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ソーシャルコマースの種類や利用状況は? Eコマースとの違いも

こんにちは、シングメディア編集部です。

最近よく聞くソーシャルコマースって何だろう、ソーシャルコマースの利用状況はどうなっているんだろう・・・。

そんな「ソーシャルコマースについて知りたいあなた」は必見です。

新しいショッピングの形として話題になっているソーシャルコマース。マーケティングに導入することで、販売促進効果が狙えます。

そこで今回は、「ソーシャルコマースの種類や利用状況、Eコマースとの違い」をご紹介します。

EC×SNS! 「ソーシャルコマース」とは?

ソーシャルコマースとは

ソーシャルコマースとは、SNSやブログ、YouTubeなどの動画共有サイトといったソーシャルメディアとEコマースを組み合わせた販売促進手法のことです。

これまでは友人がSNSやブログなどに投稿した商品を見て「欲しい!」と思った場合、自分でその商品をネット検索したり店舗へ足を運んだりして購入しなければなりませんでした。

しかしソーシャルコマースでは、友人の投稿から直接商品ページへ移動して購入することが可能です。

いちいち自分で商品を検索したり店舗へ足を運んだりする手間がなくなるため、購買に至る可能性が高くなります。

ソーシャルメディアではサイトに支払い情報を登録しておけば、そこから決済も行えますから、支払いもスムーズです。

またソーシャルメディアではユーザーの行動がログとして残ることにより、運営者はユーザーの興味関心・嗜好を理解しやすくなったと言えます。

従来のEコマース(ECサイト)とソーシャルコマースの違い

Eコマース(ECサイト)とソーシャルコマースの違いは?

ソーシャルコマースと従来のEコマース(EC)ではどんな点が違うのか、見ていきましょう。

商品を見てから購入に至るまでのプロセスの違い

従来は友人やモデル、タレントなどがSNSなどで商品を投稿していても、それを見て商品を投稿からダイレクトに購入するということはできませんでした。

投稿を見たユーザーが「これ欲しい!」と思ったら、商品名などで調べて商品を販売しているサイトで購入する、実店舗で購入するという流れが一般的だったのです。

つまりコンテンツと売上がつながっていないという状態ですね。

それに対してソーシャルコマースでは、商品についての投稿からダイレクトにその商品ページへ移動することが可能になっています。

友人が「この商品使ってみたらすごく良かった!」などと口コミを投稿したら、その投稿からそのまま商品を購入できるようになったということです。

これはコンテンツと売上がつながっている状態と言えます。

このようにユーザーが商品を見て気に入り、購入に至るまでのプロセスがまず異なるのです。

マーケティング方法の違い

従来のEコマースやネット広告では、商品の情報をユーザー(消費者)へ一方的に伝えてアピールするマーケティング方法でした。

ユーザーが商品について疑問点を持ったり、もっと詳しく知りたいと思った場合、ユーザーが自ら調べたり企業へコンタクトをとったりする手間と時間がかかっていたのです。

一方ソーシャルコマースは、ユーザーと双方向のコミュニケーションが可能になります。

ユーザーの口コミや疑問に関する投稿などへ返信することで、コミュニケーションがとれるのです。

ユーザーと活発に交流することで、これまで以上に多くの人へ情報を波及させるという効果にも期待ができます。

購入経験はある? ソーシャルコマースの利用状況

ソーシャルコマースの利用状況

2016年にトレンダーズ株式会社が10代~40代の女性829名を対象に、「女性のSNS利用と消費行動に関する調査」を実施。

調査の中で「SNSの投稿を見てインターネットで商品を購入したことはありますか?」と質問したところ、「購入したことがある」と回答した人の割合は、インフルエンサー型で63.2%、フォロワー型で46.1%だったということです。

