動画マーケティング

動画コマース(Vコマース/ビデオコマース)のメリット・デメリットと導入事例を紹介! ライブコマースとの違いは?

こんにちは、シングメディア編集部です。

動画コマースとはどんなものだろう、動画コマースを導入するメリット・デメリットが知りたい・・・。

そんな「動画コマースについて知りたいあなた」は必見です。

EC業界で活用する企業が増えている動画コマース。文章と写真だけでは伝えきれない商品の魅力や価値をアピールする手法として注目を集めています。

そこで今回は、「動画コマース(Vコマース/ビデオコマース)のメリット・デメリットと導入事例、ライブコマースとの違い」をご紹介します。

動画を見ながら商品購入! 「動画コマース」とは?

動画コマースとは

動画コマースとは、ECサイトなどに掲載された動画上から商品をそのまま購入できる方法のこと。「Vコマース」「ビデオコマース」とも呼ばれています。

これまでのECサイトでは、商品について写真と文章でしか説明ができず、消費者に使用感や使い方の具体的なイメージを伝えずらい状況でした。

それが動画コマースなら、商品の使い方や使用感などを動画でわかりやすく伝えることができるため、消費者は店舗で実際に商品を手に取ってみるような感覚で買い物をすることができるのです。

たとえば洋服であれば着用した様子を動画で紹介する、化粧品であれば使い方や仕上がりを動画で紹介するというケースが多く、消費者は直感的に商品を購入することができます。動画からLP(ランディングページ)へ移動せずに購入できるのも便利と言えるでしょう。

企業側としても商品の魅力をアピールしやすく、購買にもつながりやすいことから、動画コマースは新しい形の販売手法として注目を集めています。

動画コマースの市場規模は? 今後も成長する?

動画コマースの市場規模

動画コマースは現在、ファッション・アパレル業界で特に活用されています。服を購入する際は、写真だけで見るよりも動画で見た方が着用感や質感、着心地などがわかりやすいためです。

もちろん他の業界でも動画コマースの活用は進んでおり、食品業界や化粧品業界など多くの業界がさまざまなシーンで活用しています。

国内の動画広告市場は年々成長しており、2024年には約5000億円に到達する見込みです。

海外でも活発で、中国のライブコマース市場は2019年時点で約7兆円の規模にまで膨らんでいます。傾向としてはライブ動画が多かったのですが、2022年にはショートムービーの動画コマースが注目され、増えている傾向にあります。

動画専門メディアの普及やデジタルデバイスの普及、動画視聴環境の発達などにより、今後も国内、海外問わず、動画コマースの市場はどんどん成長を続けていくことが予想されます。

動画コマースと「動画EC」や「ティグコマース」の違いは?

動画コマースと「動画EC」や「ティグコマース」の違い

動画コマースと似たものとして、動画ECやティグコマースといったものがあります。それぞれどのような違いがあるのか見ていきましょう。

まず動画ECはECサイトに埋め込むための動画で、動画コマースのように動画から直接商品を購入することはできません。

集客や購入を促すことが可能となっていますが、動画をクリックしても商品購入画面に遷移することはできないのが動画コマースとの大きな違いです。

ティグコマース(TIG commerce)は、動画内の商品をタッチすれば購入まで手続きができるシステムのことで、動画コマースと同様、注目を集めています。

商品をタッチして購入する以外にも、動画内にある指定アイテムを集めることで特典がもらえたり割引が適用されたりするなど、さまざまな仕掛けがあり、視聴者が楽しみながら動画を見ることが可能です。

商品の利用イメージが湧きやすい? 動画コマースのメリット・デメリット

動画コマースのメリット・デメリット

動画コマースを活用することでどのようなメリット・デメリットがあるのかをご紹介します。

動画コマースのメリット

動画コマースのメリットには、次の4つが挙げられます。

  1. より多くの情報を消費者に伝えることができる
  2. 商品の利用方法や使用感を伝えやすい
  3. SNSでシェアされることで情報が拡散しやすい
  4. YouTubeなど動画配信プラットフォームの活用が可能

運営者側と利用者側、双方の視点を交えながら、それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. より多くの情報を消費者に伝えることができる

