アクション映画

何度鑑賞してもスカッとする映画『トランスポーター』の二度見ポイント。アクションやカーチェイスとあわせて楽しみたい要素とは?【映画レビュー(ネタバレあり)】

上映日:2003年
製作国:アメリカフランス
上映時間:93分

監督:ルイ・レテリエ
脚本:リュック・ベッソン、ロバート・マーク・ケイメン
製作総指揮:スティーヴ・チャスマン
出演者:ジェイソン・ステイサム、スー・チー、マット・シュルツ、フランソワ・ベルレアン、リック・ヤン、ダグ・ランド、ディディエ・サン・ムラン、バンサン・ネメス、ジャン=イブ・ビリアン、アドリアン・デアルネル、アルフレッド・ロット

あらすじ:

南仏に暮らすフランクはプロの運び屋。“契約厳守”“名前は聞かない”“依頼品は開けない”という3つのルールの下、高額な報酬と引き換えにワケありの依頼品であろうが正確に目的地まで運ぶ。この日も依頼品である3人の強盗犯を愛車に乗せ、追走する警察を見事に振り切って目的地に送り届けた。そんなフランクにある組織から新たな仕事が入る。いつも通り車のトランクに依頼品のバッグを積み、目的地へと向かう。が、道中でバッグに不審を感じたフランクは、自らのルールを破ってつい開けてしまう。すると、そこには手足を縛られた中国人美女が入っていた…。

『トランスポーター』予告編

『トランスポーター』シングメディア編集部レビュー

映画界が誇る不死身の男、ジェイソン・ステイサム。

とにかく彼は死なない。たとえ絶体絶命のピンチに遭遇しても、命がかながらに逃げ切る。おかげで私たち鑑賞側も「ステイサムなら問題ない」という謎の安心感をもって、彼の出演作を見届けることができます。

そんな彼の代表作の中から、今回ご紹介したいのが2003年に公開された『トランスポーター』です。

大人気シリーズ作品の一作目でもある今作は、カーチェイスや銃撃戦をはじめとしたアクション満載の作品。何度鑑賞してもスカッとした気分が味わえる今作を見返すうえで、おすすめの二度見ポイントをご紹介したいと思います。

『トランスポーター』の二度見ポイント1:従来とは違う一風変わったアクションシーン

『トランスポーター』の二度見ポイント1

冒頭でもお伝えした通り、今作の見どころは何といってもド派手なアクション。街中をBMWで駆け抜けるカーチェイスを始めたかと思えば、敵対組織からの襲撃で自宅にロケットランチャーが撃ち込まれるなど、まばたきすらできない怒涛の展開が続きます。

ただ、今作は派手なアクションシーンだけでなく、従来作品ではあまり見かけない一風変わったアクションシーンもあるのです。

スウェットの袖で敵を倒す

バスの車両基地でウォールの手下たちに追い込まれ、最初は拳ひとつで戦っていたフランク(ジェイソン・ステイサム)。

しかし次の瞬間、自分が着ていたスウェットを脱ぎ、袖の部分で相手の動きを抑える! そして後から来た仲間もまとめて袖の部分でぐるぐる巻きに! ラストは両手突きでふたりまとめてノックアウト! めちゃくちゃ華麗にきまりました。一瞬の隙も見せない、完璧すぎる戦いぶりです。

着ていた服を武器に相手をやっつけちゃうアクションシーンって、なかなか珍しいのではないでしょうか。なにより戦闘終了後に車両基地へ戻り、何事もなかったかのようにスウェットを回収するフランクの姿が地味にシュールな感じがします。

印象深いオイルまみれの格闘

今作のアクションシーンのなかでも特に印象深いのが、フランクと敵、全員がオイルまみれのぬるぬるバトルシーン。

大勢の敵に囲まれ、ピンチに陥ったフランク。その場にあったオイルを床に撒き散らかし滑りやすくすることで、敵の動きを封じ込みます。そして反撃に入るのかと思いきや、何と自らもオイルを全身にかぶりぬるぬる状態に。「いや何でだよ」と初見時にツッコみそうになった方も多いかと思います。

しかしその後の戦いを見てみると、自分もオイルまみれになることで、敵に掴まれにくくなったり、遠心力で蹴りの一撃に重みをつけられたりと、滑りやすさを利用することで敵に囲まれることなく、有利に戦えるようになったのです。賢すぎるよ、フランク! まあ、カッコよさ的なものは明らかに半減しているのですけど。

