映像制作

テロップとは? テレビや動画での役割や効果、作り方を紹介

こんにちは、シングメディア編集部です。

テレビや動画のテロップにはどんな役割があるんだろう、テロップはどうやって作るんだろう・・・。

そんな「テロップについて知りたいあなた」は必見です。

今や、あるのが当たり前というほどテレビや動画でよく目にするテロップ。普段はあまり意識していなくても、実はテロップにはさまざまな役割や効果があるのです。

そこで今回は、「テレビや動画でのテロップの役割や効果、作り方」をご紹介します。

「テロップ」とは?

テロップとは何か

テロップとは、テレビカメラを通さずにテレビ画面や動画画面上に映し出された文字情報のことを指します。

文字情報だけでなく画像や絵もテロップに含まれると言われていますが、文字情報のことを指してテロップと言われることが一般的です。

たとえばテレビ画面上に表示される地震や警報などの緊急情報、選挙結果やニュースなどの速報、番組出演者のコメント、状況説明、インタビューの会話、音楽番組で流れる歌詞などがテロップに当たります。テレビを見ていれば、みなさんも日常的に目にしているでしょう。

そんなテロップの語源は、「television opaque projector(テレビジョン・オペーク・プロジェクター)」という英語の略語から来ています。日本語にすると、「テレビ投射映写機」です。

これはテレビ画面に文字や画像などをカメラを通さず映し出すための送信装置のことで、もともとアメリカの放送局であるCBSと、GRAY社が共同開発した商標でした。

その送信装置自体を指してテロップと呼んでいましたが、現在ではこの送信装置は使われておらず、テロップはデジタル編集で作られるようになっており、文字情報のみがテロップと呼ばれています。

「テロップ」と「スーパー」の違いは?

テロップとスーパーの違い

テロップと似た意味で用いられるのが、字幕スーパーという言葉でおなじみの「スーパー」です。

テロップもスーパーもテレビカメラを通さずに映し出される文字情報などの画像であるという意味では同じですが、それぞれ言葉の成り立ちが異なります。

スーパーは英語の「superimpose(スーパーインポーズ)」から来た言葉で、「重ねる」という意味があります。

背景の画像に文字を重ねて表示する技法のことで、テレビや映画などの映像の下部やサイドに表示される文字や字幕などのことを指して、スーパーと呼びます。

一方、テロップは先述したように、「テレビジョン・オペーク・プロジェクター」という送信装置から来た言葉です。

意味合いとしてはどちらも背景の画像に重ね合わせて映し出される文字などのことを言うので、視聴者から見れば同じものですが、スーパーは技法から派生した言葉、テロップは装置から派生した言葉という違いがあります

その他のテロップの類語は?

テロップの類語

「スーパー」以外にもテロップと同じような意味で使われている類義語はあります。

たとえば「キャプション」。キャプションは印刷物や文書の写真や挿絵に添えられた説明文、見出し、そして映画など映像作品における会話や行動を説明する字幕を指す言葉です。

またテレビや映画などの映像作品で画面上に表示される文字情報である「字幕」もテロップの類義語。

映画などの映像作品で、聴覚障碍者のために物音などを表現する字幕を指す「サブタイトル」もテロップの類義語となります。

テロップの役割や効果

テロップの役割・効果

今やテレビや動画で見ない日はないというくらい、多く使われているテロップ。

そんなテロップにはどのような役割や効果があるのか見ていきましょう。

1. 映像のデメリットを補う

テロップの役割の一つに、映像のデメリットを補うと言うことが挙げられます。

映像は本や雑誌などと異なり、一過性のものです。出演者のコメントや説明などの音声は耳で聞き取るしかなく、一瞬で過ぎ去ってしまうため、聞き逃してしまうこともあります。

