こんにちは、シングメディア編集部です。
自治体のPR動画とは一体どんなものだろう、実際の自治体PR動画を見てみたい・・・。
そんな「自治体PR動画について知りたいあなた」は必見です。
まちの魅力を伝えて観光客の増加や移住・定住を促すなどといった目的のため、多くの自治体が制作しているのがPR動画。趣向を凝らしたものが多く、見ごたえは十分です。
そこで今回は、「話題を呼んだ自治体PR動画の事例」をたっぷりご紹介します。
自治体PR動画とは?
自治体PR動画とは、全国の県や市町村といった自治体がそれぞれの魅力を広く発信するために制作するPR動画のことです。
今やインターネットが広く普及し、スマートフォンからも動画が気軽に視聴できる環境となりました。
そのため自治体PR動画をインターネットで配信することで、国内外の多くの人に自治体の魅力を知ってもらえるようになったのです。
自治体PR動画を制作する主な目的としては、地域の活性化とインバウンドの増加という2つがあります。
地域の活性化においては、動画を用いて地域の持つ空気感やリアルな雰囲気を伝えることにより、観光客や移住者の増加、ふるさと納税額の増加などの効果が狙えます。
インバウンドの増加においては、映像で視覚的に魅力を伝えられる動画なら、言葉がわからない外国人にも魅力を効果的にアピールできるため有効。
自治体PR動画をインターネット上で配信して世界中の潜在的な観光客に魅力をPRすることにより、インバウンド増加の効果に期待ができます。
制作した自治体PR動画はYouTubeや各種SNSで配信すれば、拡散されて大きな話題になったり、メディアで取り上げられて大きな宣伝効果が得られたりする可能性もあります。
一度制作した動画はインターネット上で配信するだけでよいため、プロモーション活動に時間や手間をかけられない場合でも活用する価値アリ。
自治体のPR動画制作については総務省が移住促進のための財政措置も実施しているため、「移住者を増やしたい」という自治体は積極的に活用してみるといいでしょう。
自治体PR動画の種類
自治体PR動画には、主に3種類のものが存在します。
1つめは、話題性重視の動画。インパクトのある動画やおもしろい動画などで話題を呼ぶことにより、再生回数を狙った動画です。
視聴者に驚きや衝撃を与えることでSNSなどによって拡散されやすくなり、多くの人に視聴されることになります。話題性のある動画は自治体の知名度アップに効果的です。
2つめは、観光スポットの紹介動画。こちらはスタンダードに、地方自治体が観光客の誘致を目的にして魅力的な観光スポットに焦点を当てて制作する動画です。
観光スポットは有名な観光地やレジャー施設、寺社仏閣、歴史的建造物だけでなく、知る人ぞ知る穴場の紹介やグルメスポット紹介なども有効。
その自治体ならではの観光資源を動画に登場させることで、唯一無二の動画を制作できます。
3つめは、Iターン・Uターンの募集動画。都心部で生まれ育った人に向けて地方移住をすすめるIターン動画や、地方から都心部へ出て暮らしている人に再び戻ってきてもらうことを目的として制作されるUターン動画です。
移住することで得られるメリット、どんな暮らしができるか、街や人の雰囲気、移住者へのインタビュー、移住者のサポート制度などを盛り込んだ動画を制作することで移住への関心を高め、Iターン・Uターンを促進することができます。
自治体PR動画制作のポイント
自治体PR動画を制作する際には、まず目的や予算を決めておくことが大切なポイントとなります。
「移住を促進したい」「外国人の観光客を増やしたい」などの目的とともに、ターゲットを明確にしておくことも大切です。誰に何を伝えたいのかが明確でないと、動画の内容がブレてしまいます。
予算もきちんと決めておき、それを元に「クオリティにこだわった動画を制作したいためプロに任せる」「コストを抑えるために企画は自治体で作成する」などを決定しましょう。
また話題性を意識することも大切なポイントです。自治体のPR動画である以上、できる限り多くの人に視聴してもらいたいところ。
そのためにはクオリティにこだわったり、アイデアを生かしたインパクトのある動画、ユニークな動画にしたりといったことが求められます。
見た人の心を動かし、「ほかの人にも紹介したい」と思ってもらえるような動画を制作することで拡散されやすくなり、大きな宣伝効果につながります。
自治体PR動画を制作する際には、自治体独自の魅力をアピールするということも大切です。地域が持つ唯一無二の魅力をいかにアピールできるかが重要なポイント。
見た人が「行ってみたい!」と思うような地域の魅力をしっかりとピックアップして訴求しましょう。
