こんにちは、シングメディア編集部です。
昔からあるテレビCMは多くの視聴者に一度にリーチでき、自社ブランドや商品について知ってもらえる、マーケティングの主力な方法の一つです。とはいえ、中には次のような疑問を持っている方も少なくないでしょう。
「テレビCMにはどれくらいの効果があるのだろう?」
「効果的なCMマーケティングを行うにはどうすればいいのだろう?」
「Web動画とテレビCMは具体的にどう違うのだろう?」
「テレビCMを流せばWeb動画は活用する必要ないのだろうか?」
そんな疑問を抱えている方に向けて、今回は「テレビCMの効果や効果的なCMマーケティングを実施する方法、Web動画との違い」などを詳しく解説していきます。
テレビCMにはどのくらい効果があるの?
テレビCMにはさまざまな効果がありますが、まず1つめに挙げられるのは、ブランドや商品についての認知度を高められるということです。
テレビCMで繰り返しブランド名や商品名を見聞きしているうちに、自然にそれらを認知していた、という経験は誰しもあるはず。若者のテレビ離れが指摘されている現在でも、テレビCMによる認知度アップの効果は大きなものがあります。
またテレビCMはさまざまな顧客層に一度にアプローチできるというのも大きな魅力。テレビはさまざまな人が見ているため、幅広い層にアプローチすることが可能です。
世界観やメッセージを伝えて、ブランドイメージを確立できるというのもテレビCMの効果の一つ。
文章や静止画だけでは伝わりにくい、ブランドや企業のイメージも映像や音などで多彩に表現できるため、「おもしろい」「おしゃれ」「かっこいい」などといった抽象的な世界観も直感的に印象付けやすく、他社との差別化をはかることにもつながります。
さらに視聴者の購買意欲が刺激され、売上アップにつながるというのもテレビCMの大きな効果。CMで商品やサービスの魅力がしっかり伝われば、視聴者の「欲しい」「買いたい」という意欲を高めることができます。
それだけでなく、テレビCMで見たということが安心感や信頼感につながり、購入してもらいやすくなるという効果にも期待ができます。
効果的なCMマーケティングを実施する方法
効果的なCMマーケティングを実施するにはどうしたらいいのか、その方法を詳しくご紹介します。
ターゲット層に訴えるものにする
CMマーケティングで効果を出すためには、訴求したいポイントをはっきりさせ、ターゲットを絞り込むことが重要です。訴求ポイントやターゲット層が明確になっていないと、内容までぼんやりしてしまい、伝えたい人に情報がきちんと伝えられなくなってしまいます。
そのためターゲット層は年代や性別、住んでいるエリア、ライフスタイルなど具体的に設定するようにしましょう。
そしてそのターゲット層がどんなことに関心があるのか、どんなメッセージが響くのかを考えることが大切です。
時間帯とエリアを決める
効果的なCMマーケティングを行うためには、放送する時間帯とエリアを決めることも大切なポイントです。
ターゲットが決まれば、そのターゲット層がテレビを見ている時間帯にCMを出稿するのが大前提。
たとえばターゲットが学生や会社員なら、平日の昼間に放送している番組にCMを出稿しても見られないため、意味がありません。
ターゲットとなる視聴者が24時間のうちいつテレビを視聴しているのかを調べるためには、ビデオリサーチやニールセンといった調査会社が実施している視聴率調査を活用するといいでしょう。
時間帯とあわせて、放送エリアを決めることも重要です。
テレビの放送単位は、関東圏などの広域圏を除いて都道府県単位になっています。それぞれの地域によって嗜好も異なるため、地域のニーズや特性を考慮に入れ、自社商品やサービスとの相性がいいエリアを決めるようにしましょう。
効果を測定し可視化する
