製作国:アメリカ
上映時間:125分
監督:コリン・トレボロウ
制作総指揮:スティーブン・スピルバーグ、トーマス・タル
原案:リック・ジャッファ、アマンダ・シルバー
脚本:リック・ジャッファ、アマンダ・シルバー、デレク・コノリー、コリン・トレボロウ
テーマ曲:ジョン・ウィリアムズ
出演者:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ビンセント・ドノフリオ、タイ・シンプキンス、ニック・ロビンソン、ジェイク・ジョンソン、オマール・シー、B・D・ウォン、ジュディ・グリア、イルファン・カーン、ブライアン・ティー、ケイティ・マクグラス、ジミー・ファロン
あらすじ:
世界的な恐竜のテーマパーク、ジュラシック・ワールド。恐竜の飼育員オーウェン(クリス・プラット)が警告したにもかかわらず、パークの責任者であるクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は遺伝子操作によって新種の恐竜インドミナス・レックスを誕生させる。知能も高い上に共食いもする凶暴なインドミナス。そんな凶暴なインドミナスが脱走してしまい……。
『ジュラシック・ワールド』予告編
『ジュラシック・ワールド』シングメディア編集部レビュー
恐竜映画と聞き、誰もが頭に思い浮かべるであろう作品と言えば『ジュラシック・パーク』をはじめとしたジュラシックシリーズ作品ではないでしょうか。
なかでも第4作目となる『ジュラシック・ワールド』は、舞台が大人気テーマパークということもあり、スリルだけでなく、遊園地独特の賑やかな雰囲気やワクワクも同時に味わえる作品となっています。
そんな『ジュラシック・ワールド』はシリーズのなかでも高い人気を誇る作品であり、子供から大人までが楽しんで鑑賞できる映画です。
2022年7月にはファン待望の第6作目が公開されたこともあり、久しぶりに過去作を見返そうと考えている方もいるはず。
そこで今回は『ジュラシック・ワールド』を見返すうえで、おすすめしたい二度見ポイントについてご紹介します。
『ジュラシック・ワールド』の二度見ポイント1:恐竜の感情に焦点を当てての二度見鑑賞が新鮮!
今作の主人公であり、Tレックス並みに頼れる存在である元軍人のオーウェン。
そんな彼が冒頭で「(恐竜とは)心を通わせ、互いにリスペクトしているだけだ」と語っていた通り、今作に登場する恐竜は、ただ恐ろしいだけではなく、私たちと同じ感情をもち、言葉も伝わる生き物なのだとわかるシーンが多々登場します。
二度見の際はあえて人間ではなく、恐竜たちの感情に焦点を当てて鑑賞してみてはいかがでしょうか。恐竜の感情視点から二度見鑑賞をしてみると、初見では気づかなかった意外なおもしろさを発見することができるかもしれませんよ。
男の子に間違えられて怒ったラプトルちゃん
オーウェンが長い時間をかけ、信頼関係を築き、作中でも重要な役どころを担ったラプトル4姉妹。凶暴な気質ではあるものの、オーウェンやバリーの指示には従うように調教されてきました。
そんなラプトルを軍事兵器として利用しようと考えていたのが、インジェン社のホスキンスです。
当然、優しいオーウェン達に育てられてきたラプトルがホスキンスに懐くことなどありえません。中盤でバリーに「(ラプトルに)触っても?」と確認したうえで、彼女たちに触れようとしますが、手を近づけただけで威嚇される嫌われ具合です。
その後も作中ではラプトルをいかに兵器として利用するかだけを考え、まったく心を通わせようとしなかったホスキンス。案の定ラストは誰もが想像していた通り、ラプトルに襲われ食べられてしまう運命をたどりました。
そして二度見の際は、このときのホスキンスのセリフにちょっと耳を傾けてみてください。ホスキンスのセリフをよく聞いてみると、近づいてくる女子のラプトルちゃんに「ヘイ、ボーイ」と、と呼びかけちゃっているのですよね。
今作のラプトルたちは人間の言葉ができるため、もしかするとホスキンスの何気ない「ボーイ」一言に対し「私は男の子じゃなくて女の子よ!」という怒りから襲っちゃったのかもしれません。
そんな想像をしながら改めてホスキンスを襲うラプトルを見ると、何だか彼女たちがさらに可愛く見えてきちゃいそうです。
思わず涙を誘われるアパトサウルスの最期の表情
作中中盤で檻から脱走したインドミナス・レックス。初めて外の世界に出た彼女は食事としてではなく、狩りを楽しむために次々に目の前に現れる人間や恐竜たちを襲います。
なかでも思わず涙を誘われそうになってしまうのが、インドミナス・レックスに襲われたであろうアパトサウルスたちの群れ。
オーウェンとクレアがアパトサウルスたちの群れがいる場所に駆け付けた時には、全身をインドミナス・レックスに傷つけられ、息を引き取ろうとしている瞬間でした。
しかしほとんど意識がないであろうにもかかわらず、オーウェンが駆け付け優しく声をかけると、しっかり目を開き、黒目をオーウェンの方へと動かし彼を見つめるではありませんか!
