コメディ映画

実写化『デトロイト・メタル・シティ』の二度見ポイント。久しぶりに見て改めてキャラの濃さに大爆笑!【映画レビュー(ネタバレあり)】

上映日:2008年
製作国:日本
上映時間:104分

監督:李闘士男
出演者:松山ケンイチ、加藤ローサ、秋山竜次、細田善彦、大倉孝二、岡田義徳、高橋一生、美波、大地洋輔、大谷ノブ彦、宮崎美子、松雪泰子

あらすじ:

純朴な青年、根岸崇一(松山ケンイチ)は、ポップミュージシャンを目指して大分県から上京する。だがひょんなことから人気悪魔系デスメタルバンド“デトロイト・メタル・シティ”のギター&ボーカルとして活動することになる。彼らのデビューシングルは大ヒットを記録し、崇一は自分の意思とは関係なくカリスマ悪魔歌手に祭り上げられていく。

『デトロイト・メタル・シティ』予告編

『デトロイト・メタル・シティ』シングメディア編集部レビュー

僕がしたかったのは……こんなバンドじゃない!!

という名のキャッチコピーのもと、2008年に公開された映画『デトロイト・メタル・シティ』。

キャッチコピーからも何となくお分かりの通り、おしゃれな渋谷系ミュージシャンを目指して上京したはずの主人公が、なぜか奇抜なメイクと演奏が特徴のデスメタルバンドのボーカルになってしまうというお話です。

もうキャッチコピーとあらすじだけで、主人公がいかに不憫であるかがひしひしと伝わってきます。

また今作は漫画原作の実写化であるものの、原作を読んでいない方でも楽しめる構成となっているため、実写映画化としての評価も高く、公開時にご覧になった方もいるのではないでしょうか。

しかし『デトロイト・メタル・シティ』は、久しぶりに二度見鑑賞をしても腹の底から思いきり笑える作品なのです。

3つの二度見ポイント

『デトロイト・メタル・シティ』の3つの二度見ポイント

「デトロイト・メタル・シティ」の二度見ポイント1:主役の松山ケンイチさんには注目すべきポイントだらけ

今作を語るうえで欠かせないのが、主人公の根岸崇一&ヨハネ・クラウザーII世を演じる、松山ケンイチさんの熱演ぶり!

シリアスな演技から熱い演技までできてしまう松山さんが、ここまでギャグ路線でぶっとんだ熱演を見せることってなかなかないのではないでしょうか。

「デトロイト・メタル・シティ」の二度見ポイント1

イケメン俳優が繰り出す全力の変顔

まずは何といっても、今作で数多くの笑えるポイントをつくっているのが、松山さん全力の変顔。もうイケメン俳優がここまでしちゃって大丈夫なのかなと思うくらい、いたるところで全力の変顔を披露しちゃっています。

大分から上京するときは母との別れのシーンでぐちゃぐちゃの泣き顔を見せ、加藤ローサさん演じる相川さんに一目惚れした瞬間には口をぱくぱく動かしながらトキメキを表現。

また路上ライブでギターの弾き語りを披露した際は、演奏が終わった瞬間に必ずキメ顔をするのですが、このときのドヤ顔感がはんぱない。

お客さんがひとりもいないにもかかわらず、ここまで自信満々の顔ができるのもすげーなと思うほど、それはもう素晴らしいドヤ顔を見せてくれています。

なにより松雪泰子さん演じる鬼社長に回し蹴りをくらわされたシーンでは、そのまま失神してしまうのですが、白目をむいてピクピク痙攣するという本気の熱演ぶり。

……と今作では繰り返し何度見ても、松山さんの全力の変顔オンパレードにクスっとさせられてしまいます。

根岸君とヨハネ・クラウザーII世を演じる際のギャップ

また変顔もさることながら、今作では根岸君とクラウザーII世というまったくの別人を交互に演じていた松山さん。

そのふたりを演じる際のギャップがもうとにかく激しいのです。

大分から上京し、方言が抜けないピュアボーイ根岸君を演じる際は、身振り手振りも小さく、かわいらしさしか感じない好青年を演出。

また喋り方も「ありがとっ↑」「まずいよぉぉ↑」と語尾があがっちゃう癖があり、それがさらに根岸君のかわいさに拍車をかけています。

しかしクラウザーII世の姿になると、あのかわいらしい根岸君はどこにいったのかと思うほど、暴言や18禁ワードを吐きまくり。おまけに腹から声を出してのデスボイスで。

なによりすごいのは、根岸君とクラウザーII世では歌い方も180度違ってくるのですが、どちらも歌がうまい。ポップなラブソングを歌う根岸君もデスボイスで叫びまくるクラウザーII世も、どちらも歌がうまい。

