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クリエイティブディレクターになるには? 広告業界のCDの仕事内容・必要スキル・年収

こんにちは、シングメディア編集部です。

広告業界のクリエイティブディレクターってどんな仕事をしているんだろう、クリエイティブディレクターになるにはどんなスキルや経験が必要なんだろう・・・。

そんな「広告業界におけるクリエイティブディレクターについて知りたいあなた」は必見です。

電通や博報堂といった大手広告代理店のテレビCMやマスを扱うクリエイティブディレクター。職種名だけではなかなかその仕事内容がわかりにくく、アートディレクターやプロデューサーなどの職種とも混同されがちです。

そこで今回は広告業界を目指す方に向けて、「広告業界のクリエイティブディレクター(CD)の仕事内容・必要スキル・年収」をご紹介します。

仕事内容は? 広告業界のクリエイティブディレクター(CD)とは

広告業界におけるクリエイティブディレクターとは、業界では「CD」と呼ばれており、広告制作の総監督すなわち総責任者という役割を担っています。

主に広告代理店や制作会社、出版社などに所属。企業の商品・サービス・イメージなどをPRするため、テレビCMや雑誌・新聞広告、イベントなどの企画から制作までを監督しています。

中には実績を積んでフリーランスとして活動している人も。

一般的にはコピーライターやデザイナー、プランナーからキャリアをスタートし、10年~20年ほどの経験と実績を積んでクリエイティブディレクターになります。

クリエイティブディレクターの仕事内容は、広告制作における企画の考案から制作までの監督、スタッフィング、広告コンセプトやプロモーション展開の戦略考案、進捗管理などです。

クライアントから広告を出す目的やどんな商品・サービスをどんなふうにPRしたいのかなどをヒアリングし、それをもとに課題解決の方法(広告戦略)や企画案を考えることからスタートします。

企画案が決定したら、都度それに合ったコピーライターやデザイナー、CMプランナー、マーケッターなど各専門スタッフを選定(スタッフィング)し、チームを統括して制作に取り組みます。もちろん広告のクオリティ担保も大事な仕事です。

クリエイティブディレクターは、企業が抱える課題の解決を行うプロフェッショナルと言えるでしょう。

クリエイティブディレクターの仕事にはどんな魅力がある?

クリエイティブディレクターの仕事の魅力

クリエイティブディレクターは広告を作るうえで企画から完成までのすべての過程に関わることができ、やり遂げたときに大きな達成感を感じられるというのが魅力。

自分のアイデアを活かしてものづくりにイチから携わり、たくさんの人と関わりながら一つのものを作り上げる喜びややりがいは、大きなものです。

特に公共の場で自分の作品を見るときなどは感慨深いものがあるでしょう。

またプロジェクトを指揮する立場として、クライアントの意見を直接聞けるので、もやもやした感情が残らないのも魅力。自分の仕事の成果について良かったのか悪かったのかわかるため、次の仕事にも活かせます。

クリエイティブディレクターに求められるスキルは?

クリエイティブディレクターには、資格は特に必要ありません。

求められるスキルは、高いコミュニケーション能力とマネージメントスキル、現場での広告制作経験です。

広告を制作する上で、総監督としてクライアントはもちろん、コピーライターやデザイナー、プランナーなどさまざまな人と関わることになります。

相手の求めるものや伝えたいことを的確に理解し、かつ自分のイメージを的確に伝えられること、さまざまな人の意見を調整してまとめられることが求められますから、仕事をスムーズに進めるためにも人間関係を円滑にするためにもコミュニケーション能力は必須です。

異なる考えの人たちをまとめて引っ張っていけるリーダーシップ、スタッフや進捗管理などを行うマネージメントスキルも欠かせません。

それから大事なことですが、最初からいきなりクリエイティブディレクターになれるわけではありません。

まずはコピーライターやデザイナーなどとして広告制作の経験を積んでいく必要があります。

さまざまな案件を通して広告制作について学び、自身の知識やスキルを磨き、広告制作の現場を俯瞰で見られるようにならなければなりませんから、現場での広告制作経験も必須と言えるのです。

またクリエイティブディレクターは企画立案を行うため、アイデアやセンス、時代感覚も大事

日頃からアンテナを張って視聴者目線で面白いネタを探す習慣をつけ、さまざまな最新情報・作品に触れて知識や感性を磨くこと、鋭敏な時代感覚を身につけることも大切です。

クリエイティブディレクターにはどんな人が向いている?

