映像制作

動画制作をしたいけど構成はどう作れば良い? 考え方や作成手順・コツを紹介

こんにちは、シングメディア編集部です。

「集客のために動画制作をしたいが、構成はどう作ればいいのだろう?」
「ブランディングに使う動画の脚本を作りたいがどうすればいいのだろう?」
「動画制作の構成はどの程度決めておく必要があるの?」
「構成を作らずに動画制作を進めても大丈夫?」

・・・なんて疑問やお悩みはありませんか?

集客や販促、ブランディングなどのために動画制作をする場合、その目的を果たすためにも動画の「構成」をしっかり考えておくことは重要です。

そこで今回は、「動画制作における構成の必要性と作成方法、コツ」をご紹介します。

動画の「構成を作る」とは?まずは全体像から把握しよう

動画の「構成を作る」とは

動画の構成を作ると言っても、初めて動画制作をする人にとっては何をどのようにすればいいのかわかりませんよね。

そこでまずは動画の構成はどの段階で作るべきか、また構成を作成する流れについてご紹介します。

動画制作全体の流れ

基本的な動画制作全体の流れから説明すると、まず動画の目的やターゲットを決め、構成と脚本を考えることから始まります。そして構成を元にして実際の撮影に入り、撮影した映像や音声を編集する作業を経て、公開となります。

構成→撮影→編集→公開というステップになるわけです。

「構成」は動画の目的やターゲットなどの基本かつ重要な情報を決定した後に、実際の撮影の前に作成します。この目的やターゲットを明確にすることが、構成を作成する上で重要なポイントになります。

初心者は構成を軽視しがちで、すぐ撮影に入ろうとしてしまいますが、それではなかなか良い動画になりません。良い動画を制作するためには、動画制作の基礎である構成をしっかり作成することが必要です。

構成の作成手順!構成を作る流れ

ではさっそく動画の構成について作成手順をご紹介しましょう。

まずは動画で達成したい目的を再確認することからスタート。たとえば「動画を視聴し終わった後に商品の購入ボタンを押してほしい」「これまで自社商品を知らなかった人にも商品を知ってもらいたい」「商品に興味を持ち、自社サイトへアクセスしてほしい」などです。

目的が明確になったら、次は動画の適切な再生時間はどれくらいかを決めます。基本的にはだいたい1分、長くて3分が妥当です。

最近ではスマートフォンで動画を視聴するユーザーが多いため、長い動画は最後まで見てもらえない可能性が高くなってしまいます。最後まで飽きずに見てもらうためにも、短くまとめることを意識するといいでしょう。

再生時間が決まったら、動画の流れを順番に書き出していきましょう。全体の再生時間から1項目ごとに使える時間を割り出し、それぞれに伝えたい内容を書き出していきます。

続いて書き出した内容をより具体化するため、流れを時系列で細かく書き出して調整していきましょう。

これらを元にして脚本を作成するのですが、脚本の作成方法についての詳細は後述します。

動画の構成をしっかり固めておくべき理由

動画の構成を固めておくべき理由

「構成なんていちいち作るのは面倒くさい」と思われる方もいるかもしれませんが、構成は動画制作で効果を出すためには欠かせないものです。

ではなぜ動画の構成をしっかり固めておかなくてはならないのか、その理由を説明します。

最後まで見られる「視聴者目線」の動画に仕上げるため

構成をしっかり作成せずに行きあたりばったりで撮影した動画は見せ方が練られていないため、説明不足になったり逆に冗長になったりしてしまいがち。そうなると視聴者に「何が言いたいのか分からない」「つまらない」と思われ、途中で離脱されやすくなります。

また行き当たりばったりで撮影した映像(素材)は、編集段階で素材にストーリーを無理やり合わせるような形になってしまいます。そのような作成者側の都合で作られたような動画は、当然ながら視聴者に響きません。

最後まで見てもらえるような、視聴者目線で面白い動画を作成するには、やはり構成をしっかり固めることが大事なのです。

コストを抑えて狙った効果をあげるため

「動画はビジュアルインパクトが大事」ということに囚われすぎてしまい、映像クオリティにばかりコストをかけることがよくありますが、それでは費用対効果が悪くなるだけです。

