あらすじ:
幼くして両親を亡くし、伯父夫婦のもとで大切に育てられたピーター。高校3年生となった彼は、6歳の頃からずっと思いつづけている隣家のメリー・ジェーンに未だに打ち明けることができないちょっと冴えない高校生。ある日ピーターは親友のハリーから彼の父親ノーマン・オズボーンを紹介される。ノーマンは巨大軍需企業オズコープ社の経営者にして天才科学者。ノーマンはピーターの科学の才能を高く評価、彼に目を掛けるようになる。そんなピーターは、大学の研究所を見学した際、遺伝子組み換えでスーパースパイダーとなったクモに刺されてしまう。その瞬間、ピーターの身体に異変が起こり始める。
『スパイダーマン』予告編
『スパイダーマン』シングメディア編集部レビュー
長年世界中から愛され続けているスーパーヒーロー・スパイダーマン。
そんなスパイダーマンの人気はとどまることを知らず、原作のコミックをはじめ、映画や小説、アニメ、ゲームなど数多くのメディアで作品が展開されています。特に映画は熱狂的なファンも多いため、新作が登場するたびに映画第一作を見返している人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は子どもから大人までが夢中になれる『スパイダーマン』の二度見ポイントをご紹介します。
『スパイダーマン』の二度見ポイント1:重要シーンで登場する会話の間では人物の表情にご注目を!
主人公のピーター・パーカーことスパイダーマンを中心に物語が進む今作は、スリル満点のアクション映画であると同時に、登場人物たちの心理描写を丁寧に描いた人間ドラマ作品でもあります。
なかでも二度見鑑賞でご注目いただきたいのが、ここぞという重要なシーンで登場する会話の間。今作では会話の間に登場人物が絶妙な表情を見せてくれることにより、セリフが一切ないにもかかわらず、彼らの心の声が目に見えてわかるシーンが盛りだくさんなのです。
壁を登るワクワク感が表情からこぼれているピーター
新種の蜘蛛に噛まれた直後から、自身の身体に変化があらわれ始めた主人公のピーター。最初は眼鏡のピントが合わなかったり、急に全身が筋肉質になったりと、勘違いで済む程度の変化しかあらわれませんでした。しかしその後、手首から謎の糸が出たかと思えば、喧嘩を売ってきた同級生をいとも簡単に投げ飛ばしてしまう自分の姿を見て、さすがにおかしいと感じ始めます。
そして思わず学校を飛び出した彼が向かったのは、人気のない路地裏。そこでようやく蜘蛛に噛まれたことが原因で、自身の身体に変化があらわれているのだと薄々気づき始めたのですが……。
その直後、彼の目に飛び込んできたのは、何と手のひら一面にびっしり生える無数のトゲ状の毛!通常であればパニックになってもおかしくない描写です。
しかしピーター少年は何を思ったか、背後にある壁を冷静に見つめながらひとり考え込む素振りを見せます。「あれ、もしかして蜘蛛になったのなら壁も登れちゃう?」と言わんばかりの表情を見せてくれます。
この一瞬の表情だけで、セリフがないにもかかわらず、誰もが数秒後にピーターが試そうとしている行動を予測できるすごさ。彼の心の声が画面越しに聞こえてくると同時に、意外とピーターって冷静沈着でありながらも好奇心旺盛な青年であることがわかるシーンです。
ベン伯父さんとの別れで見せた切ない瞳
自身の能力に気づいたピーターは、その後お小遣い稼ぎとして地下闘技場の賞金に目をつけます。闘技場ではスパイダーマンの力をここぞとばかりに利用し、チャンピオンをいとも簡単にKO!賞金を手に入れました。しかし賞金の額が折り合わなかったことが原因で主催者とトラブルになります。
その直後、主催者のもとに強盗が押し入る事件が発生するのですが、苛立ちを感じていたピーターは強盗を捕まえることなく見逃すことに。
この一瞬の判断が原因で、後に父親とも呼べる最愛のベン伯父さんが強盗に殺されるという悲惨な事件が起きてしまうのですが、真実を知ったときのピーターの表情が本当に切ないのです……!
スパイダーマンとしてベン伯父さんを撃った犯人を捕まえたものの、犯人の顔を見てすぐ、自分が闘技場で逃がした強盗であると気づいたピーター。口に出さずとも「あのとき強盗を捕まえていれば、伯父さんは死なずに済んだ」と自分を責めている様子がひしひしと伝わってきます。二度見鑑賞では、切なくも悔しさをにじませるピーターの瞳に注目してご覧ください。
表情から動揺が丸見えのゴブリンことノーマン
さらに今作では主人公のピーター以外の登場人物の心境がしっかり伝わってくるシーンがあります。それがスパイダーマンの敵でもあるグリーン・ゴブリンこと、ハリーの父親・ノーマンです。
物語も終盤に近付いた頃、火災現場でスパイダーマンと対峙したゴブリンは、彼の腕に大きな怪我を負わせます。その同日、ハリーが交際中のMJを紹介するための食事会を開くため、ピーターと同居する家にノーマンを招待するのですが……。
何とそこでピーターの腕の怪我を見つけてしまい、彼がスパイダーマンであることがノーマンにバレてしまうのです。この瞬間のノーマンの表情が何とも言えないのです!