この結果から、約半数の人がSNSから商品を購入した経験があるということがわかりました。

女性をターゲットとするファッションや美容系のショップにとって、これは見逃せない結果と言えるでしょう。

参考:トレンダーズ、女性のSNS利用と消費行動に関する調査を実施|トレンダーズ株式会社

またソーシャルコマースが特に盛り上がっているのが中国や東南アジア。

東南アジアでは消費者の80%がソーシャルメディアを使って商品をリサーチしているとのこと。

しかも2016年における東南アジアのオンライン販売のうち、ソーシャルメディアを経由して購入された割合は30%だと言います。

なぜこんなに東南アジアでソーシャルコマースが成長しているのかというと、その背景には南アジアでパソコンが普及していないことが挙げられます。

ほとんどの消費者がスマートフォンでインターネットを利用していることから、アプリが主流となっているソーシャルメディアの利用も活発になったと言えそうです。

その一方でアメリカでのソーシャルメディアを利用した商品の購入割合はわずか7%。

ただしInstagramやSnapchatがソーシャルコマースに参入したことで、今後は東南アジアや中国だけでなく、日本や欧米でもショーシャルコマース市場は成長していくことが予想されています。

なお中国では特にライブストリーミングアプリが急成長しており、大きな盛り上がりを見せています。

ライブストリーミング上にソーシャルアカウントを記載することによって、そこから商品の注文ができる仕組みです。

日本でもライブストリーミングによる販売促進(ライブコマース)は注目されており、今後市場が伸びていくことが期待されています。

ライブコマースについては下記の記事で詳しくご紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

ライブコマースサービス・アプリ9選! 市場動向や事例、 優れた点は?

ソーシャルコマースの優れた点は?

ソーシャルコマースの優れた点

ソーシャルコマースの優れた点としては、社会的要素と利便性が挙げられます。

まず社会的要素についてですが、従来のEコマースでは商品の検索から購入まですべてにおいてユーザーが能動的に一人で行うものでした。そこには対人とのやり取りが発生しません。

しかしソーシャルコマースでは、自分がフォローしているインフルエンサーや企業、友人などによる投稿を受動的に目にすることによって「これいいな」と思う商品を見つけます。

そこで必要であればコミュニケーションを取り合うことも可能です。

また企業ではなく個人である友人やインフルエンサーが紹介している商品ということで、商品に対する信頼度や印象もアップします。

そうした人との関わり合いの中で商品を購入できるソーシャルコマースには、従来のEコマースにはない社会的要素が補われているのです。

企業としてもソーシャルメディアを利用し、ユーザーと直接的な接点を持つ場を増やすことにより商品を効果的にアピールし、購入してもらいやすくなると言えます。

もう一つ利便性についてですが、これは先述している通りソーシャルコマースでは企業や個人の投稿からダイレクトに商品を購入することができるということです。

投稿から商品ページへダイレクトに遷移できることに加え、ソーシャルメディア上で決済方法を登録しておけばすぐに決済も行えます。

ユーザーは商品を見て「これ欲しい」と思ったタイミングでスムーズに購入することができるため、利便性が高いのです。

企業としても、ユーザーが商品を発見してから購入に至るまでの間で離脱してしまうということが防げるというメリットがあります。

ソーシャルコマースの注意点は?

ソーシャルコマースの注意点

ソーシャルコマースで注意したいことは、売上が上がるまでにある程度の時間がかかるという点です。

ソーシャルコマースを成功させるためには、SNSのフォロワーを獲得するための施策として情報発信をおこなうために投稿を頻繁にしたり、認知度を向上させるために広告出稿をしたりといったことが必要になります。

SNSだけでなく、自社のECサイトや大手ECサイトなども活用してソーシャルコマースへの取り組みについて知ってもらう施策をおこなうことも大切です。

それらの施策でソーシャルコマースという販売手法を認知してもらわないといけないため、時間が必要になります。

またソーシャルコマースは、情報を更新するための作業が増えるという点にも注意が必要です。

商品やブランドについての情報発信をこまめにおこなうことが必要ですが、その際には質の高い動画や写真といったものも必要になり、投稿を1回おこなうのにも多くの作業が発生することになります。

