会計・バックオフィス

公休を理解しよう! 有給休暇との違いや会社が休日出勤で考慮すべきこと

こんにちは、バックオフィス業務サポートサービス「AIBOW」編集部です。

事業者・経営者は、従業員にさまざまな休みを与える必要があります。公休もそのひとつですが、ほかの休みとの違いをしっかりと理解できているでしょうか?

中には公休に関する知識が乏しく、ほかの休暇との違いを正しく把握していない方もいるかもしれません。

そこで今回は、「公休の基礎知識や法定休日、有給休暇、特別休暇との違い」を詳しく解説します。

公休とは

公休とはなにか

公休は「公(おおやけ)の休み」という字面ですが、具体的にはどんな休みを指す言葉なのでしょうか? 法律も関係してくるため、正確に意味を理解しておきたいところです。

そこでまずはこの段落で、公休の基礎知識について詳しく解説していきます。

公休の定義

公休とは、「会社が従業員に与える労働義務のない休日」のことです。

具体的には、労働基準法35条で定める「法定休日」と、企業が自由に設定する「所定休日(法定外休日)」の両方を指す休日のこととなります。

「週休二日制」で与えられる休日を「公休」とも言い替えられます。

公休は労働義務がないため給与が発生しないのもポイント。また法定休日も所定休日も何曜日でないといけないという決まりがないため、会社ごとの規定で付与が可能です。

公休の最低日数

公休を設定する際は、労働基準法の35条で定められている最低日数を守るよう注意しなければなりません。

年間の最低公休日数は、1日8時間労働の企業で105日となります。これは労働基準法で「週に1回または4週に4回の法定休日」と「1日8時間かつ週40時間までの労働時間」が規定されているためです。

ただし実際には週休二日制を導入している企業が多く、ほかにも祝日や長期休暇などを合わせると、日本の年間平均公休日数は120日程度となっています。

公休扱いの意味

「公休扱い」という言葉も見聞きしたことがあると思いますが、これは本来勤務すべきであった日に休んだとき、欠勤とせずに公休として勤怠処理することを指します。

公休として扱うため賃金は発生しませんが、欠勤とならないため昇給や人事評価などに影響もありません。

公休扱いになるのは主に冠婚葬祭で会社を休む場合ですが、これらのケースでは公休扱いとせずに有給休暇や特別休暇で処理する場合もあります。なおどういう扱いにするかは各企業に任されています。

公休の繰越はできる?

公休を年度内に消化することができなかった場合、有給休暇のように翌年へ繰り越すことはできるのでしょうか?

結論から言うと、未消化の公休を翌年に繰り越すことはできません。そのため公休は年度内に消化する必要があります。

公休日に出勤した社員に振替休日を与える場合も翌年に繰り越しはできません。年度内に消化する必要があるため日数の管理には注意しましょう。

パート・アルバイトにも公休が適用される?

正社員や契約社員だけでなく、1日の労働時間が短いパート・アルバイトでも公休を考慮しなくてはならないケースがあります。

公休に含まれる法定休日は、雇用形態にかかわらず「従業員に最低週1日以上、あるいは4週間を通じて合計4日以上の休日を与えること」と定められているためです。

週に1日しか出勤しないといった場合は特に考慮しなくても大丈夫ですが、出勤日数が多いパート・アルバイトを雇っている場合は注意しなければなりません。

公休とほかの休日の違い

公休とほかの休日の違い

公休以外にも、会社が従業員に与える休日として、法定休日や有給休暇、特別休暇といったものがあります。同じ休みをとらせるにしても、公休か法定休日か、あるいは有給休暇か特別休暇かで対応や処理が変わってくるため、その違いを認識しておく必要があります。

そこでこの段落では、公休とほかの休みの違いについてそれぞれ詳しく説明します。

公休と法定休日の違い

先述したように法定休日は公休に含まれますが、定義は異なります。

法定休日は、労働基準法35条に定められた週1回以上または4週4回以上の休日のことです。

労基法の第35条を簡単に要約すると、「企業は従業員に毎週最低1回の休日を与えなければならない」としており、その規定は「4週間を通して4日以上の休日を付与している企業には適用しない」としています。

公休はこの法定休日に、企業が定めた所定休日も合わせた休みとなります。

・参考サイト:労働基準法 | e-Gov法令検索

公休と有給休暇の違い

年次有給休暇(年休)は、労働基準法の第39条で定められた休日のことです。

第39条では、簡単に言うと、「企業は雇い入れた日から起算して6か月間継続勤務かつ全労働日の8割以上出勤した従業員に、継続または分割した10日の有給休暇を与えなければならない」としています。

有給休暇は労働者に認められた労働を休む権利であり、自由に休む日を設定できることに加え、賃金も発生するのが特徴です。

・参考サイト:労働基準法 | e-Gov法令検索

公休と特別休暇の違い

特別休暇(特休)は、企業が従業員に対して福利厚生の一環として与える休日のことです。

公休とは別に与えられる休日で、たとえばリフレッシュ休暇やボランティア休暇、慶弔休暇といった名目で設定されます。

企業によって特別休暇の扱いは異なり、日数や取得の条件なども各企業で決められているのが特徴です。

公休日に出勤する従業員への対応

公休日に出勤する従業員への対応

公休日に社員を出勤させるとき、正しい対応の仕方を把握しているでしょうか?

割増賃金を払う、代わりの休みを与えるといった対応が必要ですが、それぞれに細かいルールがあるので知っておかなければなりません。また36協定の締結も必要です。

この段落では、公休出勤(休日出勤)の従業員への対応を詳しく紹介します。

割増賃金を支払うケース

公休に従業員を出勤させた場合には割増賃金を支払わなければならないケースがあり、割増賃金は法定休日と所定休日で異なるため注意が必要です。

公休のうち、法定休日に出勤した場合は135%割増の休日手当(休日の労働時間×1.35)を支払う必要があります。

一方、公休のうち所定休日に出勤した場合は直ちに割増料金となるわけではありませんが、週40時間の労働時間を超えると125%の割増賃金(超過労働時間×1.25)を支払う必要があります。

代休や振替休日を付与するケース

公休に従業員を出勤させた場合には、代わりの休みを与えるのが原則となっており、代休と振替休日とでは、発生する休日割増賃金が異なります。

休日出勤後に後から休日を与える「代休」の場合では、割増賃金を支払う必要があり、休みで相殺しても35%の割増賃金を支払わなければなりません。

一方、あらかじめ勤務日と休日を入れ替える「振替休日」では、休日手当は発生しません。ただし週の勤務時間が40時間を超えてしまった場合は、割増賃金(相殺して25%)を支払う必要があります。

公休を正しく知って適切に運用しよう

公休を正しく知って適切に運用しよう

改めて公休は、会社が定める「労働義務がない休日」であり、法定休日と所定休日を合わせた休日のことをいいます。ご紹介してきた通り有給休暇や特別休暇とは異なるため、その違いを把握しておきましょう。

また公休の出勤がある場合は決められた割増賃金を支払う、代休や振替休日を付与するといったことを徹底しなければなりません。労働基準法違反にならないよう十分に注意し、公休を適切に運用していきましょう。


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WRITTEN BY
THINGMEDIAコーポレート編集部

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