あらすじ:
ミシガン州の高校生デヴィッド(ヘイデン・クリステンセン)は、自分にテレポート能力があることを発見。母が家を出て以来、人が変わった父との生活にうんざりしていたデヴィッドはニューヨークへと向かい、瞬間移動した銀行の金庫室で大金をせしめる。しかし、そんな彼を謎の男ローランド(サミュエル・L・ジャクソン)がつけ狙い……。
『ジャンパー』予告編
『ジャンパー』シングメディア編集部レビュー
昔も今も変わらず、人類の夢である超能力。思い返せば筆者も幼き頃、2歳年下の弟とテレパシーを使う練習に励んでいたこともあったなと。まあ今ではテレパシーどころかまともに会話すらしてもらえなくなったのですがね。
そんな人類の夢でもある超能力のひとつ、瞬間移動を題材に描いた作品『ジャンパー』は突然瞬間移動の能力を手に入れた青年が主人公の物語。おそらくSF作品が好きな方であれば、一度は鑑賞したことがあるのではないでしょうか。
今回はそんな何度見てもドキドキとワクワクがとまらない『ジャンパー』の二度見ポイントについてご紹介したいと思います。
3つの二度見ポイント
「ジャンパー」の二度見ポイント1:迫力満載のシーンの連続である理由
今作一番の見どころといえば、やはりなんと言っても瞬間移動や敵であるパラディンたちとの攻防戦における迫力。
もう一瞬も目が離せない展開続きであっという間にラストシーンをむかえ、飽きることなく最後まで見終えることができます。
でも実はその迫力満載のシーンを連続でうみだしているのには、よく見ないとわからない理由があったのです。
瞬間移動のあとに見せる俳優陣のリアルな動き
主人公であるデビッドを始め、瞬間移動の能力を持つジャンパーたち。
彼らが瞬間移動をおこなったときの様子は、一瞬でもまばたきをしてしまうと見逃してしまうほどスピード感あふれるものとなっています。そのうえ瞬間移動の様子がとにかくリアル。本当に瞬時にその場から移動しているのではと錯覚させられてしまうほどリアルな動きなのです。
そのリアルさを生みだしているのは、瞬間移動をおこなったあとの俳優陣の動き。着地の瞬間、本当に別の場所から飛んできたかのような動きを見せるため、その演技により瞬間移動をおこなった際の様子がよりリアルに表現されていたのです。
パラディンのリーダー・ローランドの目から伝わる迫力
また今作において同じく一秒たりとも目を離せなかったのがジャンパーの抹殺をもくろむ組織パラディンたちとの攻防戦。
さまざまな映画の戦闘シーンにおいて見栄えする剣や銃などの小道具は一切使用せず、お互いに体ひとつを使った立ち回りで見せる攻防戦は、何度見ても迫力満載!
ただその攻防戦の迫力を生みだしているのは俳優陣の立ち回りだけではありません。
パラディンのリーダーであるローランドの目から伝わる「何が何でもジャンパーを抹殺する」という本気度がこの攻防戦をより一層迫力あるものにしているのです。
初見の際になぜだからわからないけど、このローランドだけは絶対に敵に回したくないと感じた方は、おそらく彼の目の奥から伝わってくる迫真の演技に圧倒されたのではないでしょうか。
東京大暴走のシーンにヒヤヒヤ感を与えたカメラワーク
そんな瞬間移動やパラディンとの攻防戦という迫力あるシーンが続く今作。
しかし今作における迫力満載のシーンは他にもあります。それがデビッドが同じくジャンパーであるグリフィンと東京の街中を高級車で乗り回すシーン。そこでのグリフィンの運転がこれまたまあ荒い。見ている方が大事故を起こさないかヒヤヒヤしてしまうほどの荒さなのです。
むちゃな追い抜きに信号無視。横断歩道を歩いている人ももちろん無視。それをすべて瞬間移動の能力で回避するのですが、一瞬でもタイミングを間違えたら大変なことになってしまうぞといわんばかりの大技を連発。
それほど長くはないシーンではあるものの、鑑賞後に頭の中に残ってしまうこの東京大暴走の印象的な一場面。この迫力を演出しているのは、さまざまな角度から夜の東京を映し出したカメラワークにありました。