そんなときに役立つのがテロップ。たとえ音声を聞き逃してしまったとしても、テロップで大事なコメントや説明が表示されることにより、文字でその内容を確認できるのです。

また聞き逃さなかったとしても、大切なコメントや内容を映像に加えてテロップの文字情報で確認することにより、記憶に残りやすくなるという効果もあります。

2. 映像や音声だけで伝えきれない情報を補う

商品やサービスの説明などで、映像や音声による説明だけでは十分に情報が伝えきれないというときにも、テロップは役立ちます。

映像・音声だけで表現するには時間が足りないというとき、テロップの文字で情報をプラスしてあげると、丁寧な説明が可能に。

テロップで視聴者により多くの情報をわかりやすく伝えることができ、理解を深めてもらいやすくなります。

3. 映像の雰囲気を華やかにできる

バラエティ番組などでよく用いられるのが、カラフルな色とポップなフォント(字体)のテロップ。

このようにテロップの文字の色やデザインを明るいものに指定することで、映像の雰囲気を明るく華やかに見せることができるという効果もあります。

たとえば芸人さんのするどいツッコミや、面白い発言などを大きな文字のテロップでポンポンとテンポ良く表示したり、コーナータイトルをポップなテロップで表示したりすることで、番組の雰囲気がより華やかで面白く感じられるのです。

4. 耳の不自由な人にもわかりやすい

テロップは耳の不自由な人にも情報をわかりやすく伝えられるという効果があります。

映像を見ているだけではわかりずらい状況説明や、大事なコメント、ニュースの要点などをテロップにすることで、耳が不自由な人でも内容をしっかり理解することが可能になるのです。

5. 誤った情報が伝わることを防げる

テレビ番組で時々見かけるのが、出演者が言い間違えた言葉も間違っていないかのように正しい言葉になって表示されているテロップ。

このテロップのおかげで、言い間違いをしても間違っていないように見せることができる上、視聴者に誤った情報が伝わるのを防ぐ効果もあります。

カメラの前で緊張してしまい、うまく話せなかった場合にも、要点をまとめたテロップが流れることで、視聴者には正しい情報が簡潔に伝わるのです。

またあえて出演者の言葉の間違いを指摘して、正しい言葉を表示したり、その言葉の意味を解説したりするテロップもあります。

これもまた視聴者に誤った情報が伝わることを防ぎ、正しい情報を教えてくれるというテロップの効果が発揮されている例です。

6. いち早く伝えたい重要な情報を伝える

番組中でも急に流れる、緊急地震速報や大雨・洪水警報の発令、日本中が注目するような大きな事件・事故の速報、選挙情報などのテロップ。

これらは視聴者が今見ている番組から目を離してでも見てほしい重要な情報を伝えるときに流れるテロップです。

こういった情報を視聴者にいち早く伝えるのも、テロップの大事な役割と言えます。

効果的なテロップの作り方

テロップの作り方

さまざまな役割・効果を持つテロップですが、それらをしっかり活かすためにはテロップ作りで意識すべきポイントがあります。

では効果的なテロップを作るにはどうしたらいいのか見ていきましょう。

1. 誤字脱字や表現に気を付ける

テロップを作るときに気を付けなければならないのが、放送規定にのっとっているか、誤字脱字はないか、間違った表現になっていないかという点です。

特にテレビは公共の電波に乗せて放送されるものですから、信頼性が重要になります。間違った情報や誤字脱字のあるテロップを流すのはNG。

また出演者が間違った言葉遣いをしていたとしても、それをそのままテロップにしてはダメ。正しい言葉遣いに訂正してテロップを作成しましょう。

よくあるのが「食べれる」「着れる」のような、ら抜き言葉。しゃべっているときは多くの人がら抜き言葉になりがちですが、これをテロップにするときには、「食べられる」「着られる」というように正すのがルールです。