クリエイティブディレクターにはどんな人が向いているか

クリエイティブディレクターに向いているのは、創造力が豊かな人です。ユーザーの心を掴み、感情を揺さぶるような作品を作るには、オリジナル性が必要になります。

先入観や固定観念にとらわれることなく、誰かの模倣でもない自由な発想を形にできる創造力が求められるのです。

またモノづくりが好きな人もクリエイティブディレクターに向いています。ゼロからアイデアを形にしていくことが好きな方は、楽しんで仕事ができるでしょう。

さらにクライアントへの貢献にやりがいを感じる人もクリエイティブディレクターに向いています。

クライアントワークであるため、ただ自由に自分のアイデアを形にしていくだけではダメです。クライアントの要望をくみ取った上でクリエイティブな作品を作る必要があります。

クリエイティブディレクターと「アートディレクター」「プロデューサー」の違いは?

クリエイティブディレクターの仕事は多岐に渡るため、他の職種と重複したり境界があいまいになったりしてわかりにくこともあります。

特に“監督的立場”としてクリエイティブディレクターと混同されやすいのが、アートディレクターとプロデューサーです。

そこで広告業界における三者にはそれぞれどのような違いがあるのかをご紹介していきましょう。

クリエイティブディレクターとアートディレクターの違いは?

クリエイティブディレクターとアートディレクターの違い

特にわかりにくいのが、クリエイティブディレクターとアートディレクターの違い。同じ「ディレクター」と付く職種ですが、何が違うのでしょうか?

中小規模の広告会社ではどちらか一方の職種しか在籍しておらず、両方のポジションを一つの職種でカバーしていることも多いため、あいまいになりやすいです。

また企業によって双方の職種における責任や役割の範囲が変わってくることもありますが、ここでは一般的な違いについてご紹介します。

まず前提として、クリエイティブディレクターはアートディレクターよりも立場が上(上司)です。

クリエイティブディレクターはクライアントの要望やコンセプトについて確認したら、企画や広告戦略を考える、スタッフィングを行う、進捗管理や予算管理の責任を担うなど広告制作の総指揮をとることになります。

それに対しアートディレクターはクライアントの要望やコンセプトを確認したら、それをもとにグラフィックデザイナーへどんなデザインの方向性にするのか指示を与えたり、デザイナーから上がってきたデザインをチェックしたりすることが仕事となります。

またクリエイティブディレクターが統括するのはコピーライターやデザイナー、プランナー、マーケッターなどさまざまな職種から成るチームです。

それに対しアートディレクターが統括するのは、デザイナーやイラストレーター、カメラマン、コピーライターといったビジュアルに関わるクリエイター。

つまりクリエイティブディレクターが広告制作全般における総監督の立場であるのに対し、アートディレクターはデザインやビジュアル面における現場監督の立場であるとイメージするといいでしょう。

なおアートディレクターについては下記の記事でさらに詳しく解説していますので、こちらも参考にしてみてください。

アートディレクターになるには? 仕事内容や魅力、年収、クリエイティブディレクターとの違いを解説

クリエイティブディレクターとプロデューサーの違いは?

CMプロデューサーとクリエイティブディレクターも違いがわかりにくい職種。

企業や案件によってはプロデューサーがクリエイティブディレクターを兼務することもあります。

CMプロデューサーはクライアント・広告代理店と制作チームの間の調整を行ったり、広告制作スタッフの編成決めや予算・スケジュール管理を行ったりする職種です。

ポジションとしてはCM制作における最高責任者であり、広告の企画~作品の完成までのすべてを仕切る役割となります。

クリエイティブディレクターはプロデューサーのもとで広告の表現戦略を考え、広告制作に関わるすべての指揮をとります。制作現場の責任者という位置付けです。

何を作るかを考えるのがプロデューサーなら、どのように作るかを考えるのがクリエイティブディレクターだと言えるでしょう。

なおCMプロデューサーについては下記の記事でさらに詳しく解説していますので、こちらもあわせて参考にしてみてください。

CMプロデューサーになるには? CMプロデューサーの仕事内容とCM制作の流れ、年収の目安

広告代理店の規模による? クリエイティブディレクターの年収

クリエイティブディレクターの年収は、広告代理店の規模や個人の役職・経験・知名度によって大きく異なります。

求人情報・転職サイトの『doda(デューダ)』が2017年9月~2018年8月の1年間に行った調査を元に発表している「職種別平均年収ランキング」によると、クリエイティブディレクター/アートディレクターの平均年収は471万円とのことでした。

平均年収ランキング 最新版(166職種の平均年収/生涯賃金)

そのうち男性の平均年収は497万円、女性の平均年収は418万円です。

世代別に見ると、20代が370万円、30代が494万円、40代が594万円、50代~が627万円となっています。

同調査によると、クリエイティブ系の職種全体の平均年収が379万円とのことですから、クリエイティブディレクターの平均年収の水準は高いことがわかります。

それだけ大きな責任の伴う仕事と言えるでしょう。

また企業規模による平均年収の目安は、大手広告代理店であれば600万~1000万円以上、中堅の広告代理店などであれば450万~800万円程度と言われています。

独立した場合は、本人の知名度次第で年収1000万円〜1億円以上を稼ぐことも可能です。

広告業界のクリエイティブディレクターになるには?