グリフィン目線、対向車視点、そして上空からの映像。それら違った視点からの映像により東京での大暴走の一件は、短い一場面にもかかわらず迫力があり、見ている側の印象に残るシーンとなっていたのです。
視点を変えてみるとまた一味違う迫力を味わえる
ひとことで言うなら、迫力満載シーンの連続である今作。
その迫力は俳優人たちの細かい演技や目力。そして巧妙なカメラワークによってつくりだされていました。
初見でとにかく迫力を感じたという方は、二度見の際は一度目とは視点を変えて鑑賞してみると、また一味違う迫力を知ることができるかもしれません。
「ジャンパー」の二度見ポイント2:表情だけで心境を伝えるレイチェル・ビルソンの演技力
今作のヒロインであるミリーを演じた女優のレイチェル・ビルソン。
筆者は他の作品で彼女の存在を知ったのですが、そのときに感じたのが「何てすばらしい演技をする女優なのだ」ということでした。
というのも彼女、とにかく演技が自然体。おまけに喜怒哀楽を表情だけでうまく伝えるため、演じているキャラの心境が言葉にせずとも伝わってくるのです。
もちろん今作でもレイチェルのそのすばらしい演技は健在! 二度見ではミリーことレイチェル・ビルソンの演技だけでなく表情にもご注目いただきたいかぎりです。
言葉とは裏腹に喜びを隠せない表情
まずは喜怒哀楽の喜。
大人になって地元でデビッドと再会したミリーですが、あえて口にはその喜びをださず、デビッドをからかう余裕を見せます。
でもその表情からは、彼との再会がいかに嬉しかったのかがひしひしと伝わってきます。なんなら口では彼をからかう言葉を発しているものの、表情からは喜びがこぼれすぎてまったく本心が隠せていません。
そんな「本当は嬉しいけどあえて大人の女性としての余裕を見せる」というミリーを表情で演じた、レイチェル。
デビッドとの再会の場であるバーのシーンでは、改めて彼女のその表情に目を向けてみてください。
笑顔で大粒の涙をこらえる一瞬の表情
そして喜怒哀楽の哀。
デビッドとともにローマを訪れたものの、パラディンから逃げる彼は地元に戻れず、ひとり空港を後にすることになったミリー。
このとき彼に飽きれつつも別れを惜しむなんとも言えない表情をミリーは見せています。
そして次の瞬間。デビッドに背を向けたあと笑顔で空港カウンターにてチェックインを済ませるものの、その目には涙があふれて今にもこぼれおちそうに。しかしここで泣いてはいけないと、涙を一滴もこぼすことはありません。
このなんとも言えないミリーの一瞬の表情からは、本当のことを教えてくれないデビッドに対する不満や苛立ちがありながらも、それ以上に悲しみの方が勝っているという心境が一目でわかります。
いやもう、一瞬の表情だけでこのような心境を伝えられるミリーことレイチェルの演技。圧巻です!
静かに怒りの大きさを伝える表情
さらには喜怒哀楽の怒。
再会したかと思えば勝手に別れを告げ、さらにはまた勝手に家にまで会いに来たデビッド。さすがにこれにはミリーもお怒り。
そのときの彼を見る目が非常に怖いのです。もう目の奥から「あなたには心底飽きれたわ」と言わんばかりの本音がビシビシ伝わってくるのです。
おまけに彼を睨みつける目がこれまたまあ恐ろしい。つい先日までの天使のようなミリーはどこにいったのかと思うほど、別人かのような表情を見せています。なんならミリーだけを見ていると、なぜか自分が怒られているような感覚になるほどの恐怖ぶり。
このシーンでは必死に冷静さを保とうと静かに怒りをぶつけるものの、表情からはその怒りの大きさがどれほど強いのかを教えてくれるミリー迫真の演技に必見です。
ミリーことレイチェルは演技だけでなく表情にもご注目を
男性俳優陣が迫力ある演技を見せる一方、紅一点、表情だけでそのときの心境を伝えてくれるミリー役のレイチェル・ビルソン。
初見で彼女の演技に圧倒されたという方は、ぜひ二度見では演技だけでなく一瞬ごとに見せる彼女の表情にも注目してください。
そして余談ですが、レイチェルは今作を機にデビッド役のヘイデン・クリステンセン交際、婚約。ふたりの間には第一子となる女児も誕生しています。(すでに別れてはいるのですが……)
