会計・バックオフィス

雇用契約の更新ルールまとめ! 更新する場合・しない場合の手順と注意点

こんにちは、バックオフィス業務サポートサービス「AIBOW」編集部です。

有期雇用として契約社員やアルバイトを雇用している場合、契約が満了したときには、更新する場合・しない場合それぞれでルールに沿った対応が求められます。

契約更新をめぐるトラブルを避けるためにも、手順や注意点をしっかり押さえておかなければなりません。

そこで今回は、「雇用契約の更新ルール」について、契約更新する場合としない場合の手順と注意点を含めて詳しく解説します。

有期雇用契約の契約更新とは

有期雇用契約の契約更新とはなにか

まずは雇用契約期間が定められた有期雇用契約の契約更新とはどのようなものなのか、詳しく説明していきましょう。

有期雇用とは

契約社員・派遣社員・アルバイト・パート・嘱託社員など、非正規雇用の雇用形態の多くは労働期間の定めがある「有期雇用契約」です。

企業は労働契約を結ぶ際、労働条件通知書か雇用契約書にて、労働契約期間や契約更新があるかどうか、更新する場合はどんな基準があるかなどを明記する必要があります。

契約期間は数日間、数か月、6か月、1年など仕事内容によってさまざま。有期雇用契約は契約期間が終了したことを理由に仕事を辞めやすいこと、契約更新を機に自分の現在の働き方を見直せるということがメリットです。

ただし長く腰を据えて働きたいと思っている人にとっては、契約が更新されないかもしれないという不安を抱えながら働かなくてはいけないのがデメリットといえるでしょう。

一方、労働期間を区切らない契約については「無期労働契約」と呼ばれ、労働者からの申し出がなければ原則として定年まで雇用することが可能です。

有期雇用契約における契約更新について

有期雇用契約の契約期間は仕事によってさまざまだと先述しましたが、最長でも3年と定められています。

そして契約期間が終了した後も同じ企業で継続して働くためには、契約の更新が必要です。

更新手続き時には、労使間の合意のもとで新たな雇用契約を締結しなければなりません。労働条件が変わらなくても、更新する場合は新たに雇用契約書や労働条件通知書などを作成しなければならないという点に注意しましょう。

なお雇用契約の更新基準は、雇用契約書・労働条件通知書・就業規則に明示されます。

雇用契約を更新する手順

雇用契約を更新する手順

雇用契約を更新する手順は、まず契約更新の面談をおこなうことになります。遅くとも契約期間が満了となる30日前には面談を実施するようにしましょう。

面談で従業員と使用者の双方が合意をした上で、契約更新が可能となります。

契約更新の合意ができたら、企業は新たに雇用契約書や労働条件通知書を作成して、労働条件や契約期間、更新の有無、判断基準などを該当の従業員へ改めて明示し、契約を結びます。

新たな契約書を交わさず自動で契約更新を繰り返すのはNGです。

雇用契約を更新する場合に注意したいこと

雇用契約を更新する場合に注意したいこと

雇用契約の更新時にきちんとした面談を実施せず、契約書に署名押印だけを求めるような形式だけの契約更新にならないように注意しましょう。

形式だけの更新になっていると、トラブルが発生した際に従業員から「実態は期間の定めのない契約」と判断されかねません。

また更新手続きを絶対に忘れないよう注意しましょう。期間満了日を過ぎてから契約更新手続きをするのはNGです。

3月末で期間満了となっているのにそのまま更新手続きをせず、5月になってから「4月からの契約書を作成したからサインをお願い」などとするのはやめましょう。

実際には契約条件に変化があっても、従業員には「これまでと同じ条件で自動的に契約が更新された」と認識されてしまいます。そうなると後々トラブルを招きかねません。

そのため契約更新は形式的にしないこと、契約更新手続きを忘れないことを徹底しましょう。

雇用契約を更新しない場合はどうしたらいい?