従来のアクション作品ではなかなか拝めない、ぬるぬるバトルシーンは何度見返しても楽しめます。

足でハンドルを切りながらの対決

物語の終盤、ついに因縁の相手であるウォールと一対一での対決。場所はトラックの運転席。狭い、狭すぎる! おまけにフランクは戦いながらも運転を続けなければいけない状況。ついでに後続車からは鬼の形相をしたライの父親がなりふり構わず銃撃してくるという絶体絶命の状態です。

そこでフランクがとった行動が、運転席のシートを倒し、ウォールの動きを封じたうえで、足で運転を続けるという方法。むちゃくちゃです。完全に前方が見えていないまま、足を使ってハンドルを切る豪快さ。

でもこんなむちゃぶりアクションも、「まあ、ステイサムならありえるよね」と思えるのが、彼の魅力のひとつなのだと思います。

奇想天外なアクションに注目を!

銃や拳を使って戦うだけがアクションではないと教えてもらえるシーンが多々ある今作。一風変わったアクションシーンは、何度見返しても爽快感が味わえ、物珍しさから病みつきになってしまいます。

見返す際は、通常のアクションシーンとあわせて、フランクの奇想天外なアクションにも注目してみてください。

『トランスポーター』の二度見ポイント2:フランクこと、ジェイソン・ステイサムの素の表情がかわいい

『トランスポーター』の二度見ポイント2

老若男女問わず、多くの人を惹きつける魅力をもつ男、ジェイソン・ステイサム。今作では元軍人の運び屋を演じていることもあり、終始、クールな雰囲気を醸し出していました。

しかし時折見せるフランクこと、ジェイソン・ステイサムの素の表情が、これまたかわいいのです。

ライの前では喜怒哀楽が激しくなる

仕事ではルール厳守、プライベートではどこか無口なフランクですが、ライの前だけでは、たびたび戸惑う素の表情を見せてくれます。ぶっちゃけ振りまわされちゃっています。

ライをトランクに乗せて運んでいるときは、仕事に私情を挟む自分に悩むそぶりを見せたり、逃走する車にライが乗っていることに気づいたときは、予想外の展開に怒るそぶりを見せたり。かと思えば、ライの前で満面の笑顔を見せるなど、ライの前だけでは喜怒哀楽が激しくなっちゃうのです。いやもう、フランクがかわいすぎませんか?

特にタルコニ警部の前でイチャイチャするふたりの姿は、何度見てもほっこりとした気持ちにさせられます。

愛車を爆破され、ブチ切れフランクさん

爆弾入りのアタッシュケースを使い、口封じのためにフランクを抹殺しようとしたウォール。結果的に車だけが爆破し、運よくフランクは助かりました。

そして普段であれば、クールな態度で「どういうことなんだ?」と冷静にウォールに詰め寄るであろうフランクですが、これにはさすがの彼も堪忍袋の緒が切れたのでしょうね。ウォールのアジトに戻るなり、全力の飛び蹴りで玄関のドアをぶち破ります。もうこの一撃だけで、普段冷静なフランクがいかにブチ切れているかがわかります。

その後もウォールの仲間を次々に倒していきますが、まったく目が笑っていません。キレにキレまくっています。この凄まじいフランクのキレっぷりも、見返せば見返すほど、何だかかわいく思えてしまうから不思議です。

フランクとタルコニ警部のかわいいやりとり

物語序盤からたびたび描かれる、フランクとタルコニ警部のやりとり。当初はフランクを探る警察官として、彼がボロを出すタイミングをうかがっていたタルコニ警部ですが……。物語が進むにつれ、何だか仲良くなっていきます。その関係性がものすごくほほえましいのです。

途中からは「家が爆破されて泊まるところがないんだろ、ほれ」という感じでフランクにお小遣いまで渡しちゃう気遣いぶり。当初の関係からは想像できないほど、かわいがっています。いいおじさんだな、タルコニ。

また、フランクが留置場に入れられたときは、お互いにジョークを飛ばしあえるほどの信頼関係が築けており、思わず癒されてしまいます。

そのように時間をかけて信頼関係を築いたふたり。物語が進むにつれ、タルコニ警部の前で見せるフランクの表情が徐々に変わっていく様子を見ていると、こちらまで温かい気持ちになってしまいそうです。

