製作国:アメリカ
上映時間:104分
監督:ペイトン・リード
原作:ダニー・ウォレス
出演者:ジム・キャリー、ズーイー・デシャネル、ブラッドリー・クーパー、リス・ダービー、ジョン・マイケル・ヒギンズ、ダニー・マスターソン、テレンス・スタンプ
あらすじ:
仕事でもプライベートでも「ノー」を連発し、親友の婚約パーティーまですっぽかしてしまう後ろ向き男カール(ジム・キャリー)。生き方を変えようと決心した彼は、いつどんなときも「イエス」と言うルールを自分に課す。その結果、偶然知り合ったアリソン(ゾーイ・デシャネル)から好意を持たれるなど、運気を上げていくカールだったが……。
『イエスマン “YES”は人生のパスワード』予告編
『イエスマン “YES”は人生のパスワード』シングメディア編集部レビュー
口から出た言葉は、時にその人の人生を大きく変えます。それがたとえ「YES」か「NO」の二択であっても、ことの成り行き次第では、人生の大きな転機となる場合もあるのです。
「イエスマン “YES”は人生のパスワード」は、すべての物事に「YES」と答え続けた男性の実話を基に描かれた作品。おそらく鑑賞した方のなかには、「自分も“YES”と答える頻度を増やしてみようかな」と意識に変化が現れた人も多いのではないでしょうか。
しかし今作の見どころは他にもたくさんあります!
特に作品の世界観にどっぷりハマってしまった人こそ、二度見では違った方向から今作を鑑賞してみてください。
「イエスマン “YES”は人生のパスワード」の二度見ポイント1:ジム・キャリーの自然体すぎるハイテンション演技
今作を語るうえで欠かせない存在と言えば、主人公カールこと、主演のジム・キャリー。
実話に基づいたドラマ作品であるため、当初はジム・キャリーお決まりのハイテンションぶりを拝見できないかと思っていましたが、蓋を開ければまったくそんなことはございませんでした。今作でもジム・キャリーは通常運転でした。
そして今作ではただハイテンションなだけでなく、自然体すぎる演技に引き込まれてしまうシーンが多々あるのです。
本当に飲んでいるとしか思えない酔っ払い演技
イエスマンとして生きることを決めたカールが、飲み屋でとある男性とトラブルになってしまった序盤のシーン。完全にお酒に飲まれ、できあがった状態のカール。喧嘩を売られても「オーケー!イッツオーケー!」と笑顔で承諾するのですが。
このときのジム・キャリーの酔った演技がものすごく自然すぎるのです。
呂律がまわっていない様子や、会話の最中に思わずゲップを吐き出してしまう瞬間。ドアップで映るシーンでは目の焦点が合っているようで合っていない絶妙な表情を見せてくれます。
さらには見どころの喧嘩シーンにおいても、酔拳の使い手かと思うほど、千鳥足のステップが本格的。
本当に彼はお酒を飲んで撮影に挑んだのではないかと思うほど、酔った演技が本格的すぎました。
レッドブルとジム・キャリーの組み合わせの最強さ
アリソンが開催する早朝のジョギングフォト教室に、大量のレッドブルを飲んだ状態で現れたカール。
こちらのシーンこそ、まさにジム・キャリー! お得意のハイテンション演技を次々と繰り広げくれています。
その場の空気など1ミリも気にせず、早口で昨夜の楽しい出来事をひとり延々と語り続ける姿。途中でアリソンが口を挟もうとしても、「レッドブル!」の一言で彼女の発言をシャットダウン。
おまけにこれまた彼お得意の変顔を惜しげもなく、繰り返し披露してくれました。
ジム・キャリーとレッドブルの組み合わせが、これほどまでに相性が良いとは誰が思ったでしょうか。同時に飲酒シーン同様、こちらのシーンでも実際にレッドブルを大量に飲んで撮影に挑んだのではないかと思いましたが、よく考えたらいつも通りのジム・キャリーでした。
一瞬のシーンでも自然体のノリの良さを演出
親友であるピーターたちがテレビでフットボールの試合を見ていると、ネブラスカ側のサポーターに旅行中のカールとアリソンの姿を発見。このときのカールの衣装が奇抜で何とも言えないのです。
