会計・バックオフィス

e-文書法とは? 電子文書を安全に保管するために知っておくべきこと

こんにちは、バックオフィス業務サポートサービス「AIBOW」編集部です。

e-文書法とは、文書の電子化や電子文書のやり取りについて規定している法律の一つですが、その対象となる文書や管理ルールを正しく理解できているでしょうか? 中には、電子帳簿保存法との違いがよくわからないという方もいるかもしれません。

そこで今回は「e-文書法の概要や技術的基本要件、対象となる文書」などを詳しく解説します。

e-文書法の概要

e-文書法の概要

各種法令において、書面での保管が義務付けられている文書があります。e-文書法は、そのような文書を紙媒体だけでなく、電磁的記録(文書ファイル)でも保存することを認める法律で、「電子文書法」とも呼ばれます。

e-文書法は1つの法律ではなく、2005年4月に施行された「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の2つからなっているのも特徴です。

1つめの法律は通称「通則法」、2つめの法律は通称「整備法」と呼ばれており、この2つの法律を合わせてe-文書法としています。

e-文書法に関する4つの技術的基本要件

e-文書法に関する4つの技術的基本要件

この段落では、e-文書法における電子文書の保存要件について解説します。各府省令によって要件は異なりますが、ここでは経済産業省による4つの技術的基本要件を例として挙げ、解説していきます。

見読性

e-文書法における電子文書の保存要件の1つとして、見読性が挙げられます。

電子データは、保存されている状態では記録内容を視覚的に確認することができません。よって、保存されている電子データを必要なときにすぐにディスプレーに表示したり、書面として出力したりできるようにしておくことが求められます。

なお、見読性は可視性と表現されることもあり、すべての府省令で求められている要件です。

ディスプレーに表示、プリンターで出力した際に、判読できるものでなければならないという点にも注意が必要。明瞭に表示、出力されるように、適当な解像度で読み込みをおこなうことも求められます。

完全性

完全性も、e-文書法における電子文書の保存要件の1つです。

電磁的記録には、滅失、毀損、改変、消去、改ざんなどのリスクがあります。それらのリスクを未然に防ぎ、改ざんなどの有無を検証できる状態での保存が求められます。

具体的な保存方法としては、データへのアクセスや修正、改ざんなどに対してログが残るようにしたり、一度書き込むと書き換えや消去が不可能な記録媒体であるラストワンス媒体に保存したりする方法があります。

データの作成者や作成日が確認できる電子署名(誰がいつ作成したかを明確にする署名)や、タイムスタンプ(時刻認証)を用いるのも有効です。

機密性

e-文書法における電子文書の保存要件の1つとして、機密性も挙げられます。

保存した電磁的記録には盗難や漏洩、盗み見などのリスクがあるため、権限を持たない第三者からの不正アクセスを防ぐことが求められるのです。

不正アクセスを防ぐには、アクセス可能な人間の限定をおこなったり、パスワード管理の徹底をおこなったりするなどの対策をする必要があります。文書を暗号化するというのもいいでしょう。

電磁的記録については、あらかじめ運用規定を設定しておくなどの工夫が必要となります。

検索性

e-文書法における電子文書の保存要件の1つとして、検索性も挙げられます。

帳簿などは保管するデータの量が大量になるもの。そんな大量のデータの中から任意のデータをすぐに見つけられなくてはいけません。必要なときに、保存済みのデータを引き出して活用できる状態で保存することが求められるのです。

検索性を高めるためにはファイル名だけでなく、日付や記載されている内容などによる検索で引き出せるように保管しておく必要があります。

一定の決まりに従ってデータを保存し、複数項目で検索できるように保管するのが望ましいです。

電子帳簿保存法と異なる点は?

電子帳簿保存法と異なる点

e-文書法と電子帳簿保存法は関連性の高い法律ですが、どのような点に違いがあるのでしょうか?

両者の大きな違いは、適用する文書の範囲です。e-文書法は民間企業において、保存義務のある法定文書が対象となります。複数の省庁が管轄する約250の法律に関する文書となっており、カバー範囲が広いのが特徴。電子化の申請や認可は不要です。

一方、電子帳簿保存法は国税関係の文書が対象となります。具体的には、財務省と国税庁が管轄する法律に関する文書が対象です。国税関係の文書以外は電子帳簿保存法の適用範囲ではありません。

e-文書法の対象となる文書は?

e-文書法の対象となる文書

適用する文書の範囲が広いe-文書法ですが、具体的に対象となる文書はどのような文書なのか、適用されない文書はどのようなものなのか、詳しく解説していきます。

e-文書法の対象文書

e-文書法の対象となる文書は、「民間事業者」が法令によって紙で保存を求められている文書です。商法や会社法、所得税法、銀行法、労働基準法、学校教育法など約250の法律に関する文書が対象となります。

具体的には、下記のような文書が対象です。

・国税関係帳簿:仕訳帳、現金出納帳など
・取引関係書類:契約書、請求書など
・決算関係書類:賃借対照表、損益計算書など
・会社関係書類:定款、株主総会議事録、取締役会議事録など

ただし上記の書類であっても、書類を管轄する対象の法律・省庁によってはe-文書法の対象外となることもあるため注意が必要です。書類を電子保存する際には、対象なのかどうかを確認するようにしましょう。

e-文書法の対象外文書

続いてe-文書法の対象外となる文書について見ていきましょう。

対象外となるのは、緊急時にすぐに解読できる状態で保管する必要があるものです。たとえば船舶に備える安全手引書などがこれに該当します。

また公正証書の作成が義務付けられている文書や、きわめて現物性が高い文書も対象外です。きわめて現物性が高い文書とは、第三者に提示して法的地位を証明する免許証、許可証などが該当します。

さらに条約によって保存が義務付けられていて、現に書面での保存が実施されている文書も対象外です。

e-文書法が施行されたときに既に電子保存が認められていた法律の文書や、e-文書法施行後に制定された法律の文書も対象外となります。

紙での保存が必須とされている文書

紙での保存が必須なのは、電子化できない文書。電子化できない理由は次の2点です。

1つめの理由は、書面での作成、保存が法令によって義務付けられているから。公正証書化する義務がある文書である「事業用定期借地契約」「企業担保権の設定又は変更を目的とする契約」「任意後見契約書」の3つがこれに該当します。

2つめの理由は、電子化が適切ではないから。消費者保護のため、特定商取引についての文書は書面交付が義務付けられています。

デジタルデータの保存には複製や改ざんを防ぐ工夫も必要

デジタルデータの保存には複製や改ざんを防ぐ工夫も必要

e-文書法によって、民間事業者が取り扱う文書のほとんどが電子保存可能になります。デジタルデータはペーパーレス化や業務の効率化につながるものの、複製や改ざんが紙の文書よりも容易だという点に注意が必要です。

デジタルデータを保存する際には、複製や改ざんなどを防ぐために、タイムスタンプや電子署名を併用することが大事。大事なデータを守るためにも、リスクへの対応・管理をしっかりおこないましょう。


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WRITTEN BY
AIBOW編集部

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