会計・バックオフィス

与信と与信管理とは? 与信の意味と重要性をわかりやすく解説

こんにちは、バックオフィス業務サポートサービス「AIBOW」編集部です。

「与信」という言葉は、銀行の融資やクレジットカードについて調べていると目にすることがある言葉。企業同士の取引でも与信は重要な意味を持っており、与信管理で経営リスクを抑えれば、安定的な事業継続につながります。

しかし中には、与信の正確な意味や重要性を知らず、与信が会社経営にどのように影響するのかが理解できていないという方もいるでしょう。

そこで今回は、「与信や与信管理の意味と重要性」について、わかりやすく解説していきます。

与信とは何か

与信とは

与信は、「信を与える」と書くことからもわかるように、自身の信用を相手に供与することを指します。

まずは与信についての理解を深めるために、企業取引において与信が何を意味するのか、なぜ重要なのかをわかりやすく説明していきましょう。

与信の意味

ビジネスにおいて商品やサービスを先に提供して代金を後から回収する場合、商品の代金を回収するまで顧客に対して「信用を供与する」ことになりますが、これを「与信」といいます。

金融機関なら融資から返済完了まで、製造業なら製品を納品してから代金回収が終わるまで、サービス業ならサービスを提供してから支払いが済むまでの間に、与信が発生していることになるのです。

普段あまり意識していないかもしれませんが、ビジネス上では多くの企業において常に与信が発生していることになります。

そしてこのように与信が発生する取引を、「与信取引」または「信用取引」といいます。

映像・デザイン制作会社においては、コンテンツを納品した後に売掛金が生じた場合が与信取引です。

実際に金銭の受け取りが完了するまでは、相手を信用して待つことになるため、「信用の上に成り立っている取引」ということになります。

企業同士の取引ではその場で金銭のやり取りをおこなうわけではなく、掛売り(代金の後払い)が多くおこなわれているため、経営リスクを抱えないためにも、与信についてしっかり理解しておくことが大切です。

与信の重要性

映像・デザイン業界だけでなく、あらゆるビジネスにおいて与信は重要な役割を果たしています。

商品やサービスを提供した際、その場で現金取引をおこなうという方法もありますが、取引が継続的、あるいは頻繁におこなわれるとき、現金取引を毎回していては面倒で煩雑になります。

そこで掛売り、すなわち与信取引がおこなわれることになり、そのおかげで取引がスムーズになるのです。

取引がスムーズになる一方で、その場で代金が支払われない取引は企業にとってリスクにもなります。

たとえば取引先の資金不足や倒産などが起きてしまうと、資金が回収できなくなる恐れがあるのです。資金回収ができなくなれば、中小企業の場合、経営にも影響が出てしまう可能性も否定できません。

そしてこのように取引先が代金を支払えなくなる=債務を履行できなくなるリスクを、「信用リスク」または「デフォルトリスク」といいます。

与信取引をおこなう場合は、この信用リスクに注意しなければなりません。

金融機関や証券会社は、顧客の「3C」すなわち「Capacity(返済能力)」「Character(返済資質)」「Capital(返済担保)」から与信を評価し、融資をおこなっています。当然ですが、誰にでも融資をおこなうわけではないのです。

与信管理とは何か

与信管理とは

与信には代金が回収できないリスクがともなうと先述しましたが、そのリスクを避けるためにも大切になるのが与信管理。

与信取引、つまり掛売りが多くなると売掛金が増大し、回収不可になれば黒字であっても経営危機を招くため、「与信管理」が必要になるのです。

そこでこの段落では、与信管理の意味や重要性を詳しく解説し、与信管理の方法を紹介していきます。

与信管理の意味

与信管理とは、売掛金が発生している取引先から代金が回収できなくなるリスクを減らすために対策をとる行為のことです。

ビジネス上、売掛金が増えていくのは仕方のないことですが、代金が回収できなくなるリスクを軽減するためには、取引先の経営状況に応じて取引額あるいは取引そのものの可否を判断することが大切になります。

具体的には、経営状況がよい会社や資本力のある会社に対しては、取引額(信用枠)を大きくし、そうでない会社の取引額を小さくする、もしくは取引をしないといった対応をおこないます。

