音楽映画

まさにこれこそロックの名作『スクール・オブ・ロック』の二度見ポイント! 元気をもらいたいときにこそ見返したいシーンとは?【映画レビュー(ネタバレあり)】

上映日:2003年
製作国:アメリカ
上映時間:108分

監督:リチャード・リンクレイター
製作:スコット・ルーディン
製作総指揮:スティーブ・ニコライデス、スコット・アバーサノ
脚本:マイク・ホワイト
出演者:ジャック・ブラック、ジョーン・キューザック、サラ・シルバーマン、マイク・ホワイト

あらすじ:

ミュージシャンでもあるジャック・ブラックが破天荒なロッカー教師を演じるコメディータッチの人間ドラマ。名門小学校にそぐわないニセ教師と小学生たちがロックを通じて交流を深める、笑いと風刺、感動、そして涙ありの作品。監督に「オースティン映画協会」の設立者であり『恋人までの距離』のリチャード・リンクレイター。脚本は本作で友人役を演じるマイク・ホワイト。実際に楽器を演奏している子役たちの演奏の巧さもにも注目だが、ジャック・ブラック演じるユニークなロックン・ロール教師からは目が離せない!

バンドをクビにされ、ルームメイトのネッド(マイク・ホワイト)からも追い出されたデューイ(ジャック・ブラック)は名門小学校で代用教員をしているネッドになりすましバイト感覚で学校へ行くが……。

『スクール・オブ・ロック』予告編

『スクール・オブ・ロック』シングメディア編集部レビュー

トップミュージシャンを夢見る主人公がステージの頂点を目指す映画作品は数多くあります。

そのほとんどが夢と希望に溢れ、鑑賞側も勇気をもらえるストーリーであることがほとんどではないでしょうか。

そんな音楽映画の定石を覆したのが、今も多くのロックファンから愛され続ける『スクール・オブ・ロック』です。

一言で語るなら、まさにこれこそロック!

「夢を追いかける暇があったら今という時間を全力で生きろ」といわんばかりに本能のまま生きることの楽しさを全力で教えてくれます。

今回は何度見返しても元気がもらえる名作『スクール・オブ・ロック』の二度見ポイントについてご紹介します。

『スクール・オブ・ロック』の二度見ポイント1:鑑賞側を虜にするデューイ・フィンことジャック・ブラックという存在

『スクール・オブ・ロック』の二度見ポイント1

今作を語るうえで欠かせない存在といえば、主人公のデューイ・フィンこと、俳優のジャック・ブラックです。

まさに彼の代表作とも呼べる今作では、実際にミュージシャンとして活動する彼のすばらしさが至るところにあらわれています。

ジャック・ブラックの全身全霊の演技と演奏を見るために二度見鑑賞しても良いといっても過言ではないほど、今作は彼に関する見どころが満載なのです。

演奏中の姿がとにかくかっこいい!

作中で何度も登場したバンド演奏シーンですが、見返せば見返すほど、ジャック・ブラックのロックに対する愛がこれでもかというほど伝わってきます。

演奏中に気持ちが高まると自然と体が動いてしまうのはもちろん、メンバーの生徒に指示を出すときも熱が入りすぎてつい早口になってしまう。

そしてボルテージが最高潮になると、顔を真っ赤にしてまで嬉しそうに歌うあの姿!酸素不足で倒れてしまわないかと鑑賞側が心配になるほど、とにかく興奮している様子が画面越しからもひしひしと伝わります。

破天荒で常識破りの行動も多い彼ですが、ロックを奏でている瞬間だけは作中の誰よりもかっこいい!