ナイフを持つ手が固まり、完全に思考がフリーズした状態のノーマン。「えっ、お前がスパイダーマンだったの?えっ、嘘でしょ?」と明らかに動揺を隠せない様子が伝わってきます。そして首を傾けながら何かを考え始める素振りを見せるのですが、今思えばこの時点でメイ叔母さんが次のターゲットにされていたのかも?と思わずにはいられない表情をしています。
そんなノーマンの動揺する表情から心の声を想像すると、また新鮮な気分で同じシーンを鑑賞することができるかと思います。
『スパイダーマン』の二度見ポイント2:アクションシーンを見返すうえで注目したいポイント
『スパイダーマン』といえば、やはり見逃せないのがアクションシーンです。特に今作では高層ビルの間を飛び回ったり、橋の上でバトルをしたりと高所でのアクションシーンが満載!鑑賞中はワクワクする高揚感を味わえた人も多いはず。
そんな今作のアクションシーンは何度見返しても楽しめるポイントのひとつですが、もしも二度見鑑賞をするのであれば、初見とは違う部分に注目してみてはいかがでしょうか。
リングの上で美しい回転を決める瞬間
今作を見返すうえで最初に注目したいアクションシーンが、ピーターがスパイダーマンとして初めて登場するリングデビュー戦です。
長年思いを寄せる幼馴染のMJが恋人の車でドライブに行く瞬間を目撃したピーター。なぜか「自分も車を買えばMJとドライブに行けるのでは?」と淡い期待を抱き始めます。そこで目を付けたのが新聞に掲載されていたアマレスの広告です。
リング上で3分耐えられたら賞金3,000ドルという甘い言葉に惹かれ、意気揚々と地下闘技場に向かうピーターですが、何と相手は闘技場の人気レスラー・ボーン。体格からして天と地ほどの差があり、観客席にも「試合前から結果が見えている」という嫌なムードが漂います
そんな空気のなか始まった試合ですが、蓋を開けてみればスパイダーマンの能力をここぞとばかりに発揮するピーターがやや優勢の状態に。お得意の壁張り付きでボーンを避けたかと思えば、頭上から「可愛い衣装だね」と彼を煽る余裕ぶりまで見せます。
そして直後、天井にスパイダーウェブを発射し、上空で一回転しながら怒り狂ったボーンをさらりとかわすシーンがあるのですが、このスタントシーンが意外と迫力満点なのです。天上近くまで飛びあがり、美しい回転技を決めるピーターの姿からは、頼もしささえ感じます。二度見鑑賞ではぜひこのアクロバティックな瞬間をお見逃しなく!
子ども心をくすぐられる登場シーン
作中ではただかっこいいだけでなく、子ども心をくすぐられてしまう瞬間もあります。それが物語中盤で登場するフェスティバルを舞台にしたアクションシーンです。
突然会社側からクビを言い渡されたノーマン。怒りや絶望から二重人格のゴブリンの姿があらわれ、自分にクビを言い渡したオズコープ社主催のフェスティバルに襲撃をかけます。そこでスパイダーマンが登場し、市民のピンチを救うという熱い王道展開が続くのですが、二度見鑑賞では、ぜひスパイダーマンとゴブリンそれぞれの登場シーンに注目してみてください。
まずは上空の遥か彼方から、黒い煙と共に現れるゴブリン。グライダーに乗ってフェスティバル会場上空を飛び回るのですが、障害物をうまく避け、華麗な飛行を見せます。これには観客も出し物の一種だと思い拍手喝采!この登場が悪役ながらもかっこいいのです!