赤と白のカラーで顔中をペイントし、ひとりだけ巨大な被り物までしている。一瞬のシーンではあるものの、ものすごくノリノリです。
「海外の試合にひとりはこういうサポーターいるよね」と言わんばかりのなじみすぎている演技。撮影であることを忘れ、普通に試合を楽しんでいるのではないかと思うほど、演技が自然すぎました。
そしてこのシーンで仮装した状態でノリノリの姿を見せる、ジム・キャリー。既視感があるなと思ったら、マスクのスタンリーを彷彿させる姿であることに気がつきました。
他のジム・キャリー作品と見比べてみたい
ジム・キャリーが出演するコメディ作品において、彼のハイテンションぶりは欠かせないものです。
しかし今作は、あくまでも実話を基にしたドラマ映画。そのため普段通りのハイテンション演技で笑いを誘いつつも、どこか自然体な様子が残っている演技が目立ちます。
二度見鑑賞をされる際は、ぜひ他のジム・キャリー出演作品と今作を見比べて、改めて彼の演技のすばらしさを目にしてはいかがでしょうか。
「イエスマン “YES”は人生のパスワード」の二度見ポイント2:強く印象に残る名前もなきバイプレーヤーたち
とにかく濃いキャラが多く登場する今作。主人公のカールはもちろん、友人のルーニーや上司のノーマン。さらには隣人のお婆さんティリーにブライダル店員のスミなど、短い登場シーンであるにもかかわらず、記憶に残ってしまうバイプレーヤーが数多く登場していました。
しかしお忘れではないでしょうか。もはや役名すらないものの、なぜか記憶に残る濃いキャラが他にも登場していたことを。
いい人すぎる飛び降り寸前の男性
物語中盤でカールが偶然出くわした、アパートから飛び降りる直前の男性。この男性がとにかくいい人すぎるのです。
自分が飛び降りようとしている寸前であるにもかかわらず、「犬をどけて」「あんたは60cmほど横にずれて」と地上にいる人たちを気遣う様子を見せる。
そしてカールからの説得に対して「止めるな」と答えるものの、イエスマンのカールが「わかった」と返事をすると「止めないのかよ」と悲し気な表情を見せる始末。もう本当に一瞬の登場なのですが、役名もなきこの男性がいい人すぎることだけはわかります。
その後、カールの歌の力により彼の自殺を阻止することに成功しますが、このシーンだけは作品が変わったかと思うほど、感動的なポイントが多くあります。特にふたりが熱唱するシーンは二度見において必見のシーンになるかと思います。
ライブ会場にいる個性的な女性ファン
アリソンがボーカルを務めるバンド・ミュンヒハウゼン症候群のライブには、毎回5人の固定ファンが訪れているのですが、なかでも唯一の女性ファンである女の子がとにかく個性的なのです。
曲が始まると他の男性ファン4人は音楽に合わせノッているのですが、彼女だけは独特のダンスでライブを堪能。そしてこれまた彼女のノリ方がすごくしなやかで美しいのですよ。
ライブシーンは序盤と終盤の2回ありますが、彼女の独特のノリ方をじっくり鑑賞できるのは序盤のシーンになります。
初見ではミュンヒハウゼン症候群の個性的な衣装や歌に目がいきがちですが、二度見では、ぜひフロアにいるファンの女の子にご注目を。一度目にすると、彼女から目が離せなくなります。
違和感しかないドビーのコスプレ
今作において役名もなければ顔も出ていないにもかかわらず、インパクトが強すぎるキャラNo.1と言えば、おそらくノーマン主催のコスプレ会にいたドビーではないでしょうか。
ハリー・ポッター好きの仲間が集まり、コスプレをしながらハリポタ愛を語るこの会。おのおのが好きなキャラの衣装に身を包み、ハリポタの世界観を楽しんでいるのですが、ドビーのコスプレをしている人だけ明らかに違和感が出まくりなのです。
一見、ドビーのコスプレであるとわかるものの、コレジャナイ感がすごい。おまけに衣装はペラペラの布切れ一枚と革靴という、何ともミスマッチで斬新なスタイル。
このドビーが画面の端にちょいちょい映るものですから、カールたちの会話が頭に入ってこない。一度注目してしまうともう目が離せなくなるほど、強烈なインパクトを残したドビーは、何度見ても夢中になってしまいます。