2. 映像とマッチするよう表示時間に注意する

テロップが映像とマッチしていないと、視聴者に違和感を与えてしまいます。

そのためテロップを表示する時間には注意が必要。長すぎたり短すぎたりしないよう、場面ごとにピッタリ収まるようテロップを入れましょう。

3. 映像の反対色で作る

テロップを映像に重ねたとき、映像と文字が同系色だと見えずらいですし、目立たせようとただ派手な色にするだけでは、派手な映像と合わさったときにくすんでしまいます。

そうならないようにするためには、テロップは映像と反対色で作ること。反対色で作るとうまく引き立ちます。

たとえば夜の真っ暗な映像なら、テロップは白に。青い海の映像なら、テロップは黄色にという具合です。

またテロップの外枠に色をつければ、さらに目立たせることも可能です。

4. 映像に合った適切な文字サイズにする

テロップ作りでは文字サイズにも注意が必要です。目立たせたいからといって大きい文字サイズでテロップを作っても、映像の邪魔になり、逆効果になってしまうことも。

また小さい文字サイズでテロップを作っても視聴者に認識されないという恐れがあります。

そのため映像に合った適切な文字サイズのテロップを作ることが大事。文字サイズをいろいろ変えて調整し、ベストなサイズを見つけましょう。

テロップを目立たせたい場合は、文字の大きさを意識しながら文字に装飾を施すのがおすすめです。

5. 音声とは異なる内容をテロップにして注目させる

テロップの王道と言えば、音声のコメントや説明をそのままテロップにする方法。

ただしそれだけではありきたりな印象になってしまいます。視聴者の興味を引き、注目させるにはあえて音声とテロップの表記を別にするといのも手。

ちぐはぐにならないようテクニックが必要となる上級者向けの方法ですが、うまく使いこなせれば映像の面白さがアップします。

6. 文字の大きさに差をつける

1つのテロップの文字はすべて同じ大きさで統一しなければならないということはありません。

一文のテロップでも、強調したい部分だけ文字を大きくすれば抑揚ができ、大事な部分だけ目立たせることができますし、インパクトも演出できます。

7. 文字の色に差をつける

インタビューのコメントなど、少し長さがあるテロップには、強調したい部分や大事な部分にだけ色をつけるという方法も効果的です。

たとえば1つの文章のうち、大事な部分だけ黄色の文字にして、あとの文字は白にするなど。すると視聴者は色付きの文字だけに目が行くようになります。

長いコメントでも、大事な色付きの文字だけ追えば内容の要点がわかるというようにすると、視聴者にわかりやすく親切です。

ただし気を付けたいのが、強調したい部分が他の文字数より多くならないようにすること。

通常の文字色より強調したい文字色のほうが多くなってしまうと、何が大事なのかわからなくなりますし、見にくくなって逆効果です。

8. 映像の中に収める

テロップは映像の中に収めるようにするのが基本。映像の邪魔になるかもと考え、外側に表示しても視聴者に見てもらえませんからやめましょう。

また常に同じ場所にテロップを配置する必要もなく、映像に合わせて配置場所を変えていくと、テロップを目立たせたり、映像を目立たせたりと目立たせたいものを効果的に見せることが可能になります。

9. テロップベースを入れる

映像とテロップの文字色は反対色にするのが効果的と述べましたが、映像によってはさまざまな色が使われていて、テロップに何色を使えばいいのかわからない場面もあるでしょう。

そうしたごちゃごちゃした映像が背景になってしまう場合には、テロップベースを入れるのがおすすめです。

テロップベースを入れてしまえば、背景となる映像の色を気にせず、見やすいテロップを入れることができます。

10. 文章は短くする

テロップは映像が変われば消えてしまうものなので、長い文章では視聴者が読み切れませんし、読む気力を奪ってしまうことにもつながりかねません。

そのため視聴者が読みやすく疲れないよう、テロップの文章はできるだけ簡単に、1文字でも短くすることを心がけましょう。

11. 動きをつける

人は動くものに注目する習性がありますから、テロップを目立たせたい、注目させたいという場合には、動きをつけるのも効果的です。

たとえば映像から急に飛び出してくるような動きや、左からスライドしてきたような動き、ふわっと浮かび上がってきたようなフェイドという動きなど、映像の雰囲気や演出したい雰囲気に合わせて動きをつけてみましょう。