その後、彼の言葉に安心するかのように目を閉じ、息を引き取った1匹のアパトサウルス。最後はどこか安らかな表情すらも見せてくれ、このシーンを見ただけでも恐竜たちに感情があるのだということが、ひしひし伝わってきます。
今までは恐竜を物として見ていたクレアも、さすがにこの時ばかりは思わず涙を流してしまうはずですよ……!
そんなアパトサウルスの目や息遣い、そして最後の表情を改めて見返してみると、恐竜がただ恐ろしく怖いだけの存在ではないということが画面越しにしっかり伝わってきます。
ラプトルのブルーが最後に見せた可愛らしい心境と表情
そして作中で最も人間と恐竜の心が通じ合う瞬間を垣間見られるのが、ラストのオーウェンとラプトル姉妹の副ボスであるブルーのやりとりです!
Tレックスとラプトルの共闘により、見事にインドミナス・レックスを退治したその後。
クールでカッコいいTレックス姉さんは、何も言わずにそそくさと山の中へと戻って行ってしまいます。(さすがは絶対王女といわんばかりの立ち振る舞いです)
しかしラプトルのブルーは、初めての外の世界に少々困惑気味。自分が今からどこに向かえば良いのかわからず、思わずオーウェンを見つめるのですが……。
このとき「私はどうすれば良い?」とオーウェンに対して首をかしげる仕草をしているのです!この仕草がもう本当に何度見ても可愛すぎて、思わず凶暴な性格であることを忘れてしまいそうになります。
そしてオーウェンから無言で「行けよ」と合図されると、自由を手に入れられてどこか嬉しそうな表情も見せつつも、別れを惜しむそぶりも見せるという愛らしさを見せながら、島の奥深くへと帰っていきます。
オーウェンとラプトルが築いてきた信頼関係が一番間近で感じられるシーンでもあり、ラプトルのブルーという1匹の恐竜の感情が痛いほど伝わってくる感動的なラストシーン。何度見返しても可愛さと癒しを与えられます。
『ジュラシック・ワールド』の二度見ポイント2:初期ファン大歓喜間違いなしの小ネタシーン
ジュラシックシリーズ第4作目となる今作は、記念すべき第1作目である『ジュラシック・パーク』から22年後の同じ島が舞台になっています。
そのためじっくり見返してみると第1作目のファン大歓喜間違いなしの小ネタも盛りだくさん!
懐かしい小道具やシーンを目にすることで『ジュラシック・ワールド』を見返したあとに『ジュラシック・パーク』も見返したくなるシーンが随所に盛り込まれているのです。
ビジターセンター跡地にある懐かしの小道具
たとえば物語中盤でインドミナス・レックスに襲われかけながらも、何とか逃げ切ることに成功したグレイとザックの兄弟。
森の中を迷いながら脱出を図ろうとしている最中、とある寂れた建物にたどりつくのですが、この建物こそ『ジュラシック・パーク』の主要場所であり、ラストシーンを飾ったあのビジターセンターなのです。
建物を探索中にグレイが「これは何だろう?」と手に取ったヘッドセットを見た瞬間、懐かしい気持ちになった方も多いはず。そうです、このヘッドセットは第1作でハモンドの孫であるティムが喜んでつけていた暗視スコープ。22年経った今もヘッドセットの電源はしっかり入るのですね……。
さらに兄のザックが松明に火をつけるために手に取ったボロボロの布は、第1作のラストシーンをTレックスとともに華やかに飾ったあの横断幕の切れ端!かなり古びてはいますが、印象的な赤や黄色で描かれた「DINOSAURUS」のロゴはしっかり残っています。
ちょっとした懐かしの小道具が登場するだけのシーンではあるのですが、第1作を鑑賞した当時を思い出しながら見返してみると、22年という時が一気に繋がったかのような感慨深い気持ちになること間違いなしです。
ナンバーからわかる第1作と同じジープ
さらにその後、兄弟がビジターセンター跡地で発見したのはオンボロのジープ2台。ガソリンを入れ、何とか動かせるようになったジープに乗車し、無事脱出に成功します。
そして何となく懐かしい気持ちになった方なら、初見でもお気づきだったかもしれませんが、こちらのジープも第1作目に登場したあの車両です!
当時、島に到着したアランやエリー、ハモンドたちがブラキオサウルスの生息する高原まで乗車していた2台のジープこそ、今作で兄弟が乗車したジープそのものなのです。
ちなみに兄弟が乗車した29番のジープは、後続を走るハモンドたちが乗っていた車両です。その後訪れたオーウェンとクレアがインドミナス・レックスから身を隠すために隠れていたもう1台の18番のジープは、アランやエリーが乗っていた車両。
このナンバーを覚えたうえで『ジュラシック・パーク』を鑑賞しなおすと、ただジープが走るだけのシーンでも思わず感動してしまいそうになります。
Tレックスの首に見える懐かしの傷
そして第1作からのファン大興奮間違いなしのシーンといえば、何といっても最後のTレックスの登場シーン!