効果的なCMマーケティングを行うためには、CMを出稿した後の効果を測定し、可視化するということも大事です。
CM投入後の商品の認知度やブランドイメージなどを調査すれば、CMの効果をしっかり測定できます。
調査会社などに依頼してアンケート調査を実施すれば、不特定の消費者に対してすばやく意識調査が可能です。テレビ視聴率調査ツールやマーケティング統計分析ツールを使うという方法もあるので、大いに活用しましょう。
CMの効果を多角的に可視化すれば、たとえ今回のCMで思ったような効果が得られなかったとしても、改善点を導き出し、次回の広告に活かすことができます。
CMマーケティングの効果を測定する方法
CMマーケティングはCMを配信した後の効果検証が重要。ではどのように効果を測定すればいいのか、その具体的な方法をご紹介します。
GRPやGAPで測定する
CMマーケティングの効果測定方法の一つが、GRP(Gross Rating Point)やGAP(Gross Attention Point)で測定するという方法です。
GRPとはスポットCMの効果測定によく使われるスタンダードな指標で、CMの世帯視聴率(延べ視聴率)を算出します。GRPは高いほど多くの人にCMを見てもらえたということ。
たとえば視聴率が20%の番組に3本のCMを放映した場合のGRPは「20×3=60GRP」となります。
しかし世帯視聴率はただTVをつけていただけの状態も含まれるため、GRPが高いからといってCM効果も高いとは言えません。
一方GAPは、より正確にCM効果を測定できる指標です。
センサーカメラで視聴者がTV画面を注視していることを測定するため、視聴者がTV画面をしっかり見ている時間が秒単位でわかります。
カウント方法は、1秒画面を注視すると1GAPとなります。
Webサイトなど、複数のチャネルで分析する
CMマーケティングの効果測定方法として、Webサイトなど、複数のチャネルで分析するという方法もあります。
たとえば自社サイトやSNSなどのデータと、情報収集機関が集めている消費者データを分析すれば、消費者の行動や性別などの属性を知ることが可能です。
顧客にアンケートを取る
CMマーケティングの効果測定方法として、顧客にアンケートを取るという方法も挙げられます。
インターネット上をはじめ、商品購入時などに「この商品のCMを見てことがありますか?」「このCMを見てどのような印象を持ちましたか?」などのアンケートを実施すれば、ブランド認知やCM認知、商品への理解などを分析できます。
自社でアンケートを実施するだけでなく、調査会社に依頼することも可能です。
CMマーケティングのデメリット
CMマーケティングを運用する際には、メリットだけでなくデメリットがあることも理解しておく必要があります。ではどのようなデメリットがあるのか、一つひとつ見ていきましょう。
コストがかかる
テレビCMの場合、ほかの広告と比較するとコストがかかるという点がデメリットの一つです。
CMの内容や出演者、撮影場所、放送局などによって費用は大きく異なりますが、いずれにしてもテレビCMを放映するためには多めに予算を確保しておく必要があります。
商材に向き不向きがある
どんな商品・サービスでもテレビCMが効果的とは限りません。商材によって向き不向きがあることも頭に入れておく必要があります。
たとえばターゲット層が狭く、絞られるニッチな商品・サービスの場合はテレビCMには不向きです。
テレビCMは幅広い層に支持される商品・サービスに向いています。
費用対効果の正確な分析が難しい
CMマーケティングは費用対効果の正確な分析が難しいというのもデメリットです。
テレビCMは平均視聴率の数値が分析に用いられますが、いくら番組の視聴率が良いからといって、CMまで注視している人が多いとは言えません。そのため正確なデータを分析しづらいのです。
Web動画も併用して成功につなげよう!