自治体PR動画を制作する際の注意点
時間と費用をかけて自治体PR動画を制作したからといって、多くの人に見られるとは限らないという点に注意が必要です。公開してすぐに人気が出るというわけではなく、時間がかかる場合もあるという点も覚悟しておきましょう。
なるべく多くの人に見てもらうためには、目的やターゲットを明確にしてクオリティの高い動画を制作することに加え、SNSを活用したり、広告を活用したりすることも有効です。
また炎上の恐れもあるという点に注意。動画の内容をよく精査しておかないと批判や炎上を招くこともあるため、誰かを不快にする表現や差別表現はないかなど、細心の注意を払うようにしましょう。
さらに動画公開までに時間がかかるというのも注意点として挙げられます。動画を制作する際には時間も費用もかかるため、制作前に費用についてしっかり打ち合わせをおこない、余裕を持った制作期間を設けておくようにしましょう。
自治体PR動画の事例18選
それぞれに工夫を凝らし、斬新なアイデアで勝負している自治体PR動画。中にはユーモアセンス抜群の思わず笑ってしまう動画や、美しい映像美でクオリティの高い動画、感動を呼ぶ動画などさまざまなものがあります。
では実際にどのような自治体PR動画が制作され話題になっているのか、成功事例を見ていきましょう。
愛媛県松山市の短編アニメ
愛媛県松山市による『マッツとヤンマとモブリさん』は、短編アニメとして制作された自治体PR動画。
3人の子どもが松山市を舞台に繰り広げる冒険物語となっており、観光名所やご当地料理なども登場し、純粋にアニメとしても観光PR動画としても楽しめる内容となっています。
また松山市出身のタレント・友近さんやEXILEの白濱亜嵐さん、愛媛県出身の声優・水樹奈々さんが声優をしているのも見どころの一つです。
なおこの自治体PR動画は「アジア太平洋広告祭プロモロータス ファイナリスト」「Short Short Film Festival & Asia観光映像大賞特別賞」を受賞するなど、国際的な高評価を得た作品でもあります。
宮城県栗原市による「U.S.A.」の替え歌
宮城県栗原市の『パンダライオン / I.N.K. 〜カモンベイベー栗原〜』は、DA PUMPのヒット曲『U.S.A.』を替え歌にした自治体PR動画。
宮城県内で活動するバンド「パンダライオン」のメンバーであるモズさんが栗原市出身ということで、止まらぬ過疎化にインスパイアされ、栗原市の田舎あるあるを『U.S.A.』の軽快なメロディーにのせて披露しています。
ユーロビートサウンドにのせて披露される田舎あるあるネタとのどかな田舎の風景のギャップがおもしろく、歌詞も秀逸。
何度も繰り返し見たくなるほどの中毒性を持った動画で話題となりました。
京都府宇治市のゲーム実況動画
京都府宇治市による『宇治市~宇治茶と源氏物語のまち~』は、ユーモアセンスが光る自治体PR動画。
観光アクションゲームの実況プレイ動画のような作りとなっており、20分越えという長い尺ではあるものの、楽しみながら最後まで視聴できる内容となっています。
ゲーム内では宇治市の名産品や観光名所などがしっかり紹介されているため、インパクトはありつつしっかり地元の魅力もPRできているのが魅力です。
東北6県による美しい映像美で魅せる東北の秋
東北観光推進機構と青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県からなる東北6県による『Autumn Colors in Tohoku, Japan 4K – 東北の秋』は、秋の東北地方の魅力をアピールする自治体PR動画。
海外向けに各県の魅力をアピールするため制作されたもので、6Kシネマカメラや4Kドローンなどの機材を使って撮影された映像の美しさは息をのむほど。
東北の美しい自然風景や伝統工芸などが最先端機材による映像で臨場感たっぷりに表現されており、世界中からその美しさに感動する声が寄せられています。
長崎県波佐見町のコミカルでかっこいいMVのようなPR動画
長崎県波佐見町による『波佐見町は永遠の輝き』は、コミカルなストーリーに思わずクスッと笑ってしまいつつ、明るい気持ちになれる自治体PR動画。
プロポーズをしようと彼女の家へバイクで訪れた麦わらアッキーのもとに、友人の尾崎が現れ、婚約指輪の隠されたバイクに乗って波佐見町内へ遊びに行ってしまうというシーンからスタート。
波佐見町内の人々とのふれあいながらおいしいものを食べたり温泉に入ったりと楽しむ尾崎の姿が、まるでMVのようにさわやかでイキイキと描かれています。
波佐見町内の魅力を紹介しながら歌われる曲には方言も入っているのに、なぜかとてもおしゃれ。
