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演出や裏話を知ることで初見以上に楽しめる『ジュラシック・パーク』の二度見ポイント【映画レビュー(ネタバレあり)】

あらすじ:

大富豪ジョン・ハモンドの招待で、古生物学者グラントとサトラー、そして数学者マルコムが南米コスタリカの沖合いに浮かぶ島を訪れた。そこは太古の琥珀に閉じ込められたDNAから遺伝子工学によって蘇った恐竜たちが生息する究極のアミューズメント・パークだったのだ。だがオープンを控えたその“ジュラシック・パーク”に次々とトラブルが襲いかかる。嵐の迫る中、ついに檻から解き放たれた恐竜たちは一斉に人間に牙を剥き始めた。

『ジュラシック・パーク』予告編

『ジュラシック・パーク』シングメディア編集部レビュー

おそらく映画ファンであるなしにかかわらず、多くの方が一度は鑑賞した経験があるであろう、名作中の名作『ジュラシック・パーク』。

何ならもう数えきれないほど見たことがあるよって人も多いのではないでしょうか。筆者もかれこれ、すでに5回以上は見ていると思います。ええ、大好きなんですよ恐竜が。

そんな恐竜映画の代名詞とも呼べる『ジュラシック・パーク』ですが、世界中に熱狂的なファンが多いことからもお分かりの通り、今作は何度見ても楽しめる! そして見るたびに新たな発見ができる!

そこで今回は、今後も長く語り継がれるであろうスピルバーグ監督の代表作のひとつ『ジュラシック・パーク』の二度見ポイントについてご紹介したいと思います。

「ジュラシック・パーク」の二度見ポイント1:音と物だけで恐竜を表現するスピルバーグ監督の演出

序盤はもちろん、中盤から終盤にかけては1秒たりとも見逃せないドキドキハラハラの展開が続く『ジュラシック・パーク』。

その恐怖や絶望感をつくりだしているのは、スピルバーグ監督お得意の音や物だけですぐ近くに恐竜がいると錯覚させられてしまう演出にあったのです。

「ジュラシック・パーク」の二度見ポイント1

あえて恐竜からの視点を映し出すことによって生まれる恐怖

たとえば映画が始まったばかりの冒頭シーン。

厳戒態勢で恐竜が入った檻を大勢の作業員たちが移動させるのですが、肝心の中にいる恐竜はまったく見えない!

ただ完全に威嚇している鳴き声が聞こえたり、すき間から作業員を睨んでいる様子が恐竜視点で映っていたりすることから、檻の中の恐竜がいかに興奮状態であるかがひしひしと伝わってきます。

おまけにトラブルにより、ひとりの作業員が檻の中の恐竜に引きずりこまれるものの、中の様子は一切わからず、ただ作業員の悲鳴と恐竜の鳴き声だけが響き続ける。もう序盤中の序盤でこの恐怖ですよ。怖すぎません?

ティラノサウルスが現れるまでに見られる数々の演出

またティラノサウルスが現れるシーンでも、簡単に奴は姿を現しません。

まず何となく嫌な予感を感じ始め、ふと目の前にある水の入ったコップや地面にたまった水たまりを見ると、静かに水が揺れ始めている。そして徐々に何かの足音が近づいてきたかと思った瞬間、突如、目の前にティラノサウスルが登場!

この水が揺れ始め、足音が近づいてからティラノサウルスが現れるまでの時間がとてつもなく長く感じてしまうのですよ。そんな徐々にティラノサウルスが近づいているということが分かる演出により、今作は何度見てもティラノサウルス登場のシーンでヒヤヒヤさせられてしまいます。

トラウマ級に怖い突然消えるヤギ

そして今作において、特に恐怖を与えつけられたシーン。それは先ほどまで目の前にいたヤギが一瞬にして消えるという、トラウマ級に恐ろしい場面ではないでしょうか。

ティラノサウルスをおびき寄せるためにエサとして準備されていたヤギ。しかし肝心のティラノサウルスは現れず、ただヤギがメェーメェー鳴き続けているだけ。

……かと思いきや、夜になり先ほどまで目の前でメェーメェー鳴き叫んでいたヤギが突然消えた! ちょっと目を離した一瞬の間にあのかわいらしく鳴き叫んでいたヤギが突然消えた!