二度、三度見ても楽しめるバイプレーヤーたち
名前やセリフがないにもかかわらず、強く印象に残るバイプレーヤーが多い今作。あまりにもインパクトが強いため、初見だけでなく、二度、三度見ても楽しめる彼らの姿。
二度見鑑賞では、一瞬だけ映るバイプレーヤーたちの姿を改めて楽しんでください。
「イエスマン “YES”は人生のパスワード」の二度見ポイント3:二度見して初めてわかる感情移入できる理由
冒頭でもお伝えした通り、初見の鑑賞を終えたときに「自分もイエスの回数を増やしてみよう」と意識が変わった方も多いであろう今作。実話を基に描いていることもあり、すんなり感情移入できたのが理由のひとつかもしれません。
ただなぜ、ここまでカールというひとりの男性に感情移入できたのか。その謎は二度目の鑑賞を終えて、初めてわかりました。
二度見時に気づいた異変
筆者が二度目の鑑賞をし始めて、真っ先に感じた違和感。それは、「カールってこんなにも暗い奴だったっけ?」ということ。
初見時に残った印象により、カールといえば、とにかく明るく、お酒やレッドブルを飲むと途端にぶっとぶ人というイメージ。
それがどうでしょう。改めて見直してみると、別人のように暗く、生気がまったく感じられない。一体、カールに何が起こったのだ。
……と、初見時以上にカールに注目して鑑賞していると、あるふたつの変化に気がつきました。
自然に変わっていくカールの表情
何をするにも「面倒くさい」「遠慮しておくよ」のノーマン時代だった、物語序盤のカール。仕事から帰るとレンタルした映画を鑑賞しながら時間をつぶす日々を送る。
この時代のカール、今見返すととにかく表情が暗い。常にうつむき加減で、眉間にしわもよりがち。
しかしイエスマンになったあとは表情も豊かになり、このあたりからコメディ作品ならではのハイテンションなジム・キャリーの姿もたくさん登場してきます。特にアリソンとのシーンは、あのクシャっとした笑顔を連発。
もしもこれがビフォーアフターで意識して表情の演技を変えているのだとしたら、ジム・キャリー様、すごすぎます。いや意識せずに変わっていたのだとしても、やはりジム・キャリー様、すごいとしか言えない自然すぎる表情の変化です。
「イエス」の言い方にも違いがあった
またイエスマンになった当初は、意識しているからか「イエス」の言い方に戸惑いを感じるシーンも多々ありました。
自分に言い聞かせるために大声で「イエス!」と叫んだり、ひと息おいて「……イエス」と答えたりなど、まだ暗いカールがどこかに残っていて、完全なイエスマンにはなりきれていない状態でした。
しかしラストシーンに近づくにつれ、カールの「イエス」がものすごく自然になっているのです。
筆者が個人的に一番自然だと感じたのが、ウェディングシャワーの最中に親友のピーターから食事に誘われたとき。これまで付き合いが悪いと言われていたカールが、心から親友と食事に行きたいと思って出た「イエス」の一言。自然すぎます。
意識して「イエス」の言い方を変えているのだとしたら、表情の変化と同様、ジム・キャリー様すごすぎです。
改めてジム・キャリーのすごさに気づかされる
比較的感情移入しやすい今作ですが、もしかするとジム・キャリーの演技により、私たちは無意識のうちにカールに感情移入してしまっていたのかもしれません。
そして物語が進むにつれ、自然な変化を演じていたジム・キャリー。二度見鑑賞では、改めて彼の俳優としてのすごさに気づかされます。
世界観と一緒に演技やキャラにも注目を!
今作のように「イエス」と答え続けたからと言って、必ずしも人生に好機が訪れるとは限りません。ただ、変化を求めるならまず自分から変わっていかなければいけないのだという、当たり前であり、忘れがちなことを教えてくれる今作は、何度鑑賞しても前向きな気持ちにさせられます。
二度見鑑賞をする際は、物語の世界観を堪能しつつも、初見で見逃しがちなジム・キャリーの何気ない演技やキャラたちに注目してはいかがでしょうか。
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