こんにちは、バックオフィス業務サポートサービス「AIBOW」編集部です。
急いでいると、つい忘れがちなのが打刻ですが、従業員が打刻を忘れてもあまり問題視しない経営者がいるかもしれません。
しかし打刻は勤怠管理に不可欠なもので、おろそかにすればリスクが発生してしまいます。打刻漏れ・打刻忘れによるリスクを避けるためにも、企業側は従業員に打刻を正確にしてもらう必要があるのです。
そこで今回は、打刻とは何かを改めて確認し、「打刻の意味と必要性、打刻漏れ・打刻忘れのリスク、漏れや忘れを防止する方法」を詳しく解説します。
打刻とは
打刻とは、従業員がタイムカードや勤怠管理システムに出勤時刻や退勤時刻などを記録する作業のことを指します。この記録をもとに使用者は従業員の勤怠管理をおこなうため、大切な作業なのです。
そこでまずは打刻の意味と必要性、打刻の方法について解説していきましょう。
打刻の意味と必要性
労働をおこなった日の始業時刻や終業時刻などをタイムカードやICカード、勤怠システムへ記録するための打刻は、使用者が従業員の労働時間を正確に把握するために用いられます。
打刻は使用者が従業員一人ひとりの労働時間を把握する際の客観的な記録として必要になるのです。
また打刻は給与計算を正しくおこなうためにも用いられます。遅刻早退控除や残業代計算をおこなうために、打刻の記録を集計する必要があるためです。
さらに打刻は、残業時間の是正を図るという目的のためにも利用されます。
使用者は、36協定で定められた「月45時間/年間360時間」という労働時間を超えないように従業員を働かせなければなりません。
そこで厚生労働省は、客観性のある打刻方法を基礎として確認・記録することを呼びかけています。
打刻されたタイムカードや勤怠システムなどを確認して、従業員が必要以上の残業をしているようであれば、注意喚起をして是正していかなければならないのです。
・参考サイト:労働時間の適正な把握のためにY15.indd(PDF)
打刻の方法
打刻機と呼ばれる機械と専用のタイムカードを使うのが最も一般的な打刻の方法です。
導入コストは安いですが、基本的には出退勤時刻を打刻するのみとなっており、集計作業が必要になるのが手間といえます。
またICカードをカードリーダーにかざして打刻し、データはパソコンに保存するという方法もあります。
紙のタイムカードと違い、データをExcelなどに転記しなくていいため便利ですし、インクやタイムカードといった備品のコスト削減、備品管理の手間がなくなるのがメリットです。ただしICカードを携行しなければならず、破損や紛失のトラブルがあるというのはリスクになります。
近年では、生体認証を用いた打刻の方法もあります。生体認証とは、指紋認証や顔認証のことです。
代理で打刻をおこなうなどの不正を防げますし、携行する必要がないため紛失や破損といったリスクもありません。ただし認識に時間がかかったり、まれに認識されないケースも発生したりするため、業種によっては不向きな場合があります。
さらにインターネットでの打刻方法も近年は増えています。
専用の機器を使わず、従業員がそれぞれパソコンや携帯端末を通じてIDやパスワードを入力し、打刻をおこないます。手間やコストもあまりかからないため、導入している企業も多いです。
打刻漏れ・打刻忘れのリスク
打刻の漏れや忘れが常態化しないように注意することが使用者にとっては大切なこと。勤務時間が正しく把握できなくなりますし、不正の温床にもなりうるのです。
この段落では、従業員の打刻漏れや打刻忘れによって、使用者がどのようなリスクを抱えることになるかを説明します。
労務や人事の負担が増える
打刻に不備があった場合、労務担当者が従業員に確認する手間が発生します。打刻忘れから期間が空いてしまうと従業員自身も正確な出退勤時刻を覚えていない可能性もあります。
また長時間残業の見逃しも起きてしまいかねません。状況改善がないまま心身の疲労などを理由に離職されると、人事担当者は退職手続きのほか、異動または新規採用で人員を確保しなければならなくなるため、業務負担が増えてしまうのです。