さらにSNSの規約変更などに影響を受ける可能性があるというのもソーシャルコマースの注意点です。

それぞれのSNSによって規約やアルゴリズムの変更があったりトラブルがあったりしたときに影響を受け、訪問者数が減ってしまうなどの可能性もあります。

ソーシャルコマースの種類7つ

ソーシャルコマースの種類

ソーシャルコマースの種類は次の7つに分類されます。

  1. C2Cタイプ
  2. ソーシャルメディアタイプ
  3. グループタイプ
  4. レコメンドタイプ
  5. ユーザーキュレーションタイプ
  6. ユーザー参加タイプ
  7. O2Oタイプ

それぞれどう違うのか、特徴を見ていきましょう。

1. C2Cタイプ

C2Cとは「Consumer to Consumer」のことで、個人と個人がコミュニケーションを取りながら売買を行うマーケットサイトを指します。

具体的なサイトだと、eBayやAmazon Market Place、メルカリなどがこれに該当します。

2. ソーシャルメディアタイプ

ソーシャルメディアタイプは、TwitterやFacebook、Pinterest、Instagramなどといった既存のソーシャルメディアを利用して、他ユーザーのシェアなどをもとに取引を行います。

3. グループタイプ

グループタイプは、企業側が希望人数などの条件を指定し、他のユーザーと協力し合って商品の購入申し込みを行い、指定条件を達成できれば商品の割引を適用して購入できるサイトです。

企業側は顧客を一定数以上獲得することによって割引をしたとしても売り上げが確保されるという仕組みになっています。

具体的にはGrouponやLivingSocialなどがこれに該当します。

4. レコメンドタイプ

レコメンドタイプは、Amazonのレコメンデーション機能やレビューといった、ユーザーと同じ趣向を持つ他ユーザーが購入した商品やサービスに対する評価・評判を参考にして取引を行うサイトです。

サイトによっては、ソーシャルメディアを使って商品・サービスをシェアしたユーザーに特典を付与するところもあります。

レコメンドタイプに該当するのは、AmazonやYelpなどです。

5. ユーザーキュレーションタイプ

ユーザーキュレーションタイプは、ユーザーがそれぞれで作成したショッピングリストをサイト上でシェア。それをもとにして取引を行うサイトを指します。

具体的には、The Fancy、Lyst、Svpplyなどがこれに該当します。

6. ユーザー参加タイプ

ユーザー参加タイプは、商品やサービスについてのプレゼンテーションをもとに、ユーザーが共感したら投票やファンディングを行って、商品・サービスの制作に携わることができるというクラウドファンディングサイトを指します。

具体的には、ThreadlessやKickstarter、CutOnYourBiasなどがこれに該当します。

7. O2Oタイプ

O2Oとは「Online to Offline」のことで、ネット上からネット以外の場での行動を促すという意味。

ユーザーが実店舗で商品やサービスを購入しようとする際に、ネット上で友人や他のユーザーに相談したり意見を交換したりすることができるサイトを指します。

具体的にはMotiloやFashismなどがこれに該当します。

ソーシャルコマースにおすすめのSNS6選

ソーシャルコマースにおすすめのSNS

ソーシャルコマースを実施するのにおすすめのSNSを6つご紹介します。

1. Facebook

Facebook内では企業がショッピングページを作成することができ、広告掲載を行ったり、やカタログ配信をしたり、ユーザーとメッセンジャーで直接コミュニケーションを取ることも可能です。

また支払情報を事前登録すれば、ユーザーはワンクリック決済ができるという利便性もあります。

Facebook上で自社サイトばりのショップページを開設できるという点が好評で、ソーシャルコマースを利用する企業が年々増えています。

2. Instagram

写真に特化したSNSであるInstagramは、2015年6月からInstagram広告に「Shop now」ボタンや「Install」ボタンを導入。

企業がこのボタンをInstagram広告に設置することで、広告を見たユーザーが商品やサービスをそのまま購入できるようになりました。

ユーザーはアプリ上から写真を見て、気に入ればそのまま購入できるようになったため、利便性が向上。

企業はビジュアルコンテンツから直接販売につなげられるようになったことで、特にアパレルブランドなどにとっては大きなメリットとなるでしょう。

3. Pinterest

画像収集サービスサイトであるPinterestは、2015年からアプリ上で商品を購入できるショッピング機能「Buyable Pins」を導入。

ユーザーは気に入った商品があれば、その画像をクリックすれば商品販売ページへと遷移し購入することができます。

アメリカではTwitterと並ぶほどのユーザー誘導率を誇っているPinterest。日本では楽天モールの店舗にPinterestサイトへ商品をワンクリックで追加できる機能「Pinボタン」を設置しています。

