こんにちは、シングメディア編集部です。
「会社のPR手段としてブランデッドムービーというものがあると知ったが、それはどのようなもので、どう作成すればいいのだろうか?」
「ブランデッドムービーは企業紹介動画や動画広告とどう違うのだろうか?」
・・・なんて疑問やお悩みはありませんか?
ブランデッドムービーは企業紹介動画や動画広告とは異なるアプローチで効果的にブランディングができる動画で、企業にとってさまざまなメリットがあります。
そこで今回はブランデッドムービーに興味がある企業・団体の担当者に向けて、「ブランデッドムービーの特徴や事例、メリット、制作のポイント」をご紹介します。
「ブランデッドムービー」とは? 企業紹介動画や動画広告との違い
ブランデッドムービーとは、企業がブランディングのために制作する、ストーリーテリングされたショートムービーのことを指します。企業の伝えたいこと中心ではなく、視聴者の興味・関心を中心にして制作されているのが特徴です。
映画のように視聴者の心をゆさぶるよう作られており、企業の理念や価値観への理解・共感をしてもらうことが目的となっています。その点がストレートに商品の購入促進を目的とした動画広告とは異なります。
さらに大きな違いとしては、ブランデッドムービーは視聴者が自ら「見たい」と思って能動的に見るものですが、一方、動画広告は視聴者が本来見たい動画の前後に挟まる形になり、受動的に視聴することになるという点が挙げられます。
動画広告はどうしても視聴者にストレスを与えてしまうのですが、ブランデッドムービーはストレスを与えず、楽しんで見てもらえる動画なのです。
消費者が「理念」を気にする時代になっている
ブランデッドムービーが注目される理由として、視聴者が企業から一方的に情報を押し付けられる広告にうんざりしていることが挙げられます。
ブランデッドムービーにはそうした押しつけがましさもなく、視聴者が進んで見たくなるような魅力的な作りになっているため、理解や共感を呼びやすいのです。
そして商品の機能性やブランドよりも「理念」を重視する消費者が増えている傾向にあることなども、ブランデッドムービーが注目される理由として考えられます。
視聴者は商品やサービスに込められた企業の思いや愛情といったものに共感し、ファンになっていく時代なのです。
ブランデッドムービーの事例
実際にどのようなブランデッドムービーが制作されているのか、事例を3つご紹介します。
まずは北欧雑貨やインテリア、ファッションアイテムを販売する「北欧、暮らしの道具店」のブランデッドムービーから。
こちらの動画は毎回特定の人物に焦点を当て、それぞれのいまの生き方に迫る「うんともすんとも日和」というドキュメンタリー形式の動画コンテンツとなっています。
今回は四谷のカフェ店主の女性が登場。これまでの仕事や苦労のこと、お店を開いたきっかけ、50代になって考えるこれからの人生の過ごし方などを紹介しています。
毎回、ブランドのユーザー層が憧れる人やブランドの世界観と合う人を登場させ、その光と影を見せることで視聴者の共感を呼び、よりブランドのファンになってもらえるようなコンテンツとなっているのが特徴です。
続いてご紹介するのは、「東京ガス」の『家族の絆 おてつだい券篇』というブランデッドムービー。
定年を迎える父親とその家族の絆が描かれており、思わずほろりとしてしまうストーリーは秀逸です。どこにでもいるような普通の家族の日常が描かれているのですが、だからこそ感情移入しやすく、共感を呼びます。
ガス会社のブランデッドムービーなのでガスコンロが登場しますが、定年を迎えた父親がこれまであまり口をきかなかった娘と一緒に母親へ晩御飯を作るというシーンでさりげなく登場するため宣伝っぽさがなく、ストーリーを邪魔していないのもポイントです。
3つめは「トヨタ自動車」の『父と娘 Loving Eyes』というブランデッドムービーです。
車の中からの父親目線で娘が成長していく様子をドキュメンタリータッチで描いており、視聴者の共感を呼ぶストーリーとなっています。
娘が生まれたときも、反抗期になったときも、結婚したときも、孫が生まれたときも、常に父親が車の中から娘を見守っている様子に胸が熱くなります。またよく見ると、さりげなく娘の成長とともに車が買い替えられているのも自動車メーカーならではの芸の細かさです。
ブランデッドムービーのメリット
通常の動画広告や企業紹介動画とは一味違うブランデッドムービー。ではブランデッドムービーを制作するメリットにはどのようなものがあるのか、ご紹介します。
好感を持ってもらいやすい
一方的な動画広告と違い、視聴者が興味深くストーリーに見入ることができるブランデッドムービーは、ストレスフリーであり、企業に好感を持ちやすいのが大きなメリットです。
