こんにちは、シングメディア編集部です。
CMプロデューサーってどんな仕事をしているんだろう、CMプロデューサーになるにはどうしたらいいんだろう・・・。
そんな「CMプロデューサーについて知りたいあなた」は必見です。
CMプロデューサーという名前は聞いたことがあっても、その役割やなり方については知らないという人が多いですよね。
そこで今回は、「CMプロデューサーの仕事内容とCM制作の流れ、年収の目安」をご紹介します。
また今回は監修としてシングメディアのプロデューサー陣にもコメントをもらったので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
三行まとめ
- CMプロデューサーは制作現場における最高責任者
- CMプロデューサーは責任が重い分、やりがいも多い
- CMプロデューサーになるには、まずプロダクションマネージャーとして経験を積もう
どんな役割? CMプロデューサーの仕事内容とCM制作の流れ
CMプロデューサーが所属しているのは基本的に広告制作会社。CM制作現場における最高責任者として、CM制作全体の進行管理を行います。
クライアントや広告代理店と制作チームの間に立ち、それぞれのリクエストをまとめて調整したり、制作スタッフの編成を決めたり、予算やスケジュールの管理を行ったりするのが仕事です。
CMプランナーの立てた企画から予算内でクオリティの高い映像を作れるよう管理する役割を担っています。
制作のプロたちをまとめて一人ひとりの力を最大限に引き出してあげることが使命です。
またCMプロデューサーの大事な仕事と言えるのが、広告代理店から仕事を獲得すること。
ただ仕事が来るのを待っているだけではなく、普段から依頼主との良好な関係を築き、依頼主の信頼を得るために優れた映像作品を作り続けなくてはなりません。
仕事を獲得してこなければ、CM制作における本来の仕事をすることもできないのです。
そんなCMプロデューサーの具体的な仕事の進め方は以下のようになっています。
ステップ1. 企画会議への参加
制作の案件を受注したら、CMプランナーの企画案をもとに企画会議を開きます。
クライアントの予算内で企画が実現可能かどうか、納期までに制作が可能かどうかなどの視点でアイデアや意見を出したり、企画案を検討したりするのがCMプロデューサーの仕事です。
最初の会議では既視感のない斬新なアイデアがバンバン出てきます。「企画は面白いけど……そもそも実現可能なの?」そんなとき、会議参加者は一斉にプロデューサーを見ます。ここでキチンと発言するためには、映像に関しての知識だけでなく様々な分野の知識が必要になってきます。
いろいろ考え方はあると思いますが、僕の場合はその企画の「理想的な実現方法」と「現実的な実現方法」を打ち合わせしながら考えます。あとはこれ実現したらワクワクするなーって方になるべくなるように、提案したり参考資料見せたりして、頑張ります。プロデューサーはどれだけ夢を叶えることができるのか、な職種だと思います。
ステップ2. スタッフィングの提案
CM制作に携わるスタッフを決めるスタッフィングはCMプランナーが行うこともありますが、基本的にはCMプロデューサーが行います。
プロデューサーはこれまでの制作経験の中でさまざまなスタッフと共に仕事をしてきているため、「この企画にはどのスタッフを起用すればいいか」がよくわかっています。
そのため撮影に必要な監督やカメラマン、照明、飲料や食べ物をおいしそうに見せるための演出を行う“シズル屋”、編集スタッフ、録音スタッフなどさまざまなスタッフについて、それぞれのプロをリストアップし、プランナーへ提案していくのです。
スタッフィングは「企画の表現方法に最も向いてる」から「今回の企画に最適」というわけではありません。予算や関係値、作品にどれだけ注力してくれるかも重要な判断材料です。やはり仕事をするのは“人”なのです(ドヤ顔)。
これも考え方はさまざまだと思いますが、企画を映像化する上での肝となる監督を誰にお願いするかが最も重要で、そこもワクワクするかどうかが一番大事だと思います。
ステップ3. 演出コンテの確認
監督が決まると、監督は企画をもとに演出コンテを作ります。
演出コンテには撮影時のカメラアングルやカット割り、出演者の具体的な演技内容などが詳しく描かれており、CMの完成イメージがしやすいようになっています。
CMプロデューサーは監督が作成した演出コンテを確認し、クライアントの意図するメッセージが視聴者に伝わるかどうかを判断していくのです。
ときにはクライアントからの戻しを受けて何度も修正し、提案し直すこともあります。演出コンテはいわば海図。漕ぎ出した船が転覆しないように、念入りにクライアント含め満足いくものにします。
企画意図を汲みつつも、めちゃくちゃジャンプさせた演出コンテがアップされてきたときは、ほんとにいろんな意味でドキドキワクワクです。
ステップ4. スタッフとのアイデア出し
演出コンテが完成すると、それをもとにそれぞれ専門のスタッフたちとのアイデア出しを行います。
