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タイムスタンプ導入にかかる費用|メリット・デメリットと注意点も解説

こんにちは、THINGMEDIAコーポレート部です。

昨今の企業におけるペーパーレス化と電子化に対応した法整備の進展によって、タイムスタンプの導入を検討する事業者も増えてきました。

しかしタイムスタンプの導入を検討している小規模事業者にとっては、その費用が気になるところでしょう。

そこで今回はタイムスタンプ導入の必要性を踏まえた上で、「タイムスタンプの導入費用や費用対効果、メリット・デメリット、注意点」を詳しく解説します。

タイムスタンプ導入の必要性

タイムスタンプ導入の必要性

タイムスタンプ導入には費用がかかるため、導入前に事業への必要性をよく検討しておかなければなりません。そこでこの段落では、タイムスタンプの基礎知識や電子帳保存法改正との関連を踏まえ、タイムスタンプの重要性と必要性について解説していきます。

タイムスタンプとは

タイムスタンプとは、以下の2つを証明する日時情報のことをいいます。

1)該当の電子文書が特定の日時に存在していたこと。
2)該当の電子文書が現在まで改ざんされていないこと。

通常、電子データは複製も修正も簡単にできてしまうため、信頼性が保証できないというのが問題点です。その問題点をカバーし、電子データに改変がないことを証明する技術が「時刻認証」であり、タイムスタンプはその日時情報となります。

タイムスタンプは誰もが提供できるわけではなく、信頼できる第三者を利用する仕組みです。日本では、「時刻認証業務認定事業者」(TSA)がタイムスタンプを提供できます。

具体的なTSAは、「アマノ株式会社」「セイコーソリューションズ株式会社」「株式会社TKC」「株式会社サイバーリンクス」「三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社」の5社だけです。なおサービス名称はそれぞれに異なります。

・参考サイト:認定事業者一覧 | 認定事業者 | タイムビジネス認定センター

電子帳保存法の改正との関連性

2022年1月の電子帳簿保存法改正によって、タイムスタンプに関するルールが緩和されました。

改正前は電子化した書類データにはタイムスタンプを付与することが必須でしたが、改正後はタイムスタンプの付与が不要となるケースも一部あります。

電子帳簿保存法に対応するクラウド経費精算ツールを使用する場合には、訂正や削除の履歴が確認できるためタイムスタンプが不要です。

電子取引においてタイムスタンプが付与されたファイルを受領した際にも、そのまま保存が可能となり、自社で再度タイムスタンプを付与する必要がありません。

また電子帳簿保存法改正により帳簿書類のスキャナ保存については、タイムスタンプの付与期限が最長約2か月とおおむね7営業日以内までに変更されました。国税関係書類への自署も不要になり、要件が緩和されたのです。

タイムスタンプの重要性と必要性

電子帳保存法に対応すること以外にも、タイムスタンプ導入については次のような重要性や必要性が挙げられます。

電子文書は紙文書に比べて改ざんや消失の可能性が高く、紙文書と法的効果に差異がないようにするには、見読性や完全性、機密性、検索性が求められます。そして完全性の確保には、作成者を証明する電子署名と作成時期を証明するタイムスタンプが重要となるのです。

電子署名とタイムスタンプによって、いつ誰が何を作成したのかが証明できます。

また電子署名には有効期間があるため、タイムスタンプを併用することでカバーが可能です。

電子署名だけの電子証明書の場合、有効期間は最短で1年、長くても5年ほどとなっていますが、タイムスタンプを併用した場合は有効期間が最長で10年程度となります。

タイムスタンプの費用

タイムスタンプの費用

タイムスタンプを導入する場合、気になるのが初期費用やランニングコストはどのくらいかかるのだろうかということ。また費用に見合った効果は得られるだろうかという点も気になるところでしょう。