残業代の未払い請求が起こりうる
労働時間を正確に管理していないと、退職した従業員から残業代の未払い請求をされる可能性もあります。
打刻による勤怠管理をしていなかった事業所において、無許可残業が常態化していた従業員から未払残業代の請求がなされた「ゴムノイナキ事件」は有名です。
一方で就業時間後、会社でパソコンゲームなどをしていたにもかかわらず、打刻どおりに残業代を請求した従業員の訴えを認めた判例もあります。それだけ打刻記録の管理は使用者にとって重要なことなのです。
・参考サイト:労働基準判例検索-全情報
法令違反のおそれがある
労働基準法第108条では、使用者は賃金台帳を作成し、労働日数や労働時間数、時間外労働の時間数などを記載するよう義務付けています。
また同第109条では、タイムカードなどを含めた「労働関係に関する重要な書類」を5年間保存することが定められています。
さらに労働安全衛生法第66条8の3でも、「労働者の労働時間の状況を把握しなければならない」としているのです。
36協定による時間外労働の上限規制に違反すると、6か月以内の懲役または30万円以下の罰金となります。
これらの法令を遵守するためにも、打刻を正確におこない、管理することは大切です。
・参考サイト:時間外労働の上限規制 わかりやすい解説 | 厚生労働省(PDF)
打刻漏れ・打刻忘れを防ぐには?
打刻による勤怠管理が不十分だと、会社に深刻なリスクを招くおそれがあります。訴訟問題ともなれば、企業イメージにも悪い影響を与えることになるでしょう。
そこでこの段落では、授業員の打刻漏れ・打刻忘れがないよう、防止策について詳しく解説します。
打刻ルールの作成と周知
打刻漏れ・打刻忘れを防ぐには、打刻ルールを作成し、運用をスムーズにすることが有効です。
打刻は本人のみがおこなうこと、出勤・退勤時に必ず打刻することなどをルール化します。直行直帰やテレワーク時の打刻ルールや、打刻漏れがあったときの対応も決めておくとよいでしょう。
タイムレコーダーは出入り口付近など打刻忘れが発生しにくい場所に設置。打刻ルールを周知徹底し、習慣化を図ることが重要です。
リマインダーの利用
打刻ルールの導入直後や新入社員がいる場合など、特に打刻忘れが発生しやすいときにはリマインダーが有効となります。
社内チャットツールのbotやカレンダー、タスクなどのアプリで通知するようにしましょう。
退勤時刻前に一斉メールを配信したり、出入り口付近にポスターを貼ったりするなど、打刻をリマインドする取り組みをおこなうことが効果的です。
勤怠管理の重要性を理解してもらう
打刻によって勤怠管理が適正になされることが、長時間労働の抑制と正確で迅速な給与計算につながることを従業員に伝えるようにするのも大切。
理由もなく勤務時間を守れない場合には、就業規則で始末書や減給などの罰則を定めるなどして、従業員に勤怠への意識付けをするのも有効です。
ただし打刻漏れや打刻忘れに対する罰則は定められないため注意しましょう。打刻していないことを理由に、遅刻や欠勤扱いにするのも不可となります。
打刻方法の見直し
打刻が手間になる、業種的に打刻方法が合っていない、といった場合には打刻忘れが発生しやすいもの。
特に専用機器を必要とするタイムカード、ICカード、生体認証などは、外出機会が多い従業員には使いづらいことを理解しましょう。
場合によっては、携帯端末からでも打刻できる勤怠管理システムの導入を検討してもいいかもしれません。
正しく打刻がおこなわれる職場を目指そう
打刻はタイムカードやICカード、生体認証のほか、インターネットを通じておこなう方法があります。
適切な勤怠管理の根幹となるため、打刻に対する従業員の意識を高めることも大切。打刻漏れや打刻忘れが経営リスクにつながることを職場の共通認識にしましょう。
打刻の漏れや忘れがなくなるよう、社内一丸となって取り組むことが重要です。
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