演出コンテ通りの映像を撮るにはどうしたらいいのか、本当にこの表現方法でクライアントの伝えたいことが伝わるのか、もっといい表現方法はないかなどを話し合うのです。
そして各専門スタッフたちからのアイデアや意見をもとに再度演出コンテを練り直す、必要があればスケジュール交渉をクライアントとするなどの仕事を行います。
ここが一番楽しいかもしれません。ポジティブなことだけでなくネガティブのことも言い合いながら、「でも良いものを作ろう」という気概は全員が持ってる感じ。プライスレス。
実現方法は企画によってさまざまで、出しあったアイデアを整理して、テストして、検証して、まとめて、共有して、説明して、ようやくたどり着きます。これまでどれだけ経験を積んできたのかがまじ問われますし、どれだけ常識にとらわれないかがまじ重要です。
ステップ5. 制作中の進行管理
演出コンテが完成したら、撮影・編集といった制作がスタートします。
制作中のCMプロデューサーの仕事は、各専門スタッフや広告代理店・クライアントとの意見交換を行い、それぞれの意見や要望をとりまとめること。
全員の意見や要望をすべて取り入れることは難しいため、何度も話し合いを重ねてそれぞれにとって最善な形になるよう調整していきます。
スタッフや広告代理店・クライアントと常に連携をとり、相談し合いながら制作における最終判断を行う立場となります。
限られた予算とスケジュールの中でいかにより良いものを作るか、というのがCMプロデューサーに課せられたミッションなのです。
この対応は撮影中だけでなく、撮影が終わってからの編集作業中も、CMが完成するギリギリまで行われます。
またスタッフや出演者などすべての人のスケジュール調整や撮影日程、編集日程の決定も大事な仕事です。
映像はいろんなプロフェッショナルが大量に関わって、色んな想いが交錯しまくってはじめて出来上がります。その意図や意思を取りまとめて伝えるのがプロデューサーの役割ですが、事実だけを伝える伝書鳩だといろんな軋轢が生まれるため、上手な言い回しや伝えるタイミングを工夫して、軋轢が生まれないように調整するのも必要なスキルです。案件全体の空気感を意識するのもプロデューサーの仕事なのです。
プロデューサーの一番の仕事は予算やスケジュールやクオリティもそうですけど、モチベーションの進行管理だと思います。自分自身も含めて、全員一丸となってワクワクしながら全力で作ってるチームはほんと無敵です。自分はどの案件もそうでありたいし、どの案件もそうなれるように必死です。
CMプロデューサーの楽しさ・やりがいは?
完成したCMの品質や評判に対する責任も肩にかかることになるのがCMプロデューサー。
責任が重い分、やりがいを感じる場面も多いようです。
たとえば自分が手掛けたCMをたくさんの人に見てもらえるということ。
特に大手メーカーのCMであれば日本全国で放映されるため、多くの人に見てもらうことができます。
そのCMが高く評価されたりCMによって商品やサービスがヒットしたりすれば、クライアントからは感謝され、一目置かれる存在に。やりがいもより大きくなります。
ヒットメーカーとなれば仕事の依頼を指名でもらえるようになるでしょう。
またスタッフィングや調整作業においてもプロデューサーならではのやりがいや楽しさがあります。
たとえば「どんな監督とどんなカメラマンを起用するとどんな映像が生まれるのか」などを考えてスタッフィングした結果、想像を超える斬新な映像が出来上がってきたときなどには面白さを感じるでしょう。
さらにクライアントとスタッフの板挟みになる中で双方の意見をうまく調整し、交渉しながら両者が満足のいく結果を生むことができたときにも大きなやりがいを感じられます。
「責任の重さ=自由度の高さ」だと思います。例えば、そもそも実写なのか、アニメーションなのか、ターゲットがここなら人気声優をアサインしよう、とかとか。企画の根幹から関われて、自分の裁量で実行できるプロデューサーという仕事は自由度も無限大。何か一つの分野(美術や音楽)を突き詰めるのももちろん面白いのですが、もっと案件全体を見渡して色んなチャレンジをしたい! という人はプロデューサーになるべきだと思います。
「どれだけ夢を叶えることができるか」これに尽きると思うので、たくさん夢を見ましょう。なので、たくさん寝ましょう。
1,000万円超えも? CMプロデューサーの給料・年収の目安
CMプロデューサーの給料・年収は所属する企業の規模によって異なりますが、平均年収の目安は500万円程度です。
一般的に20代であれば350万円程度、30代であれば420万円程度、40代なら500万円程度と言われています。
しかし給料・年収には個人の評価も大きく関係してくるため、高い評価を受けているCMプロデューサーであれば30代でも年収700万~800万円となることもあります。
また大手の広告制作会社に属している場合なら、年収1,000万円以上になることも珍しくありません。
逆に小規模な広告制作会社の場合であれば、年収400万円以下ということも少なくないのです。
