告とは、電車やバス、タクシー、駅、空港などの公共交通機関や関連施設に掲示されている広告のこと。
特徴は交通機関を利用する多くの人たちに毎日繰り返し訴求できることです。何度も目にしてもらえるため、印象に残りやすくなります。そのため認知度の向上や購買促進に期待ができます。
また掲載する場所によってターゲットをある程度絞ることができるため、効果的な訴求が可能です。
料金は掲載する地域や場所、広告形態、掲載期間などによって幅があります。
たとえばJR東日本の電車内で流れるトレインチャンネルの場合、スポットCM15秒で7日間放映すると、広告料金は470万円。東京版タクシー広告の場合、最大60秒で音声あり、想定表示回数180万回、枠数1枠であれば広告料金は650万円です。
・参考サイト:デジタルサイネージ<JR東日本(トレインチャンネル)> | 株式会社オリコム(PDF)
まとめ
「テレビCMの値段が知りたい」という方のために、テレビCMの値段・料金についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
テレビ局によっても番組視聴率によってもテレビCMの値段は大きく異なるということがご理解いただけたと思います。
「うちにはテレビCMなんて無理」と思っていた方も、放映するテレビ局や時間帯などを選べば出稿が可能になるのです。
あなたがCMの値段の仕組みを理解し、戦略的にテレビCMを出稿できますように。
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