こんにちは、シングメディア編集部です。
企業の広告・宣伝活動における動画プロモーションでは、魅力的なグラフィック技術や映像表現が使われています。
代表的なものが、モーショングラフィックスやインフォグラフィック。それぞれの特徴やメリットを理解して動画に使えば、より優れた映像表現が可能になります。
そこで今回は、「映像技術のモーショングラフィックスとインフォグラフィックについて、特徴やメリット、作成方法」をご紹介します。
モーショングラフィックスとは
モーショングラフィックスは、文字やロゴ、イラスト、写真など動かない素材に動きを加えたアニメーション技法による映像のことです。多くの場合、楽曲や歌、音声なども加えられます。
原型を含めれば100年以上の歴史がありますが、モーショングラフィックスという呼称は1960年から使われるようになりました。
モーショングラフィックスの作成には時間もコストもかかっていたため使用は限られていましたが、コンピュータの低価格化・高性能化によってデジタル処理のハードルが下がり、一気に普及したという経緯があります。
今ではテレビや映画のオープニングタイトル、CMのほか、電車内の案内映像や街頭看板などでも見られるようになりました。
キャッチーで訴求効果が高いことから、モーショングラフィックスを動画マーケティングに活用する例も増えています。
モーショングラフィックスの例
STARBUCKS
『STARBUCKS』の動画では、売り上げや商品数などの数字やデータがモーショングラフィックスで表現されており、わかりやすく、親しみやすい内容となっています。
またテキストは英語ですが、モーショングラフィックスの動きやイラストによって、英語がわからなくても理解しやすくなっているのも特徴です。
Apple
『Apple』の開発者向けイベントで公開された動画は、モノクロームかつ最小限の洗練されたデザインで表現されているのが印象的。
余計なものを省いた非常にシンプルな映像によるモーショングラフィックスで、アニメーションの緩急や重力などを表現しながら伝えるべきコンセプトをしっかりと伝えています。
モーショングラフィックスのメリット
静止画や文字だけの映像と比べて優れている点がいくつもあるため、モーショングラフィックスは多くの映像コンテンツや動画コンテンツで使われており、目にする機会も多くあります。
では具体的にモーショングラフィックスを活用するメリットにはどのようなものがあるのか、詳しく解説していきましょう。
視覚効果で理解しやすい
モーショングラフィックスを用いることにより、視覚効果で理解しやすいというメリットがあります。
広告で商品やサービスの情報を伝えたいとき、画像やイラスト、文字を入れればわかりやすくなります。しかし静止画像ではポスターやカタログとそれほど差別化できません。
そこでモーショングラフィックスを使えば、動きのあるグラフィックで視覚効果に訴えられるため、よりわかりやすい情報伝達が可能になるのです。
モーショングラフィックスなら一目瞭然となり、文章で長々と伝えるよりも理解しやすくなります。そのため動画広告の重要な役割である、「視聴者への正確な情報伝達」を実現できるというわけです。
商品知識に乏しい人や言葉がわからない外国人でも、モーショングラフィックスなら動画の内容が理解でき、客層を広げる効果にも期待ができます。
印象に残りやすい
モーショングラフィックスを使った動画の多くは、シンプルかつ短時間なものに作られています。それでいて十分な情報量を視聴者に効果的に伝えられるのが大きな特徴。
シンプルでありながら多様な表現で印象付けが可能なため、視聴者に企業や商品名を覚えてもらいやすくなるというのがメリットです。
モーショングラフィックスで文字の情報量を抑えつつ、歌や音楽も織り交ぜて視覚と聴覚に訴えるのが効果的。そうすることで視聴者の記憶に残りやすい動画となります。
表現の幅が広がる
モーショングラフィックスを使えば、表現の幅もグンと広がります。
写真や実写動画は、画面の印象が人物やロケーションに大きく依存するものです。一方でモーショングラフィックスは、自由な表現で制作が可能。
文字やイラストだけではわかりにくい情報も、次に挙げる代表的なモーショングラフィックスでわかりやすく、かつインパクトを持って伝えられるようになります。
・液体のような流れる表現ができるリキッドモーション
・タイポグラフィやアイコンを動かしたアニメーションロゴ
・ある物体から別の物体に変化させるモーフィング