一般に企業の与信管理においては、売掛金の発生先のほかにも仕入先や外注先、下請先など、さまざまな取引先の信用を扱うことになり、一度きりではなく定期的な見直しも必要です。

なお与信管理を適正におこなうには、資料を入手して分析することで取引先との信用取引が可能か否かを決定する与信調査が必要となります。

与信管理の重要性

与信が企業間取引と切り離せないものである以上、与信管理の重要性を認識しておかなければなりません。

なぜなら取引先の倒産などによって売掛金が回収できない事態に陥ると、自社の仕入れや経費の支払いが厳しくなってしまうからです。

未回収分の資金をほかから調達できなければ、連鎖倒産が起こるリスクまであるため注意が必要となります。

また売掛金の未回収があることによって、他社の与信管理ができていないとみなされ、取引先が減ってしまうという恐れもあります。

「たったそれだけで?」と思うかもしれませんが、企業にとって信頼はとても重要なもの。信頼の上に商売が成り立っていると言っても過言ではないのです。

1件の未回収が発生するだけでも、取り戻すのは非常に大変。営業利益率が2%だとすると、500万円の売上につき10万円の営業利益となります。この売上が回収できず貸倒損失が500万円発生すると、回収には新規の売上が2億5000万円必要になるという計算に。

このことからも、与信管理がいかに重要なものかがわかるでしょう。

与信管理の方法

与信管理をするには、まず与信調査をおこないます。与信取引の前に取引先の与信調査をおこなうことにより、リスクが回避できるのです。

与信調査は以下のような方法で実施します。

・内部調査:取引先が公表するデータを元に自社で調査する
・直接調査:取引先に訪問して与信調査する
・外部調査:第三者期間のデータベースから取引先の経営状況を把握する

数値データを見るだけでなく、取引先と接触機会が多い営業担当から社長の性格や金銭感覚、社風などをヒアリングすることも重要です。

これらの与信調査を元に与信限度額を設定し、それを超える取引を原則としておこなわないことがリスク回避には有効となります。

なお与信限度額の設定には、自社の売上債権を基準にして算出する方法や、取引先の仕入れ債務を基準に算出する方法があります。

与信と与信管理を理解して安定経営を目指そう

与信と与信管理を理解して安定経営を目指そう

映像・デザイン制作をおこなう会社も含め、企業間取引の多くは与信取引となります。経営リスクを抑えるためにも、与信および与信管理の意味と重要性を理解しておかなければなりません。

経理業務がおろそかになると与信管理にも影響が出かねないため、経理業務もしっかりおこなうことが大切です。

しかし小さな映像制作会社・デザイン制作会社などでは、経理業務がついおろそかになっているというケースも。そこでおすすめなのが「AIBOW」です。

「AIBOW」では映像プロダクションに特化したバックオフィスサポートをおこなっています。

経理の煩わしさのためにクリエイティブ業務に専念できていないという場合は、ぜひ「AIBOW」にお問い合わせください。


映像業界のニュースタンダードを一緒につくりませんか?

THINGMEDIAでは、パーパスを「常に夢中を創造する挑戦者でいよう」と掲げ、「2025年までに、映像制作業界の仕組みと働き方のニュースタンダードを作る」ことを目指しています。

会社の成長とメンバーを支えるために最重要な、「THINGMEDIAのインフラ」を共につくれる仲間を募集しています。

現在THINGMEDIAコーポレート部では、「経営企画・事業企画」「経理事務・財務アシスタント」を募集しています。

もし私たちと一緒にチャレンジしたいと思われた方は、ぜひ弊社の求人ページをご覧ください。あなたのご応募をお待ちしております。

※人事理念については、以下をご覧ください。
「はぐれ者たちを、ヒーローに。」人事理念に込めた想いと、シングメディアの描く未来

WRITTEN BY
THINGMEDIAコーポレート編集部

映像プロダクションのTHINGMEDIA株式会社で会計・経理の経験を積んだメンバー構成しています。クリエイティブ会社の運営で得たバックオフィスの知見をお伝えしていきます。