作中で特に助言はされていませんが、このTレックスも第1作に登場したのと同じ個体です。
それがわかるのがインドミナス・レックスに一度Tレックスが押し倒された瞬間。Tレックスの肩から首にかけての部分を見ると、ひっかき傷のような跡がくっきり残っているのがわかります。
この傷こそ、第1作のラストでTレックスに飛びかかってきたラプトルが付けた噛み傷なのです。
第1作でラスボスだったTレックスが、第4作でラスボスとなるインドミナス・レックスと戦う展開。当時のファンからすれば、何度見返しても「待っていました!」と言わんばかりのまさに激熱展開なのではないでしょうか。
『ジュラシック・ワールド』の二度見ポイント3:何度見返しても盛り上がるラストシーンの見どころ
恐竜と触れ合える遊園地のほのぼの感から、脱走した恐竜たちと人間が戦うスリル感までをジェットコースター感覚で味わえる今作。
息つく暇もないほど怒涛の展開が続く2時間ですが、やはり今作一の見どころであり、何度見返しても盛り上がるのがラストの恐竜たちの共闘シーンではないでしょうか。
Tレックス VS インドミナス・レックスの咆哮からの威嚇
暴走するインドミナス・レックスに狙われ続け、危機一髪の瞬間を何度も乗り越えるオーウェンたち。
「このままではやられる」と悟ったクレアがとった行動は、何と厳重に管理されていたTレックスの開放です。
インドミナス・レックスと対峙し、咆哮で威嚇するTレックス。それに応えるかのようにさらなる咆哮で威嚇し返すインドミナス・レックス。
そしてお互いが一度静止し、睨み合ったかと思った次の瞬間、激しい戦いが幕を開けます。
熱すぎます……!誰が初見でTレックス VS インドミナス・レックスのバトルを予想していたでしょうか。
またお互い同じTレックスのDNAが入っているものの、インドミナス・レックスにはラプトルをはじめ、その他のDNAも組み込まれているため、若干インドミナス・レックスが有利な状況。とはいえ見た限りでは互角に戦えているというギリギリのバトル展開が続くシーンも熱すぎます。
あと余談ではありますが、ハイヒールで走っているにもかかわらず、Tレックスから逃げ切り、無事にインドミナス・レックスの目の前までおびき寄せてきたクレアも地味にすごいと思います。
さりげなくTレックスをサポートしながら戦うラプトル
そして激しいバトルを続けるTレックスとインドミナス・レックスですが、不意を突いたインドミナス・レックスにTレックスが押し倒され、絶体絶命の危機に陥ります。
……と、そこで激しい咆哮とともに登場するのがラプトルのブルー!小さい体ながらも果敢にインドミナス・レックスに飛びかかります。
第1作ではラストシーンで戦っていたTレックスとラプトルが、今作では共闘してインドミナス・レックスを倒そうとする展開。何度も言いますが、本当に熱すぎます……!
さらによく見ると、Tレックスはインドミナス・レックスの急所である首元をしっかり狙い続けているのですが、ラプトルは背中や足元に噛みついたり、頭に飛びかかって目隠しをしたりと、極力Tレックスの邪魔をしない形で戦いに参加しているのです。
また何度インドミナス・レックスに吹き飛ばされても、めげずに立ち向かうラプトルのブルー。この健気さと勇敢さは、Tレックスやインドミナス・レックスに負けず劣らずの強さを持った存在だと認めても良いのではないでしょうか。
まさかの登場に予想を裏切られたモササウルス
3匹による死闘が続き、ついにインドミナス・レックスをギリギリの状態まで追い詰めたTレックスとラプトル。
3匹が同時に咆哮し、最後は誰がとどめを決めるのか!とスリルも頂点に達したその時!
突然現れたのがインドミナス・レックスの血の臭いにおびき寄せられ、水中から現れたモササウルスです。
そして自分の何倍もの大きさもあるモササウルスに噛まれ、水中の奥深くへと引きずり込まれていくインドミナス・レックス。
「まさかのお前がとどめをさすのかい!」と心の中で突っ込んだ方も多いのではないでしょうか。多分Tレックスとラプトルもびっくりしたでしょうね。いやお前なのかい、と。
でもこの予想すらしていなかった展開が鑑賞側の期待を良い意味で裏切り、十分な満足感を味わえたままラストシーンを迎えることができました。
そんな激熱シーンや予想を裏切る展開が盛りだくさんのラストシーンは、何度見返しても本当におもしろい!
二度見鑑賞ではぜひ咆哮し合うときの迫力や、ラプトルの細かい動きなどにも注目しながら、改めて白熱のラストシーンを見返してみてください。
ほのぼの感もスリルも楽しめる激熱作品
何年の時を経ても愛され続けるジュラシックシリーズですが、第4作である『ジュラシック・ワールド』は、ほのぼの感あり、スリルあり、激熱展開ありと、さまざまな見方ができる作品です。
新作を鑑賞する前に見返したい時はもちろん、落ち込んだ状態からテンションをあげたかったり、友達や恋人と盛り上がったりしたい時の二度見鑑賞にもぴったり!ぜひ2時間の冒険を楽しむ二度見鑑賞を楽しんでくださいね。
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