こんにちは、THINGMEDIAコーポレート部です。
請求書の発行は一度おこなえば終わりではなく、場合によっては取引相手から再発行を依頼されるケースもあります。
たとえこちらに不備がなかった場合であっても請求書の再発行は迅速な対応が求められるため、あらかじめ正しい知識を身に付けておくことが大切です。
そこで今回は、「請求書の基礎知識、請求書の再発行が必要になる事例と対処策、再発行をする際に気をつけたいポイント」などを詳しく解説します。
請求書はそもそもなんのためにある?
そもそも請求書はなぜ必要なのか、基礎的な部分をまず理解しておきましょう。
請求書とは、相手に提供した商品やサービスの代金支払いを定められた期日までに要求するための書類です。
請求書をあらかじめ発行して取引することによって、請求書が商品やサービスを提供した証拠となるので信頼のある取引が可能になります。
また請求を忘れたり支払金額の誤りを防いだりするのにも役立ち、収取の証明も可能です。
請求書に記載すべき項目は、「請求者の情報(会社、住所など)」「請求先の宛名」「取引年月日」「取引内容や金額の詳細」「振込先」「振込期限」などがあります。決められたフォーマットはありませんが、これらは最低限記載する必要がある項目です。
ちなみに請求書と領収書を同じようなものとして考えている人がたまにいますが、両者には違いがあり、別物と理解しましょう。
請求書は代金の回収が主な目的ですが、領収書は請求書に記載した代金を回収した旨を証明するための書類です。要するに請求書は相手に支払い求める際に発行するもの、領収書は代金を受け取った際に発行するものとなります。
請求書の再発行は基本的に可能ですが、トラブルを起こすリスクもあるため適切な対応が求められます。
請求書の再発行が必要になる4つの事例と対処策
請求書の再発行は頻繁にあるものではありません。再発行が必要になるよくあるパターンとしては、「取引相手が請求書を紛失する」「請求書の不備に気が付く」「請求書の不備を指摘される」「請求書の支払い期限を過ぎても未払い」の4つが想定されます。
そこでこの段落では、それぞれの事例の内容と対処策について詳しく解説していきます。
1. 取引相手が請求書を紛失する
取引相手が請求書を紛失する、または破損するなどによって再発行が必要になるのはありがちなケースです。
請求書は取引の証拠として帳簿と同様に保管する必要があるため、紛失や破損など取引相手の不手際であっても再発行の依頼には基本的に応える義務があります。
請求書の紛失が発覚したら、まずは請求書の記載内容をチェックし、取引相手から連絡のあった情報と一致するか照合しましょう。
照合してみた結果、問題がなければ再発行をおこないます。前回発行した請求書を複製し、それに捺印するのは禁止です。
また再発行の際には再発行であることを明記することが必須なので、忘れないようにしましょう。目立つ場所や備考欄に「再発行」と明記してください。
再発行した請求書を送付する際には、挨拶状を添えることも忘れずに。挨拶状には請求書の紛失のため請求書を再発行した経緯や、もともとの請求書が見つかった場合は再発行のものと差し替えて破棄する依頼を記載します。
2. 請求書の不備に気が付く
請求書の不備に自社内のチェックで気が付き、再発行するというケースもよくある事例のひとつです。
請求書を不備に気付いたとき、真っ先にやらなくてはならないことは取引先への連絡。連絡が遅くなると大きなトラブルに発展する可能性もあるため、気付いた時点ですぐに対応することが重要です。
連絡の際には不備があったことを真摯に謝罪し、すぐに再発行する旨を伝えましょう。
取引先への連絡が済んだら、請求書を再発行します。このケースでは取引相手が請求書を紛失した場合とは異なり、取引先の手元に請求書が2枚存在することになるため、取り間違えがないようメールや送付状で注意喚起をしなくてはなりません。
請求書の不備が頻発するようであれば、送付前の2重チェックの徹底や送付後に定期的な内容の照らし合わせなどをおこなうことを徹底しましょう。帳票管理システムなどを導入するのも効果的です。