CMマーケティングを行う際には、テレビだけでなくWeb動画も併用すると効果的です。テレビCMとWeb動画の違いに触れながら、Web動画をどう活用すれば効果が出るのか解説していきます。
CMとWeb動画の特徴を押さえよう
まずは、同じ映像媒体を使って商品やサービスのPRを行うCMとWeb動画の特徴について、その違いがどこにあるのか見ていきましょう。
時間について見てみると、テレビCMの長さは15~30秒が一般的なのに対し、Web動画は長さに制限がありません。そのためストーリー性のあるドラマや映画のような内容にするといった手法も取ることができ、表現の幅が広がります。
またWeb動画なら、テレビを視聴しない世代にもアプローチできるという特徴があります。特に若年層はテレビよりスマートフォンやパソコンで動画視聴をする人が多いため、Web動画を活用すれば、ターゲットが若年層の場合にリーチしやすくなります。
ただしWeb動画はテレビCMと違い、ユーザーが自分でスキップできるため、短い間で興味を引くようにするのがポイントです。
Web動画ならではの見せ方を考える
テレビCMとの違いを理解したら、Web動画ならではの見せ方を考えることが大切です。
まずほとんどのユーザーはWeb動画をサウンドオフの状態で見ているため、テキストをうまく使う必要があります。
音が出ない状態でも内容が伝わるよう、動画にキャプションを入れたり、解説する情報をテキストで一緒に掲載したりするようにしましょう。
また動画視聴の中心はスマートフォンであることも考慮に入れることが大切です。小さなモバイル画面でも目立つようなグラフィックにするなど、目を引く効果を入れるようにするといいでしょう。
SNSを活用すればWeb動画を広めやすい
Web動画をアップする際は、公式サイト上に掲載するだけでなく、SNSを活用することでWeb動画を広めやすくなります。
自社SNSでWeb動画を投稿すれば、拡散などにより多くの人に見てもらえる可能性があります。
動画はSNSと相性がよく、気に入ってもらえればボタン一つでどんどんシェアしてもらえます。拡散されることで大きな費用対効果が生まれるので、ぜひ活用しましょう。
なおFacebookやInstagram、TwitterなどのSNSでは動画広告を出稿することも可能です。それぞれの媒体でユーザー層などが異なるため、自社のターゲット層と合っている媒体を選び、広告出稿することで、効果的なPRができます。
CMマーケティングの成功事例
CMマーケティングを実施する上で、実際に成果を出している企業の事例を見ておくことも参考になります。そこでいくつかの企業のCMマーケティング成功事例をご紹介します。
日清焼そばU.F.O. 【日清】
こちらはVTuberを起用した、日清の「日清焼きそばUFO 濃い濃いラー油マヨ焼きそば」のCM動画。
アニメーションと実写、CG、イラストを盛り込んでおり、商品名にちなみ、キャラも濃い、音楽も濃い、映像も濃いといったコラボレーション映像となっているのが特徴です。
音楽にも映像にもインパクトがあるため、印象に残りやすく商品の認知度アップにつながっています。
Hulu(フールー)【HJホールディングス】
こちらはストリーミングサービスを運営するHJホールディングスによる、動画配信サイト「Hulu」の認知度アップを狙ったテレビCMです。
子どもたちが騒がしくしているリビングで、母親が子どもたちを静かにさせる対策として「Hulu」をつけ、子どもたちが夢中になるという様子をアニメーションで伝えています。
わかりやすくシンプルなストーリーと表現によって、15秒という短い時間でも伝えたいことを端的に伝えることに成功しています。
「ICTで、あなたとつくる。」篇【キヤノンマーケティングジャパン】
こちらはマーケティング会社のキヤノンマーケティングジャパンによるテレビCMです。
ICT活用を企業に促すことを目的として作られており、従来型のオフィスでよくある課題をデジタル活用によって解決していくという内容。
実写映像でわかりやすく伝えており、ITに詳しくない担当者にも活用を検討してみようかと思わせるようなCMになっています。
「わたしだけのアイテム」篇【ブラザー工業】
こちらはブラザー工業がその技術を支えている、ユーザーが自分でデザインしたアイテムをその場で入手できる「YR LIVE」というサービスのCM動画です。
ブラザーの技術を全面的に訴求するというのではなく、お客様の声を紹介しながらおしゃれな映像が展開され、視聴者の印象に残る動画となっています。
CMやWeb動画を使って効果的にマーケティングしよう!
CMでマーケティングをする際は、ターゲットと訴求ポイントを明確にし、放送する時間帯やエリアなどをしっかり考慮して出稿すること、ターゲット層に訴えかけるものにすることが大切です。
場合によってはテレビCMだけでなく、テレビを普段あまり視聴しない層にもリーチできるWeb動画も活用し、効果的にマーケティングを行いましょう。
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