このギャップは何度見ても「本当にどちらも松山さんが演じているのか?」と疑問に思うほどの激しさです。

おしゃれに見えて絶妙にダサいファッションセンス

変顔、ギャップ、歌声と、今作では松山さんの熱演にとにかく注目したいのですが、合わせて目を向けてほしいのが、根岸君の絶妙にダサいファッションセンス。

上京する際、お母さんからもらったお守りをギターストラップに付けているのですがそれが絶妙にダサい。しかもお守りが「長寿祈願」であるという点がこれまた絶妙にダサい。いや、母親思いの良い子であることはわかるのですがね。

また憧れの相川さんと代官山でデートをしている際も絶妙にダサい格好で現れたのですが、後々、身に着けているパーカーが有名デザイナープロデュースのおしゃれブランドであることが発覚!

しかし第一ボタンまできっちり留めたYシャツと、明らかに自分の体形に合っていないデニムパンツと合わせていることにより、有名デザイナープロデュースのおしゃれパーカーも、絶妙にダサく見えてしまう。もうここまでくるとある意味の才能です。

ただその絶妙にダサいファッションセンスが根岸君というキャラの個性をかもしだしてくれています。あのファッションがあってこその、かわいらしい根岸君なのです。

二度見ではそんな彼のあと一歩でおしゃれになれそうでなれない、惜しいファッションセンスにも注目してください。

「デトロイト・メタル・シティ」の二度見ポイント2:松雪泰子さん演じる鬼社長のド迫力から目が離せない

おそらく今作で主役の松山ケンイチさん以上に印象に残ったのが、松雪泰子さん演じる、デスレコーズの鬼社長ではないでしょうか。

この社長は本当にすごかった! 何度見返しても、もう社長にしか目がいかなくなってしまうほど松雪さんのキャラ作りの本気さに驚かされました。

「デトロイト・メタル・シティ」の二度見ポイント2

タバコ芸はもはや十八番

まず松雪さん演じる社長といえば、もはやタバコ芸が十八番というほど、登場シーンでは常にタバコを加えていました。

その何がすごいかって、一発目の登場シーンからタバコの火を自分の舌で消しちゃうのですよ。登場シーンからクレイジーすぎません?

そして根岸君が反抗的な態度をとると、手に持っているタバコを躊躇なく彼に投げつける横暴ぶり。そこで終わるかと思えば、タバコを投げつけてからの回し蹴りやひざ蹴り。いやもう現実世界であれば、完全なるパワハラですよ、社長。

なにより根岸君がボロボロにやられているときに、素知らぬ顔でただご飯を食べているだけのメンバーの西田君(秋山竜次)が、さらに社長の横暴さを見せつけるシーンをシュールに演出してくれています。

そんなタバコ芸が十八番の鬼社長。ラストのライブシーンで見せる、今作一番のタバコ投げは必見です!

動きや笑い声が完璧に作りこまれている

またこの鬼社長は、タバコ投げ以外にもさまざまな特技を持っています。

たとえば根岸君にブチ切れて回し蹴りをくらわすシーン。よく見てもらうと分かるのですが、めちゃくちゃ高く足があがっているのです。いくら松雪さんのスタイルが良いからといっても、ここまで人間の足って上がるのかと思うほど、それはもうめちゃくちゃ高くまで足があがっています。

さらに嬉しいことがあると「あっははは」と甲高い声で笑う癖のある社長ですが、大体こういった笑い声ってどこか演技っぽく感じて、興ざめしてしまうこともあるじゃないですか。

しかし松雪さんの甲高い笑い声は、素晴らしいほどにリアル。本気で心から喜んで笑い声をあげているのだと思うほどリアルであるため、見ていてスカッとした気分になります。

一言でいうなら、リアル女王様

その他にも根岸君の家を訪れ、部屋をむちゃくちゃに荒らす際の暴れぶりや、特等席から足を組んでライブを見守っている際の迫力など、作品を通して最初から最後までその存在感をアピールし続けていた社長。