再発行をした請求書にさらに不備が出てしまうと取引先により一層手間をかけさせてしまったり、信用を落としてしまったりすることにもつながりかねないので、慌てず処理することが重要になります。
再発行した請求書には、「再発行」とわかるように明記しましょう。
3. 請求書の不備を指摘される
請求書の不備を取引相手から指摘されるケースが発生した場合、他のケースよりも一層真摯な対応が求められることになります。
このケースが発生した際には、まず発行した請求書に本当に不備があるかどうかの確認をおこないましょう。取引相手からの指摘となると、ついこちらが悪いと思い込んでしまいがちですが、まずは冷静に指摘内容を把握することが大切です。
請求書そのものにはミスがなく、事前に伝えた見積もり情報との差分によって行き違いが発生している可能性もあるので、控えだけでなく必要に応じて他の情報も照合するようにしましょう。
確認に時間を要するようであれば、期日を決めて一旦途中経過を伝えることも必要な対応です。
取引相手の誤認だった場合は、メールや郵送で確認結果を丁寧に伝える対応で問題ありません。
確認した結果もし、こちらの不備と確定した場合は再発行した請求書の案内状で謝罪をするのは当然として、再発防止に努める姿勢も見せることが大切です。
また請求書の再発行をおこなったら、不備があった1枚目の請求書を破棄してもらうよう依頼することも忘れずに。再発行した請求書に再発行とわかるよう明記することも必須です。
4. 請求書の支払い期限を過ぎても未払い
取引相手に請求書を発行したものの、一時的に資金がショートしてしまうなどやむを得ない事情で相手が支払いできないというケースも存在します。そのような状況のときも、請求書の再発行が必要です。
対応としては、取引相手に入金をしてもらうために、状況に応じた支払い方法に変更し請求書を再発行するということになります。
請求書を再発行した時点で本来の支払期日を過ぎていたとしても、支払い期日の変更はおこなわないのが一般的ですが、契約書に延滞利息に関する内容が記載されている場合は、支払い期日の変更ができます。
支払い期限を変更する際には、確実に請求額を回収できる日程かどうかを意識するようにしましょう。延長は2週間から1か月程度が目安です。
そしてそもそも支払い期日まで支払いがない場合は、民法第415条の「債務不履行」に該当します。
債務不履行とは、「支払いができるのに支払わない履行遅滞」と「支払いができない履行不能」「状況によっては完済ができる不完全履行」の3種類の内容があり、相手がどの状況なのかを把握しておくことも必要です。
展開によっては法的措置を取る可能性も否定できないので、そちらを事前に視野に入れた対応をしておくことも求められます。
請求書の再発行をする際に気をつけたいポイント
請求書の再発行をする際には二重請求を防いだり、可能な限り早急に対応したりと気をつけたいポイントがいくつかあります。
そこでこの段落では、特に注意したい3つのポイント「二重請求を防ぐ」「可能な限り早急に対応する」「ルールに従った対応を心がける」についてそれぞれ詳しく解説していきます。
1. 二重請求を防ぐ
請求書の再発行をする際に気を付けたいポイントの一つが、二重請求を防ぐということ。
請求書はもともとの請求書と再発行した請求書が同一であることを示さなければ、二重で入金されてしまうリスクがあります。
たとえば請求書の紛失による再発行の場合、以前の請求書をそのまま再発行するだけで事足りると思うかもしれませんが、紛失した請求書が後から見つかると結果的に二重請求になってしまうこともあるのです。
二重請求を防ぐ基本的な方法としては、「再発行」の印を押すこと。もともとの請求書が取引相手の手元にあれば、再発行印の有無によって、どちらを保管すべきかすぐに判断することができます。
またもともと発行した請求書と紐づけて管理ができるよう、管理番号を一致させておくのも二重請求の防止策として効果的。連番にしておくと再発行のものであることがわかりやすいです。