雇用契約を更新しない場合の対応

さまざまな事情から企業側が従業員の雇用契約を更新したくない、更新できないということもあるでしょう。そんな場合は確認すべきことや、従業員へ伝えなければならないことがあります。そこでこの段落では、雇用契約を更新しない場合の対応について詳しく説明していきます。

雇い止めが可能かどうか確認する

まずは雇い止めが可能かどうか確認する必要があります。雇い止めとは、雇用期間を更新せずに契約を終了させることです。

改正労働契約法では、有期雇用契約の雇い止めや解雇が厳しく制限されています。そのため直近の雇用契約書を確認し、そもそも雇い止めができるのかどうかを判断しなくてはなりません。

雇用契約書に「契約期間満了後は契約を更新しない」と記載していた場合は、基本的に契約書に基づき、雇い止めが可能です。

「更新する場合もある」と記載していた場合は、契約書に記載された契約終了時の業務量、勤務態度や成績、会社の経営状況などといった判断基準により雇い止めできるかどうかが決まります。

「自動的に更新する」と記載されていた場合は、基本的に雇い止めはできず、企業には契約更新の義務があります。

雇い止めの予告をする

雇用契約書に基づいて雇い止めが可能だと判断できたら、従業員の状況によっては雇い止めの予告をおこないます。

1年以上継続雇用されている従業員、または3回以上契約更新している従業員や、1年を超える期間の契約を締結している従業員には、事前に雇い止めの予告が必要です。

雇い止めの予告は、契約を解除する30日前までに従業員に伝える必要があります。

雇い止めの予告をした後や雇い止めした後で従業員から「雇い止めした理由」の明示を求められた場合には、その理由を記載した証明書を交付しなければなりませんが、求められる前に予告時に口頭で理由を丁寧に説明しておきましょう。

予告の時点で要望の有無に関係なく理由をしっかりと説明しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

なおもともと契約書で「更新しない」と明記されていた従業員に対しては、予告は必要ありません。

・参考サイト:有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について | 厚生労働省(PDF)

契約期間について配慮する

たとえ有期労働契約であっても、契約期間が終了したからといって簡単に雇い止めすることはできません。

厚生労働省の「有期労働契約の締結、及び雇止めに関する基準について」では、『契約を1回以上更新し、かつ、1年を超えて継続して雇用している有期契約労働者』との契約に関しては、契約の実態やその労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければならないとされています。

長期で働いている労働者には、契約期間が終了したからといって簡単に契約を打ち切るのではなく、相応の配慮をおこなう義務があるのです。

・参考サイト:有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について | 厚生労働省(PDF)

雇用契約を更新しない場合の注意点!

雇用契約を更新しない場合の注意点

雇用契約を更新しない場合、トラブルに発展しないよう、いくつかの注意点があります。

まず更新しないことを知らせる際には、本人と個別面談をおこないましょう。

契約が更新されない従業員は、今後、転職活動をする必要があるかもしれませんし、生活に影響が出る可能性もあります。それらを考慮し、可能な限り面談を設定しましょう。

また従業員から雇用期間満了通知書を請求された場合には、交付が必要です。スムーズに交付ができるように、事前に作成しておくようにするといいでしょう。

後々のトラブルを避けるために、契約解除通知書にサインをもらっておくことも大切です。

契約解除通知書には特に書式の指定がありませんが、解除理由や解除するまでの猶予期間などを記載するようにしましょう。

契約書に記載された更新基準とは異なる理由で雇い止めすると、従業員から異議申し立てされかねないため注意が必要です。

契約更新時に雇い止めが認められないケースとは

契約更新時に雇い止めが認められないケース

契約更新時には、雇い止めが認められないケースもあるため注意が必要です。トラブルにならないためにも、どんなケースだと雇い止めが認められないのか認識しておきましょう。

実態が無期契約と変わらないケース

契約更新時に雇い止めが認められないのは、実態が無期契約と変わらないケースです。

従業員の業務内容や地位が正社員とほとんど変わらない場合や、契約更新の回数が非常に多く、何度も更新されていて契約期間の通算が長い場合は、実質無期契約であると判断されます。