普段から音楽をこよなく愛するジャック・ブラックだからこそ、デューイという人物を通し、自然な形でロックのすばらしさを伝えることができたのだとわかるシーンでもあります。

重みを感じる熱いセリフの数々

またジャック・ブラックのすばらしさが伝わってくるのは演奏中のシーンだけではありません。

相手に対し熱い思いを伝えるときの演技力がとにかくすごい!演技とは思えないほど、言葉の重みに思わず目が離せなくなってしまいます。

そのひとつがバンドバトルのステージに立つ際、ギターのザックにかけた一言です。

出番を目前に当初予定していた曲ではなく、ザックが作った曲を演奏することに決めたデューイ。

そのとき彼がザックにかけた言葉が「俺には才能がない。それを認める。お前の曲の方がマジにロックだ」という一言です。

何気ない一言ではありますが、このセリフだけで彼が「目立ちたい」「モテたい」という気持ちだけでバンドをやっているのではなく、心の底からロックを楽しんでいるのだなということが伝わる隠れた名シーンでもあります。

ジャック・ブラックを知ったうえで楽しむ二度見鑑賞

序盤では破天荒で自分勝手な奴でしかないデューイ。しかし作品を通して彼のことを知ると、なぜか知らぬ間に親近感を覚え、好きになってしまう。

そんな誰からも愛されるデューイこと、ジャック・ブラックのすばらしさを知ったうえで作品を見返してみると、初見とは違う印象で彼の姿を見守ることができるかもしれませんよ。

『スクール・オブ・ロック』の二度見ポイント2:従来の音楽作品とはまったく違う数々の名言

『スクール・オブ・ロック』の二度見ポイント2

ロックを題材にした今作では、数々の熱い名言もたくさん生まれています。

その名言の多くが従来の音楽映画作品では、まず耳にすることがないセリフばかり。言っていることは無茶苦茶だけど、なぜか勇気をもらえる名言も多いのです。

「あきらめろ。夢を捨てろ。人生で勝つのはムリだからだ」

とあることがきっかけで、臨時教師になりすまし名門私立学校で働き始めたデューイ。

しかしもちろん真面目に授業する気などさらさらありません。そしてクラス委員のサマーから「授業が受けたい」と言われた際に彼が生徒みんなに語ったのがこのセリフです。

「あきらめろ。夢を捨てろ。人生で勝つのはムリだからだ」

トップステージを目指す音楽作品とは思えないほど、予想外すぎる一言です。

ただその理由がめちゃくちゃロックで、思わず納得してしまうのです。

「夢をもち挑戦することはできるけど、必ず負ける。なぜならどの世界も大物が支配をしているから。ただ反抗の道はある。それがロックだ!」

かっこよすぎませんか?まさにこれこそロック映画だという感じがしませんか?

これまで数多くの失敗や苦労を重ねてきたものの、ロックだけは絶対に裏切らなかった。そんなデューイの思いが強く伝わってくる名言です。

「体重に悩む者はまだいる。俺だよ。だがステージに立てばみんな拍手喝采だ」

その後ロックに目覚め、バンドを結成したデューイと生徒たち。中盤ではバンドバトルの予選に出るため、メンバーとともに会場を訪れます。

……が、ここでバックコーラスのトミカが「歌えないから出ない」と辞退を申し出るのです。その理由が「自分は太っているからステージに立ったらきっと笑われる」ということ。思春期ならではの繊細さから生まれる不安です。

そしてここでもデューイは、きれいごとを並べることなく、しっかり自分の言葉で彼女を励まします。

「体重に悩む者はまだいる。俺だよ。だがステージに立てばみんな拍手喝采だ」

トミカには天才的な歌唱力があります。その歌声を一度聞けば、誰もが感動してほれ込むに違いない。それは彼女と同じく体重に悩みながらも、何度もステージに立った経験のある自分が一番わかっている。