そんな嫌な予感が脳裏をかすめた瞬間、突如ヤギを丸飲みするティラノサウルスが目の前に登場! もう絶望的でしかありません。

音と物に注目するとさらに恐怖を味わえる

その他にも恐竜たちのエサとして与えられた牛の悲痛な雄叫びが聞こえたかと思えば、数分後には骨ひとつ残さず、牛を吊っていたクレーンだけが回収されたり、食事中の子どもたちの背後に恐竜の影だけが映ったりと、今作では恐竜の姿が見えないにもかかわらず、恐竜が近くにいると分かるシーンが多々あります。

このスピルバーグ監督作品でよく見られる、音と物だけで数メートル以内に何かがいると錯覚させられてしまう演出。

もし初見で何とも言えない恐怖を感じたという方がおられましたら、ぜひこの細かい演出に注目しながら二度目の鑑賞をしてみてください。

「ジュラシック・パーク」の二度見ポイント2:見れば見るほど憎めなくなるデニス・ネドリー

今作において数々の諸悪の根源である、システムエンジニアのデニス・ネドリー。いやもう、こいつが悪ささえ企まなければ、今作における悲劇も生まれることはなかったのに!

でも実はそんなネドリー。二度、三度と鑑賞を続けると、意外とかわいらしい部分も多いことに気がつくのです。

「ジュラシック・パーク」の二度見ポイント2

普段は早口であるものの、恐竜の前では人が変わる

ネドリーといえば嬉しさや怒りを表現するときに、つい早口になってしまう癖があります。

特にハモンドに給料の値上げを交渉したり、豪雨で島から脱出できない可能性が出てきたりしたときは、同じ英語圏の人でも聞き取れるのかよというくらい、信じられないほどの早口で喋り続けます。しかも結構長々と。

ただそんなネドリーですが、終盤、逃げ出している最中に恐竜と遭遇した際は、恐怖心から満面の笑みで恐竜に優しく話しかけます。それはもう「さっきまでのお前はどこにいったのだよ」とツッコミたくなるほど、まるで父親がわが子にゆっくりと語りかけるかのような口調で。

……まあ優しく語りかけたにもかかわらず、その後恐竜にあっさりと食べられちゃうのですがね。

喜びを表現するときの動きが半端ない

また普段はコンピューターと向き合ってばかりのネドリーですが、序盤でドジスンと取引をしている際は、いつもとは違い身振り手振りをつけて喜びを表現しています。

そのときのネドリーの動きが、見れば見るほどかわいいのです。

取引用のバッグを渡された際は喜びが抑えきれず、バッグを抱きしめながら足をバタバタさせるテンションのあがりよう。おまけにドジスンから冷凍保存機の説明を受けた際は、どこからそんな声が出てきたのかよと思うほど、高い叫び声を発しながら体全体を揺らします。

その後もドジスンが延々と説明を続けるものの、喜びのあまり真剣に説明を聞いているのかわからないほど、大げさな動きと笑い声で楽しむネドリーなのでした。

ちょっと天然な一面を見せちゃうときもある

実力はあるにもかかわらず、勤務態度が不真面目なネドリー。

一度、ハモンドに注意されるシーンがあるのですが、怒られているにもかかわらず彼がやっていたことと言えば、コーラ片手に左のPCモニターで『ジョーズ』を鑑賞。そして右のPCモニターではチェスをするという、堂々としたサボり具合。もうここまでくると、そりゃハモンドも何も言えませんよ。

おまけに恐竜の胚を盗んで逃げだした際、浅橋へ向かうための道標となる立札に衝突し、進むべき方向がわからなくなってしまうという失態を犯したネドリー。

そこで彼がどうしたかというと矢印をぐるぐる回し、ルーレット方式で進む方向を決めるという作戦。いや、道に迷ったときに一番やっちゃいけないことですからね。

ネドリーは見返すほど憎めない奴になる

その他にもセキュリティロックをかけた際、めちゃくちゃウザい自分の顔をセキュリティチェックに設定したり、眼鏡を外すと意外とチャーミングな顔をしていたりと、探せば探すほどかわいい部分が見えてくるネドリー。