写真や文章だけでは伝わりにくい情報も、動画であれば伝えることができます。

商品を実際に使用している人の感想や商品を作った人の思いなども動画であれば伝えられるため、消費者へより商品の魅力をアピールするしやすくなるのです。

消費者にとっても、実際の商品に近い情報や付加情報を動画で得ることにより、商品を購入することへの不安感を払しょくすることができます。

2. 商品の利用方法や使用感を伝えやすい

商品によっては、文章や写真だけでは使用方法や使用感を伝えづらいものもあります。

それが動画であれば、実際に使用する方法や使用感を具体的に紹介できるため、運営者側にとっても消費者側にとっても有効です。

たとえば部品がバラバラで届く組み立て式商品の場合、動画で組み立て方を紹介すれば消費者は安心して購入することができますし、企業側も後々、「組み立て方がわからない」などの問い合わせを減少させることにも役立ちます。

洋服にしてみても、写真だけで着用イメージを伝えるよりも、実際にモデルが商品を着用した動画を見せたほうがイメージが湧きやすいです。

商品を実際に使用しているところを見ることで、視聴者が具体的な利用シーンを想像することもでき、購入につなげやすくなります。

3. SNSでシェアされることで情報が拡散しやすい

動画コンテンツは視聴者の心を動かしやすく、シェア率が高いという特徴があります。

そのため動画をSNSなどで公開すれば、シェアによって情報が拡散・共有されやすくなるのです。

動画が拡散されれば多くの人の目に触れるようになるため、大きな宣伝効果が狙えます。

4. YouTubeなど動画配信プラットフォームの活用が可能

動画コマースで利用している動画をYouTubeなどの動画配信プラットフォームでも配信することにより、さらに多くの消費者へ商品情報を届けることができます。

動画の中にリンクやテキストを入れることで、動画コマースとの連携も可能に。集客にもつながりやすくなります。

動画コマースのデメリット

動画コマースのデメリットとしては、次の4つが挙げられます。

  1. 動画コンテンツを制作する時間とコストがかかる
  2. 動画の冒頭で興味を持ってもらえないと視聴されない
  3. わかりやすく魅力的な動画を制作しなくてはならない
  4. 効果測定がしづらい

消費者側にとってデメリットとなることは特にありませんが、運営側にとってはデメリットとなることもあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 動画コンテンツを制作する時間とコストがかかる

動画コンテンツを社内で制作しようとすると、動画制作に時間をとられてしまい、本来の業務に支障が出る場合もあります。

社内に動画制作の知識やスキルがない場合、さらに制作は難航するでしょう。

それならばと外注に出すと、クオリティにこだわればこだわるほど制作費がかかることもあります。

2. 動画の冒頭で興味を持ってもらえないと視聴されない

動画は初めから順番に視聴していかなければならないため、最初で消費者に「つまらない」「興味がわかない」と思われてしまったら、それ以降視聴してもらえなくなる可能性が高いです。

動画の内容は後から入れ替えることが難しいため、冒頭で消費者の心を離さない工夫が必要となります。

3. わかりやすく魅力的な動画を制作しないと視聴してもらえない

商品の紹介や使用方法をただダラダラと説明した動画では、消費者に飽きられてしまい、視聴してもらえなくなってしまいます。

商品の魅力をわかりやすく、飽きられないよう伝えるためには、効果音や音楽、テロップ、ナレーションなどを効果的に使用したり、さまざまな角度から撮影した映像を入れたりと魅力的な動画になるよう工夫することが必要です。

消費者の視点に立ち、何が知りたいか、どう伝えたらわかりやすいか、どんな演出を入れたら興味を持ってもらえるかを考えて制作を行いましょう。

4. 効果測定がしづらい

動画コマースは、クリック数を指標として効果測定するケースが多くなると思いますが、それだけでは動画が最後まで視聴されたのかどうかということまではわかりません。

そのため動画コマースの効果測定では、再生完了率についても確認できるようにしておくことが大切です。

また動画を視聴したことにより購入に至ったということが判別できるよう設定しておくことも大事。

これらをKPI設定しておかないと、動画コマースが効果的なのかどうかを知ることができませんから、注意しましょう。

活用の参考に! 動画コマースの導入事例

動画コマースの導入事例

では実際に企業は動画コマースをどのように活用しているのか、導入事例をいくつかご紹介します。

これから動画コマースの導入を検討している企業のEC担当の方は、ぜひ参考にしてみてください。

Yahoo!ショッピングLIVE

Yahoo!ショッピングLIVE」は、Yahoo!ショッピングアプリ(iOS、Android)、パソコンのブラウザから利用できる動画コマース。法人事業者が商品紹介を動画配信できるサービスです。