・タイポグラフィに伸縮させたり歪めたりねじったりする動きを加えるキネティックタイポグラフィ
それぞれ視聴者に異なる印象を与えることができるため、伝えたい情報の雰囲気・イメージに合わせた表現を使ってみるといいでしょう。
コストを抑えられる
モーショングラフィックスは比較的安価に制作できるのもメリットです。
演者やセットを用意しなければならない実写撮影をはじめ、高性能のパソコンや高価なソフトが必要になる3DCGに比べると、制作コストが抑えられます。
市販の動画編集ソフトで作成も可能。有料か無料かで機能が異なるため、必要に応じて選ぶといいでしょう。
モーショングラフィックスを外注する場合、予算は15~30秒ほどの短い動画なら30万円程度必要です。ボリュームゾーンは1分程度の動画広告ですが、制作コストは50万円からとなります。
ただしモーショングラフィックスのエフェクトをいくつも使用する凝った動画広告だと、制作費が数百万円になることもあるため注意しましょう。
モーショングラフィックスを活用できるシーン
モーショングラフィックスはさまざまなシーンで活用することが可能です。
たとえば学習教材。特に数学や理科といった科目では、図形やグラフなどに動きをつけるモーショングラフィックスを活用することで、直感的な理解を促せます。
意外なところで、入力フォームへの活用もおすすめです。会員登録やアンケートなど、手間がかかって面倒に感じることが多い入力作業も、モーショングラフィックスを活用することで楽しんでもらうことができます。
よく活用されているのが、ブランドロゴです。ブランドロゴに動きをつけることでユーザーの興味を引いたり華やかに見せたりすることが可能。ユニークなイメージを持ってもらえる効果もありますし、印象に残りやすくなります。
モーショングラフィックスは作品紹介にも活用可能です。デザイナーが自身の作品を紹介するために活用すれば、そのセンスやスキルが一目でわかります。
そして近年では、プロジェクションマッピングにも活用されています。3D技術と融合することで、さまざまな場所でダイナミックな映像表現が可能になります。
モーショングラフィックスの作り方
モーショングラフィックスを作るには、まず目的を決め、ストーリーを作ることから始めます。
動画で誰に何を伝えたいのか、視聴後にどのような行動を起こしてほしいのかを明確にして、それに合ったストーリー・構成を考えます。
ストーリーを脚本にして、絵コンテを作成することでよりイメージが具体的になります。
ストーリー・構成が決まったら、具体的なデザインを決め、イラストやエフェクトなど必要な素材を用意しましょう。素材は自身で撮影するほか、素材集などから選び、購入することも可能です。
デザインに沿った素材・テンプレートを用意したら、絵コンテをもとにしながら専用のソフトやアプリを使い、動画編集をおこないます。
映像に合わせて効果音や音楽、ナレーションなどの音声、テロップも組み合わせていきましょう。テロップやグラフィックの動きに応じて効果音を入れることで、高品質な作品になります。
モーショングラフィックスのトレンド
世界的には、「アニメーションロゴ」や「リキッドモーション」「キネティックタイポグラフィ」「グリッチ効果」などといったモーショングラフィックスがトレンドになっています。これらをいち早く取り入れれば、より印象的なモーショングラフィックス動画が制作できます。
それぞれどのようなものなのか、一つひとつ紹介していきましょう。
アニメーションロゴ
自社ブランドのロゴをアニメーションにすることで、ロゴをキャラクターのように動かすことができます。
アニメーションロゴにすることで、ブランドを強く印象付けることができますし、イキイキと魅力的に見せることが可能です。
リキッドモーション
リキッドモーションとは、絵の具や液体が動くような表現のアニメーションです。流れるような表現は画面遷移をシームレスにし、新鮮で印象的な映像に仕上がります。
キネティックタイポグラフィ
キネティックタイポグラフィとは、文字に伸縮や歪み、ねじりといった動きをつけたもの。文字にこの効果をつけることで斬新さを演出でき、印象的な動画となります。
グリッチ効果
グリッチ効果は、古いテレビのようにノイズが入ったような効果です。レトロな印象を与えたり、逆に未来的な印象を与えたりすることができます。
モーショングラフィックス制作のポイント
モーショングラフィックス制作をする際に、どのようなポイントに気を付ければいいかを一つひとつ詳しく見ていきましょう。
動画制作の目的を明確にする