指輪を取り返したものの、手から滑り落ちた指輪を追いかけて棚田にダイブする麦わらアッキーに向かい、「おいおいそんなに慌てなくても、ここには宝石のように輝くものが沢山あるじゃないか!」と言う尾崎の言葉が印象的です。
コミカルなストーリーにも引き込まれますし、波佐見町内の魅力がたっぷり伝わる映像と曲の歌詞にも引き込まれてしまう動画となっています。
福岡県北九州市と山口県下関市の関門海峡PRムービー
福岡県北九州市と山口県下関市が共同制作した『COME ON!関門!』は、関門海峡をPRするためのパニック映画のような自治体PR動画。
関門海峡に突如カニとフグを合体させたような謎の怪獣が現れてパニックになるものの、最狭650m、最速9.4ノットという潮流に足をとられ、怪獣は海の中へ。関門海峡のおかげで無事にすんだというストーリーです。
「シン・ゴジラ」のVFXを手がけた映像チームが怪獣を制作したとあって、そのクオリティには脱帽。
完成度の高い映像と予想外のオチは大きな話題となりました。
岐阜県関市のシュールな世界を描いたPR動画
刃物の名産地として知られる岐阜県関市の『もしものハナシ』は、シュールな世界観が話題となった自治体PR動画。
「刃物のない、人生なんて」というコンセプトのもと、もしもこの世界に刃物がなかったら……というストーリーが展開されています。
包丁がないため野菜をチョップで切ろうとする主婦、剃刀がないため髭をガムテープで抜く男性、ハサミがないためお客さんの髪の毛を噛みちぎる美容師などなど、刃物がない世界でのとんでもない日常がシュールに描かれており、センスの良さを感じます。
セリフなどは一切ありませんが、映像だけで刃物のない世界の不便さ、大変さが痛感できる=刃物の名産地である関市のありがたみがよくわかるPR動画です。
愛知県南知多町の「みなみちたのうた」
愛知県南知多町による『みなみちたのうた♪ウミひとココロ ver』は、地元愛あふれる歌とダンスが魅力の自治体PR動画。
南知多町の住民たちが出演し、印象的なリズムの歌とキレキレのダンス・変顔を披露。歌詞には南知多あるあるが盛り込まれており、南知多の魅力を存分に感じられるものとなっています。
なおこの動画は全国移住ナビの市町村プロモーション動画ランキングで1位を獲得。移住に関する問い合わせが増加したとのことです。
静岡県磐田市のゆるキャラ登場アニメーション
静岡県磐田市による『ぺぺぺい ぺぺぺい!うれしっぺい!』は、磐田市のイメージキャラクター「しっぺい」が歌って踊るアニメーションの自治体PR動画。
子どもが見て一緒に歌って踊れる楽しいアニメーション動画となっており、磐田市の名産品も次々登場。磐田市の特徴や魅力もしっかり伝わる動画となっています。
軽快なテンポに合わせて踊るしっぺいのかわいさと、耳に残るキャッチーなフレーズが人気です。
和歌山県紀美野町の逆転の発想が活きたPR動画
和歌山県紀美野町による「最高の‘ない’がここにある」は、逆転の発想から生まれた自治体PR動画。
電車もスーパーもネイルサロンもファミレスもゲームセンターも何もない……。その代わりに魅力的なベーカリーやアイスクリーム屋さん、子どもたちがめいいっぱい遊んだり走ったりできる広い公園、木工職人のいる工房などがあるというメッセージが込められた動画です。
また遮るものがないからこその絶景を見られる高原、美しすぎて眠れない星空、独りぼっちじゃない環境など、「何もないからこその最高の“ない”がある」という強いメッセージが伝わってきます。
予算がかけられていないものの、紀美野町の豊かな自然や人々の笑顔、温かさといった魅力がよく伝わるPR動画です。
栃木県宇都宮市の感動的なパラパラ漫画ムービー
栃木県宇都宮市による『パラパラ漫画ムービー「愛のある街 宇都宮」』は、900枚以上の原画によるパラパラ漫画で制作された自治体PR動画。
宇都宮市を舞台に一人の少年の成長を描いており、宇都宮市の地域資源である自転車や餃子、大谷などが効果的に使われているのも特徴です。
物語は親子の絆を中心とした感動ストーリーで、視聴者の心をグッと掴むものに仕上がっています。
なお物語に集中できるよう、BGMとイラストは素朴で温かみのあるものとなっているのもポイントです。
広島県呉市の「TRAIN-TRAIN」の替え歌「呉IN-呉IN」
広島県呉市の『呉IN-呉IN』は、ザ・ブルーハーツの名曲『TRAIN-TRAIN』の替え歌による自治体PR動画。
呉市の公式マスコットキャラクター呉氏(クレシ)が、『TRAIN-TRAIN』の替え歌『呉IN-呉IN』にのせて、呉市の魅力をPRしている動画です。