4. Snapchat

Snapchatは2016年からサイト上に掲載した広告から直接商品購入に進むことができる「Deep Linking Ads」をテスト中。

またユーザーが支払い情報を事前登録しておくことができる「Auto-fill」システムについてもテスト中です。

この2つの機能を利用できれば、ワンスワイプで簡単に商品を購入できるようになり、注目されています。

5. Sumally

「モノの百貨店」と呼ばれて人気を集めているSumallyは、EC面にも力を入れており、自分の持っている商品を出品することも可能。

世界中の人と個人間で売買マッチングを行うことができます。

自分が欲しい商品が出品されたり値下げされたりしたら通知が届くという機能も搭載し、ユーザーがそれぞれ欲しい商品を買い逃さないような仕組みになっています。

6. FANCY

アメリカで生まれ、多くのセレブに利用されている画像共有型SNSサービスであるFANCYは、2013年に日本へ上陸。

Facebookで言うところの「いいね!」ボタンと同じ意味を持つ「Fancy」ボタンを搭載しており、ユーザーは自分のお気に入りアイテムのリストやカタログを作成することが可能です。

他ユーザーが作成したリストやカタログの画像やコメントを見て商品を気に入ったら、すぐに購入することもできます。

ソーシャルコマースを活用すべきタイミングは?

ソーシャルコマースを活用すべきタイミング

ソーシャルコマースに興味はあるけれど、実際に活用すべきなのかどうか見極めが難しいというケースもあるでしょう。

そんなときには、次の3つのタイミングでソーシャルコマースを活用してみるのがおすすめです。

1つめのタイミングは、若年層を取り込みたいとき。ソーシャルコマースは購入までの導線がスムーズで若年層との親和性が高いためです。

2つめのタイミングは、新しいチャネルを開拓したいとき。既存のチャンネル以外にも新たなチャンネルを増やしたいというときに活用を検討してみましょう。

3つめのタイミングは、従来のEC施策に限界を感じるときです。ソーシャルコマースでは従来の一方的なコミュニケーションではなく双方向のコミュニケーションが可能なため、販売促進につながったり、新たな顧客を取り込めたりする可能性があります。

ソーシャルコマースの企業活用事例

ソーシャルコマースの企業活用事例

企業がソーシャルコマースをどのように活用しているのか、3社の活用事例を見ていきましょう。

バルミューダ

家電機器メーカーである『バルミューダ』は、InstagramやTwitterにて自社製品がどんなふうに生活の中に溶け込んでいるのかを伝える投稿を多くおこなっています。

投稿でユーザーが気になるものがあった際、そこから直接ECサイトの製品ページへアクセスできるようになっており、販売機会の創出にうまく貢献しています。

ルイ・ヴィトン

高級ファッションブランドの『ルイ・ヴィトン』は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために世界中で外出が制限された2020年に、ライブストリーミングでキャンペーンを実施。

ユーザーの関心を引くことに成功し、再生回数は15万回以上にもなり、新たな購入体験を提供しました。

グラフィット

原動機付自転車を販売するメーカーである『グラフィット』は、Facebookなどで情報発信を積極的に実施。

SNSで自社製品がライフスタイルをどう変えてくれるのかを伝えたり、ショップページを設けてユーザーからの質問に丁寧に対応したりして、多くのファンを獲得することに成功しました。結果、資金集めと目標の予約注文数の達成につながっています。

まとめ

「ソーシャルコマースについて知りたい」という方のために、ソーシャルコマースの種類や利用状況、Eコマースとの違いをご紹介してきましたが、いかがでしたか?

ソーシャルコマースは企業や他のユーザーとつながりながらスムーズに欲しい商品を購入できるという点でユーザーから人気を得ており、販売促進に大きく貢献しています。

日本ではまだ中国や東南アジアほどの盛況ぶりは見せていませんが、今後どんどんソーシャルコマースを導入する企業が増えていくことも予想されており、注目度の高い販売手法と言えるでしょう。

ソーシャルメディアをマーケティングに活かしていきたいと考えている企業のWeb担当者は、今のうちにソーシャルコマースについての理解を深め、導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。