『株式会社ホットリンク』CMO「いいたかゆうた(飯髙悠太)」。
広告代理店やスタートアップ企業で複数のWebサービス・メディアを立ち上げ、100社以上のコンサルティングを経験。
2019年からは『株式会社ホットリンク』でCMO兼IS責任者を務め、企業のSNSマーケティング支援を行っている。
最近では #NEWWORLD2020のモデレーターを務めたことも大きな話題となった。
そんな男の1日に、シングメディアが密着。第2回目となる今回は、メディア運営・SNSマーケティングのプロの“自信と挫折”に迫る。
メディア運営に携わっている方、SNSマーケティングに興味がある方は必見!
インタビューって“場”なんですよ
14時半、飯髙と共に取材場所へと移動。
『株式会社おくりバント』代表取締役・高山洋平さん、『株式会社ディー・エヌ・エー』DeNA IPプラットフォーム事業部長・安江亮太さん、『株式会社インクワイア』代表取締役・モリジュンヤさんの3名と合流する。
今回の取材は、『株式会社ディー・エヌ・エー』が運営するマンガ雑誌アプリ「マンガボックス」の編集長・安江亮太さんの「スランプさんいらっしゃい」によるもの。
取材ではスランプとの向き合い方についての対談を行った。取材記事の詳細は、「スランプさんいらっしゃい」にて。
18時15分、飯髙が取材を終えて戻ってきた。
次はどこへ行くのかと尋ねると、なんと「皇居」へ行くという。一体何をしに皇居へ行くのかと思ったら、
「走りに行きます」とのこと。
そういえば、飯髙は時間ができたときに10キロ走るという話をしていたが、まさか本当に仕事終わりに走るとは驚きだ。
皇居までの道中で、取材や登壇の機会が多い飯髙に、そういった場で気を付けていることや気にしていることについて聞いてみた。
「メディアのインタビューだったら、インタビュー項目は事前にもらうようにしていて、その中で自分だったらそのメディアに合う色で話をしたほうがいいなと思っていて。たとえば前職のferretに呼ばれたとして、そこでマーケティングの話をしないで、僕の人生観の話をしても読者は喜ばないじゃないですか。っていうのを、メディアの特色をちゃんとみた上で、どんな話しようかなっていうのは事前に大枠は考えてる」
「で、登壇のときもそうですね。たとえば自分がファシやるんだったら、登壇者の方々がどんなバックボーンがあってっていうのは、いろんな記事あさりに行ったりとかっていうのは踏まえた上で、一番はまだ世に出ていない質問をしたいなっていうのはファシやるときには考えていて。あとは、答えたくない質問を一個ぶち込むっていうのは考えてますね。たとえば極端な話、インタビューって“場”なんですよ。この場の空気感がどれだけ良くなるかで、答えてくれる方への質問も変わるなと思っていて」
「極端な話、とある有名な方にインタビューさせていただいたときに、一発目の質問が、その人はお金稼いでないって公で言ってるんですけど絶対嘘なんですよ。なので、最初一発目で言ったのは、“年収いくらもらってるんですか?”っていう質問を、まあ答えないですよ。でも、っていうことによって場が和むんですよ。でもこれも言っていい相手と言っちゃいけない相手がいて、この人には言っていいのかみたいなのも含めてその辺は、一旦考えて、あとはその場が良くなれば、楽しくなったらその人の話をどんどん深堀りしていく。先に答えがあるなと思っているので、そこをどんどん追及していくっていうやり方はしているかなと思いますね」
そう語ったあと、
「たまにでもドスベりしますけどね。ためだ全然掘れねえみたいなのももちろんあるし」
と話す。飯髙と言えども、いつでも完璧とはいかないらしい。
そして昼食時にも話していたサッカーについて、サッカーを通して学んだことは飯髙にとってやはり大きいのか聞いてみると、
「大きいと思いますね。ひとつのことを15年間くらい必死にやる経験って今後ないかもしれないですよね。仕事っていう考え方でいえばあるかもしれないですけど。でも僕まだ社会人になって11年目かな。ってことはまだサッカーのほうが上なんですよね。って考えると、仕事も内容が変わったりするとひとつのことをやきりってはないんで、っていう意味合いで言うと、経験っていうかそこで得たものは大きいですよね」
「恩師が言ってくれた言葉がすごく、今でも大事にしていて。“良い選択があるときと悪い選択があるときは、あえて悪いほうを選べ”って言われるんですよ。悪いっていうか、楽な選択と難しい選択があるんだったら、難しいほうをやったほうのが自分の実力につながるっていうのを、ずっと言われていて」