いたるところに「呉」を入れたダジャレの歌詞はおもしろくもあり、呉市の魅力を存分にアピールすることもできていて秀逸。映像としてもストーリー性があって、最後まで見入ってしまいます。
呉市に基地がある海上自衛隊が全面協力しているという力の入れようもあり、一度見たら呉市に行きたい衝動に駆られるPR動画となっています。
山梨県小菅村のゾンビゲーム実況中継風PR動画
山梨県小菅村による『小菅村オブザデッド【実況】』は、ゾンビゲームの実況中継という設定の自治体PR動画。
多摩川源流の秘境で人口700人余りの小菅村を舞台に、移住者がゾンビと化した村人と戦うという設定のゲーム。
ゲームをしている感覚を味わいながら、最後まで楽しく視聴できるだけでなく、随所に小菅村の豊かな自然などのPRが散りばめられているため、魅力もしっかり理解できるようになっています。
この動画は若者をターゲットにして150万円で制作され、動画の公開後は動画とタイアップしたイベントを村で開催。県内外から3000人が来場したそうです。
また国際短編映画祭の観光映像大賞部門にもノミネートされるほど高評価を得ています。
宮崎県小林市の耳を疑うPR動画
宮崎県小林市による『ンダモシタン小林』は、移住促進のために制作された自治体PR動画。
フランス人男性の視点で小林市の不思議を紹介していくというコンセプトのもと、小林市のちょっと不思議な魅力が次々紹介されていくというストーリー。
画面下には日本語字幕が出ているため、全編を通して男性がフランス語でしゃべっていると思い込んでしまいますが、実は最初から最後まで男性がしゃべっていたのは西諸弁という地元の方言だったことがラストで明らかになります。
その事実に思わず「えっ!? 本当?」と耳を疑いたくなってしまうほど。コンセプト通り、方言の不思議にも驚かされるPR動画となっています。
和歌山県和歌山市の心温まるショートムービー
和歌山市と和歌山大学が共同で制作した『おかえりなさい』は、ショートムービー仕立ての自治体PR動画。
地元を離れていた男性が彼女と一緒に帰省し、和歌山市の観光名所である和歌山城や片男波海水浴場などを巡りながら、改めて地元の魅力を再発見。
都会で育った彼女も和歌山市の魅力に触れ、ここで一緒に住もうという提案をしてくれるというストーリー。
「和歌山市はだれにとってもふるさと」というコンセプトが生きた、心温まる優しいストーリーとなっています。
千葉県印西市のボリウッド(インド)映画風PR動画
千葉県印西市による『印度じゃないよ、印西市』は、ボリウッド(インド)映画テイストで作られた自治体PR動画。
インドと名前が似ていることからインドを彷彿とさせるBGM、踊り、ストーリーで印西市の魅力をアピールしています。
ボリウッド映画のような世界観はインパクトがありおもしろいですし、きちんと住みやすさNo.1の市であるという魅力もアピールできており、移住者の増加という目的に合わせて制作されていることがわかります。
福岡県北九州市のヒーロー「キタキュウマン」を採用したPR動画
福岡県北九州市による『Hey!!北九州』は、ご当地ヒーローであるキタキュウマンのテーマソング第2弾となる自治体PR動画。
いかにもな王道ヒーローソングに、キタキュウマンの活躍だけでなく北九州の観光スポットを散りばめ、しっかり北九州の魅力もアピール。
特撮のクオリティは高く、特撮ファンでなくても楽しめる映像となっています。
埼玉県久喜市の3058人によるダンスがかわいいPR動画
埼玉県久喜市による『1000人クッキーダンス』は、3058人が市の名前にちなんだクッキーダンスを披露するという、平成28年度の自治体PR動画。
埼玉県出身のタケカワユキヒデさんが作詞・作曲した『笑顔のまち永遠なれ』をアレンジしたBGMに合わせて、久喜市内のさまざまな場所で住民たちが楽しそうにダンスしているという動画です。
見ているとつい一緒に歌って踊りたくなるような楽しいPR動画となっています。
まとめ
「自治体PR動画について知りたい」という方のために、話題を呼んだ自治体PR動画の事例18選をご紹介してきましたが、いかがでしたか?
それぞれの自治体が地域の活性化やインバウンドの増加といった目的のために工夫を凝らしたPR動画を制作しています。中にはお金をかけずにアイデアで勝負しているものもあり、これから自治体PR動画を制作したいと思っている担当者には参考になるでしょう。
地元の魅力をYouTubeやSNSを通して世界中に発信できる今、過疎化や財政難などの課題を抱えている自治体にとって、PR動画を制作するのは起死回生のチャンスとも言えるのではないでしょうか。
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