モーショングラフィックス動画の制作をおこなう際には、何のために動画を作るのか、その目的を明確にすることが大切です。
認知度向上、Webサイトへの流入、販売促進など目的を明確にしてから動画の企画内容を考えることで、成果につながりやすくなります。
キャッチーなフレーズを意識する
モーショングラフィックスは映像が凝っているだけではダメ。訴求力を高めるためにはキャッチーなフレーズを意識することも大切です。
フォントだけを意識するのではなく、魅力的なフレーズを生み出せるよう言葉選びのセンスも磨きましょう。
デザインや色使いに配慮する
モーショングラフィックスはデザインや色使いによって視聴者に与える印象が変わるため、動画の内容に合わせて配慮する必要があります。
内容とチグハグにならないよう、伝えたいことをわかりやすく伝えられるよう、効果的なデザインと色を選択するようにしましょう。
ソフトやアプリの機能に精通する
モーショングラフィックス動画を制作するには、専用のソフトやアプリの機能について知識を持っておくこと、扱うためのスキルを得ておくことも大切です。
成果につなげるためには、さまざまなモーションフラフィックスの技術を取り入れられるよう、ソフトやアプリについてしっかり学習することが求められます。
インフォグラフィックとは
インフォグラフィックとは、文字情報や数値情報などのさまざまなデータを、図や表、イラスト、写真、アニメーションなどを使って表現する技法のことです。視覚的に情報を理解しやすくする効果があります。
たとえば、研究データや統計資料などを説明するとき、文章以外にグラフや画像などを添えたほうがわかりやすいですよね。動画ならモーショングラフィックスを取り入れるなどして、さらに表現方法が幅広くなります。
インフォグラフィックは商品やサービスの広告のほか、地図や路線図など公共の掲示・ポスター、教科書や学術資料など非常に多くのものに活用されています。
インフォグラフィックの例
さらに詳しくは以下の記事をご覧ください!
インフォグラフィック動画(ビデオグラフィック)の事例15選! 作り方や効果は?
インフォグラフィックのメリット
インフォグラフィックを取り入れた動画は数多くありますが、これほど普及する理由は、インフォグラフィックの優秀さにあります。
それではインフォグラフィック動画を作成するとどのようなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。
直感に訴える効果がある
インフォグラフィック動画では、イラストやアニメーション、グラフや表を使ってわかりやすく伝えられるのが大きなメリットです。
さらに音楽やナレーションも組み合わせれば、視覚だけでなく聴覚にも訴えられて効果的。直感的に理解しやすいため、多くの情報を短時間で伝えられます。
文字だけでは複雑で伝わりにくい情報でも、視覚効果でより正確にわかりやすく伝えられることに加え、ユーザーの目を飽きさせないような工夫も施せるため、視聴者も離脱しにくいというのもメリットです。
内容を覚えられやすい
ただの数字の羅列や文字情報よりも、インフォグラフィックによるさまざまな演出があるほうが視聴者も記憶しやすいため、内容を覚えてもらいやすくなります。
インフォグラフィックを使うと覚えてもらいやすくなるのは、図や表、アニメーションや音楽などと紐付けられて情報が脳に残るからです。
統計資料などデータ的な情報が多くなる場合、インフォグラフィック動画が非常に効果的。
企業や商品の認知度アップを図りたいときにも、覚えられやすいインフォグラフィック動画は有効です。
ただし演出のしかたによって、視聴者が持つ企業や商品の印象が左右されやすくなるので注意が必要。企業や商品のイメージを壊さないように活用することが大切です。
このようにインフォグラフィック動画は印象に残りやすいため、マーケティングに活用する企業も増えています。
動画に説得力がある
インフォグラフィック動画によって直感的に理解しやすくなるため、その二次的な効果として視聴者は動画に説得力を感じられるというのもメリットです。
基本として、コンテンツのベースには具体的な数字やデータがあることが必要となります。元々、根拠のある情報には説得力があるものですが、受け取る側の理解が伴っていなければ意味をなしません。
そのままでは頭の中に入ってきにくい数字やデータを、インフォグラフィックで無理なく吸収できれば、視聴者がすんなり納得してくれるでしょう。
SNSとの親和性が高い