最初からクリエイティブディレクターとして働けることはまずありません。

広告業界のクリエイティブディレクターになるには、広告代理店や制作会社、デザイン事務所などに入社し、コピーライターやグラフィックデザイナー、CMプランナーといった仕事で10年~20年ほど経験を積む必要があります。

広告制作やディレクションなどで実績を積み、広告制作全体を俯瞰する力を身に付けたのちにクリエイティブディレクターとしてのキャリアがあります。

国内外の広告賞を受賞した経験などもキャリアアップに結び付きやすいようです。

クリエイティブディレクターのキャリアパスは?

クリエイティブディレクターのキャリアパス

CMプランナーやデザイナーなどを経てクリエイティブディレクターになった後は、広告プロデューサーに転身する人が多いです。

広告プロデューサーは、広告全体に関わるお金や人、ものを取りまとめて管理する総責任者となります。

クリエイティブディレクターとしての経験を積んで実力をつけたら、独立したり起業したりする人も少なくありません。

独立や起業をすることで幅広いクライアントの広告案件に携わることができるようになり、実力次第では収入のアップも見込めます。自分のスキルを生かしながら仕事に取組み、大きなやりがいを実感できるでしょう。

またWeb業界であれば、クリエイティブディレクターからWebプロデューサーへの転身が多いです。

クリエイティブディレクターを目指す人におすすめの資格は?

クリエイティブディレクターを目指すのにおすすめの資格

クリエイティブディレクターになるために必要な資格があるわけではありませんが、持っていると役に立つおすすめの資格はあります。

そこでクリエイティブディレクターが持っていると実務で役立つ、3つの資格についてご紹介します。

Illustrator®クリエイター能力認定試験

Adobe Illustratorが使用されることの多い広告原稿。そこで役立つのが、サーティファイが実施している「Illustrator®クリエイター能力認定試験」です。

試験はスタンダードとエキスパートの2つがあり、スタンダードでは、指示された作業がIllustratorを使って正確かつ合理的に行えるかというスキルが試されます。一方、エキスパートではもっと高度なスキルが必要となり、クライアントのニーズに対応している創造性の高いコンテンツ制作ができるかという点が試されます。

この資格を持っていれば、業務で使用する頻度の高いIllustratorを使った広告制作において、必要とされる知識を持っているということが証明できます。

Photoshop®クリエイター能力認定試験

Adobe Photoshopも広告制作の現場で使われることが多いソフト。そのためサーティファイが実施している「Photoshop®クリエイター能力認定試験」も持っていると役立ちます。

こちらもIllustratorの試験と同様、スタンダードとエキスパートの2つの試験に分かれており、それぞれ求められるスキルもIllustratorの試験と同様。エキスパートのほうが創造性の高いコンテンツ制作スキルが求められます。

DTPエキスパート認証試験

パンフレットや会社案内など複数ページからなる印刷物などを制作する際に必要なのが、DTPの知識。そんなDTPの知識を持っていることを証明できるのが、公益社団法人日本印刷技術協会(略称:JAGAT)が実施している「DTPエキスパート認証試験」です。

2020年3月から、学科試験だけの「DTPエキスパート」と、学科試験+実技試験が行われる「DTPエキスパート・マイスター」の2段階制に改正されました。

この資格を持っておけば印刷の基礎を習得しているということが証明されるので、クリエイティブディレクターとしての強みになります。

まとめ

「広告業界におけるクリエイティブディレクターについて知りたい」という方のために、広告業界のクリエイティブディレクター(CD)の仕事内容・必要スキル・年収をご紹介してきましたが、いかがでしたか?

クリエイティブディレクターは広告制作の総監督的立場でさまざまな役割を担うことになるため、幅広い専門知識とスキルが求められます。

仕事が多忙なため体力も必要になり、誰でも簡単になれるようなポジションではありませんが、コピーライターやデザイナーなどで着実に実績と経験を積んでいくことでキャリアアップも可能です。

クリエイティブディレクターを目指したい方は、広告制作の現場でしっかり知識とスキルを身につけていきましょう。


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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。