そんな裏話も頭のすみに置きつつ鑑賞してみると、またミリーが違った存在として目に映るかもしれません。
「ジャンパー」の二度見ポイント3:二度見ではあえて世界各国を旅行している気分での鑑賞を
今作は瞬間移動が題材ということもあり、作中には世界各国さまざまな都市が登場します。
ただ初見では物語の行方を追いつつ、ついジャンパーとパラディンの攻防戦に目を向けていたため、ゆっくりと各国の都市を鑑賞できなかった方も多いはず。
そこで二度見では、あえて世界旅行をしている気分になり、背景に映るさまざまな都市に目を向けて鑑賞してみても楽しいかもしれません。
観光気分が味わえる世界各国の国々
今作で登場した都市は数えきれないほど多くあります。
エジプトのスフィンクス、ロンドンの時計塔ビッグベン、パリのトロカデロ広場……。特にエジプトのスフィンクスにいたっては、デビッドがランチをしたり、グリフィンと対決をしたりと、約90分の作品内で何回出てくるんだよとツッコミたくなるほどの登場率。
さらにはミリーと足を運んだローマのコロッセオは外観だけではなく、内観の細部まで映し出されているため、まるで自身がローマ観光をしているかのようなひとときの錯覚を味わうことができます。
かと思えば、グリフィンとの戦いで飛んだ先はそこら中で弾丸が飛び交い、戦車がもう突進で駆け抜けていくチェチェン。まず普段の生活の中では目にすることがない光景であるため、こちらのシーンでも違った意味での非日常体験ができます。
約10年前の東京に思わず懐かしさが
また今作では日本の東京も瞬間移動先のひとつとして登場します。
この東京のシーンでは渋谷やレインボーブリッジなどが登場するのですが、こちらは先ほどとは打って変わり、普段見慣れすぎた光景であるため、一見じっくり鑑賞する必要もないかのように思えるのですが……。
実は意外にも東京のシーンでも見どころが満載なのです。といいますのも、今作が公開されたのが2008年。約10年近くも前の作品です。
そのためさまざまな場面に懐かしさを感じるのです。
特に筆者はスクランブル交差点を行きかう人たちのニーハイブーツ率の高さを目にし、「この時代流行っていたな~」と懐かしくもほのぼのした気持ちにさせられました。
その他にも今現在の東京とは変わった景色などもあるため、当時を懐かしみながら鑑賞してみると感慨深い気持ちにさせられるはずです。
終盤の瞬間移動の連続はスロー再生で鑑賞を
そして今作の終盤では、意見の食い違いからデビッドとグリフィンが瞬間移動しながらも戦うシーンがあるのですが、とにかくテンポが速い! 数秒おきに瞬間移動で世界各国をまわっては戦いを繰り返すため、まばたきする暇すら与えてもらえない!
おそらく初見ではそのテンポの速さから背景に映る各国々をゆっくり見ている余裕すらなかった方も多いはず。
しかしこのシーンでしか登場しない国もあるため、ぜひ二度見の際には何度も繰り返し見ていただきたい。可能であるならスロー再生でゆっくりと世界各国の様子をじっくりと鑑賞していただきたいシーンです。
背景に映るさまざまな国に目を向けると違った見方ができる
初見では迫力満載の映像の連続で飽きずに最後まで鑑賞を終えられた今作。
ただ物語だけを見て満足するのはもったいない! 二度見では初見で見逃していたさまざまな国の光景をじっくり目にしながら、世界一周旅行をしている気分で鑑賞をしてみると、SF作品とはまた別の物語として初めて見たかのような気分が味わえるかもしれませんよ。
『ジャンパー』は何度鑑賞しても約90分の非日常体験を味わえる作品
瞬間移動という能力にくわえ、世界各国のさまざまな都市を映し出した作品『ジャンパー』。
そのうえ最初から最後までテンポが良く、だらけることもないため、何度見てもハラハラドキドキさせられながらも非日常気分を味わうことができます。
久しぶりに迫力のある画を見たいと思い立った際は、ぜひそんな非日常体験を味わいながらも、俳優陣たちのこまかい演技や表情、背景に映る都市の美しさにも注目してご鑑賞ください。
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