ただ単に美しい映像を作っても、「動画の目的」にまで視聴者を誘導することができず、コストばかりかかってしまい、狙った効果が得られません。

費用対効果の良い動画にするためには美しさを重視するのではなく、構成をしっかり練って目的を達成するための動画を制作しましょう。

「手戻り」を起こさないため

構成がしっかり固まっていないまま撮影をすると、軸がブレやすく後から変更したい個所がいくつも出てくる恐れがあります。

たとえば撮影を終え、動画の素材を揃えた後に「やっぱりこうしたい」という案が浮かんだ場合、撮り直しになってしまうのです。下手をすれば期日に間に合わず、納得がいかないまま公開することになってしまう恐れも。

そんな事態にならないようにするためにも、最初に納得いくまで構成を練り、撮るべきものを固めておけば、手戻りが起きず時間とコストの節約につながります。

動画の目的をまず決める

動画の目的を決める

構成を考える際は、まず動画の目的を決めることが必須。動画の目的は、商品をすぐに購入してほしいのか、それとも商品を認知してほしいのか、会社のブランディングかなどをはっきりさせ、言語化して関係者と共有することが大切です。

企業が動画を制作する目的には、販促や集客、ブランディングなどさまざまなものがありますが、その中から1つに絞ることも重要になります。あれもこれもと欲張ってしまうと視聴者は混乱してしまいますし、心に響かず印象にも残らない動画になってしまいます。

どんなに見た目がかっこいい動画でも、目的がハッキリしていない動画では効果が出にくくなってしまいますから、目的は1つに絞って明確にしておきましょう。

そして動画の目的が達成できたかを計測するための指標を考えておくこともおすすめです。たとえば採用目的の動画を作成した際は、求人への応募者数を指標とするなど、効果が目に見えてわかるような仕組みを作っておくと、動画の効果測定ができます。

ターゲットも決めておく

ターゲットも決めておく

動画の構成を作成する際には、動画の目的から、この動画は誰に見てほしいのかというターゲットを決めることも重要です。

ターゲットの年齢や性別といった属性、趣味嗜好や価値観などを具体的に考えてみましょう。

またターゲットは「何が足りていない」状態にあり、動画で紹介する商品やサービスがどうそれを埋められるのかを考えておくと、ストーリーが作りやすくなります。

たとえばダイエットアプリの宣伝であれば、痩せたいと思ってはいるもののどうしてもダイエットが続かないという10代後半~20代の女性に向けて、次のようなストーリーが考えられます。

「痩せたいのにダイエットが長続きしない! もっと楽しくできるダイエットはないの?」→「友達と一緒にゲームを楽しむような感覚でダイエットができるダイエットアプリを発見」→「実際にやってみたら楽しくダイエットを続けられて、友達と一緒に目標体重を達成!」という感じです。

脚本の前に6W1Hに落とし込む

脚本の前に6W1Hに落とし込む

動画の構成を考える際は、目的とターゲットのみならず、さらに詳細に必要な情報を決めていくことで、どのような動画を作成すべきかが明確になります。そのときに有効なのが、6W1Hに落とし込むという作業です。

・WHAT(何を)・・・紹介する商品やサービスは何かを決めます。
・WHY(なぜ)・・・動画をなぜ作るのか。つまり動画の目的を明確にします。
・WHO(誰が)・・・その動画が誰からのメッセージなのかを明確にします。
・WHERE(どこで)・・・視聴者が動画を見る場所や媒体を決めます。
・WHEN(いつ)・・・視聴者にいつ動画を見てほしいのかシチュエーションを決めます。
・WHOM(誰に)・・・誰に見てもらうか。つまりターゲットを明確にします。