ステージに関しては多くの体験を積んできたデューイだからこそ、語れるリアルな一言。

同時に「見た目など自分の一部でしかない。才能を見せれば多くの人間はすぐに手のひらを返すから気にするな」という勇気を与えてくれる名言でもあります。

勇気や元気をもらえる名言を見返そう

そのほかにも数々の名言を残した今作では、デューイや生徒たちの言葉からたくさんの勇気や元気をもらうことができます。

二度見鑑賞ではそんな名言に注目して見返してみるのも楽しいかもしれませんよ。

ちなみに筆者個人としては、ラストのバンドバトルの際にデューイが口にした「目標は優勝じゃなく最高のステージだ」が最高にロックで熱いなと思いました。

『スクール・オブ・ロック』の二度見ポイント3:エンディング

『スクール・オブ・ロック』の二度見ポイント3

今作における一番の名シーンといえば、誰もがラストのバンドバトルの演奏シーンをあげることでしょう。

とにかくかっこいい。何度見返しても鳥肌が立つほど迫力満点で楽しめる演奏です。

ただ、二度見ではあえてバンドバトルではなく、クレジットが流れるエンディングの演奏シーンにも注目してみてはいかがでしょうか。

上達ぶりがわかる生徒たちのソロパート

バンドバトル出場を機に「放課後クラス」として活動を始めたスクール・オブ・ロックのメンバーたち。

エンディングでは彼らが放課後にバンド練習する姿が映し出されるのですが、ラストのバンドバトルと違い、リラックスした状態で演奏している彼らの姿にほっとさせられます。

特にそれぞれのソロパートは必見!作品を通し、それぞれのパートを練習したであろう生徒たちの上達具合が目に見えてわかる感動のシーンになっています。

またソロパートはないものの、当初よりベースを演奏する姿が様になっているケイティの堂々とした立ち振る舞いにも注目していただきたいところです!

映画の終わりが名残惜しくなる歌詞

またエンディングで流れる曲では歌詞にもご注目を!

今作ではデューイが曲に合わせ、オリジナルの歌詞を披露するシーンも多々ありましたが、エンディングでもそのオリジナリティが発揮されています。

バックコーラスのマルタのソロでは「映画はおしまい。でも(私たちは画面に)まだ出てる」とカメラ目線で歌うお茶目な姿を披露。

さらにその後のデューイのソロでは「クレジットが流れてる。ほらそこに出てる名前」とクレジットにあわせて指をさすという細かいヒトネタを挟んでくれています。

まるで画面のすぐ向こうで実際に彼らが演奏しているかのような気分になれるエンディングの歌詞は「この曲が終わると同時に作品も終わってしまう」という名残惜しさを与えてくれる切なくも楽しい瞬間になっているのです。

バックコーラスの素の表情が見える瞬間

さらにエンディングでは生徒役の子役たちの素の姿が見える瞬間もあります。

それはデューイが自分のソロパートで床を這いまわり、テンションがあがりきった瞬間。隣に立つバックコーラスの女子3人が彼の姿を見て思いっきり嬉しそうに笑っているのですよね。

おそらく演技ではなく、本当に心から楽しんでいるからこそ出てしまった素の表情。

作中では大人顔負けの高い歌唱力を見せていた彼女たちですが、最後の最後に子どもらしい姿をチラッと見せてくれた瞬間でもあります。

エンディングシーンを見るだけの二度見鑑賞もおすすめ

思わず笑顔になってしまうほど、鑑賞側の心をぐっとつかむラストのエンディングシーン。

ちょっと元気がない日や疲れた日は、このエンディングシーンだけを改めて見返してみるのもおすすめ。ロックを楽しむメンバーたちの姿から明るさを分けてもらえるかもしれませんよ。

落ち込んだ時にこそ見返したい名作『スクール・オブ・ロック』

長く愛され続ける『スクール・オブ・ロック』はロックを好きな人はもちろん、ロックを知らない人でも楽しめる音楽映画作品。

特にバンドの演奏シーンは何度見ても気分を盛り上げてくれること間違いなし!

落ち込んだ時や明るい気持ちになりたいときにこそ、ぜひ二度見鑑賞で見返してみてはどうでしょうか。

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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。