「普通にやっても日本だったら死にはしないですよね。そこを分かっていれば、そんなことはないなと思っていて。その瞬間は厳しい選択かもしれないけど、やってれば絶対楽しいじゃないですか。どこにベクトルを置くかみたいな話もあるのかなと思いますね」
と語ってくれた。楽な選択よりあえて難しい選択を選ぶ。恩師の言葉は飯髙にとって人生の指標の一つとなっているようだ。
世界を変えたいみたいなことはない
19時半。日は沈み、真っ暗な中、友人と皇居ランをする飯髙。この時間は忙しい彼にとって大事なリフレッシュの時間なのかもしれない。
20時、10キロを完走。
飯髙にワークライフバランスという言葉について意識したことはあるのか聞いてみると、
「ないです。20代のときは……考えてないですね。仕事をやるんだったら、トレードオフで失うものってプライベートじゃないですか。そういうのを最初考えていて、仕事をやるって決めてましたけど、今はあまり考えてない」
「ただ軸は仕事なので、究極ランしてるときも、誰かと仕事の話してればいいし、誰もいないんだったら、考えることも仕事じゃないですか。っていう意味合いで言うと、何も考えてないんだよなあ。でもたまに疲れすぎたら、のんびりしようとは思います。そのままいくと疲れちゃうんで」と話す。
さすが15年間サッカーをやっていただけあり、身体も精神もタフだ。
20時半。友人との会食のため新橋へ移動する。
「次は、Books&Appsってメディアの新年会です」とのこと。
タクシーの車内にて、
「人の1日に着くって不思議な感じしますよね。してるほうも不思議ですよね、自分と全然違う動き方をするし」とつぶやく飯髙。
確かに不思議な体験ではあるが、メディア運営・SNSマーケティングのプロの考え方にこれほど身近に触れられる機会はそうそうないため、密着する側としては大変貴重な体験だ。
ここで飯髙に、今後の目標について聞いてみると、
「そんなに明確にあるわけではないけど、やっぱり僕は自分の近くの人を幸せにすることが多くの人を幸せにすることにつながるなと思っているので、そこはずっとブレずにやっていきたいなって思うのと、あとは30代まで生き急ぐって決めてるんで。生き急いだ先に何があるのかっていうのが、僕自身が楽しみですね」
「明確に、世界を変えたいみたいなことはないんで。途中で話しましたけど、永遠のNO.2みたいなことも含めて、僕はきっと何かをやりたいっていう人の手伝いをしたいってことは変わらないと思うんで。ただもっとデジタルが良くなったりするとすごくいいなと思いますね」
と語った。控えめな目標に思えるが、そこには彼の揺るぎない信念のようなものを感じる。
仕事とは、暇つぶし
21時。友人と会食。
参加メンバーは、『ティネクト株式会社』代表取締役・安達裕哉さんと、『MOLTS』代表取締役・寺倉そめひこさん。
飯髙に二人との関係を聞いてみると、
「安達さんがBooks&Appsってメディアをやっていて、そこに関わってた二人ですね」とのこと。
安達さんの仕事つながりとのことだが、「もう僕らは卒業しましたね」と笑う飯髙と寺倉さん。
今ではその仕事に関わっていないものの、毎年新年会や忘年会でちゃんと集まっているという。
そんな安達さんと寺倉さんに、飯髙という人物についてどんな人なのかを聞いてみた。
すると二人は難しいと言いながらも、
「ちゃんとしてないようでちゃんとしてる」「仕事嫌いそうで実は好き」と答えてくれた。この回答には飯髙自身も納得したようだ。
そして寺倉さんが思いついたように、
「愛される。兄貴分も多いし弟分も多いんじゃない」と発言。
確かに1日密着してみて、我々もそれを実感。飯髙は物腰が柔らかく、周りを温かくする人だなという印象を持った。
それを伝えると、「それだと言い過ぎっすよ」と突っ込む寺倉さん。
安達さんからは、「飯髙さんは起業とかしないんですかって聞いたんですけど、“起業しない”って。“俺、参謀だから”って」という話を聞けた。
最後に、飯髙にとって仕事とはどういうものか質問。すると、
「仕事とは……なんだろうね。仕事としてやってないんだよね。(“暇つぶし?”と聞かれて)ああ、確かに。ゲームっすよね。パズルやってる感じっすね。暇つぶしですね」との答えが。
ふわっとしているが、飯髙にとって仕事は苦ではなく楽しいものだということが1日密着してみてよくわかった。
仕事を感覚的に楽しんでいるからこそ、良いアイデアやひらめきが生まれるのかもしれない。
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