この段落では、タイムスタンプ導入にかかる費用の種類と金額、導入の費用対効果について説明していきます。

タイムスタンプ導入にかかる費用の種類と金額

タイムスタンプの初期費用で必要になるのは、タイムスタンプサービスの利用登録とシステム導入時の支払いです。

初期費用は具体的に数千円~30万円程度までと幅広いですが、5000円~1万円程度が多くなっています。中には、初期費用が無料のサービスもあります。

有料のサービスは多機能で使い勝手がよい点がメリットですが、10万円以上の導入費用がかかる場合もあるため慎重に比較検討しましょう。

また初期費用が無料、あるいは格安でも、その分サービス利用料が高めに設定されているケースもあるので注意が必要です。

タイムスタンプサービス利用料については、月額タイプと従量課金タイプがあります。月額タイプは固定で費用がかかる定額制で、従量課金タイプは1か月あたりの利用料に応じて料金がかかる仕組みです。

タイムスタンプの利用数によって、どちらを選ぶのがお得か変わってくるでしょう。

タイムスタンプ導入の費用対効果

タイムスタンプを導入する前には、費用に見合った効果が得られるかどうかを検討しておくことが大切です。

前述したように、タイムスタンプ導入にかかる費用については、初期費用とランニングコストの両方を調べておくようにしましょう。

業者により、タイムスタンプの発行1回につきかかる費用は異なりますが、大体10円程度が目安となっています。

自社に導入した場合、年間の費用はどのくらいになるかシミュレーションするのがおすすめです。

タイムスタンプ導入によるコスト削減や生産性向上といったメリットだけでなく、考えられるデメリットも評価することが大切。

費用対効果を考えると、事業の種類や規模によって選択すべきサービスは違ってきますし、タイムスタンプを導入しないという選択もあり得ます。

タイムスタンプ導入のメリット・デメリット

タイムスタンプ導入のメリット・デメリット

タイムスタンプ導入のメリット・デメリットを知ることは、費用対効果をシミュレーションするために必要なことです。この段落では、タイムスタンプを導入することによるメリットとデメリットそれぞれについて具体的に解説していきます。

タイムスタンプ導入のメリット

タイムスタンプを導入することによって、電子契約への対応が進められるようになります。

契約のペーパーレス化が可能になるため、紙の書類でかかっていた印刷代やインク代、紙代、封筒代、郵送料などといったコストを削減できるのがメリットです。書類を保管する費用や、契約をおこなう人件費の削減にもつながります。

企業の規模が大きくなるほどそういったコストは高くなるため、初期費用やランニングコストがかかっても、長期的には経費削減につながるでしょう。

またタイムスタンプ導入により、正確に取引記録が残り、文書の信頼性が高められるというのもメリット。電子署名とタイムスタンプの付与によって、契約書の改ざんを防止することが可能になるためです。

電子データによる管理で書類を紛失するリスク低下、保管場所の削減によるオフィスの有効利用、文書の検索効率アップといった生産性の向上にもつながります。

経費精算業務の労力が過大になっているのであれば、業務の効率化が可能になるため、タイムスタンプ導入のメリットは大きいといえるでしょう。

タイムスタンプ導入のデメリット

費用対効果をよく検討しないままタイムスタンプの利用に踏み切ってしまうと、逆に過剰なコストを支払うことになりかねないため注意が必要です。

業者によって料金体系はさまざま。その違いでランニングコストに大きな差が出てしまうため、扱っている書類の量に合ったサービス事業者を選定することが大切になります。

またシステムの利用方法や業務フローの変更などを従業員に周知・教育する必要もあります。パソコンなどの知識・操作に不慣れな従業員がいる場合、紙の文書管理よりも生産性が下がる可能性がある点もデメリットです。

事業用定期借地契約や企業担保権の設定または変更を目的とする契約、特定商取引といった、電子契約できない書類があることにも注意しなくてはなりません。

タイムスタンプ導入の注意点

タイムスタンプ導入の注意点

タイムスタンプ導入においては、タイムスタンプに対応している電子契約システムの選定が重要となります。また運用に際しては、情報漏洩のリスクに留意しておかなければなりません。これらの特に注意すべき2点について、詳しく解説していきます。