このように従業員の勤務実態が実質、無期契約と変わらないようであれば雇い止めはできません。

雇用継続が合理的なケース

雇用継続が合理的なケースも、契約更新時に雇い止めが認められません。

契約更新時に特に面談や説明などがなく、更新手続きが形式化していて何度も更新されて長期雇用されている場合は、雇用継続が合理的だと判断されます。

そのような状態で契約更新が繰り返されていると、従業員が「次の契約も自動的に更新されるだろう」と期待することについて、合理的な理由があると認められる可能性が高く、雇い止めは無効となるのです。

雇用契約を更新するかどうかの判断基準

雇用契約を更新するかどうかの判断基準

企業は、雇用契約を更新するかどうかの判断基準を明確に定めておく必要があります。その判断基準には、次のような項目が挙げられます。

・遅刻・早退回数、出勤率などの勤怠
・職務遂行能力や職場適応能力などといった労働者の能力
・会社の経営状態
・契約期間満了時の業務量
・担当業務の進捗状況
・健康状態
・その他、経営上の事情や天災など

これらの項目について、一つひとつ客観的に更新条件と更新拒否条件を定めておき、更新判断基準を作成しておきましょう。判断基準を明確にしておけば、契約更新しない場合にもしっかりと説明でき、従業員にも納得してもらえます。

契約更新時に条件を変更することはできる?

契約更新時に条件を変更することはできるか

契約更新をする際に、更新はするけれど労働条件を変更したいということもあるでしょう。そういった場合に条件を変更することができるのかどうかについて、詳しく説明していきます。

労働者の合意があれば変更することは可能

従業員の合意があれば、更新時に労働条件を変更することは可能です。条件の変更内容が合理的なものである場合であっても、個別に従業員から同意を取らなくてはなりません。

労働条件を変更する理由と変更内容について、しっかりと説明をして合意をもらいましょう。

ただし従業員にとって不利益な変更は基本的には認められていないという点に注意が必要です。

また労働条件を変更する際には、就業規則や雇用契約書の更新規定に基づいて変更するようにしましょう。従業員にあらかじめ十分に周知することも必要です。

合意がない状態での労働条件変更は無効となるため注意しましょう。

変更を加える場合に注意したいこと

労働条件に変更を加える場合は、従業員に十分に周知しなければなりません。周知が不十分な場合には、条件変更が無効とみなされる可能性もあるため注意が必要です。

また更新時に条件変更が発生することが想定される場合は、変更の可能性があることをあらかじめ就業規則や労働契約書に盛り込んでおくようにしましょう。

就業規則や労働契約書に、契約更新時に労働条件が変更する可能性があることを明記しておけば、更新の合理的期待は低減され、トラブルになりにくくなります。

確実でない場合は、「契約更新時は同一条件で更新します」といった文言は記載しないようにしましょう。

契約を更新せず辞めたいと言われた場合の対応は?

契約を更新せず辞めたいと言われた場合の対応

企業側が契約更新を望んでいたとしても、従業員側から契約を更新せず辞めたいと言われる場合もあるでしょう。

契約満了に伴い辞める場合は問題ありません。特に理由を聞く必要もないです。退職届の提出についても、原則必要ありません。

また契約期間中であっても、家庭の事情や本人の体調不良などやむを得ず辞める場合もあります。契約途中で辞めるときには、退職届を提出してもらうようにしましょう。

契約更新ルールは書面で具体的に定めておこう!

契約更新ルールは書面で具体的に定めておこう

有期契約の雇い止めは、企業がいつでも自由にできるわけではありません。

トラブルを避けるためにも、更新ルールはあらかじめ雇用契約書や就業規則で具体的に定めておき、従業員へ周知をしっかりおこなっておくことが大切です。

契約更新時には、個別に面談をしっかりおこなうことも忘れないようにしましょう。


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WRITTEN BY
THINGMEDIAコーポレート編集部

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