担当者以外でも対応しやすいよう、ルールを決めておくといいでしょう。
その他にも、クラウドツールで管理したり、請求したことを確認できるようにマニュアルを用意したりといった方法もあります。
2. 可能な限り早急に対応する
請求書の再発行を取引相手から求められたときは、締め日や期限が迫っている状況が多いものです。そのためできるだけ迅速に対応しなくては双方の不利益になりかねません。
自社が間違った請求書によって代金がすでに支払われているようであれば、後処理が発生するケースもあります。
特にこちら側の不手際による再発行のときは取引先との信頼関係を左右するので、早急な対応が必要です。
郵便だと1週間近くかかる場合があるので、取引先の事情によっては直接届けに行くことも考慮しなくてはなりません。もしくはメールにPDFを添付して送付する手もあります。
請求書の発行に時間がかかるようであればメールか電話で連絡をし、どの程度時間がかかるかを伝えるようにしましょう。
3. ルールに従った対応を心がける
請求書の再発行をする際に気を付けたいポイントとして、ルールに従った対応を心がけるということも挙げられます。
請求書に不備があったときは再発行するのが基本ルールです。誤字脱字程度であれば二重線で修正する方法もありますが、請求書ではマナーとしてふさわしくありません。修正ペンや修正テープによる訂正もマナーとしてNGなので避けましょう。
また請求書は信書に該当するため、メール便や宅配便での送付は認められないという点にも注意が必要です。送付する場合は普通郵便を使うようにしましょう。
再発行した請求書を送付するときには、請求書とともに挨拶文や再発行をおこなう旨を記載した案内状を同封するのがマナーとなっている点にも注意。再発行で請求書だけを送りつけるのはマナーとしてNGです。
請求書の再発行を防ぐための方法
請求書の再発行は双方に手間と時間がかかってしまうため、あらかじめ再発行を防ぐための対策を立てておくことが大切です。
取引先が請求書を紛失するケースでよくある原因として、請求書の郵便物が届いてもすぐに開封されないためそのままどこかにまぎれてしまう、というものが挙げられます。
これを防ぐためには、封筒に「請求書在中」と書いておくことが有効です。「請求書在中」と書いておけば受けとった人が大事な書類だと認識しやすくなるので、紛失もしにくくなります。
取引が初めての企業であれば、請求書を送信した後、念のためメールや電話でその旨を伝えておくのが安心です。
取引先が大企業の場合は担当者へ確実に届くよう、部署名や担当者名も間違いがないようしっかり記載しましょう。
請求書の誤請求は記載ミスによって発生します。紙に手書きで請求書を作成するとヒューマンエラーが起きやすいだけでなく時間もかかるため、Web請求書がおすすめです。
Web請求書とは、請求書をExcelやWordで作成しデータをPDFで保存して取引先にメールで送付するもの。
Web請求書であれば紙の請求書のように紛失や破損の心配がなく、ペーパーレス化によるコスト削減にも期待できます。仮に請求書の不備があって再発行が必要な場合でも、スムーズにおこなえるのもメリットです。
またある程度自動で請求書の入力ができるシステムを導入すれば、人為的なミスが減るだけでなく、事務業務の効率化も実現できます。
請求書の再発行は状況に合わせた対応を心がけ効率性も意識しよう
請求書の再発行は、前回とただ同じものを出せばよいわけではなく、二重請求に気をつけたり、こちらの不備であれば真摯に謝罪したりと状況に合わせた対応が必要になります。
手書きで紙の請求書を作成しているとミスが多くなり、請求書の再発行が増えてしまう恐れもあるので、Web請求書に切り替えるなど効率的な方法も意識するのがおすすめです。
請求書の再発行にはリスクもあるということを理解し、適切な対応をおこなうとともに、再発行を防ぐための対策も整えておきましょう。
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