電子契約システムの選定

どの電子契約システムを選ぶかによって、タイムスタンプ活用の効果が大きく変わってきます。

第一に考えるべきは、ランニングコストです。タイムスタンプの発行量が同じであっても、月額制か従量制かで金額に差が出ます。自社のタイムスタンプ発行量がどれくらいになるのかをしっかり調査し、選定しましょう。

機能の豊富さと操作のしやすさ、わかりやすさも重要なポイントです。せっかく導入しても、操作が難しいと実際の運用までに時間がかかってしまったり、担当者が使いこなせなかったりする恐れもあります。

基本的には、導入実績が多いシステムを選定候補にしましょう。認定タイムスタンプ利用登録マークのある事業者は信頼性が高く、より安心して利用できます。

情報漏洩のリスク

電子契約システムの多くは、通信やデータの暗号化、プライバシーマークの取得といったセキュリティ面にも対応しています。

しかしクラウド型システムのように、インターネットに接続して使用するサービスには一定の情報漏えいリスクがあることに注意が必要です。紙の文書と違い、サイバー攻撃やウイルスの脅威もあります。

契約内容が外部に漏れたり、顧客情報が流出したりしてしまうと、会社の信用を失ってしまいかねません。そのような事態にならないように、しっかりとセキュリティ面の対策をしておくようにしましょう。

セキュリティの評価が高いサービスを選ぶことはもちろんですが、従業員の教育も重要となります。

タイムスタンプの導入方法

タイムスタンプの導入方法

タイムスタンプの費用やメリット・デメリット、注意点を把握した上で、自社に合った電子契約システムを選定し、導入を進めていきましょう。この段落では、タイムスタンプ導入に際して、導入の前提条件と手順を詳しく説明していきます。

タイムスタンプ導入の前提条件

前述した通り、タイムスタンプ導入による効果があることを確認するのが前提条件です。

クラウド型サービスを利用する場合は、必要スペックを満たしたパソコンとインターネット環境、スキャナなどが必要となります。それらが用意されているのか、用意できるのかも確認しましょう。

セキュリティやカスタマイズ性を求める場合は、自社のパソコンにシステムをインストールして使うオンプレミス型を導入することも検討しましょう。

経営者や経理担当者に知識がないと使いこなせない可能性もあるため、書籍やセミナーなどで勉強することも必要となります。タイムスタンプの扱いに関する知識を深められるだけでなく、実際に導入すべきかどうかの判断が難しい場合にも効果的です。

タイムスタンプ導入の手順

前提条件の確認ができたら、いよいよタイムスタンプ(電子契約システム)の導入を進めましょう。

まずは管轄の税務署で、電子帳簿保存の承認申請をおこないます。その際、電子帳簿保存を開始する3か月前までに申請しなければならないことに注意しましょう。

なお承認申請の時点では、まだ条件を満たしたスキャナなどを用意できていなくても大丈夫です。

承認申請をおこなったら、TSAとの契約、タイムスタンプ付与が可能なサービスの選定・導入の順に進めていきます。

導入後は、書類をスキャンして電子データに変換し、時刻認定局にタイムスタンプ発行の要求をおこない、タイムスタンプの発行と付与といった流れで運用していくことになります。

タイムスタンプ導入の際には費用とメリットをよく理解しておこう

タイムスタンプ導入の際には費用とメリットをよく理解しておこう

電子化が進む中で、これからタイムスタンプを導入する企業が増えていくでしょう。

導入費用が気になる企業も多いと思いますが、タイムスタンプは初期費用無料のサービスもあり、適切なものを選べばコストを抑えることが可能です。

ただし電子契約のメリットとデメリットを十分に理解して、紙の文書のほうが良い場合には無理に導入する必要はありません。

自社の事業内容や規模に合わせて、適切な選択をおこないましょう。


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THINGMEDIAコーポレート編集部

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