一言でいうなら、リアル女王様。

そのうえただ迫力のある演技を見せるだけでなく、松山さんに負けず劣らずのキレ顔や変顔も惜しみなく披露してくれています。

二回目の鑑賞をするのであれば、そんな松雪さん演じる鬼社長の大迫力の動きや一瞬見せる素晴らしい表情にもご注目ください。

「デトロイト・メタル・シティ」の二度見ポイント3:脇役の中に登場する今をときめく有名俳優の方々

松山さんや松雪さんを始め、とにかくキャラが濃い登場人物ばかりで物語が進んでいく『デトロイト・メタル・シティ』。

しかし実は、あまり出番のなかった脇役の中にも今をときめく有名俳優さんたちが登場していたのです。初見で見逃した方は、ぜひ見逃さずにチェックしてみてください。

「デトロイト・メタル・シティ」の二度見ポイント3

最初から最後まで純粋な後輩を演じた高橋一生さん

根岸君が東京の大学に入学してすぐに打ち解けあった、ポップミュージシャンを目指す仲間たち。その中のひとりが、今をときめく人気俳優・高橋一生さん演じる佐治君。

もうこの佐治君が本当に良い子なのです。

路上ライブでは見向きもされない根岸君の演奏ですが、佐治君だけは「僕もいつか根岸先輩みたいな音楽がやりたい」と崇拝。もう心の底から根岸君を尊敬する純粋な子なのです。

そんな佐治君も大学卒業後は、インディーズバンド『テトラポット・メロン・ティ』のボーカルとして、人気者になるのですが、自分が売れようが根岸先輩を慕う姿勢は変わりません。

また偶然根岸先輩に出会った際、必死で追いかけるシーンがあるのですが、その際の佐治君の走り方が内また走りでこれまたかわいいのです!

と、純粋さとかわいさを兼ね備えた高橋一生さん演じる佐治君。彼のセリフや表情は二度見において必見のシーンとなるでしょう。

途中から反抗期を見せてきた弟役の加藤諒さん

根岸君が夢を抱え、大分から上京するために電車に乗り込むシーン。

そこでだだっ広い田んぼの中で、牛と一緒に「兄ちゃん頑張れ~!」と泣き顔で手を振る弟君。実はこれ、俳優の加藤諒さんなのです。このときの加藤さんは今現在の面影は残りつつも何となく幼い印象があり、とてもかわいらしい好青年を演じています。

しかし数年後、根岸君が実家に帰省すると、あの好青年だった弟は兄が所属するメタル系バンド『デトロイト・メタル・シティ』の熱狂的なファンになっており、ロン毛で茶髪、母親に向かって暴言を吐くという典型的な反抗期を迎えておりました。

そんな好青年から反抗期へと突入した加藤さん演じる弟君のギャップも、また激しくて笑えるのです。

数年前までは田んぼに牛を引き連れて兄を見送っていた好青年が、気づけばロン毛で茶髪のプチヤンキーになっている。でも中身自体は変わっていないため、暴言を吐いても方言が抜けず、何となく当時のかわいらしさが残っている。

登場シーンは少ないものの、加藤さん演じる弟君の熱演も笑いどころ満載であるため、久しぶりに二回目の鑑賞をするのであれば、見逃さぬようにチェックしてみてください。

奇抜な格好が特徴の熱狂的なファン役の岡田義徳さん

クラウザーII世(根岸君)率いるメタルバンド『デトロイト・メタル・シティ』には、数多くの熱狂的なファンが存在するのですが、その中でも特に熱狂的なファンがふたりいます。

そのうちのひとり、ファンBを演じているのが、何と俳優の岡田義徳さん。初見では奇抜なメイクで気づかなかった方もいるかもしれませんが、あの大胆なモヒカンヘアーにチェーンの鼻ピアスをつけたファンが俳優の岡田義徳さんなのです。

というよりも実力派俳優にもかかわらず、役名もないって……。役名がファンBって……。

しかしこのファンB(とファンA)のふたりがいつも最前列にいることにより、ライブシーンはかなりの盛り上がりを見せてくれるのです。もはやふたりなしでは『デトロイト・メタル・シティ』のライブは成り立たないといっても良いほど、素晴らしいほどの盛り上げ役を演じてくれているのです。

ライブシーン以外では、あまり登場シーンのない岡田さん演じるファンBですが、一度登場すると本気のデスメタルファンかと思うほど迫力のある演技を見せてくれています。

ライブシーンを再度ご覧になる際は、ステージだけでなく客席にも目を向けてみてください。

とにかく登場人物全員のキャラが濃すぎる作品

デスメタル好きな方はもちろん、上京したものの夢への葛藤を抱いている方。さらにはただ頭を空っぽにして笑いたい方におすすめの作品『デトロイト・メタル・シティ』。

本気でお腹を抱えて笑えるのはもちろん、松山ケンイチさんを始め、登場人物全員のキャラが濃すぎるため、一人ひとりから目を離せません。

公開時一度ご覧になった方も、お時間さえあれば久しぶりに鑑賞してみてはいかがでしょうか。

当時の懐かしさも相まって、改めて心の底から大爆笑できるはずです。

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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。