テロップの活用事例4つ

テロップの活用事例

実際にテロップがどのように使われているのか、シングメディアの制作事例の中からいくつかご紹介します。

顧客体験を今よりもっと特別に。KARTE for App

株式会社プレイド(PLAID, Inc.)の顧客体験を可視化するアプリ『KARTE for App』のサービス紹介動画(アニメーション)です。

サービスが複雑なため、音声だけの説明では聞き逃してしまったり理解が追い付かなかったりする可能性があるため、アニメーション映像と音声に合わせてテロップを表示しています。

映像と音声に合わせてテロップを表示することで、視聴者の理解がより深まりやすくなるようにしているのが特徴です。

また映像・音声とテロップの表示タイミングをぴったり合わせることで、見やすいように配慮しています。

「KARTE for App」サービス紹介動画(アニメーション)を制作しました。【プロデューサー/佐藤一樹】

FABRIC TOKYO | Start Here

オーダースーツ・シャツのD2Cブランド『FABRIC TOKYO』などを展開する株式会社FABRIC TOKYOの記者会見用に制作した映像です。

映画のような画面構成と英語のナレーションに合わせ、テロップも映画の字幕のように表示しています。

テロップが表示される部分の背景を黒にし、テロップの文字を白にすることで、映像のスタイリッシュさを活かしながら、見やすさも意識しているのが特徴です。

FABRIC TOKYOブランディングムービー「Start Here」を制作しました。【プロデューサー/安枝新介】

強靭な起業家コミュニティ『千葉道場』第9回合宿オープニングムービー

個人投資家・起業家の千葉功太郎さんが主催する起業家コミュニティ『千葉道場』のオープニングムービーです。

千葉道場に所属する6名のCEOへのインタビューで構成された映像の中、各CEOのコメントで強調したい言葉や大事な言葉、目立たせたい言葉のみをピックアップしてテロップにしています。

テロップを表示するタイミングにもこだわっており、インタビュー映像・音声とあえてずらしてテロップだけを大きな文字で表示。

それにより、テロップを目立たせるだけでなく、映像にメリハリとテンポをつけているのも特徴です。

またテロップのフォントも映像の雰囲気に合わせたものを使用することにより、インパクトを演出しながら映像の雰囲気をさらに強化。

一番強調したい言葉にはテロップを出すときに音もつけ、視聴者の興味を引くような工夫もしています。

強靭な起業家コミュニティ『千葉道場』第9回合宿オープニングムービーを制作しました。

文賢コンセプトムービー『その世界を紡ぐ』

株式会社ウェブライダーが運営する文章作成アドバイスツール『文賢(ブンケン)』のコンセプトムービーです。

落ち着いた映像の雰囲気を壊さないよう、テロップは使いすぎず、目立ちすぎないように配慮。インタビューのコメントテロップは映像の下へ、映画の字幕のように表示しています。

またテロップは黒の背景に白文字で表示することにより、真面目さ、きちんと感を演出しているのも特徴です。

文章作成アドバイスツール「文賢(ブンケン)」のコンセプトムービー『その世界を紡ぐ』を制作しました。【プロデューサー/田中博之、奥富勉(BEN)】

まとめ

「テロップについて知りたい」という方のために、テレビや動画でのテロップの役割や効果、作り方をご紹介してきましたが、いかがでしたか?

テロップには映像のデメリットを補ったり、映像や音声だけでは伝えきれない情報を伝えて視聴者理解を深めたりするなどの効果があります。

映像制作をしている方は、テロップの効果を最大限発揮できるように意識したテロップ作りを行い、より視聴者に興味を持って見てもらえる映像にしていきましょう。


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WRITTEN BY
シングメディア編集部

映像・動作制作を手掛けるTHINGMEDIA株式会社のメンバーで構成しています。制作現場で得た映像・動画の知見をお伝えしていきます。