さまざまな表情に癒される

普段は冷静沈着な運び屋のフランクですが、時折見せる、かわいらしい一瞬の姿に癒されるシーンも多々あります。おそらくクールな印象が強いジェイソン・ステイサムが演じているからこそ、そのかわいらしさがさらに引き立っているのかもしれません。

二度見鑑賞では、そんな彼がふとした瞬間に見せるさまざまな表情にもご注目ください。

『トランスポーター』の二度見ポイント3:改めて見返したい序盤のカーチェイスシーン

『トランスポーター』の二度見ポイント3

自宅の襲撃に車両基地での戦闘。さらにはラストのカーチェイスなど、アクション好きにはたまらない見どころが満載の今作ですが、二度見鑑賞の際は、あえてオープニングのカーチェイスに注目してはいかがでしょうか。

一瞬の不敵の笑みがカッコいい!

物語序盤、銀行強盗の逃走依頼を受けたフランクですが、当初の契約よりも人数が多いことで強盗側と揉めます。しかし焦りを見せる強盗に対し、フランクは終始冷静。結果的にフランクの意見を飲むことで話し合いは解決し、いざ逃走スタートとなるのですが……。

車を走らせる瞬間に見せるフランクの不敵な笑みが、ものすごくカッコいいのです!!!

時間にして1秒もないほど、本当に一瞬のシーンなのですが、目を惹かれます。「もうこの人に任せておけば、パトカー100台からでも逃げ切れるだろう」と思えるほど、謎の安心感を与えてくれる笑みなのです。見逃した方にはぜひとも、このワンシーンだけでも見ていただきたい……!

運転技術の高さを印象づける演出

自信満々に不敵な笑みを浮かべただけのことはあります。十数台のパトカーから追われているにもかかわらず、一切捕まる気配なく、余裕で逃げ続けるフランクのBMW。

しかし、運び屋のフランクは、ただ逃げるのがうまいだけではありません。よく観察してみると、全速力で運転中であるにもかかわらず、バックミラーやサイドミラーで後続のパトカーをしきりに確認。前方を確認せずに運転しているシーンが多々あるのです。おまけにブレーキで減速してから、アクセルを思いっきり踏むことで、細い道も難なく逃げ切ってしまう。

そんな描写を随所に挟むことにより、鑑賞側は無意識のうちに「フランクの運転技術の高さはプロレベル」だという印象を植え付けられていたのかもしれません。

車内の銀行強盗たちのリアクション

ひたすらにフランクがかっこいい序盤のカーチェイスシーンではありますが、どうしても気になるのが、車内にいる銀行強盗たちのリアクション。特に初見では、助手席に座っていたリーダーらしき男性の反応が気になった方も多いかと思います。アクセルを踏むたびに叫びすぎです。

しかし二度見で、そんなリーダーの後ろに座っている強盗に注目していただきたい。ええ、あの途中で車酔いして吐いてしまった強盗です。彼に注目して見ると、リーダーに負けず劣らずの勢いでいいリアクションを見せてくれています。

車に酔って吐いたかと思えば、その衝撃で覆面がずれ、素顔がほとんど丸見えの状態に。さらに追いかけてきた後続のパトカーを見て、ものすごい勢いで叫ぶ。あげくの果てに高所からレッカー車に飛び降りるシーンでは、誰よりもいい顔でリアクションをし、腰を抜かして画面内から顔が消えかけているというありさま。

そんな強盗たちと余裕の表情でカーチェイスを続けるフランクを比較しながら鑑賞すると、また違ったおもしろさが見えてくるのではないでしょうか。

リアリティあるカーチェイスを楽しんで

鑑賞側を物語の中にぐいぐい引き込んだ序盤のカーチェイスシーン。初見では、目まぐるしく変わる展開やカーアクションに目を奪われたかもしれません。

ただ、二度見ではぜひともフランクや強盗たちの表情にも注目してください。初見以上にリアリティのあるカーチェイスを楽しむことができるはずです。

二度見ではアクションとあわせて楽しみたいシーンが盛りだくさん

鑑賞後にはスカッとした気分を味わえる『トランスポーター』は、迫力あるアクションシーンを見るだけでも、繰り返し鑑賞を楽しめる映画です。

しかしちょっと違う角度から鑑賞し直したい方は、ぜひ、登場人物たちの関係性から見える一瞬の表情や、初見では見落としていた細かい部分に目を向けてみてはいかがでしょうか。きっとアクション以外の部分でも繰り返し楽しめる作品になること間違いないです。

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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。