ライブ配信可能な時間帯は毎日12時~23時で事前予約制、番組枠は30分。1回の配信につき最大で10商品まで販売することができます。

「Yahoo!ショッピング」のトップに掲載されるため、注目度が高いのも特徴です。

紹介した商品へのダイレクトリンク機能、「いいね」ボタン機能などの他、視聴者からのコメント投稿機能もあり、視聴者とコミュニケーションをとりながら商品紹介をしたり、視聴者からの質問にも答えたりすることができます。

伝説の宝島MUUU

伝説の宝島MUUU」は、YouTubeのマネジメントプロダクションUUUMが展開する動画コマース。

はじめしゃちょーやフィッシャーズ、水溜まりボンドなどUUUMに所属する人気YouTuberが、若年層向けにコスメやファッション、食品などさまざまな商品を紹介しています。

動画の配信スタイルや時間は自由。YouTuberそれぞれの個性を生かした動画配信を行っているのが特徴です。

買えるAbemaTV社

買えるAbemaTV社」は、サイバーエージェントとテレビ朝日によって運営されているインターネットTV・AbemaTVが放映している通販バラエティー番組(動画コマース)。

「ハンバイヤー」と呼ばれる販売員たちが、自分たちの本当におすすめしたい商品を仕入れから担当し、番組で販売する新しいスタイルのテレビショッピングです。

Walmart(ウォルマート)×Tasty(テイスティー)

アメリカの大手スーパーマーケット「Walmart(ウォルマート)」と料理動画アプリ「Tasty(テイスティー)」が提携し、レシピ動画を公開しており、これも動画コマースとして注目されています。

Tastyで公開されているレシピ動画の中で、調理に使われている商品をその場で購入することが可能です。

スマホでレシピ動画を見ながら調理に必要なものを簡単に購入できることから、ユーザーにとっても利便性の高いサービスとなっています。

参考:Tasty 9.5″ Diamond Reinforced Non-Stick Frying Pan – Copper – Walmart.com

藤巻百貨店

藤巻百貨店」は、元伊勢丹のバイヤーとして有名な藤巻幸大氏が手掛ける、日本の逸品のみを取り扱うセレクトショップ型のECサイト。

通常の商品ページに商品の使用方法や製造者の思いを紹介する動画があります。

お客様は作り手の思いやこだわり、使用イメージなどをよく理解した上で購入できるので、満足感の高い買い物が楽しめます。

動画コマースで近年増加中の「ライブコマース」とは?

何が違う? ライブコマースとは

動画コマースの一種として、EC業界において近年増加傾向にあるのが、ライブコマースです。

ライブコマースとは、「Yahoo!ショッピングLIVE」のように生放送で商品を販売する手法のこと。

視聴者とリアルタイムでコミュニケーションをとりながら商品の魅力を伝えたり、疑問に答えたりして販売を行います。

動画コマースとの大きな違いは、ライブコマースは生放送であること、視聴者と双方向でのコミュニケーションができることです。

ライブコマースはスマートフォンでの動画視聴環境と親和性が高く、エンターテイメント性もあるため注目度の高い販売手法。今後もどんどん導入していくEC企業が増えていくことが予想されます。

ただし現状のライブコマースでは、話題性や集客力のあるインフルエンサー、タレントが配信しているものが主流となっており、エンターテイメント性が高くなっています。

そのため一般的な動画コマースと比べると、ライブコマースのほうが若干ハードルが高いものと言えるでしょう。

現状でライブコマースを導入するのであれば、ライブ配信を行う体制をしっかり整えたり、集客力のあるインフルエンサーに協力してもらったりすることをおすすめします。

ライブコマースを導入する前に、まずはハードルが低めの一般的な動画コマースの導入を検討してみるといいでしょう。

なお下記の記事ではライブコマースについてさらに詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

ライブコマースサービス・アプリ9選! 市場動向や事例、 優れた点は?

まとめ

「動画コマース(Vコマース/ビデオコマース)について知りたい」という方のために、動画コマースのメリット・デメリットと導入事例、ライブコマースとの違いをご紹介してきましたが、いかがでしたか?

動画コマースを導入することにより、これまで以上に商品の魅力を消費者にアピールすることができるようになり、購入につながりやすくなる可能性が高いです。

消費者にとってもメリットが多く、EC業界で導入が進んでいる動画コマース。これからは動画の時代と言われている今、いち早く取り入れてみてはいかがでしょうか。


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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。