SNSが世界的に普及し、情報共有の有力な手段となっている今、有益な情報はSNSによってすぐに共有される時代です。
そんな中で、誰にでもわかりやすいインフォグラフィック動画は、SNSでも拡散されやすいというメリットも持っています。
SNSでは、「キャッチーである」「メッセージ性が強い」など共感を呼びやすい動画というだけで話題になることもあるのです。
SNSユーザーが自身の情報発信をするときに、参考資料や関連情報として企業が作成したインフォグラフィック動画をシェアするケースも多くあります。
SNSにおいては、タイムライン上でそのまま視聴できる動画コンテンツのほうが記事コンテンツより有利で、多くのユーザーの目に留まりやすくなるのです。
幅広い層へリーチする
情報を単純な視覚記号で表したピクトグラムや、情報をイラストや幾何学的なもので表したダイアグラムによって、言葉を介さずとも直感的な情報伝達が可能なことから、世代や言葉の壁を超えた幅広い層へのリーチにも期待ができます。
本来そのコンテンツに興味がない、あるいは予備知識を持たない層でもインフォグラフィック動画は視聴のハードルが下がり、かつ理解しやすいため、新たなターゲット拡大、新規顧客の開拓にも役立ちます。
専門性の高い分野でも専門知識のない一般層にアピールでき、事業や活動の意義を理解してもらえるのも魅力。
インフォグラフィック動画は相手を選ばず情報伝達力が高いため、フォーマルなビジネスシーンからカジュアルなエンターテインメントシーンまで、幅広く活用できます。
魅力的な映像を制作するには
広告・宣伝、情報共有において、魅力的な映像は大きな助けとなります。
モーショングラフィックスやインフォグラフィックを活用することで、情報を効果的に伝える動画を作成できます。
そんな魅力的な映像を作成するために必要なことは何なのか、詳しく解説していきましょう。
スキルと経験が必要
モーショングラフィックスやインフォグラフィックを、見よう見まねでただ闇雲に取り入れればよいというものではありません。当然ながら魅力的な動画作成には、スキルと経験が必要になります。
動画の目的やメインターゲットを明確にして、インフォグラフィックで視覚化すべき情報を整理することがまず大事。情報を詰め込みすぎてしまうとわかりにくくなり逆効果なので、視聴者に伝わりやすいバランスを考えて整理しましょう。
また映像に統一性を持たせるために、テーマに合った動画全体のトーンを決めることも重要です。フォントやカラー、質感などをテーマやターゲットに合わせたもので統一しましょう。
このようなノウハウはもちろん、映像の効果的な見せ方などの技術もすぐには身につかないため、動画作成の経験を多く積まなければなりません。
動画作成ソフトが必要
モーショングラフィックスやインフォグラフィックを活用した魅力的な動画づくりには、専用のソフトが欠かせません。
高機能なソフトは高価でハードスペックも高いものが必要になりますが、無料で初心者向けのソフトもあります。
たとえば日本国内でも多くのユーザーがいる「AviUtl」は、個人が開発したフリーソフトです。プラグインを導入すれば使用可能なエフェクトが増やせます。
ほかのフリーソフトとしては、3DCGを作成してモーショングラフィックスにできる「Blender」もあります。複雑な動きのアニメーションを作ることもでき、初心者にも使いやすいソフトとして人気です。
有料ソフトの定番は、Adobe社が提供する「After Effects」。多くのプロデザイナーが使用している人気ソフトです。複雑なアニメーションも自分でゼロから作れます。
また画像や音楽にも凝るなら、それぞれの専用ソフトが必要になるでしょう。
グラフィック技術を駆使した魅力的な映像表現を
モーショングラフィックス、あるいはインフォグラフィックといった技術は、魅力的な映像表現の代表格と言えます。
あらゆる動画コンテンツで多くのメリットが得られる技術なので、動画作成をする際にはぜひ取り入れたいものです。
しかしスキルや経験だけでなく、専用のソフトも必要になるため、映像制作の知識やノウハウがない人にとってはグラフィック映像を取り入れるのは苦労するでしょう。優れた映像表現を目指すのは簡単ではありません。
そのため場合によっては映像制作のプロに相談するのもおすすめです。クオリティの高い魅力的なグラフィック映像を制作したい場合には、プロの力を借りる方法も検討してみましょう。
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