ストーリー性のある動画になっているため、見た人に感動・共感を与えやすく、企業イメージが良くなって商品やサービスにも良いイメージがつくのはもちろん、採用にもプラスに働きます。
SNSで拡散される
自分が見て気に入った動画をSNSでシェアするというのが当たり前になりつつある昨今、共感できて感動的なブランデッドムービーはシェアされやすい傾向にあります。
SNSで拡散されると、コストをかけずに宣伝効果が生まれるため、認知度が大きくアップするのもメリットです。
長く好感を持ってもらうことに繋がる
単に面白いだけの動画をつくったところで、それが拡散されて話題になったとしても一過性のブームになって終わるだけです。
しかしブランデッドムービーならストーリーも印象に残りやすく、同時に企業の理念や価値観も理解してもらえるため、企業への好感・共感を長くもってもらいやすくなるというメリットもあります。
ブランデッドムービーを制作するポイント
企業にとって大きなメリットがあるブランデッドムービーですが、その効果をしっかり出すためには、いくつかのポイントを抑えることが大切です。
ではどんな点を意識して制作すればいいのか、ブランデッドムービー制作のポイントをご紹介します。
目的を明確にして関係者で共有する
ブランデッドムービー制作でやりがちな失敗に、「ただの会社の紹介動画になる」「映像が美しくストーリーも良いがどこの会社のPRか伝わらない」ことが挙げられます。
それを防ぎ、企業をしっかりブランディングするために必要なのが、動画の目的を明確に設定することです。
どのようなブランド価値を知って欲しいのか、どのようなイメージを持ってほしいのか、どんなメッセージを伝えたいのかなどを明確化しておきましょう。
目的を明確化したら関係者間で共有しておくと、どこかの工程で認識違いが起きることも防げて、スムーズに良い動画を制作できるはずです。
ターゲットを決めペルソナをつくる
ストーリー性が要になるブランデッドムービーでは、特に誰に見て欲しい映像なのかを明確にすることも重要です。万人受けを狙うとストーリーやメッセージがぼんやりしてしまい、人の心を動かしたり印象に強く残ったりしなくなってしまいます。
どんな人に見てもらいたいのかを明確にするためにも、ターゲットの属性や購買行動などを設定したペルソナを作るようにしましょう。
長期的な視点で取り組む
前提として、ブランデッドムービーは短期的な利益を狙って制作するものではありません。
企業の想いや世界観を伝えることでファンを増やし、企業のブランド価値を育んでいくという目的意識を持って、長期的な視点で取り組むことが大切です。
ストーリーを重視する
ブランデッドムービーには、ペルソナに強く訴えかけるようなストーリーが必要になります。
人間関係や登場人物の感情・心情を丁寧に描くことで深みのあるストーリーになり、視聴者の感情移入を誘い、ファンになってもらうことができるのです。
自社内でそのような物語を作るのが難しいという場合は、シナリオライターに依頼するのも一つの方法。シナリオライターに依頼することで、質の高いストーリー制作をおこなうことができます。
ブランデッドムービーの効果測定方法
一般に、視聴者の共感や信頼などを重視したブランデッドムービーは商品・サービスの紹介系動画と比べて、効果の測定が難しいといわれています。
単純にほかの動画のように、クリック率やコンバージョン数などの指標では判断しにくいというのが事実。
では何がブランデッドムービーの効果測定指標となるのかというと、ブランド名や製品名による指名検索数の動向、SNSなどで発信される自社ブランドの情報量などです。
ブランデッドムービー公開後にブランド名や製品名による指名検索数が増加したり、SNSなどで自社ブランドの情報発信が増加したりすれば、それだけ興味を持つ人が増えたということになります。
ほかにも、購買単価や購入頻度なども指標となるので参考にしましょう。
ブランデッドムービーを公開する前後で企業の印象についてユーザーにアンケートをおこなうというのもおすすめです。
ブランデッドムービーを制作して長く愛される企業になろう
人の心を動かすストーリー性のあるブランデッドムービーで好感を持ってもらってファンを増やし、長い目で見て購買や採用に良い影響が出てくることを目指していきましょう。
ただしブランデッドムービーはストーリー構成の作り方や動画の撮影・編集など難しいことも多く、素人が制作しようとするとなかなかうまくいかないかもしれません。自社での制作が難しい場合は、プロの動画制作会社に依頼することも視野に入れましょう。
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