初見では連続する悲劇の原因をつくった張本人であるため、彼に嫌悪感を抱いた方もいるかもしれませんが、二度、三度と鑑賞していくうちになぜだか憎めない奴になってきます。

二度見では、ぜひともそんなネドリーのキュートな一面にも注目してみてください。

「ジュラシック・パーク」の二度見ポイント3:恐竜がリアルに再現されている理由

1993年の作品とは思えないほど、リアルな恐竜たちが登場する『ジュラシック・パーク』。

というのも今作では、CG技術はもちろん、一つひとつの音にもスタッフがこだわりを持って製作に当たったのです。

「ジュラシック・パーク」の二度見ポイント3

皮膚感や筋肉の動きにまで注目を

21世紀の今見ても、リアルだと思える恐竜たち。

表情や動きはもちろん、よく見ると皮膚感や筋肉の動きまで細かく再現されていることがわかります。

特に病気で倒れているトリケラトプスは、画面上にアップで映ったということもあり、息づかいから目の動き、皮膚の細かいザラつきまで、本物にしか見えないほど忠実につくられています。

見た目だけでなく鳴き声までリアル

また今作は、恐竜の見た目はもちろん、鳴き声まで徹底的にリアルに再現されています。

ブラキオサウルスが葉を食べるときの食感の音。
ラプロスの子どもが卵から返ったときの鳴き声。
ティラノサウルスがヤギを丸飲みする瞬間の噛む音。

そしてティラノサウスルのあの迫力のある雄叫び!

CGで忠実に再現された恐竜にリアルな音を合わせることにより、まるで本物の恐竜が目の前にいるかのような感覚を味わうことができるのです。

恐竜の鳴き声はさまざまな動物によって再現されていた

このように恐竜たちがリアルに見える理由について、音響デザインを担当したゲイリー・ライドストロームは、過去にVultureの取材で音の内容について様々なことを語っています。

たとえばヴェロキラプトルの吠える声は、カメの交尾の音を録音してつくったのだとか。

その他にも生まれたてのベビーラプロスは、フクロウの声。ティラノサウスルの雄叫びは、赤ちゃんのゾウの鳴き声をスローモーションにして使用することにより再現されています。

また終盤で幼い姉弟がラプトルから逃げ惑いキッチンに隠れるシーンでは、ドアの小窓からラプトルがのぞきこみ、荒い鼻息を立てるというトラウマ級に怖い場面がありました。実はあの「フンッ!」というラプトルの鼻息も馬の吐息を録音して使われたものだったのです。

参考:You’ll Never Guess How the Dinosaur Sounds in Jurassic Park Were Made

初見以上に恐竜が本物かのように見える

何度見てもリアリティあふれる恐竜に目を奪われてしまう今作ですが、二度見では恐竜たちの見た目だけでなく、音声にも耳を澄ませて鑑賞してみてください。

さまざまな動物たちの鳴き声などを使用して再現された、恐竜たちの鳴き声。そこに注目してみると、初見以上に恐竜たちが本物かのように見えてくるはずです。

二度、三度と繰り返し見ても飽きずに楽しめる名作

世界中に多くの熱狂的なファンを持ち、いまもなお次々と続編が登場している『ジュラシック』シリーズ。

その第一作である『ジュラシック・パーク』は、多くの方が一度は鑑賞をした経験があることでしょう。

しかし『ジュラシック・パーク』は、二度、三度と繰り返し何度見ても飽きずに楽しめる映画です。

もし久しぶりに鑑賞してみようかとお考えの際は、スピルバーグ監督ならではの演出や恐竜たちの一つひとつの動き。そして憎めないネドリーを始めとした、さまざまな登場人物に注目して鑑賞してみてください。

二度見の鑑賞の仕方次第では、初見以上にドキドキハラハラさせられるかもしれませんよ。

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WRITTEN BY
LISA

フリーライター/コラムニスト。2011年よりライター活動開始。元ギャルのオタク。映画は出演俳優とジャンル重視で選びがち。特にサメとゾンビとイケメンが大好物です。でも現実世界ではどれとも遭遇したくないと思いながら毎日を生きています。

Blog:https://ameblo.jp/lisa-ism9281/