その後、スパイダーマンが遅れて登場するのですが、こちらもじっくり見るとゴブリンに負けず劣らずのかっこよさがあります。市民のひとりが「スパイダーマンだ!」と叫び、上空から颯爽と登場するシーンは、これこそスーパーヒーローと言える期待感を膨らませてくれます。
スリル満点のフェスティバルシーンは、ふたりの登場シーンに注目してみると「地上ではなく上空から登場するだけで、敵も味方もこんなにかっこよく見えるなんて……!」と初見とはまた違った感動を味わえるかと思います。
高所を飛び移る瞬間はスリル満点
そして今作のアクションシーンを語るうえで外せないのが、物語最後のスパイダーマンとゴブリンの戦いです。
ケーブルカーに乗った大勢の子どもとMJを人質にスパイダーマンをおびき寄せるという、悪役らしい卑怯な手段を選んだゴブリン。結果的にスパイダーマンが人質全員を助けるものの、橋の上という高所を舞台にしたバトルシーンは何度見てもハラハラするスリルを感じられます。
そんなスリル満点のシーンで、バトルと併せて注目いただきたいのが、スパイダーマンが人質を助けるために橋へと飛び移っていく瞬間です。
ゴブリンが人質と共にスパイダーマンを待っていた橋は、よく見るとあたり一面を水で囲まれているため、スパイダーウェブを付けて飛び回る建物がまったくなく、いつものように上空を飛んで目的地にたどり着くことができない状態でした。
そこでスパイダーマンが実行したのがスリングショット方式。両手首から出したスパイダーウェブをギリギリまで引っ張ることにより、パチンコ方式で自身を橋まで飛ばしてしまおう!というとんでもない方法を思いつきます。そしてこの勢いがまたすごく、スパイダーマンが数百メートルも先まで飛んでしまうのですよね。
その後無事に移り渡ったあと、複雑な橋の間を重要無人に飛び回る姿は、これこそスパイダーマン!と思わずにはいられない迫力がありますので、二度見鑑賞時はぜひ注目してみてください。
『スパイダーマン』の二度見ポイント3:ピーターはスパイダーマンになる前から頼れる存在だった?
狂人的な力を手に入れ、スパイダーマンとして活躍しはじめたことをきっかけに、頼りがいのある青年へと変わっていくピーター。そんな彼ですが、スパイダーマンになる前は同級生からいじめられ、片思い中の女性には自分から話しかけられない一面があったため、当初はどこか臆病な青年として見えていた人も多いはず。
しかし実はスパイダーマンになる前から「ピーターって意外と頼れる存在?」と思える瞬間が描かれている貴重なシーンもあったのです。
得意分野の会話では堂々とした姿を見せる
物語冒頭で大学の研究室を訪れたピーターや同級生たち。するとそこに遅れてやってきた親友のハリーが現れ、父であるノーマンをピーターに紹介します。
そしてこのときのピーターにご注目を!
普段はいじめられっこには言い返せず、片思い中のMJには自分から話しかけられないピーターですが、オズコープ社の社長であるノーマンとの会話ではめちゃくちゃ嬉しそうに喋っています。会話のラリーもおもしろいほどスムーズに進みます。
科学分野に興味があるピーターは、ノーマンの論文すべてに目を通しているため、話題がつきないのでしょうが、実はここまでお喋りが得意だったとは……と意外性に驚かされる瞬間です。
一見控えめで自己主張ができない青年として描かれているものの、実は自分の得意分野では堂々とした姿を見せるという、頼りがいのある一面を見せているシーンでもあります。
小さな事には動じず、意外と肝が据わっている
また頼りがいのある一面だけでなく、実は茶目っ気のある一面を見せているピーターが描かれているシーンもあります。それが大学の研究室で蜘蛛に噛まれ、体調が悪くなったピーターが帰宅した瞬間です。
メイ叔母さんが食事の準備をして待っていたものの、体調が悪いピーターは帰宅後すぐ部屋に戻って寝ようとします。そこで心配したメイ叔母さんが「(ご飯を)一口くらい食べたら?」と声をかけるのですが、食事はいらないという素振りを見せるピーター。そして「一口噛まれはしたけどね」というユーモアたっぷりのセリフを口にし、部屋へと戻ってしまいます。
蜘蛛に噛まれて体調が悪くなったら「毒蜘蛛だったのかも!?」と心配してもいい感じがありますが、「寝れば治るだろう」と考え、冗談を口にするほどの余裕があるピーター。か弱い青年に見えて、実は人一倍肝が据わっているのかもと思わされる瞬間です。
本当はわんぱくな少年のような性格なのかも
さらにピーターが意外な一面を見せるシーンは続きます。
蜘蛛に噛まれ、帰宅後部屋で寝ていたピーターですが、目を覚ますと眼鏡のピントが合わなかったり、なぜか筋肉質になっていたりといった異変が起こります。その異変を見て、なぜかめちゃくちゃテンションがあがってしまうピーター。
(筋肉がついたことが)あまりにも嬉しかったのか、階段で1階のリビングに降りる際、勢いよく駆け下りてくるのですが、直後に壁を垂直蹴りして飛び降りるという凄技を見せます。冒頭で片思い相手を静かに見守り、声をかけるチャンスをうかがっていた青年はどこに行ったのかと問いかけたくなるほどの陽気ぶりです。
こちらのシーンでは物静かな青年かと思わせておいて、実はわんぱくであるというピーターの意外な一面が垣間見えるので、二度見鑑賞時にぜひともチェックしてみてください。
アクションにも人間ドラマにも注目して二度見鑑賞を!
迫力満点のアクションシーンに心打たれる人間ドラマと、見どころが盛りだくさんの『スパイダーマン』は、新作が登場するたびに改めて見返したくなる作品です。二度見鑑賞では、初見であまり注目していなかったアクションシーンや意外性のある瞬間などに注目しながら、ぜひ違った楽しみ方を味わってみてはいかがでしょうか。
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