トップクラスなら年収1,000万円はゆうに超えます。なかには億越えも。ただ映像制作は9時17時の決まった時間でやれる仕事ではなく、深夜まで及ぶ打ち合わせや土日の急な稼働もあるので、「適度に働いて良い給料を!」という意識だと続かないかもしれません。大事なのは「物事を動かしたい!」という強い意思。また最近は映像を作るだけでなく、総合的なプロモーションの視点も求められる事例が増えています。「受注して、映像を作る」だけに留まらず、自分の好きな分野、得意な分野でしっかりバリューを出せるように様々な方面から情報を得て、スムーズにアウトプット出来ないと淘汰されます。まあとにかく、プロデューサー楽しいよってことっすね(適当)。
近年、大手プロダクションだけでなく、フリーランスや小規模のチームもたくさん出現してきているので、給料や年収もさまざまだと思います。稼ぎたいなら稼げばいいし、好きなものを作りたいなら好きなものを作っていればいいし。ただシングメディアのプロデューサーは「業界でも随一の給料らしいよ」ってヒソヒソ言われるようにひっそりと頑張ります(笑)。
プロダクションマネージャーからスタート? CMプロデューサーになるには
CMプロデューサーになるのに、特に資格は必要ありません。
大学や専門学校へ進学し、広告代理店や広告制作会社へ就職することになります。
大学や専門学校では特に「この学部でないといけない」ということはありませんが、メディア関連や芸術系の学校・学部で映像やCG、表現文化などを学んでおくと仕事で役立つでしょう。
広告代理店や広告制作会社に就職したら、まずはプロダクションマネージャーとしてCMプロデューサーのアシスタントのような役割を担うことからスタート。
ただし企業によっては営業や制作部のデザイナー、コピーライターなどを経験することからCM制作の仕事に関する知識や経験を積ませる場合もあります。
プロダクションマネージャーの仕事内容は、ロケ地のリサーチやロケハン、お弁当の発注、撮影に関する許可取りなどの雑用から始まります。
その後、スケジュール管理や予算の管理、撮影の進行管理なども任されていくことになります。
プロダクションマネージャーとしての仕事を数年経験すると、徐々に仕事の幅が広がっていき、プレゼン用のVコンテ制作なども任されるように。
そうして目安として10年ほどプロダクションマネージャーとして経験を積み、人脈を築いていく中で「適性がある」と判断されると、ようやくCMプロデューサーになることができます。
CMプロデューサーになりたい人が身につけておきたいスキルは、高度なコミュニケーション能力です。
CMプロデューサーはたくさんのスタッフを束ね、クライアントや制作スタッフと折衝することにもなりますから、相手の考えや要望を的確に捉えられる能力が必要となります。
そうした高度なコミュニケーション能力は就職後に身につけていくこともできますが、学生のうちからさまざまな人との出会いを通してコミュニケーション能力を養っておくことも大切。人をまとめるような役割を経験しておくのもおすすめです。
相手の望むことを的確に捉えて実行できる“気が利く人”はCMプロデューサーの適性があると言えるでしょう。
また映像についての知識を深め、感性を磨くためにたくさんのCMや映画、ミュージックビデオなどの映像作品を見ておくことも大切になります。
映像作品を見る上では、監督やカメラマンなど制作スタッフの名前を意識するようにするとなおいいでしょう。
プロダクションマネージャーはある意味「兵隊」なので、割とラフになることができます(とはいえ大手の採用は倍率が高く狭き門……)。大事なのはプロデューサーになるところまでイメージして仕事をするかどうかで、数年でどんどん差が出て来ます。また「プロダクション・マネージャー → プロデューサー」という従来の常識も、あと数年で崩れてくると思います。人の気持ちの流れ、それに付随したお金の流れ、時代の流れ、この辺りの波を直感的に感じられるかどうか。ビジネスマンでもありクリエイターでもあるプロデューサーの自由度は、これからどんどん上がっていくでしょう。可能性しかありません。ほんとに。最高ですね。
プロデューサーはクリエイティブ思考力だけでなく、ビジネス思考力も必要不可欠だと思います。ただ仕事の対価は決してお金だけではないと思ってます。自らが誰よりも考えて、動いて、交渉して、笑いあって、ぶつかりあって、まとめあって、映像を作る。正直、役職なんて関係ないと思ってます。チームで何かを成し遂げることが好きな人は、1日もはやくプロデューサーになってください(笑)。
まとめ
「CMプロデューサーについて知りたい」という方のために、CMプロデューサーの仕事内容とCM制作の流れ、年収の目安をご紹介してきましたが、いかがでしたか?
広告制作会社や広告代理店に就職してすぐCMプロデューサーになれるというわけではありません。
10年程度の下積みを経て、適性があると判断されて初めてCMプロデューサーの仕事を任されることになるのです。
CMプロデューサーを目指したいという方は、まずはプロダクションマネージャーとして現場で知識や経験を積み、人脈を広げていくことを意識してみてくださいね。
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