初めまして、元コンポジターのくぶ夫と申します。
これから何回かに渡ってCM・映像編集の現場で飛び交う謎のワードを、くぶ夫的見解から分かりやすく説明していきます!
くぶ夫的見解の為、間違っていることもありえるので、真に受け過ぎずにご覧ください!
第一回目のワードは「空舞台(からぶたい)」です! 何故このワードを選んだかは深い意味はありません!!
「空舞台(からぶたい)」とは?
さまざまな業界で使われているワードですが、日本映画映像学校の業界用語辞典では、
撮影用語。ドラマなどの撮影表現方法の一つで、カットの頭に役者が居ない「無人」の状態で始まる事。その後、役者はフレームインなどで登場する事になる。舞台でも同様に、幕開きの段階では舞台に役者が居らず、舞台の袖から役者が登場する演出を指す。対語としては「板付き」や「かまぼこ」がある。
と定義されています。
空舞台でググったみたところ上記サイト以外は特に見当たらずでした……。
しかしくぶ夫的な認識としては、CMの現場では少し違うニュアンスで使われており、「対象物を外したクリーンな背景素材」という見解です。
例えば、
に対しての空舞台は、
となります。
要するに、「OKカットに対する背景素材」となります。
皆様ご理解いただけたでしょうか??
・・・。
そんな訳ないですね! 「で?」っていう声が聞こえてきそうです!
書いてる本人もうまく説明できずパニクっています……。
では実際どう使用されるのか、次で見てみたいと思います!
「空舞台(からぶたい)」の使い方
例えば、「先ほどの画像1を透明人間にしたい」というオーダーが来たとします!
どんなオーダーだよ? と思われるかもしれませんが、実際現場では往往にして無茶苦茶なオーダーが来るものです!
この場合、赤く塗った部分を消せばいいのですが、
ココで問題発生です! 消した先(抜け)がどうなっているのか分かりません!!
これじゃ単なるシャネルズです。
シャネルズが分からない方は「ミニにタコ」でお調べください!
そこで満を辞しての空舞台、画像2の登場です!
画像1と2を組み合わせることで、綺麗な(?)透明人間になりました!
iPhoneで撮影したため、自動でホワイトバランスが調整されてしまい完璧な透明人間にはなりませんでした。きちん設定したカメラならより完璧な透明人間にできます!
ということで、画像1と画像2をうまく組み合わせることで謎のオーダーに対応でき、無事納品完了できました!!
次はエスパー野郎の登場です。
「うおぉぉぉぉぉ!!」
↑コレはどう編集したのかというと、空舞台とコレ↓を組み合わせました。
このようにもしカメラが動いていても空舞台があれば、トラッキングで動きを合わせることで人を消せたり消せなかったりするのです!
つまり、空舞台とは「何かを消すときに必要な素材」という認識でもいいかもしれません! たぶん。
まとめ
ここまで読んでいただけた皆様には空舞台の必要性が伝わったと信じています!
これで編集現場でエディターに「なんで空舞台撮影してないんだよ!!」
なんて怒られる方が一人でも減ればと願っております。
次回「トラッキングとはなんぞや?」を公開!
最適で最善で最高な「BBBプロデュース」を提供します
THINGMEDIAでは、ゲーム特化の映像制作「Chunee」、Web/アプリ・SaaS特化の映像制作「CX BOOST」、オンラインイベント・配信番組プロデュース「SNATCH」など、映像にまつわる幅広いサービスを提供しています。
ぜひ一度、当社のサービスをご覧ください。