以上を決めてから、HOW=どのような動画を作るかを考えていきましょう。これらが明確になれば脚本も考えやすくなります。

フレームワークを活用しよう

フレームワークを活用する

続いて動画の構成を考える際のフレームワークを2つご紹介しますので、ぜひ活用してみてください。

起承転結

たとえばYouTuberが商品紹介をするようなときや会社紹介の動画を作るときに使えるフレームワークが、起承転結でストーリーを考えることです。

「起」で挨拶や自己紹介、これがどのような動画か(今から何を見せるか)の説明を簡単に行います。「承」で見せたいもの(商品など)を見せ、「転」でその具体的な説明を、「結」で見てくれたことへの感謝を述べ、改めて会社や商品の説明(簡単なまとめ)を行う、というシンプルな流れになります。

これくらいシンプルな方が視聴者も理解しやすく、伝えたいことを的確に伝えやすいでしょう。

CAMS

起承転結より、商品やサービス購入などの「行動」を強く促すフレームワークが、書籍『動画広告”打ち手”大全 最強の戦略74』で公開された「CAMS(キャムズ)」です。

CAMS とは、CATCH(つかみ)、APPEAL(ベネフィットのアピール)、MOTIVATE(動機付け)、SUGGEST(行動の提案)の略で、これら4つのパートから動画の構成を作成します。

CATCHは悩みや課題の共感のこと。ユーザーにメッセージを自分事化してもらい、興味を持ってもらうパートとなります。

APPEALは動画の発信者が明確になるようなブランドロゴや商品パッケージなどを紹介しながら、ユーザーが商品から得られるメリット(ベネフィット)をアピールするパート。CATCHで提示した悩みや課題に対する解決策を提示します。

MOTIVATEは商品の既存顧客の声などの、行動の動機付けとなる補足情報を伝えるパートです。ユーザーの疑問や不安を解消するための情報を伝えます。

SUGGESTはユーザーに期待する行動を、ユーザー目線で提案するパート。どんな行動をすればどんな結果が得られるのかを示します。

たとえば不動産売却査定サイトの宣伝であれば、査定に必要な情報を記入する画面や査定結果の例を示しながら、「まずは60秒であなたのお家の売却価格を査定!」などと伝えることで、査定の実行を促進できます。

動画の場合はどんな「脚本」を作ればいいのか

脚本の作り方

動画は映像やテロップ、BGM、ナレーションなど情報量が多いため、「脚本」と言われてもどう作成すればいいか分からないという人も多いでしょう。

そんなときは、3つの情報をシーンごとに時系列で書いていく方法がおすすめ。3つの情報とは、「映像のイメージ」と「テロップ(字幕)の文章」「ナレーションの文章」です。これら3つをシーンごとに時系列で書いていくものを「ストーリーボード」や「絵コンテ」と言います。

4コマ漫画を書いていくような感覚で、シーンごとに3つの情報を書き込んでいきましょう。

下手でも構わないので、絵でイメージを描いて具現化し、関係者間で共有すると共通認識を持つことが可能になる他、外部の映像制作会社に依頼する際もやりとりが効率的になるためおすすめです。

絵がどうしても描けないという場合には、絵を描かずにシーンを言葉で説明するだけのものでもOK。イメージが映像化できるよう、具体的に書き込んでいきましょう。

撮影前に構成をしっかり作って効果的な動画を作ろう

撮影前に構成をしっかり作って効果的な動画を作ろう

狙った効果を上げる動画、または最後まで楽しく見てもらえる動画が制作できるかどうかは、構成をどれだけ考えて練ったかにかかっていると言っても過言ではありません。

「構成や脚本を考えるのは面倒くさい」「さっさと撮影を進めたい」という気持ちもわかりますが、構成や脚本をきちんと作成した上で撮影に臨むほうが、結果的にコストも時間も削減できる可能性が高いのです。

そして何より、しっかり構成を練ってから制作された動画は、きちんとターゲティングが行われているため、効果を出しやすいもの。

目的やターゲットを明確にし、それに沿ったイメージをしっかり固めてから実際の撮影に入ることで、無駄な工程を発生させずに良い動画を効率的に作ることができるはずです。効果的な動画を制作したい場合は、構成の作成を必須で行うようにしましょう。


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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。